【相棒シーズン22】7話「青春の光と影」のネタバレと感想をまとめています。
路地で発見された遺体は、伝説のロックバンドのボーカルだった。最近再結成をしたというが、バンドメンバーに話を聞きに行くと、みな彼に何らかの恨みがあった。犯人は一体誰なのか?
【相棒22】7話のあらすじ
路地で発見された遺体はロックバンド「DEEP CREW(ディープクルー)」のボーカル、矢崎浩介(金子昇)だった。バンドは20年前に解散し、矢崎はソロ活動をしていたが、近頃再結成された。わずか2年で解散したことで、日本のロック史に伝説を刻んだバンドだという。
伊丹憲一(川原和久)たちは矢崎の妻・優実(加賀美早紀)に聴取をすると、別居して2年になり離婚を考えていたという。事件の起きた時刻には自宅にいたということで、彼女のアリバイはなかった。
一方、杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)は所属事務所に行き、バンドメンバーに話しを聞きに行く。ドラムの佐光隆吾(川野直輝)、ベースの安本早苗(細野今日子)、ギターの林田晃司(江頭勇哉)の3人と、所属事務所の社長・吉澤佳代(中原翔子)が揃っていた。
昨夜23時半までスタジオでリハーサルをした後、みんなバラバラに帰宅をしたという。最後にスタジオを出たのは矢崎で、マネージャーの沢村香音(木村葉月)が言うには24時頃だったという。
佐光はここにいる全員が矢崎を恨んでいると言う。元々バンドは矢崎以外の3人で結成され、後から入ってきた矢崎が解散を勝手に決めた経緯があった。
社長は5000万の金を貸しており、林田は矢崎に曲を盗まれた。早苗は以前交際していたが、矢崎は当時アイドルだった優実に乗り換えて捨てられていた。
右京たちは帰り際、香音に話を聞く。矢崎はスタジオを出る時に「ちょっと飲んで帰る。1人じゃ飲まねえよ」と言っていたという話を聞き、誰かと会う約束をしていた可能性が考えられた。
話を聞いたところ関係者全員に殺害の動機があり……。
【相棒22】7話の見逃し配信
『相棒シーズン22』の見逃し配信は、TVerとテレ朝動画で配信しています。無料配信終了後はTELASAで視聴できます。
本ページの情報は2023年12月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
【相棒22】7話のネタバレ
再結成の理由
杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)は、伊丹憲一(川原和久)らがやってきたことで中断した聞き込みをするため、事務所から出てきた3人のバンドメンバーを呼び止める。
ドラムの佐光隆吾(川野直輝)とギターの林田晃司(江頭勇哉)は応じたが、ベースの安本早苗(細野今日子)はこの後仕事があると言って断った。
右京たちは場所を公園に移して話を聞く。亡くなった矢崎浩介(金子昇)が、昨夜飲みに行くという話を知っているか聞くが、2人共その話は知らなかった。
そんなに恨みがあるのに、なぜ再結成をすることになったのか、右京は気になっていた。佐光は「ぶっちゃけ金だ」と答えた。林田もまた音楽の専門学校の講師をしているが、ギャラは知れてるので乗ったという。
では早苗はなぜ応じたのかを聞くが、2人共知らないという。右京は早苗を見た時、目の辺りにアザがあることが気になっていた。いつからついたものかを聞くと、昨夜はなかったという。
最後にスタジオを出たのは矢崎で、その前に出たのは早苗だった。だが佐光は早苗を疑っているなら、そんなことは絶対ありえないという。
林田に矢崎が曲を盗んだという話を聞くと、昔の話だと言って詳細を答えなかった。
右京たちは部署に戻り、矢崎がソロ活動になってからの曲を調べる。作詞作曲の名義は矢崎の他に、KOHという名義の2種類があることが分かった。
KOH名義の曲が盗んだ曲なのではないか?亀山はそう考えていた。
手がかり
伊丹たちは妻の優実(加賀美早紀)が住むタワーマンションに向かい、防犯カメラ映像を確認する。すると23時5分頃に外出する姿が映っていた。ずっと家にいたと証言していた優実だが、殺害が可能な時刻に外出していた事が分かった。
