WOWOWのドラマ【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】7話のネタバレと感想をまとめています。
土方一味と一時的に手を組み、偽物と本物の見分け方を探すため、贋作を作っていた男が収監される監獄を目指す杉元たち。一方、インカㇻマッがコタンを訪れ、アシㇼパの身が危険だと話し、谷垣はある決断をするが……。
【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】7話のあらすじ
土方歳三(舘ひろし)は杉元佐一(山﨑賢人)に銃を向け、手を組むか殺し合うかを選ぶよう迫る。結果的に杉元は一時的に手を組み、刺青の真贋を見極める方法を共に探ることにした。
家永カノ(桜井ユキ)は美術品の贋作を作っていた男なら、何か分かるかもしれないと提案し、男が収監される樺戸監獄を目指すことにした。
手がかりを探す土方たちだが、嗅ぎつけた第七師団が建物を取り囲む。互いに協力し合って難を逃れた杉元たちは、二手に分かれて監獄で落ち合うことにし……。
【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】7話のネタバレ要約
刺青の真贋を見極める方法を探るため、杉元と土方は一時的に手を組み、贋作を作っていた男が収監される樺戸監獄を目指す。
一方、インカㇻマッがアシㇼパのコタンにやってきて、彼女の身が危険に晒されていると話す。
話を聞いたフチは心労で寝込んでしまい、心配した谷垣はアシㇼパ無事に連れて帰るため、インカㇻマッと共に旅に出た。
【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】7話詳細なネタバレ
呉越同舟
土方歳三(舘ひろし)と杉元佐一(山﨑賢人)たちは緊張感漂う会話を交わしていた。土方は、かつてキロランケ(池内博之)の村に現れたのが自分だったと認めた上で、銃を構えながら問いかけた。「手を組むか、それともこの場で殺し合うか、選べ」
その場の空気は張り詰め、次の瞬間に銃声が響きそうなほどだったが、そこへアシㇼパ(山田杏奈)のお腹が鳴り響いた。あまりに場違いな音に、全員の視線が彼女に集中する。家永カノ(桜井ユキ)が「料理を作りましょう」と提案し、全員で食卓を囲むことに。緊張感は一時的に和らいだ。
食事の席で、月島基(工藤阿須加)の遺体が見つかるまでは動けないと土方が語った。「もし見つからない場合は、何としても偽物の判別方法を見つける必要がある」と彼は続けた。そこで家永が「思い当たる人物がいる」と提案したのが、熊岸長庵という男だった。熊岸はあらゆる美術品の贋作を作る天才で、刺青の偽物を見分けられる可能性があるという。ただし、彼は月形の樺戸監獄に収監されている。
一方、杉元たちは鉱夫たちと共に運び出される遺体を確認していたが、軍服を着た遺体は見つからなかった。土方は屋敷の中を探り、何か手がかりがないか探していたが、その時、突然火炎瓶が投げ込まれ、屋敷が炎に包まれた。第七師団が突入してきたのだ。
炎の中、土方と尾形百之助(眞栄田郷敦)は共闘し、敵の進行をなんとかコントロールした。しかし、尾形がピンチに陥ったその瞬間、杉元が助けに入る。尾形は「礼でも言ってほしいのか?」と皮肉を言うが、杉元は冷たく返した。「お前が好きで助けたわけじゃねえよ、コウモリ野郎」
その頃、土方は二階堂浩平(柳俊太郎)と激しい戦いを繰り広げていた。杉元の声を聞いた二階堂はそちらへ向かおうとしたが、土方がとっさに彼の足を斬りつけ、その動きを封じた。
騒ぎの隙を突いて、杉元たちは逃走に成功。二手に分かれることを決め、樺戸監獄で再び落ち合う約束をした。「もし方法が見つからなければ、直接のっぺら坊に会いに行くしかない」と杉元は言う。
アシㇼパがのっぺら坊の娘であることを知っていた土方に、杉元はふと漏らす。「わずかばかりの分け前さえあれば、金塊が誰に渡ろうが構いやしねえ。ただ、アシㇼパさんはアイヌとして立派に生きている。その金塊を奪ったのが彼女を育てた父親なのかどうか――俺はあの子が真実にたどり着くところを見届けてやりたい」
