【相棒 season24】第14話「薔薇と髭の告発」は、公園で起きた撲殺事件をきっかけに、ブラック企業、公益通報制度、そして一人の女性の「どうしても許せなかった想い」が浮かび上がる回でした。
被害者はファイバービギン社員・村尾保明。彼は会社の違法行為を調べていた人物であり、捜査は当初「公益通報者殺害」という最悪の事態を想定して進められます。
だが右京が辿り着いた真相は、制度の影に隠れた“もう一つの善意”と、それが引き起こした悲劇でした。
本記事では、第14話の事件構造、真犯人と動機、そして「なぜ誰もが黙るしかなかったのか」を、
ネタバレありで整理します。
※本記事は【相棒 season24】の第14話ネタバレ解説です。
シーズン全体の流れは ▶︎ 相棒24 各話あらすじ・ネタバレ一覧
第14話 事件ポイントまとめ
- 公園でファイバービギン社員・村尾保明が撲殺体で発見される
- 村尾は会社の違法行為を調べており、公益通報者ではないかと疑われる
- 実際の公益通報者は別に存在し、村尾はそれを利用して脅迫を行っていた
- 犯人は歌舞伎町のホステス・杉本美奈代
- 動機は、里香を追い詰めた村尾への強い憎しみだった
結論
村尾保明を殺害した犯人は、歌舞伎町「ローズリップ」で働くホステス・杉本美奈代。
彼女は、ファイバービギン社員・紺野里香を精神的に追い詰め、さらに公益通報者である倉田歩実まで脅していた村尾を「どうしても許せなかった」。
事件は公益通報そのものが引き金ではなく、善意と後悔、そして怒りが積み重なった末の殺人でした。
登場人物
- 杉本美奈代(犯人)
歌舞伎町「ローズリップ」勤務。元区役所職員。里香と親しくなり、彼女を支えようとする中で事件を起こす。 - 村尾保明(被害者)
ファイバービギン社員。公益通報者ではなかったが、証拠集めに協力し、その立場を利用して脅迫を行っていた。 - 倉田歩実
ファイバービギン社員。里香の死をきっかけに公益通報を行った真の通報者。 - 吉澤大悟
弁護士。里香や美奈代を助けてきたが、通報者を守るため黙秘を続けていた。 - 紺野里香
ファイバービギン社員。過酷な労働環境と追い込みにより自殺。
ネタバレあらすじ(時系列)
①公園で発見された遺体|公益通報者殺害の疑い
わかまつ中央公園で、村尾保明の撲殺体が発見される。凶器は石。何度も殴られた痕から、強い恨みを感じさせる犯行だった。
村尾は会社の違法行為を調べており、捜査一課は「公益通報者が殺された可能性」を視野に入れる。
②沈黙する弁護士・吉澤|守秘義務の裏側
村尾が事件直前に電話していた相手は弁護士・吉澤大悟。だが彼は通話内容について一切を語らない。
右京は、吉澤の机にあった「公益通報者保護法」に注目。彼の沈黙は自己保身ではなく、通報者を守るためだと見抜く。
③里香の死とブラック企業の実態
ファイバービギンは、
- 過酷なノルマ
- 自腹購入(自爆営業)
- 休日出勤に手当なし
というブラックな体質を抱えていた。
社員・紺野里香は家計を支えるため夜も働き、心身ともに追い詰められ、自ら命を絶つ。
④真の公益通報者|倉田歩実の決断
右京が辿り着いた真実――公益通報者は村尾ではなく、倉田歩実だった。
里香の葬儀で、「家庭の事情が原因だ」と言われ泣き崩れる母親を見たことが、歩実の通報のきっかけだった。
⑤村尾の裏の顔|協力者から脅迫者へ
証拠集めに協力していた村尾は、通報後、歩実に金銭を要求し始める。
「通報者だとバラすぞ」
善意で始まった協力関係は、脅迫という最悪の形に変わっていた。
⑥杉本美奈代の後悔|“守れなかった”という罪
美奈代は里香の客であり、彼女を支えたい一心で店を紹介した。だがそれが副業発覚のきっかけとなり、里香を追い詰めてしまう。
「私が原因だった」
その後悔と、村尾への怒りが彼女の中で膨れ上がっていく。
⑦犯行の夜|許せなかった女の一線
公園で吉澤と村尾が揉める様子を、美奈代は偶然目撃する。吉澤が去った後、激昂する村尾。
その背後から、美奈代は石を持って近づき、何度も村尾を殴打した。
動機整理|なぜ美奈代は殺したのか
美奈代の動機は単純な復讐ではありません。
- 里香を追い詰めた後悔
- 歩実まで脅していた村尾への怒り
- 「また誰かが壊される」という恐怖
