【相棒21】7話のネタバレと感想|殺人なのに時効がある理由

2022秋ドラマ
記事内に広告が含まれています。

【相棒シーズン21】7話「砂の記憶」のネタバレと感想をまとめています。

20年前に起きた連続通り魔事件の時効が迫る中、特命係にあの時の犯人が動き出すと手紙が届く。手がかりを求めて捜査する右京たち。やがて女性が襲われる通り魔事件が発生し……。

スポンサーリンク

【相棒21】7話のあらすじ

20年前に起きた連続通り魔事件の犯人が動き出すと、特命係宛に手紙が届く。杉下右京(水谷豊)は興味を惹かれ、当時捜査本部にいた伊丹憲一(川原和久)に事件の話を聞いた。被害者は若い女性7人で、7人目の被害者である富永沙織(佐藤ひなた)は襲われた際に死亡していた。物証や映像証拠もなかったことから、未解決のままだった。

ただ唯一、沙織が襲われた時に一緒にいた同級生が犯人を目撃していた。しかし顔を隠していたため、人物特定に至ることはなかった。

右京は亀山薫(寺脇康文)と共に沙織の母親である瑞恵(根岸季衣)に会いに行く。事件当時マスコミに酷く書かれたことや、警察が情報を教えてくれなかったことに不信感を抱いていた瑞恵は2人を追い返す。

やがて通り魔事件が発生し、再び手紙が特命係に届くが……。

←6話|8話→

スポンサーリンク

【相棒21】7話のネタバレ

タイトル通り、砂の記憶が犯人逮捕の決め手となります。証拠を見つけ出して狡猾な犯人を右京さんが追い詰めるのが面白い回です。

謎の手紙

特命係に届いた手紙の差出人は鈴木礼と書かれていたが、住所がでたらめなことから偽名だと杉下右京(水谷豊)は考える。中に入っていた紙には文字が印刷されていた。

20年前の
連続通り魔事件の犯人は
すぐそこにいる
近いうちにまた動き出す

と書かれていた。右京はその事件に興味を惹かれ、調べたところ時効が迫っているのが分かった。亀山薫(寺脇康文)と一緒に当時捜査本部にいた伊丹憲一(川原和久)に詳しく話を聞くことにした。

20年前の連続通り魔事件

20年前、若い女性が夜道で背後から殴られ、所持品を奪われる事件が都内各所で発生した。被害者は以下の7人。

  • 大杉優美(19歳)
  • 伊藤愛華(25歳)
  • 川崎桜子(25歳)
  • 岩崎奈々子(18歳)
  • 福山春香(22歳)
  • 本田咲希(20歳)
  • 富永沙織(15歳)

このうち、7人目の被害者である富永沙織(佐藤ひなた)が、襲われた際に死亡してしまう。被害者はみな10~20代の細身で髪の長い女性だった。

金目当ての犯行ではなく、“狩り”だと伊丹はいう。なぜならなくなったものは高価なものではなく、紙袋やアクセサリーといったものばかりだったからだ。恐らく戦利品として奪っていったのだろうと考えていた。

物証や防犯カメラ映像などもなかった。ただ、唯一はっきりとした目撃証言は、沙織と一緒にいた同級生の一ノ瀬弘美(桜樹なつ)の証言だった。犯人は中肉中背の若い男で、黒っぽいパーカーを目深に被っていたという。残念ながら人物特定には至らず、現在まで未解決の事件だった。

他の被害者はみな、1人でいたところを襲われていたのに、なぜ沙織だけ連れがいたのに襲ったのだろう。右京は不思議に思って伊丹に聞く。どうやら事件現場に停まっていたトラックが陰になり、2人連れだと分からなかったらしい。

被害者家族

時効が迫った事件の再捜査を一番して欲しいのは、被害者遺族だろうと右京たちはまず考えた。そこで沙織の母親である瑞恵(根岸季衣)に話を聞きに行く。届いた手紙を見せると心当たりがないと瑞恵は答えた。むしろ事件を弄んでいるのではないかと憤った。