杉元はそう告げると、アシㇼパと共に真実を追い続ける決意を新たにした。
未来を生きるための戦い
杉元、アシㇼパ、牛山、そして尾形の4人で移動することになった。牛山辰馬(勝矢)はその屈託のない性格で自然とグループに溶け込んでいたが、尾形はどこか照れがあるのか、なかなか馴染めずにいた。それでも彼らは旅を進め、目的地へと向かっていた。
一方、キロランケたちのグループもなんとか食事にありつきながら、次の行動を考えていた。キロランケは土方に「どうやって熊岸と接触するつもりだ?」と問いかけた。家永が答える。「面会はできるだろうが、看守がついている。その前で刺青のことを聞くわけにはいかない」
すると永倉新八(木場勝己)が提案した。「以前、樺戸監獄で剣術師範をしていたことがある。その縁を使えば接触できるかもしれない」キロランケはそれを聞き、少し希望を見出したようだった。
永倉は回顧する。樺戸監獄で土方が収監されていることを知らなかった時を。看守長の犬童四郎助(北村一輝)は、函館戦争で土方に恨みを抱いており、永倉にその情報を教えずに隠していたのだ。それでもある看守の手引きで、永倉はついに土方と話す機会を得た。
二人きりの場で、永倉はこれまでの経緯を語り始めた。「近藤さんに『俺の家来になるなら同志にする』と言われたとき、俺は新選組を見限ったんだ。でも、あんたが近藤さんから俺をかばってくれなければ、何度腹を切らされていたかわからない。本当に感謝している」
土方は静かに聞き入り、そして口を開いた。「お前は気性が荒くてバカだったが、剣筋だけは美しかった。美しいものは残すべきだ」と。永倉は「あのときケンカ別れとなったのは、俺を怒らせることで死地へ同行させまいとしたのではないか?そう自問自答する夜を多く過ごしました」と思い返す。
永倉は少し声を震わせながら、「あれはあんたたちの最後の思いやりだったのではないか。違いますか、土方さん?」と問いかけた。
土方は微かに笑い、「いや、お前がバカで嫌いだっただけだよ」と軽口を叩いた。その言葉を聞き、永倉は扉の向こうで静かに涙を流した。
「もう一度、あなたと一緒に戦えるとは思いませんでした。これで最後に、いい死に花を咲かせられそうです」と永倉が語ると、土方は毅然とした声で答えた。「死ぬためじゃない。未来を生きるための戦いだ」その言葉には揺るぎない決意が込められていた。
凶兆
谷垣源次郎(大谷亮平)は大叔父(秋辺デポ)に連れられ、馴染みの銃砲店を訪れていた。店主が顔を出すと、谷垣たちに少し興奮した様子で話し始めた。「最近、女のアイヌがここに来たんだ。青い目をしたアイヌの少女が住む村を知らないかと聞いてきたよ」
その女は狐の襟巻きを巻いていたという。谷垣はその話に耳を傾けながら、心の中で不安を抱き始めた。店を出た後、近くで物音がして、チカパシ(青木凰)が姿を見せた。その日はなんとか鹿を仕留めることができた。
谷垣が村に戻ると、そこにはインカㇻマッ(高橋メアリージュン)が来ていた。彼女は静かな声で「占いましょうか?」と申し出るが、谷垣はそれを断った。しかし、その背中に向けてインカㇻマッは言葉を投げかけた。「あなた…妹を亡くしていますね」
その言葉に谷垣は足を止め、振り返った。インカㇻマッはさらに続けた。「ある人を探しに来たのです。青い目をした女の子がここに住んでいないかと思って」
フチ(大方斐紗子)にインカㇻマッは神妙な顔つきで語り始めた。「一緒にいる仲間の中に、アシㇼパさんを裏切る人がいます。このままでは、彼女の命に関わるようなことが起きるでしょう」
その話を聞いたフチは、その後寝込んでしまった。大叔父は事態を重く見て、お祓いをすることを決めた。
谷垣はインカㇻマッの言葉の真意を探りながら、アシㇼパを守るための行動を心に誓った。彼女の運命を変えるため、何をすべきかを考えながら、谷垣の心には重い責任感が芽生えていた。
餅の味
一年前、谷垣は鶴見篤四郎(玉木宏)中尉に、阿仁マタギの非常用携行食「カネ餅」の話をしていた。それは村ごとに味が違い、父親はその伝統を忠実に守り続けていた。しかし、谷垣自身は父の教えに背き、自分が作るカネ餅に密かに細工を施していた。それがあるとき露見する。
