WOWOWのドラマ【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】6話のネタバレと感想をまとめています。
奇妙な刺青が夕張の家にあったという話を聞き、杉元たちは夕張を目指す。その頃、第七師団はある墓地を見張っていた。そこにやってくる墓荒らしが、刺青の入った皮を持っているらしいと聞きつけ……。
【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】6話のあらすじ
杉元佐一(山崎賢人)はエディー・ダン(モーリー・ロバートソン)から夕張に、奇妙な刺青がある家の話を聞かされる。一行はさっそく夕張へと向かうことにした。
一方、鶴見篤四郎(玉木宏)率いる第七師団は、墓地を見張っていた。そこに来る墓荒らしの、後をつけて家を特定した。そこは剥製作りを生業としている江渡貝弥作(古川雄輝)の家で、鶴見は単身で家を訪ねた。
動物や鳥の剥製が所狭しと並ぶ中、鶴見は江渡貝の技術を見込んで、ある頼みごとをし……。
【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】6話のネタバレ要約
人間の皮で剥製を作る江渡貝と意気投合した鶴見は、江渡貝に刺青の人皮の偽物を作ってもらう。
江渡貝は初めて肯定されたことに喜び、鶴見のために偽物を完成させた。しかし、尾形に追われ、トロッコで炭鉱へ逃げる。
坑道内のガス爆発で江渡貝は力尽きるが、一緒にいた月島が鶴見へと偽物を届けた。
【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】6話詳細なネタバレ
パルチザン
牛山辰馬(勝矢)はけがを負った家永カノ(桜井ユキ)の世話をしていた。重傷ながらも、家永は穏やかな様子で横たわり、時折牛山と短く会話を交わしていた。
その頃、土方歳三(舘ひろし)たちは手元に集まった刺青の暗号について確認していた。現状での暗号の手がかりは、牛山、土方、家永の刺青に加え、油紙に写した白石と辺見の複製の二枚、さらに尾形百之助(眞栄田郷敦)が日泥一家のアジトで奪った一枚を合わせた計六人分となっていた。
尾形はふと疑問を口にした。「のっぺら坊って、アイヌなんだろ?」
「のっぺら坊が殺したアイヌの七人には、共通点がある」土方が言葉を継いだ。「彼らの所持品――小刀や煙草入れをよく見ると、全てに新しい傷がつけられているんだ。アイヌの葬式では、死んだ人があの世でも使えるように、副葬品に傷をつけて役目を終わらせるという習慣がある。彼らを残虐に殺しておきながら、所持品には丁寧に傷をつける。まるで懺悔のような行為だろう?」
さらに話が進むにつれ、殺された七人は各地の村の代表者であり、和人と戦うために武器を買おうと金塊に手をつけたことが明らかになった。
「のっぺら坊の目的がアイヌによる北海道独立なら、なぜ仲間割れしたんだ?」尾形は苛立ちを見せた。
土方は少し考え込み、「恐らくのっぺら坊はアイヌになりすました、極東ロシアのパルチザンだろう」と推測を述べた。
「ロシアといっても、一枚岩じゃないからな」永倉新八(木場勝己)が補足する。「ロシアには帝政ロシアを支配するロシア人がいるが、レーニン率いるユダヤ系の共産党もいるし、さらに極東に住む少数民族を含めたパルチザンもいる。彼らは三つ巴で殺し合っているんだ」
尾形は冷静に推測を重ねた。「つまり、のっぺら坊は極東ロシアでの独立戦争に使うため、アイヌの金塊を樺太経由で持ち出そうとしたが失敗した――それがこの事件の発端というわけか」
土方は頷き、さらに続けた。「監獄の外にいるのっぺら坊の仲間も、アイヌに成りすましたパルチザンの可能性が高い」
墓荒らし
エディー・ダン(モーリー・ロバートソン)は杉元佐一(山崎賢人)に「その刺青を持っていく理由を教えてくれ」と尋ねた。杉元が断ると、ダンはある本を取り出して見せた。夕張にいる男が作った本で、ダンの話では、その本を盗んだ男が「その家には奇妙な刺青の皮があった」と言っていた。そして、その本自体がなんと人間の皮で作られていたのだ。
その頃、鶴見篤四郎(玉木宏)たちはある墓場を見張っていた。やがて現れた怪しげな男を追いかけて、その足取りを追った先には、江渡貝弥作(古川雄輝)の剥製所があった。
