【相棒24】9話のネタバレと感想|3000万円はどこからなんのために?

2025秋ドラマ
記事内に広告が含まれています。

【相棒シーズン24】9話「カフカの手紙」のネタバレと感想をまとめています。

路上で死亡した男性が3000万円を持っていたことから、事件性が疑われるが自然死だった。しかし持っていた金はどこから来たものなのか?そして何のために持っていたのか?右京は興味を抱き、捜査を始めると死亡した男性は、バブル時代に名を馳せた投資家だったことが分かり……。

スポンサーリンク

【相棒24】9話のあらすじ

身元不明の遺体が3000万円を持って死亡していたことから、事件性を疑われるが自然死であることが判明する。その人物が何者なのか、なぜ大金を持って死んでいたのか、杉下右京(水谷豊)は興味を抱き始める。

やがて男の身元が判明する。バブル時代に名を馳せた投資家・大原隆一(小須田康人)という人物だった。大原はバブル崩壊後、運用していた暴力団の金を失い追われる身となった。

家庭も崩壊し偽名で生活していたことが分かるが、大金はどこからなんのために……?

←8話|10話→

スポンサーリンク

【相棒24】9話の見逃し配信

『相棒シーズン24』の見逃し配信は、TVerABEMAテレ朝動画で配信しています。無料配信終了後はABEMAプレミアムTELASAで視聴できます。

ABEMAプレミアムでは、相棒の過去シーズンも見放題で視聴できます。14日間のお試し期間もあります。

本ページの情報は2025年12月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

スポンサーリンク

【相棒24】9話のネタバレ

身元不明の遺体が3000万円を持って死亡していたことから、事件性を疑われるが自然死であることが判明する。その人物が何者なのか、なぜ大金を持って死んでいたのか、右京は興味を抱き始める。

やがて男の身元が判明する。バブル時代に名を馳せた投資家・大原隆一()という人物だった。大原はバブル崩壊後、運用していた暴力団の金を失い追われる身となった。

家庭も崩壊し偽名で生活していたことが分かるが、大金はどこからなんのために……?

家庭崩壊後、大原は必死に働き金を貯めていた。末期がんに冒され、死期を悟った大原は最後に生き別れになった娘を捜す。そして発見した。

娘は公園のカフェで働いていたが、今さら父親として会いに行く勇気がなく、便箋と封筒を買いに店に行く。その時聞いた声で、美幸はこの人が父と確信する。なぜなら、子供の時、楽しみだった読み聞かせをしてくれた父の声を覚えていたからだった。

ある日、美幸が夫の作った借金のせいで取り立てにあっているのを知った大原は、貯めていた金を紙袋に入れて美幸に渡しに行こうとするが、その途中で亡くなってしまった。

美幸は母が自殺したのも自分が不幸だったのも、全て父親のせいだと恨んでいた。右京と亀山に説得されても金の受取を拒む美幸だったが、最後に遺骨の引き取りには行った。

殺人か自然死か?

遺体が発見され、現場には紙袋に入った現金3052円が残されていた。遺体に目立った外傷はなく、所持品もポケットに入っていた鍵とティッシュだけで、身元を特定できるものは何も見つからなかった。

益子桑栄(田中隆三)はこの死を事件性のない病死、いわゆる行き倒れと判断する。多額の現金を所持していながら争った形跡もなく、状況だけを見れば不審な点は少ない。

しかし、身元不明の人物がこれほどの大金を持ったままひっそりと命を落とした事実に、杉下右京(水谷豊)は強い興味を抱く。

その後、死因は急性心筋梗塞と判明する。さらに調べを進めると、死亡した人物は末期がんを患っていたことも分かった。行方不明者届は出されてなかった。

紙袋に入っていた現金3052万円についても捜査が行われるが、紙幣番号はいずれも未解決事件や犯罪資金との関連は確認されなかった。内訳を見ると、全体の3割が昭和59年から発行されている旧紙幣、6割が平成16年発行の紙幣で占められていた。

残りは渋沢栄一の新紙幣と、すでに流通を終えた聖徳太子の紙幣だった。これらの構成から、この現金は一時に得たものではなく、30年以上にわたって少しずつ手元にため込まれてきた金であることが推測される。

カフカのこと

亀山薫(寺脇康文)たちは似顔絵を手に、公園で聞き込みを始める。そこにいた伊藤夏希(寺川里奈)と山岸良枝(詩歩)に似顔絵を見せると、2人はすぐに「カフカさんだ」と口にする。

夏希の娘である美香(秋山加奈)が2週間ほど前に、公園で娘のぬいぐるみをなくしたことを話す。そのとき一緒に探してくれたのが、皆から「カフカさん」と呼ばれていたその人物だった。しかし、ぬいぐるみは結局見つからなかった。

それでもカフカさんは諦めず、翌日から毎日、娘宛てに「ぬいぐるみからの手紙」を書いてくれたという。その内容は、ぬいぐるみが娘のもとを離れ、世界中を冒険する旅に出ているという物語だった。話はどれも魅力的で、公園に集まる人々は思わず聞き入ってしまうほどだった。