沙織が亡くなった時、マスコミはまるで沙織にも非があるような記事を書いた。さらに警察は事件の進捗を教えてくれることはなかった。瑞恵はそんな警察に不信感を抱き、事件が解決できないのならせめてそっとしておいて欲しいと、右京たちを追い返した

右京と亀山は事件現場へと向かった。手紙を送ったのが瑞恵ではないのだとしたら、誰が送ったのだろうと考える。手紙の文面からいって犯人が誰だか分かっているのではないか、だが確かな証拠がないので送ってきたのかもしれないと右京は推理した。

通り魔事件発生

帰宅途中の夜道で榎本彩子(本庄由佳)という女性が襲われる通り魔事件が発生する。捜査一課の面々が現場を調べているところに、右京と亀山もやってきた。被害者は頭を殴られてバッグを奪われていた。手口が20年前のものと似ていた。

右京は伊丹に当時の犯人だと思うかと問う。手口は一緒だと伊丹は考えていたが、右京は違うのではないかと考えていた。なぜなら襲われた被害者は37歳でショートカットの女性だった。犯人の好みとは違う上に、盗ったものも財布が入ったバッグだったからだ。“狩り”というより、物取りの犯行だと思われた。

右京たちは今回の事件の犯人を追うのは捜査一課に任せ、引き続き過去の事件の手がかりを捜すことにした。

砂時計

鋼の保健師の異名を取る、吉崎弘美(桜木梨奈)と健康管理本部で面談する約束を右京は交わしていた。約束の時刻になったので向かうと、そこには先客がいた。どうやら弘美の手違いで時間がバッティングしていた。男は広聴係の小沼裕一(鳥谷宏之)という人物だった。今丁度終わるところだというので、右京は出直さずに済んだ。

弘美が右京に謝罪しながら小沼の話をする。小沼は最近杉並署から異動してきたらしく、広聴係という市民の苦情を聞く部署でストレスが溜まるだろうと弘美は心配していた。その対策として時間を細かく区切り、ストレスを溜めすぎない方法をアドバイスしたという。

中でも砂時計は目に見えて分かるので良いと弘美が語ると、右京は砂時計についての薀蓄を語り始めた。部署に戻った右京は自分の砂時計を見て何かを考える。奇しくも亡くなった沙織が奪われたものは砂時計だった。

新たな手紙

3日前に起きた通り魔事件の犯人が捕まる。男は20代の若者で品川署の署長の息子だった。20年前には子供だった男が犯行できるはずもなく、今回の事件と20年前の事件は別人だと分かった。

右京は広報課へ向かい小沼を訪ねる。しかし小沼は今日は早退していた。職員によると今朝手紙を見た小沼は珍しく動揺していたという。右京は勝手に小沼のデスクに向かい、そこにあった砂時計に目を留める。聞いたところ最近家から持って来たらしい。

部署に戻った右京は特命係に再び届いた手紙を見る。

20年前の通り魔犯が
12日の夜 再び罪を犯す

と書いてあった。なぜそんなことが分かるのか、亀山は不思議でならなかった。右京は恐らく手紙の主に犯人も動かされていて、事件を再び起こすよう何か仕掛けているのではないかと考えた。目的が20年前の事件を掘り起こすためならば、やはり瑞恵なのではないかと亀山は考える。

そこで右京は亀山に瑞恵の家へ行くよう命じ、自分は20年前に沙織が殺害された現場へ向かった。

おとり

亀山は瑞恵の家に行くが反応がない。通りがかった近所の人に話を聞くと留守だという。最近瑞恵は夜になるとよく出かけてると聞き、亀山はすぐにどこにいるか理解して殺害現場へ走った。