鶴見は剥製所に到着すると、「君の落とした手袋を届けにきたよ」と、笑みを浮かべながら話す。「わざと逃がして、ここまでつけてきたのさ」それを聞いた江渡貝は緊張を強めるが、鶴見の柔らかな言葉に少しだけ安心する。
離れて見張っている月島基(工藤阿須加)が補足する。「炭鉱事故で死んだ刺青の囚人が、あの墓地に埋葬されたが、掘り返しても遺体は見つからなかった。どうやら墓泥棒が持ち去ったらしい」
月島の隣に立っていた前山一夫 (松嶋健太)が不敵に言い放つ。「殺して家探ししたほうが早いんじゃないか?」
月島は鶴見の意図を察して、「何か考えがあるのだろう」と前山を制した。
「捕まえに来たのかと思ったけど、違うんだね…」江渡貝は安堵の表情を見せた。江渡貝は少し考え、「もう一つ、手袋を持ってくる」と言い、別室へ向かった。
鶴見も江渡貝の後を追い、部屋に入ってきた。そこには人間の剥製がずらりと並んでいた。江渡貝は、まるで剥製から囁き声が聞こえるかのように、その幻聴に悩まされていた。
鶴見は冷ややかに言った。「剥製相手に話をする生活は、どうも健全ではないな」江渡貝はその言葉に動揺し、幻聴の中に母親の声を感じ取りながら「もうやめてくれ!」と叫び、頭を抱え込んだ。
その様子を見つめていた鶴見は、不気味な口調で「え~と~が~い~く~ん」と言いながら、上着を脱いで、刺青の皮を身にまとって見せた。その異様な光景に、江渡貝は思わず息を呑み、鶴見の着けている刺青の皮に触れた。
「似合うかい?」と鶴見が尋ねると、さらに続けて「これは自分で剥がして作ったんだ」と囁いた。その言葉は、江渡貝の心に冷たい刃のように突き刺さり、彼は驚愕の表情を隠せなかった。
巣立ちの時
鶴見と江渡貝はすっかり意気投合し、皮の剥がし方やなめし方について熱心に語り合っていた。興奮気味の鶴見が「他の作品も見せてくれないか」と頼むと、江渡貝は一瞬のためらいもなく、誇らしげに人の皮で作った服を身にまとって現れた。その姿を見た鶴見は「とても素敵だ」と称賛し、江渡貝はファッションショーさながらに回転しながら作品を披露した。
「他の作品も見てくれ!」と、江渡貝はますます興奮し、次々と自作の皮製品を鶴見に見せ始めた。その場は奇妙な盛り上がりを見せ、二人の笑い声が部屋に響いた。
一方その頃、二階堂浩平(八木拓海)は耳を探して剥製所の中に忍び込んでいた。しかし、物音を立ててしまい、江渡貝に見つかってしまった。鶴見は江渡貝に銃を渡し、「母親を撃て」と冷たく促す。ためらいながらも銃を撃った江渡貝は、しばらく静寂の中で耳を澄ませ、やがて母親の声が聞こえなくなったと呟いた。
鶴見は優しく微笑み、「巣立ちの時だ、さあ踊ろう」と、脱獄囚の船橋壮六の刺青が施された衣装を江渡貝に手渡した。
二人は刺青の服を身にまとい、不気味な調和の中で踊り始めた。鶴見は心の中で思い返していた。江渡貝の落とした手袋を見つけたとき、この奇才の職人に協力してもらおうと決意したのだ。
そして、鶴見は江渡貝に新たな計画を打ち明けた。「君に頼みがあるんだ。でたらめの暗号が彫られた偽の刺青人皮を作ってほしい。我々にしか見分けられない精巧な偽物を、複数枚だ」
その言葉に江渡貝の目が輝き、二人の間に冷たい笑みが交わされた。「君にしかできない。刺青争奪戦に大混乱を巻き起こすのだ」鶴見の囁きに、江渡貝は深く頷き、彼の野心的な計画に心から同意した。
偽の人皮が完成
杉元たちは夕張に到着し、辺りを歩いていると、遠くに月島の姿を見つけた。彼の動きに気づかれないように後をつけ、様子を伺いながら進んでいった。
その頃、江渡貝は依頼された偽物の刺青人皮を6つ作り上げ、満足そうにその出来栄えを確認していた。だが、物音がして部屋を出てみると、前山が尾形の狙撃に倒れていた。江渡貝はすぐに危険を察し、急いで偽物の刺青をカバンに詰め込み、何とかしてこの場を逃げ出そうとした。
尾形は家の中に侵入し、江渡貝の姿を探し始めた。江渡貝は咄嗟に、部屋の隅にあったシロクマの剥製の中に入り込んで身を隠した。尾形が部屋を捜索しているときに、ふと偽物の刺青が作られていた痕跡に気づいた。しかし、その隙を突いて、江渡貝はシロクマの皮を身にまとい、ひそかに剥製所を脱出した。
そのタイミングで月島が現れ、尾形に気づくと即座に撃ち合いが始まった。月島は尾形に鋭い視線を送り、「お前の魂胆はわかっている」と言い放った。「出世して第七師団長だった父親を超えるために、仲間を売るつもりなのだろう?」