マタギの猟に同行していた若い谷垣は、その頃まだ銃を持たせてもらえず、獲物を追い立てる勢子として山を駆け回っていた。ある日、彼は一つ年上の青山賢吉(阿部翔平)と共に山頂に到達したが、急に天候が崩れ、二人は洞窟に避難することになった。数日間閉じ込められた彼らの持参した食料はすぐに底をつき、最後の頼みの綱であるカネ餅を分け合うことになった。
その時、賢吉が餅の異変に気づいた。「これ、くるみが混ざってるじゃねえか」谷垣は必死に「誰にも言わないでくれ」と頼んだ。賢吉はその場では黙ってくれたが、その出来事は二人の間に深く刻まれた。
その後、賢吉は谷垣の妹フミと結婚し、二人は義理の兄弟となった。家族として穏やかな日々を送っていたある日、谷垣が実家でカネ餅を焼いていると、兄が普段とはまるで違う顔つきで戻ってきた。「賢吉の家が燃えてる!」と叫び、谷垣が駆けつけると、そこには全焼した家と、真っ黒に焼け焦げたフミの遺体があった。
よくよく見てみると結果、フミの心臓には刺し傷があり、そばには賢吉の山刀が落ちていた。家は全焼し、賢吉の姿はどこにも見当たらなかった。
しばらくして、賢吉が北海道の第七師団に入隊したという噂が耳に届いた。谷垣はその知らせを聞くと、すぐに第七師団に志願することを決意した。家族は猛反対した。「復讐のために阿仁を捨てるな。お前の人生を棒に振るな」と父は必死に止めたが、谷垣は振り切った。
「妹を殺されて泣き寝入りできるか!マタギなんてクソ食らえだ。二度と戻らねえ!」
その決意を胸に、谷垣は阿仁を離れた。しかし、師団に入っても賢吉の姿を見つけることはできなかった。そして、戦地に出征する直前に、母の死を知らせる電報を受け取る。フミの死と、自分の出征による心労が重なり、母はあっけなく命を落としてしまった。谷垣は全ての責任が賢吉にあると憎悪を膨らませた。
「旅順に行けば屯田兵が集まる。そこで賢吉を見つけたら、戦闘のどさくさに紛れて背中を撃ってやる」
そう誓い、谷垣は戦場へ向かった。そしてある日、塹壕の隅でボロボロになった男を見つけた。血まみれで顔もわからないほど黒ずんだ男だったが、その胸に掛けられた白襷を見て、昨夜の決死隊の生き残りだと気づいた。
「何か食い物はないか」と男が言うと、谷垣は「け」と言いながら手渡した。餅を口にした男は、ふと谷垣を見てつぶやいた。「秋田の人か?俺の隊にもいるよ。阿仁出身の一等卒がいてな、『食え』を『け』って言うって教えてくれた」
その言葉を聞いた瞬間、谷垣は静かな怒りに燃えた。ついに賢吉を見つけたのだ。彼は東京に逃げ、第一師団に隠れ潜んでいたのだと確信した。谷垣は心の中で復讐を新たに誓い、さらなる戦いへと足を踏み入れた。
妹の死の真相
戦場では復讐どころではない現実が谷垣を待っていた。手榴弾を体に巻きつけたロシア兵が塹壕に突進してきたのだ。谷垣は必死に銃を撃つが、相手は倒れない。その時、隣にいた兵士が飛び出し、自らを盾にしてロシア兵を押し戻した。それが、谷垣が探し続けていた賢吉だった。
「ついに待ち望んでいた瞬間が来た」と谷垣は思った。だが、賢吉は瀕死の状態で、目も見えず、耳も聞こえなくなっていた。谷垣は彼のそばに跪き、山刀を取り出した。「お前の心臓をえぐってやる」
しかし、賢吉の口から漏れたのは、「フミ…」というかすかな声だった。谷垣は動きを止め、賢吉の言葉に耳を傾けた。
「どなたか存じませんが、伝えてください。秋田の阿仁に住む谷垣家の人間に」賢吉は途切れ途切れに語り始めた。「ある日、嫁が疱瘡にかかりました。谷垣家から疱瘡が出たと村に知れ渡れば、父や兄が阿仁マタギから追い出されるかもしれない。誰かが様子を見に来る前に、自分を殺して村を離れてほしいとフミは私に言いました。一人寂しく死なせるわけにはいかない、自分も一緒に死ぬ覚悟でした。でも、フミは許しませんでした」
フミの言葉が賢吉の記憶に蘇る。「賢吉さんがもし感染してねば、その命をどうやって使うが、自分の役目を探して」
賢吉は涙を流しながらフミの手を握り、苦しまないように一突きで彼女の命を奪ったのだ。そして、約束通り小屋に火を放ち、フミの死を家族に伝えないまま村を去った。それ以来、フミを殺した罪悪感を抱え続けて生きてきた。