この話を聞いた右京は、「それはまさに『カフカの手紙』そのものですね」と指摘する。おそらく文豪の逸話をそのままなぞったのだろう、と推測し、フランツ・カフカという作家について説明する。

フランツ・カフカは結核を患い、40歳で亡くなった。その前年、恋人と散歩していた際、公園で泣いている少女と出会った。理由を尋ねると、人形をなくしたのだという。カフカは少女を不憫に思い、3週間にわたって人形からの手紙を書き続け、それを読み聞かせたとされている。偉大な作家が、ただ少女の心を癒すためだけに、来る日も来る日も手紙を書いたという逸話だ。

この話になぞらえるような行動を取っていたことから、亡くなった人物は文学に深い造詣を持つ人物だったのだろうと、右京は考える。

カフェへ

そして右京は夏希の家を訪れ、例の手紙を見せてもらう。そこには丁寧に綴られた文章が並び、子どもたちがその人物を本当の祖父のように慕っていた様子が伝わってくる。

良枝の話では、カフカさんは先月あたりから公園で頻繁に見かけるようになったという。しかし、詳しい素性までは分からず、誰も私生活に踏み込んだ話は聞いていなかったようだ。手紙に使われていた便箋についても、公園近くのカフェで購入したのではないかという程度の情報しか得られなかった。

右京たちはその足で、カフェ「エアツェールング」を訪れる。店主にカフカさんの似顔絵を見せ、2週間ほど前に亡くなったことを伝えるが、反応は驚くほどそっけないものだった。さらに、近いうちに店を閉める予定だという話も出る。

手がかりを得られないまま、右京たちはいったん店を後にすることになる。

身元判明

その後、右京のもとに益子から電話が入る。身元不明とされていたカフカさんの正体が判明したという。その名は大原隆一(小須田康人)。バブル時代に暗躍した人物だった。35年の時を経て、バブルの亡霊が再び姿を現した。

大原はバブル期に仕手集団「龍醒」を率い、株価操作によって莫大な利益を得ていた人物だった。1987年には所得税法違反で一度逮捕されているが、判決は執行猶予付きにとどまっている。

しかし、バブル崩壊とともに状況は一変する。大原は数百億円規模の借金を背負い、ある日突然、忽然と姿を消した。さらに、大原は暴力団「銀竜会」の大幹部・星川誠の個人資産を預かり、運用していたことも分かっている。

その資金運用がすべて破綻したことで、星川が大原を狙うために暗殺部隊を組織したという噂が当時流れていたと、角田六郎(山西惇)課長は語る。こうした過去が浮かび上がる中、捜査一課も本格的に動き出し、大原をめぐる捜査のために探りを入れてきていた。

記者の話

小料理屋・小手鞠で話を聞くことになる。美和子(鈴木砂羽)は大原隆一という名前にうっすらと聞き覚えがある様子を見せる。身元が判明しているにもかかわらず、なぜまだ捜査を続けているのかと小出茉梨(森口瑤子)は不思議がる。

それに対し右京は、大原がこの30年間、どこで何をして生きてきたのか、なぜ今になって公園に現れたのか、そして3000万円もの現金を持ってどこへ向かおうとしていたのか、いまだに解けていない謎があまりにも多いと語る。美和子は、かつて大原について記事を書いた記者が先輩だと言い、紹介してもらうことになる。

紹介された記者の村沢榮治(工藤俊作)は、大原に何度も取材したことがある人物だった。村沢によれば、大原の金の使い方は常軌を逸しており、バブル崩壊後、金になるものをすべて売り払っても、なお何十億円もの借金が残ったという。なかでも銀竜会による取り立ては苛烈で、自己破産すら許されない状況だった。

最後に会ったときの大原は、以前とは別人のようだったとも語る。大原には妻の紀子(細田喜子)と、当時3つか4つになる娘がいたが、すでに離婚していた。さらに、大原が失踪した翌年、元妻は亡くなっている。死因は自殺だった。大原が姿を消した後、元妻のもとに銀竜会が追い込みをかけ続け、その重圧に耐えきれず命を絶ったという。その後、娘がどうなったのかは分かっていない。

村沢は、大原が若い頃、児童文学の作家になることを夢見ていたことも明かす。しかしその夢は叶わず、いつしか金の亡者に成り下がってしまったと、大原自身が語っていたという。

重い過去が明らかになるなか、亀山のもとに夏希から連絡が入る。

金の出所

美香からさらに話を聞く。カフカさんは大きなビルの工事現場で、夜勤の警備員として働いていたという。捜査一課の聞き込みによって勤務先が特定され、右京たちは西本警備株式会社で落ち合うことになる。

そこで分かったのは、彼が内山洋という偽名を名乗っていたことだった。社長の西本文哉(新貝文規)の話では、勤務態度はきわめて真面目で、社員寮で静かに暮らしていたという。さらに事情を知る人物として、父親の省吾(大滝寛)が代わって話をすることになる。

省吾は、大原隆一が幼なじみだったと明かす。大原に泣きつかれ、やむを得ず仮の名前で働かせることにしたのだという。大原が元妻の自殺を知ったのは、失踪から5年も経ってからだった。それをきっかけに、行方の分からなくなった娘を探し始める