月島はふと江渡貝の姿が見当たらないことに気づき、すぐに後を追う決意を固めた。しかし、その時、遠くから杉元たちの声が聞こえてきた。尾形は咄嗟に身を隠し、近づいてきた白石由竹(矢本悠馬)の喉元に刀を突きつけ、「さっき出ていった男を追うように言え」と命じた。
白石は震えながらも、持っていた刺青の破片を杉元に見せ、「あいつを追おう」と誘いをかけた。杉元たちは状況を飲み込み、月島の後を追うことに決め、夕張の街を駆け出していった。
逃げるシロクマ
シロクマの剥製を身にまとった江渡貝は、必死で逃げていた。その異様な姿を追いかける杉元たちは、途中で月島と鉢合わせになり、急いで近くのトロッコに乗り込んで坑道を進んでいった。しかし、山中でガスが漏れていたため、突如として大きな爆発が起きてしまった。
爆風で気を失った白石を背負いながら、杉元は坑道内を慎重に歩き始めた。幸い、月島と江渡貝も命は取り留めていたが、江渡貝は足が岩に押しつぶされて動けなくなっていた。苦痛の中、江渡貝は鶴見のことを思い出し、「僕を初めて肯定してくれた鶴見さんにこれを…」と、偽物の刺青が詰まったカバンを月島に差し出した。そして、最後に鶴見に伝えてほしいことがあると語りかけた。
坑道火災の緊急対策としては、坑道の密閉が行われる。たとえ逃げ遅れた者がいようとも、抗口を塞いで通気を遮断し、火災の延焼を防ぐというものだ。尾形は密閉される直前に江渡貝の遺体を確認したが、彼の顔には微かな安堵の表情が浮かんでいた。
その後、尾形は炭鉱夫たちの後に続き、坑道の外へと足を向けた。
偽物が混在
土方は江渡貝の屋敷に足を踏み入れ、部屋の中に落ちていた人皮の一片を拾い上げた。その異様な光景に無言で目を向けつつ、土方は思案にふけった。
その頃、杉元は坑道内で倒れていた。そこに現れたのは牛山だった。「まさか死ぬんじゃないだろうな、不死身の杉元」と声をかけ、気を失った杉元と白石を力強く担ぎ上げて坑道の外へと運び出した。尾形もまた無事に外へと出ることができた。
全員が外に集まると、彼らは再び江渡貝の屋敷に戻った。部屋の中には人間の剥製が6体あり、どうやらこの剥製たちを使って偽物の刺青が作られたようだった。
尾形は江渡貝の死を確認したと報告し、「もし坑道から月島の遺体が出なければ、偽物の刺青が出回る可能性も考えなければならない」と冷静に言った。
そこへ土方がやってきて、拾い上げた人皮を掲げた。「この忘れ物が偽物か本物か、判別する方法を考えなければならないな」と、鋭い目で刺青の皮を見つめながら呟いた。
【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】6話の結末
月島は鶴見の元に人皮を届けていた。その場で、江渡貝から最後に託された言葉を伝えた。「『鉄』です、鶴見さんに『鉄』と伝えてください。それだけで、あの人なら分かるはずです」
江渡貝は、革をタンニンでなめすことに強いこだわりを持っていた。そして、「水に濡れると、あるものに触れたときに変色してしまう」と話していたことを鶴見は思い出した。
鶴見は手元にあった人皮で作られた手袋に水を少量垂らし、鉄に触れさせてみた。すると、にじんだタンニンが鉄と反応し、皮に変色が現れた。これが江渡貝が残した最後のメッセージだった。彼は鶴見に、偽物の刺青の見分け方を伝えようとしていたのだ。
【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】6話のまとめと感想
鶴見が江渡貝に頼んで、人皮の偽物を作成したという話でした。
今回もまた強烈なキャラクターが登場しました。江渡貝は人の皮で服を作ったりするのが好きですが、その趣味は誰にも認めてもらえなかったようで、今回初めて鶴見に認めてもらい、2人で意気投合しました。
その服はなんとも不気味で、それを着ながら鶴見と江渡貝は踊ります。江渡貝はすっかり鶴見に心酔してしまい、シロクマの剥製を着たまま走り、鶴見の名を何度も呼びます。
もう何が何だかよく分からないとは思いますが、江渡貝は母親の呪縛から解放され、鶴見という唯一無二の理解者を得てから死ねたので、彼的には悔いのない人生だったのかもしれません。