悪党 2話ドラマ感想自分を許すことが人を許すことなのか？

今回の話は前回と違い、救いのある話になっていました。毎回この依頼人のような人ばかりが来ればいいのですが、恐らくそういう展開ばかりでもないのだろうと思います。また、佐伯の仇である男の話や、前回の細谷の裁判なども少しずつ出てきます。

悪党～加害者追跡調査～概要
あらすじ
ネタバレ
感想
まとめ

悪党～加害者追跡調査～概要

WOWOWプライムで5月12日より毎週日曜22時に放送しています。元警官の主人公が退職後に探偵となり、依頼を受けて犯罪加害者の現在を調査し報告をします。主人公自身も犯罪被害者遺族であり、調査をする内に様々な葛藤に直面していくストーリーです。

キャスト

佐伯修一（東出昌大）
はるか（新川優愛）
坂上洋一（青柳翔）
遠藤りさ（蓮佛美沙子）
前畑紀子（山口紗弥加）
早見剛（寛一郎）
松原弥生（篠原ゆき子）
松原文彦（中島歩）
細谷博文（渡辺いっけい）
田所健二（三浦誠己）
寺田正志（山中崇）
榎木和也（波岡一喜）
鈴本茂樹（柄本明）
染谷久美子（板谷由夏）
佐伯敏夫（益岡徹）
木暮正人（松重豊）

スタッフ

【監督】瀬々敬久
【脚本】鈴木謙一
【原作】薬丸岳「悪党」
【音楽】大間々昂

2話ゲスト

山口紗弥加・寛一郎・篠原篤・田辺桃子・ふせえり・諏訪太朗

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前回はこちら

あらすじ

木暮の思いつきで、犯罪加害者の今を探る被害者からの依頼を専門的に募ることに。へきえきとする佐伯だが、裏では姉の殺害犯3人への復讐心にもだえており、社会復帰した犯人のひとり・田所（三浦誠己）の身辺調査を開始、田所が執心するキャバクラ嬢のはるか（新川優愛）に近づく。そのころ事務所には新たな依頼人・剛（寛一郎）が。消息を探りたい相手・紀子（山口紗弥加）は、剛の弟を虐待死させた女であり、剛自身の母だった。
公式HPより引用

ネタバレ

続きはこちら

佐伯は自身の仇である田所健二を調査していた。田所はラーメン屋をやっていて、お気に入りのキャバ譲はるかと酒を飲んでいる。
所長が新しいチラシを作っていた。「加害者追跡調査承ります」と大きく書かれたチラシ。犯罪被害者と遺族の名簿を買って来て、かたっぱしからチラシを送った。
そのチラシを見て依頼人である早見剛が来る。依頼内容は“前畑紀子”を探して欲しいという内容だった。
一方細谷の裁判。坂上は半身不随になり、殺人未遂の罪で裁かれる。そこで佐伯はりさに会う。自分が坂上は許せないと細谷に言ったと伝えると、りさに「あなたに裁く資格はない」と言われて頬を叩かれる。検察は懲役6年を求刑。
佐伯は田所のお気に入りであるはるかに探りを入れる。
紀子は弁当屋に勤めていた。旦那もいて来月出産予定。旦那は紀子の罪を知らない。そのことを依頼人の剛に伝える。剛は今でもあの時のことを思い出す、何をしていても翼の顔が頭から離れないという。生き延びるための壮絶な体験を語る。
剛には彼女がいて、妊娠2ヶ月だった。親に愛されなかった自分が、父親になれるのか不安だった。
話を聞いて所長がオプションを提案。「復讐する？」など剛にいうが、ちょっと考えたいといって剛は帰った。
後日佐伯に剛がオプションの依頼をしてくる。今から母親の生活ぶりを見てくるから、自分のことを尾行して欲しいという。何かあったら止めて欲しいのか？と問う佐伯、そうではなく見ていて欲しいという。その上で、自分がもし何か行動に起こしたのなら、放っておいて欲しいという依頼だった。
弁当屋に行き出て行く際、剛は母親に何かを言う。母親は涙を流して何度も剛に謝っていた。
何をいったのかときくと「腹の子は翼の生まれ変わりだ」と言ったという。そして、これが俺の復讐だといい、いい父親になると約束して彼女の元に行くのだった。
駐車場に車を停めた佐伯を待ち受けていたのは、車椅子に乗った坂上だった。そして懐から銃を取り出し「悪党の復活だ」と言いながら銃口を向けていた。

感想

今回の話は事件としては酷い事件ですが、終わりはスッキリといった良い話でまとまっています。1話目が強烈な話だったので、敬遠してしまった人も今回の話は見れるのではないか？と思います。毎回こんな話だったら地上波でできるのでしょうから、そこをWOWOWでやるということは、やっぱりそういうことでしょう。そして、ホープ探偵社の所長はどうにも煽りがちで、佐伯に度々制されます。とにかく金が貰えれば多少グレーでも何でもいいといった感じで描かれています。そんなホープ探偵社のチラシはぶっ飛んでます。