しかし、20年探し続けても娘の足取りはつかめず、いったんは諦めていた。それでも半年前、再び娘探しを始めたという。「自分の死期を悟ったのでしょうね」と右京は推測する。娘の行方は突き止めたものの、どの面下げて会えばいいのか分からず、大原は深く悩んでいた。省吾はそんな大原に、会いに行くべきだと背中を押していた。

その話を聞き、右京は、大原が公園に現れるようになった理由に思い当たる。続いて右京たちは、大原が住んでいた部屋に通される。

偽名で生活していたため、銀行口座を作ることもできず、大原は現金で金をためるしかなかった。亀山は、その3000万円が35年にわたって働き続けて貯めた金だと気づく。現金は畳の下に隠されていた。

さらに、部屋には一通の封筒が残されていた。その中には、探偵が作成した娘の行方に関する調査報告書が入っていた。

物語の真相

右京たちは再び、あのカフェへ向かう。店主の女性は中北美幸(宮本真希)と名乗るが、その本名は大原美幸だった。右京が、カフカさんが父親であることを告げても、美幸は驚いた様子を見せない。彼女にとって父親とは、自分と母を捨てた人間だった。

美幸自身は父親の顔も記憶していないが、周囲から聞かされて育った。母が亡くなったのは父親のせいだと。だから自分の中では、父親はとっくに死んだ存在なのだと語る。

亀山は、それでも大原は捨てたのではなく、連絡が取れなくなってしまったのだと伝える。その後もずっと行方を探し続け、35年かけてようやく見つけたのだと。公園のベンチに座り、毎日、美幸の姿を遠くから見守っていた。便箋と封筒を買うためという理由を見つけ、ようやく店に入ることができたのだろう。

右京は、なぜ店を閉めることになったのかを尋ねる。美幸は、夫がギャンブルに溺れ、ろくでもない連中から金を借りたまま行方をくらましたことを明かす。借金の肩代わりをするため、店を手放すしかなかったのだという。男運がないところは母に似たのかもしれないと、美幸は自嘲気味に笑う。

亡くなる前日、借金取りが店に現れたことを、大原は知った。そして、美幸が金を渡している姿を見て、貯めた金を渡そうと決意する。畳を剥がし、隠していた現金を紙袋に詰め、公園へ向かう途中で、急性心筋梗塞を起こし、そのまま命を落としたのだった。

どうせ汚い金なのだろうと吐き捨てる美幸に対し、亀山は否定する。それは35年間、真面目に働いて得た金だった。親子関係が証明できれば遺産として相続できると告げるが、美幸はそんな金はいらないと拒絶する。無縁仏になってしまうと亀山が言うと、美幸は激しく感情をぶつける。今さら許せるはずがない、と。子どもの頃、楽しい思い出など一度もなかった。捨てた父親を、どうしても許せなかった。

スポンサーリンク

【相棒24】9話の結末

そこで右京が静かに問いかける。父親の顔も覚えていないのに、初めて見たとき、父親ではないかと思ったのはなぜなのか。美幸は、声だと答える

暮らしていた記憶はほとんど残っていないが、ひとつだけ覚えていることがあった。寝る前に、いつも物語を聞かせてくれたことだ。それは大人になった自分が、世界中を冒険する物語だった。その時間が楽しみで仕方なかった。顔は思い出せなくても、その声だけは、ずっと心の中に残っていた。

右京は、エアツェールングとはドイツ語で「物語」という意味だと告げる。どれほど憎んでいたとしても、大原から聞かせてもらった物語が、美幸の心の支えになっていたのではないかと語る。

美幸は涙を流しながら、もう帰ってほしいと告げる。そして、父は35年前に死んだのだと、静かに言い切る。

その後、亀山に連絡が入る。美幸が蒲田東署に、遺骨を引き取りたいと申し出てきたという。ただし、遺産相続については放棄する意向だった。

右京は一通の美香宛の手紙を書き、公園で亀山が手紙を読み聞かせる。

「もし、どうしてもカフカさんに会いたくなったら、目を閉じてください。そうすれば会えますよ。君のおかげで、忘れていた大切な時間を思い出すことができました。本当にありがとう。カフカさんより」

公園には静かな時間が流れ、カフカさんが残した物語だけが、確かにそこに生き続けていた。

←8話|10話→

スポンサーリンク

【相棒24】9話のまとめと感想

男は生き別れになった娘に、働いて貯めた金を渡しに行く途中で亡くなってしまったという話でした。

「カフカの手紙」の部分はなくてもいいのではと思う反面、子供たちに好かれていた人が実はこんな過去の人だったという、驚きの部分のためにも必要だったのでしょう。そして、美幸への読み聞かせとも繋がるわけです。

どちらかというと『遺留捜査』でありそうな話だなと思ってみてました。先週に引き続き絵本や読み聞かせが題材になっているのは、偶然なのかなんなのか分かりませんが、似たような話が続きました。

←8話|10話→

タイトルとURLをコピーしました