それらが積み重なり、彼女は「止める」という選択肢を失ってしまいました。
吉澤回として見た第14話の意味
第14話は、杉本美奈代の事件を描いた回であると同時に、弁護士・吉澤大悟という人物の限界と覚悟を描いた回でもありました。
吉澤は、公益通報者を守るために黙秘し、夜の街で生きる人々を救うために危うい橋を渡ってきた人物です。
だがその結果、里香も、美奈代も、そして村尾も救いきることはできませんでした。
それでも右京は、吉澤を断罪しません。「やり方はともかく、あなたはこの街で生きる人の希望の光だ」と語ります。
正しさだけでは人は救えない。
だが、誰かを救おうとする意志まで否定してしまえば、この街には何も残らない。
第14話が描いたのは、“正義ではなく、希望を失わないための物語”といえるでしょう。
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Q&A|相棒24第14話で分かりにくかった点を整理
本作では、事件の真相だけでなく「公益通報者は誰だったのか」「なぜ関係者が黙っていたのか」といった、制度と感情が絡み合う部分が意図的に分かりにくく描かれています。
ここでは、第14話を視聴したあとに浮かびやすい疑問点を、Q&A形式で整理します。
Q1. 本当の公益通報者は誰だったの?
A. 倉田歩実です。
村尾保明は、会社の違法行為について証拠集めに協力していた人物ではありましたが、公益通報者本人ではありません。
里香の死をきっかけに、「これは放置してはいけない」と決断し、行政機関に通報したのが歩実でした。
村尾はその立場を利用し、通報後に歩実を脅迫するようになっており、被害者でありながら加害的な側面も併せ持つ存在だったといえます。
Q2. なぜ弁護士・吉澤は村尾を呼び出したのに黙秘していたの?
A. 黙秘は自己保身ではなく、公益通報者を守るためでした。
吉澤は、村尾を呼び出して脅迫をやめさせようとしていました。しかしその理由を語れば、「誰が公益通報者なのか」が明らかになってしまう。
公益通報者が特定されれば、報復や不利益を受ける危険がある――それを避けるため、吉澤はあえて黙秘を選んでいたのです。
右京が「守秘義務」を強調したのは、彼の沈黙が倫理的な選択だったことを理解していたからでした。
Q3. なぜ厚労省は事件解決を急がせてきたの?
A. 殺された人物が公益通報者ではないと、すでに把握していたからです。
もし公益通報者本人が殺害されていれば、制度の根幹が揺らぐ重大事案になります。
しかし厚労省が「早期解決」を求めてきたということは、通報者は別に存在し、命の危険が及んでいないと分かっていた、ということ。
この圧力をきっかけに、右京は「公益通報者は村尾ではない」と確信するに至りました。
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まとめ|相棒24 第14話を理解するための3つの要点
- 事件の核心は「公益通報者殺害」ではなかった
村尾は公益通報者ではなく、通報に協力した立場から脅迫者へと変わっていた。
本事件は制度そのものへの報復ではなく、善意が歪み、暴走した末の殺人だった。
- 吉澤の黙秘は“逃げ”ではなく“守るための選択”だった
吉澤は疑われることを承知の上で口を閉ざし、真の公益通報者である歩実を守ろうとした。
正攻法が通じない現場で、それでも誰かを守ろうとした弁護士の覚悟が描かれている。
- 相棒が描いたのは「正義」ではなく「希望を手放さない姿勢」
里香も、美奈代も、完全には救えなかった。
それでも右京は吉澤を断罪せず、「希望の光」だと語る。
第14話は、間違いながらも誰かを守ろうとする人間を切り捨てない、相棒らしい一話だった。
この回が刺さる人/刺さらない人
刺さる人
- 社会問題を正面から描く相棒が好きな人
- 制度と感情のズレに注目したい人
- 誰かの「善意」が裏目に出る物語に弱い人
刺さらない人
- 単純明快な犯人当てを求める人
- 勧善懲悪でスッキリ終わる回が好きな人
- 重たい余韻が苦手な人
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