一方、右京たちは矢崎の住んでいたアパートに向かう。室内は楽器が沢山あり、矢崎が音楽に打ち込んでいた様子がうかがい知れた。
手がかりが何かないか探していると、洋菓子店の領収書が見つかる。額面は3万円近いもので、亀山は差し入れではないかというが右京は気になった。
右京の電話が鳴って話を終えると、林田に話を聞く必要があると右京は言う。そこで林田の勤める音楽専門学校へ向かう事にした。
盗作の嘘
先ほどの電話は著作権団体からのものだった。KOH名義の曲の印税の振込み先を聞いたところ、林田の口座だと判明した。盗作だと言っていたが、ちゃんと印税を得ていたのだ。
林田は事の経緯を説明する。解散して10年ほどたったころ、実は矢崎から連絡があった。昔林田が書いた曲を使いたいと矢崎は言ってきた。
その時林田はふざけるなと思ったが、自分が書いた曲を世に出したいという気持ちが勝り、契約を交わすことにした。
出来上がった曲は自分が作ったよりも良い出来になっていて、実力の差を見せ付けられたような気がしたという。
林田はせめてもの意地で、名前を出さないで欲しいと頼んだ。すると矢崎は浩介とも晃司とも取れるようなKOH名義にし、曲の権利の全てを林田にした。
あの印税には随分助けられたと林田は語る。佐光には見栄で嘘をついたと白状した。社長もその事を知っていた。
矢崎は金に全く興味がなく、社長が5000万貸しているというが、その何倍も本来は矢崎の懐に入る金を社長は掠め取っていると林田は証言した。
右京はバンド名の「ディープクルー」は、「親友」という意味でつけたものではないかとたずねる。名前は矢崎がつけたもので、推察の通りだと認めた。
違和感
右京は部署に戻って、バンドが再結成をした際のインタビュー動画を見ていた。記者がある質問をするが、矢崎はそれには答えずに別の話をしていた。なぜ彼はそうしたのか、もしかしたら右耳が聞こえていないのかもしれないと右京は感じた。
遺体のそばに落ちていたケースは、補聴器のケースだったことが鑑識で分かる。さらに遺留品には左耳用の補聴器があった。
インタビューの時に右側からの質問に答えなかったので、てっきり右耳の聴力に問題があるのではと思っていた右京だが、なぜか補聴器は左耳のものしかなかった。
破局の嘘
右京たちは以前話が聞けなかった、早苗に話を聞きに自宅を尋ねる。出てきたのは柄の悪い男で、手帳を見せると引き下がり早苗を呼んできた。
矢崎が事件の日、誰かと飲む約束をしていたか聞くが、早苗は知らなかった。
矢崎に捨てられたという話について聞くと、それは嘘だと早苗は白状する。本当は交際中に早苗が別の男と浮気して、それがバレたから別れることになったのだ。
矢崎は音楽に夢中で、まるで自分を構わなかったため、浮気してしまったのだという。佐光たちにはそうでも言わないと、あまりに自分が惨めだと思ってついた嘘だった。
目の辺りに出来たアザは、先ほど出てきた同居男性によるものだった。
矢崎は右耳が聞こえにくいと言っていたという。事件の日、早苗が帰る時に矢崎は左耳から補聴器を外している姿を見ていた。その時はイヤモニだと思ったから、気付かなかったという。
アリバイの嘘
伊丹たちは優実を呼び出して、あの日どこへ出かけていたのかを聞き出そうとする。言いたくないという優実だが、出雲麗音(篠原ゆき子)がやってきて伊丹にスマホを見せる。
ネットニュースで優実が国会議員との浮気現場を、スクープされた写真がのっていた。優実のアリバイは結果的に証明された。
解放された優実を見かけた右京が声をかける。矢崎は右耳が悪かったのかを聞くと、悪いどころか3年前に完全に聞こえなくなっていたという。
そのことを知っているのは優実だけだった。最近は左耳の調子も悪くなっていたと優実は証言した。
右京は全てがこれで繋がったと感じた。ライブの開催を急いだのも、恐らく耳が聞こえなくなる前にやりたかったからだろうと理解した。
誰もが嘘をついている中、右京はもう1人嘘をついている人物がいると亀山に告げた。
事件の真相
右京と亀山は事務所に向かい、社長の吉澤佳代(中原翔子)に矢崎の右耳が聞こえないと知っていたかを問う。社長は知らなかったといい、マネージャーの沢村香音(木村葉月)も知らなかったと答えた。
