【相棒 season24】第10話〈元日スペシャル〉「フィナーレ」は、人気推理作家の読書会を舞台に密室事件や不可解な出来事が連鎖する、情報量の多いエピソードでした。
右京と亀山は、冬の離島・聖島(ひじりじま)で開かれるイベントに招かれます。やがて小説の内容をなぞるかのような異変が起こり始め、現実とフィクションの境界が曖昧になっていきます。
本記事では物語を時系列で追うのではなく、
- 事件全体の構造
- 登場人物それぞれの役割
- 密室事件や連続事案がどのような論理で成立していたのか
を整理し、この回が「なぜ分かりにくく感じられたのか」を解説します。
※本編を視聴済みの方向けのネタバレ解説記事です。
今回の事件を一文で整理すると何が起きていたのか
本事件は、13年前に右京が“自殺”を見抜いたことへの逆恨みを動機に、ミステリー作家・美作章介が、自作小説の舞台設定を現実に持ち込み、「解決できない密室」を成立条件とした復讐劇を実行した事件でした。
事件関係者を整理|誰が何の役割を担っていたのか
- 美作章介
人気ミステリー作家。「久夛良木刑事」シリーズの作者で、今回の事件構造の中心人物。 - 相模舞
美作のマネージャー。事件の進行に深く関わる存在。 - 増本文哉
美作のもとで作家見習いをしている人物。捜査の過程で疑いを集める。 - 日高桜子
ホテルの従業員。作家の熱心なファンで、行動が事件を攪乱する要因となる。 - 甲斐峯秋
警察庁幹部。特命係と因縁のある人物で、事件に巻き込まれる。 - 八木沢魁生
読書会の参加者の一人。事件の途中で重要な位置を占める。
※人物の善悪ではなく、事件構造上の役割として整理している。
事件はどのように進行したのか|3段階で見る全体構造
表向きに見えていた出来事
小説の筋になぞらえた脅迫状、人形の首による予告、そして201号室で起きた密室殺人。
視聴者は「過激ファンによる模倣犯」を想定するよう誘導される。
捜査の途中で生じた違和感
予告と殺人の順番、増本の不自然な挑発、甲斐峯秋の毒殺未遂など、出来事が増えるほど“犯人像”が曖昧になっていく。
最終的に明らかになった構造
それぞれの事件は独立しておらず、「右京を負かす」という一本の目的に収束していたことが明らかになる。
密室殺人はどのように成立したのか|トリックの前提整理
201号室の密室で重要なのは、「どうやって犯人が逃げたか」ではない。
前提そのものが誤っていた。あの事件は殺人ではなく、相模舞の自殺だった。
密室は、
- 捜査不能
- 真犯人に辿り着けない
という「未解決状態」を固定するための装置だった。
なぜ今回の相棒は分かりにくかったのか|ミスリードの仕組み
- 殺害予告が先に起きる、という思い込み
- 密室=殺人、というジャンル的先入観
- 増本という“分かりやすく怪しい人物”の存在
これらが重なり、事件の順番と性質そのものを疑う視点が後回しにされた。
特命係は何に着目したのか|見落とされていた決定的な視点
右京が重視したのは派手なトリックではなく、
- 脅迫状の素材(地方紙)
- 言葉遣い(方言)
- 過去事件との接続
といった、人と過去を結びつける要素だった。
特に足立区で起きた13年前の事件と、相模舞の父の死がつながった時点で、復讐の矛先が誰に向いているのかが定まる。
真犯人の目的は何だったのか|復讐計画の全体像
美作の目的は、単に人を殺すことではない。
- 右京に事件を解決させない
- 名刑事が「最後に敗北する」結末を作る
そのためには、最初の密室が永遠に解けないことが必要だった。
第1の事件は本当に殺人だったのか|密室の正体を解説
第1の事件が自殺だったことで、右京は「犯人が存在しない事件」を追うことになる。
これは13年前、自分が見抜いた“自殺”への意趣返しであり、右京の正義そのものを突く構造だった。
なぜ増本は犯人に見えたのか|スケープゴート構造
増本は、
- 脅迫状を書いた
- トリックを誇示した
- 挑発的な態度を取った
しかしそれは、疑われる役を演じさせられていたに過ぎない。
増本自身の承認欲求が、犯人像を成立させる材料として利用された。
今回の事件が描いたテーマとは何だったのか
- 正義は常に救いになるのか
- 真実を見抜くことは、誰かを傷つけないのか
- 未解決という形の復讐は成立するのか
この回は、「正しい行いが別の不幸を生む」という矛盾を、ミステリー構造そのもので描いている。
Q&A|相棒24第10話で分かりにくかった点を整理
Q1. 相棒24第10話の201号室の密室は本当に殺人だったのか?
A. 殺人ではなく、相模舞の自殺だった。
密室は犯人が逃げた痕跡を隠すためではなく、事件を未解決にするための装置として作られていた。
Q2. なぜ杉下右京は最初、密室事件を解けなかったのか?
A. 前提が「殺人」だと誤認されていたから。
犯人が存在しない事件(自殺)だったため、論理的に解決できない構造になっていた。
Q3. 増本文哉は犯人だったのか?
A. 犯人ではない。スケープゴートだった。
増本は脅迫状作成などに関与しているが、殺害行為そのものは行っていない。承認欲求の強さを利用され、疑われ役を演じさせられていた。
Q4. 日高桜子は犯人だったのか?何をした人物なのか?
A. 殺人犯ではない。過激なファンとして事件を攪乱した人物だった。
ノートを盗み内容を暴露するなどの行為に及んだが、事件の殺害そのものには関与していない。
捜査を混乱させるミスリード要員だった。
Q4. 八木沢魁生はいつ殺されていたのか?
A. 殺害予告が出る前の時点で死亡していた。
人形の首は時間差で落ちる細工がされており、予告→殺害という順番そのものがミスリードだった。
Q6. 甲斐峯秋はなぜ毒を盛られても即死しなかったのか?
A. 死なれては都合が悪かったから。
ヘリコプターで緊急搬送してもらって証拠を遠ざけようと、致死量を避けた毒が使われていた。
Q6. 甲斐峯秋の毒はどこから入ったのか?
A. 食事ではなく、停電時に美作が甲斐を刺傷した。
万年筆のインクに毒が仕込まれており、傷口から体内に入った。
Q8. 相棒24第10話の真犯人は誰だったのか?
A. 美作章介。
すべての事件は、「右京に事件を解決させない」ことを目的に組み立てられていた。
Q9. 今回の事件で、本当の標的は誰だったのか?
A. 最初から最後まで杉下右京だった。
殺害そのものより、「名刑事が敗北する結末」を作ることが目的だった。
Q10. 相棒24第10話が描いたテーマは何だったのか?
A. 正義が必ずしも救いにならないという矛盾を示した。
右京の正しさが、人の人生を破壊してしまった可能性が示されている。
まとめ|相棒24第10話を理解するための3つの要点
- 密室事件の正体は殺人ではなく自殺
- 増本は犯人ではなくスケープゴート
- すべての事件は右京への復讐に収束していた
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