夜道を1人歩く女性はやがてフットサルコートで足を止める。そこは沙織が殺害された現場だった。物陰から様子をうかがう人物が女性目掛けて飛び出してくる。すると脇から別の黒づくめの人物が体当たりして制止する。それは瑞恵だった。瑞恵は女性に「逃げなさい!」と叫ぶ。驚いて「おばさん!?」と声をかけた女性は弘美だった

遅れてやってきた右京と亀山が男を捕らえると、なんと小沼だった。瑞恵は弘美になんでこんな無茶をするのかと怒った。保健師の弘美は沙織が殺害されたあの時、一緒にいた同級生だった。小沼は白々しく、自分は何もしていないととぼけた。

スポンサーリンク

事件の真相1

その後、右京は弘美に警察で話を聞く。特命係に手紙を出したのは弘美だった。1ヶ月前、小沼と廊下で擦れ違った弘美は、瞬時にあの時の犯人だと気付いた。しかし、証明する手立てがなかった。そこで右京なら興味さえ持ってくれればきっと動いてくれるのではないか、そう思い手紙を送った。

面談の日、弘美はわざと小沼と右京をバッティングさせ、砂時計を印象付けるよう導いた。右京も薄々感づいてはいたが、それがどういう意図なのかまでは分からなかった。

2通目が性急だったのは、通り魔事件が起きたからだった。弘美は絶好の機会と判断し、事件と関連付けて小沼に手紙を送る。

お前は人殺しだ
20年前に何をしたか全て知っている
今度もまた
お前は昔と同じやり方で罪を犯した
今夜 あの場所で待つ

それを見た小沼は事件の関与を疑われ、20年前の事件を探られるのではないかと恐れた。「今夜あの場所で待つ」とだけ書いたのは、小沼ならきっと分かるはずだと考えた上の事だった。

弘美は小沼を呼び出して挑発し、自分に手を出させる作戦だった。そこに右京たちがやってきて現行犯逮捕してもらえば、たとえ別件であっても突破口になると考え、自らの身を使った囮作戦だった。

もし、自分たちが来なかったらどうするつもりだったのか、右京に問われた弘美は、保健師として何年も右京の行動を見てきたのだから、必ず来てくれると分かっていたと答えた。

亀山が瑞恵の具合を知らせにやってくる。幸い瑞恵は大事に至らずにいた。そして瑞恵からの伝言を弘美に伝える。「娘が死んだのはあなたのせいじゃない。もう、自分を追い詰めないで」と。

沙織は保健師になりたいと弘美に語っていた。沙織が亡くなった後、どうして沙織が死んで自分が生きているのだろうと、弘美は自責した。そんな弘美を巡って両親の仲は悪化し、弘美が高校生の時に離婚した。だから弘美の姓が一ノ瀬から吉崎に変わっていた。

瑞恵は右京たちから手紙を見せてもらった時、弘美が出したのだろうとすぐに分かった。やがて通り魔事件が発生し、弘美が無茶をするのではないかと思った。それから数日の間、弘美の様子を見守ることにした。だから、弘美が小沼を呼び出したあの晩、彼女を守ろうと飛び出した。

「私なんかどうなったってよかったのに…!あいつを捕まえられるなら…どうなったって…」と瑞恵の心境を知り、弘美は泣き崩れた。

スポンサーリンク

事件の真相2

右京は事件現場に行って決意する。必ず小沼を捕まえると。もう手がかりなんてないのではという亀山に、諦めてはいけないと言いフットサルコートに足を踏み入れた。そこで右京はあることに気付いた。

小沼に事情を伊丹刑事たちが聞くが、自分は20年前も今回も何もしていないとあくまで否認した。逆にこれ以上言うなら弘美を脅迫罪で訴えると息巻いた。物証が何もない伊丹たちは、小沼を解放するしかなかった。立ち去ろうとしたその瞬間、右京たちが颯爽と扉を開けて入って来た。

砂時計を小沼に見せると自分のだと認めた。だがそれは小沼のではなく、あの時お揃いで買った弘美のものだった。大量生産されているものだから、それが証拠にはならないと弁解する小沼。右京は「砂が同じなんですよ」と言う。中の砂が同じなのは当たり前だという小沼だが、右京が言う砂は違うものだった。