右京は香音に事件当夜、矢崎が帰る時の状況を再現させる。出て行く矢崎に声をかけたというが、香音のいた場所は矢崎の右手から声をかけていた。矢崎は右耳が聞こえないので、返答をするはずもないと右京は告げる。
さらにその時矢崎は早苗の証言から、左耳の補聴器を外していたので、香音の言葉が矢崎の届くはずもなかった。なぜそんな嘘をついたのかと聞くと、香音は観念して自白を始めた。
香音は偶然聞いたディープクルーの音楽に衝撃を受け、矢崎の才能をもっと世間に知らしめるため、マネージャーになったという。
新人マネージャーとして初めて会った際、矢崎に挨拶をするが素っ気無い態度だった。その後も返事をしてくれなかったりと、矢崎にとって自分はただの雑用係にしか映っていないと思っていた。
再結成についても一言も相談もないし、何を言っても相手にされない。ライブの日程が急遽決まったため、香音は毎晩遅くまで働きづめで疲労困憊だった。そんな香音を矢崎は責めるばかりで、あの晩とうとう心が折れたと香音は語る。
リハーサルを終えた矢崎に、話があると声をかけるが、当然矢崎の耳には届いていないため、無視して彼は出て行った。
香音はその後を追いかけ、後ろから何度も声をかけるが止まってくれない。路地に入ると肩を掴み、ようやく引き止めた。振り向いた矢崎は驚いていると「なんで私のこと、無視するんですか?使えない奴って思ってるんでしょうけど私は私で精一杯やってるんです!」と香音は掴みかかった。
矢崎は何を言っているのか聞こえず「ちょっと待てって」と言って香音を振り解き、背中を向けてポケットから補聴器を取り出そうとする。
香音が背後から腕を掴むと、矢崎は振り返りざまに香音のことを叩いてしまった。すぐに謝る矢崎だったが、怒りに駆られた香音は反撃に矢崎の頬を叩いた。
落ち着かせようと矢崎が「待てって」と言いながら腕を掴むが、香音は怒りが収まらず矢崎のことを突き飛ばしてしまう。そのはずみで矢崎は倒れ、運悪く縁石の角に頭を打ちつけて亡くなってしまった。
【相棒22】7話の結末
右京から耳のことを知らされて、香音は「聞こえてなかったなんて…」と後悔した。香音は明日誕生日だろうと右京が切り出すと、なぜそれを知っているのか驚く。
右京は矢崎の自宅にあった領収書の洋菓子店に行って確かめていた。その領収書は特大のバースデーケーキを予約したものだった。
さらに右京は本当はあなたに届くはずだった。矢崎からこのカードと一緒にと、カードを香音に渡す。
カードには矢崎の直筆でこう書かれていた。
いつも大変な思いさせて悪いな。
ディープクルーの再結成はお前のおかげだ。
お前は最高のマネージャーだ
Happy Birthday
それを見た香音はその場で泣き崩れた。
矢崎が亡くなった場所には、ファンから花束やメッセージが沢山添えられていた。バンドメンバーもそこに訪れ、花を供えると手を合わせた。
その後メンバーたちはスタジオに行き、矢崎の使っていたマイクスタンドを見つめながら、喪服のまま演奏をした。
【相棒22】7話のまとめと感想
耳が聞こえないのを知らなかったマネージャーが無視されてると勘違いし、怒って殺害してしまったという話でした。
友情がテーマの話ですが、バンドメンバーはそれぞれ嘘をついてました。仲間であるからこそ、言えなかったということですが、本当に仲間なのかと疑いたくもなります。
ただ、ロックバンドということもあって、尖っていた人たちが集まっていたようで、なぜかみんな強がりたかったようです。
強がらずに素直になっていれば、矢崎も死なずに済んだのではないかと思う反面、そんな矢崎だったからバンドも成功したのかもしれません。
耳が聞こえていないのではないかと、香音も途中で気付きそうなものですが、連日の疲労もあってかキレます。矢崎と言い合いになった時に、香音もビンタで応酬するあたり彼女もなかなかロックです。
今回、バンドのメンバーが実際に演奏できる人たちだった、というのが面白かったです。佐光役の川野さんはドラマーでもありますし、林田役の江頭さんはシンガーソングライターです。また、矢崎役の金子さんもデビュー前にバンドを組んでいたそうです。もしかしたら劇中の演奏シーンは、実際に演奏していたのかもしれません。
最後にバンドメンバーが喪服のまま、ボーカル無しで演奏するシーンが印象的な回でした。