ホープ探偵事務所のチラシ

冒頭に出てくる事務所のチラシですが、問題がないのか？結構攻めてます。犯罪被害に遭われた方へ、その悩みすぐに解決しませんか？「加害者の追跡調査承ります！」と一面に大きく書いてあります。

調査例

人殺し行方調査
浮気・素行調査
夫婦間の問題解決
ストーカー対策
盗聴・盗撮器発見
企業信用調査
いじめ調査
高齢者の見守り調査
犯罪加害者の追跡調査
その他一般調査

どうやらこの事務所は埼玉県の大宮にあるようです。あらゆる調査をしますが、今回のチラシは犯罪被害者に訴えるものとなってます。そしてこのチラシを犯罪被害者と遺族の名簿を買って来て送りまくります。その結果、今回の依頼が舞い込みます。

荒川区幼児死体遺棄事件とは？

劇中で剛が被害にあった事件となります。佐伯はウェブで調べて詳細を知ります。

2003年に発生した荒川区町屋のアパートで1歳4ヶ月の男児が母親の育児放棄によって餓死した事件。

2003年7月5日未明、荒川区町屋のアパートで白骨化した遺体が発見。「部屋から異臭がする」という同アパートの住人から110番通報で駆けつけた警官が発見した。同じ部屋には4歳児の兄も閉じ込められており、衰弱しきった状態で救出された。

警視庁は同日午後、この部屋に住んでいた前畑紀子容疑者（21）を死体遺棄容疑で逮捕し、発表した。殺人や保護責任者遺棄致死も視野に捜査を開始した。

亡くなったのは前畑容疑者の次男の翼ちゃん（1）長男の剛君も瀕死の状態だが、一命を取り留めた。

事件の時系列

3月上旬　前畑紀子、勤務先クラブの男性常連客と交際を始める。息子2人を家に残したまま、外泊することが多くなる。
4月25日　アパート住人から荒川区子ども相談センター虐待ホットラインに「子どもの激しい泣き声がする」と通報。センター職員、虐待の可能性は低いとして取り合わず。
4月29日　再び住民から荒川区子どもセンターに通報。
4月30日　センター職員が訪問。親子と接触できず。
5月1日　センター職員、アパート管理人に連絡するも、世帯構成など確認できず。
5月2日　前畑紀子、2人の子供を部屋に残し、家出。
6月中旬　次男の翼ちゃんが餓死したと見られる。
7月5日　未明、住民から「部屋から悪臭がする」と110番通報。駆けつけた荒川北署員が幼児の遺体を発見。同日午後、前畑紀子を逮捕。

紀子は動機について当時付き合っていた男との交際に、子供が邪魔だったといい、2ヶ月間鍵をかけたまま帰らなかった。
後に懲役5年、保護責任者遺棄致死で刑が確定した。

この事件にその他の理由はなく、紀子の証言通りの理由で子供を放置しました。当時のことを剛は今でも思い出すし、当時4歳の自分には窓の鍵も家の鍵も開けられなかったと言います。そして泣くことで助けを訴えるしかなかったと言います。

それにしてもセンター職員の後手後手感は、昨今現実で起きてる事件でも同様でがっかりします。

剛の選択

今回は佐伯に許すか許さないかの判断を委ねる話ではありません。剛自ら判断を下します。依頼当時はもちろん許す気は一切ありませんでした。しかし、剛に恋人ができ、その恋人に子供ができて状況も変わります。そして母親の今現在の様子を自らの目で確かめます。

その結果、剛は許します。

前回は判断も現在の様子も佐伯任せでした。今回はその部分が大きく違い、さらに剛本人が若く未来がある状況というのもあったと思います。この剛の判断で佐伯は何を思うのか？佐伯自身も姉の仇の現在を直接調べています。それが良い方向に行くのか？それとも怒りに変わるのか。佐伯にも恋人ができて、未来に目を向けられれば選択も少し変わるかもしれません。

まとめ

母親を許すというか、母親を憎んでいる自分を許すといった感じの話でした。自分に家族ができて未来が見えた人は、こうやって前を向けるのかもしれないと思いました。母親自身も今現在、特殊詐欺とかやっているわけでもありませんし、前回の坂上に比べて許せるといえば許せます。こういった話が続けば佐伯も許せそうですが、既に尾行している田所が問題ありそうなのでどうなるのか、次週以降も見て行きたいと思います。

今回のいいセリフ

今度こそ愛してやれ、命がけで愛してやれ。それが俺たちへの償いだ。