「自分の負い目のせいで、ご遺族を長く苦しませました。少しでも傷を癒せたら…どうか、この話を谷垣様に伝えてください。どうか、谷垣様に…」
谷垣は何も言わず、カネ餅をちぎり、賢吉の口元に運んだ。それを口にした賢吉は、目の前にいるのが谷垣だと気づき、静かに息を引き取った。谷垣はその場で賢吉の遺体を前に号泣した。胸に溜め込んでいた憎しみが涙となり、すべて流れ出るようだった。
戦場から戻った谷垣は、賢吉の最後の言葉を胸に、自分の役目を探し続ける日々を過ごしていた。「賢吉は自分の役目を見つけ、その命を使った。俺の生まれてきた役目は何だろう」そう考えながらも、「今さら阿仁には戻れない」と鶴見に話した。
すると鶴見は微笑みを浮かべながら言った。「谷垣、私にはお前が必要だ。まずは私のために、カネ餅を作ってくれないか?」その言葉に、谷垣は一瞬驚きながらも、小さく頷いた。
【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】7話の結末
朝日が昇る頃、谷垣は静かに家を出た。背中には決意が宿っている。振り返り、フチに向けて静かに言葉を投げた。「おばあちゃん、必ず無事にアシㇼパを連れて帰ってくるよ。探していた俺の役目――今が恩を返す時だ」
そう言って、谷垣はたカネ餅を手渡す。大叔母の目には一筋の涙が光っていた。
別れ際、オソマ(永尾柚乃)は手作りのテクンペ(手甲)を一つだけ差し出した。谷垣はそれを受け取ると、優しく微笑みながら答えた。「ありがとう。必ず戻ってくるから、もう片方も作っておいてくれ」
その場を離れようとすると、インカㇻマッが現れた。「アシㇼパさんがどこにいるか、占いましょうか?」と彼女が問いかけるが、谷垣は首を横に振って断った。
するとインカㇻマッは、柔らかな声で提案してきた。「なら、一緒に行きましょう。夫婦を装えば怪しまれない」谷垣は一瞬戸惑ったが、彼女の真剣な表情に頷いた。
しかしインカㇻマッには裏があった。出発前、彼女は鶴見と会っていたのだ。「谷垣を利用して、計画を進めるように」と鶴見に指示を受けていたことを、谷垣は知る由もなかった。
さらに、谷垣たちを追いかけてきたのはチカパシだった。彼も家族を装う形で旅に加わることになり、谷垣は小さな仲間たちとともに旅を再開した。
その頃、杉元たちは道中でアイヌのコタン(村)に立ち寄った。村の中央には大きな檻が置かれており、アシㇼパと杉元はその異様な光景に警戒心を強めていた。目の前に広がる平穏な風景の中に、どこか隠された緊張感が漂っているのを感じながら、彼らは次の動きを考え始めた。
【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】7話のまとめと感想
刺青の真贋を見極める方法を探るため、土方たちと杉元たちは手を組み、贋作を作る男が収監される監獄を目指すという話でした。
今回はいつものようなクセが強いキャラが出てくる回ではありません。土方と永倉が再会した話と、谷垣が妹の仇と再会した話がメインになります。どちらの話もあえて自分が悪者になることで、相手を結果的に助ける話になります。
土方は永倉をわざと遠ざけ、死地に向かわせるのを避けました。しかし永倉はずっと彼らの本心はどうだったのか分からず、毎晩自問自答していたといいます。再会した時、実はどうだったのかと聞くと、土方は軽口を叩いてはぐらかします。それがまた、永倉の思いを強めました。
一方、谷垣は妹を殺した義兄を殺すために第七師団に入隊しました。いざ仇が見つかった時、彼は谷垣たちを守るために身を挺して瀕死の状態でした。谷垣がいるとも分からず、義兄は真相を語ります。死に際、谷垣がカネ餅を食べさせることで、そこにいたのは谷垣だったと知って死にます。
死に場所を探しているのではなく、未来のためへの戦いであること。自分の役目を見つけて命を使う。永倉と谷垣はそう心に誓って行動します。
なかなか平和なご時勢だと意識できませんが、それが人間本来の宿命なのかもしれないと、考えさせられる回でした。