砂時計のフレームの継ぎ目のところに、中の砂とは全く別の砂が挟まっていたという。それは20年前、あの日あの場所にあった砂だと右京は教えた。

事件の時、通り魔は奪った砂時計を一度取り落としていた。あの夜、トラックに積まれていたのはフットサルコートで使う砂で、コートはまだ建設中で人工芝を敷いたとこだった。人工芝がめくれたり摩擦から守るためにコートには珪砂という砂をまく。

そんな砂はどこにでもあると小沼は反論するが、右京は同じ砂はないと言う。施工会社に問い合わせたところ、あの時の砂はオーストラリア産でごく短期間しか使用されていなかったのだ。つまり、この砂は間違いなくその時の珪砂だった。

右京は小沼に「あの時、現場にあったものと同じ砂が、たまたまどこかでついてなどという言い訳が、通ると思いますか!」と声を荒げた。これ以上言い訳ができない小沼は、捜査一課に取り調べ室へと連れて行かれた。

スポンサーリンク

7話の結末

後に小沼の自宅から、20年前の強奪品が全て見つかった。伊丹の話していたとおり、戦利品のコレクションだった。なぜ、わざわざ砂時計を自宅から小沼は持ち出したのか、時効が近付いて油断したのではないかと亀山は右京に言う。きっと無事逃げおおせた事を、心中誇っていたのではないかと右京も同意した。

瑞恵は無事退院し、弘美は沙織の遺影に犯人が逮捕されたことを報告する。瑞恵は事件の日から時間が止まっていた気がすると言い、それは弘美も一緒だったと同情した。そして「沙織の夢まで背負って生きてくれて、重かったでしょ?ありがとう。でも、もう前に進みましょうね。私もそうするから」と労った。

弘美は訓告処分は受けたが、業務のほうは続けていいと許可が出ていた。瑞恵と会った時の事を右京たちに報告すると、以前話した砂時計の話を右京がする。砂時計は死のシンボルでもあるが、逆の意味もあるという。弘美に手を出すよう促し、その上に逆さまにした砂時計を置いた。砂時計はひっくり返せばまた時は流れる、希望の象徴でもあるのだと教えた。

気持ちが前に向けるようになった弘美は、早速亀山を捕まえて健康診断の指導をすると意気込んだ。

←6話|8話→

スポンサーリンク

時効の理由

時効が迫っているとドラマ内で語られますが、殺人の時効は撤廃されたのでは?と疑問に思い調べてみました。

  法定刑 改正前 改正後
1 「人を死亡させた罪」のうち、
法定刑の上限が死刑である犯罪
(例:殺人罪)
25年 公訴時効なし
2 「人を死亡させた罪」のうち、
法定刑の上限が無期の懲役・禁錮である犯罪
(例:強姦致死罪)
15年 30年
3 「人を死亡させた罪」のうち、
法定刑の上限が20年の懲役・禁錮である犯罪
(例:傷害致死罪)
10年 20年
4 「人を死亡させた罪」のうち、
法定刑の上限が懲役・禁錮で、上の2・3以外の犯罪
(例:自動車運転過失致死罪)
5年または3年 10年

時効が撤廃された殺人は「法定刑の上限が死刑である犯罪」となり、主に強盗殺人などの殺人罪になります。

今回の事件は恐らく3つ目の傷害致死罪扱いとなり、以前の時効は10年だったのが改正されて20年に変更されました。なので、20年前の事件が時効間近という話だったのでしょう。

詳しく知りたい方は法務省のHPをご覧ください。

スポンサーリンク

【相棒21】7話のまとめと感想

友人の仇をとるため、自分おとりになって犯人を捕まえようとする話でした。

ドラマの始まりにまず20年前の事件が回想で流れます。その後、保健師の吉崎弘美が亀山に健康診断を受けろと特命係にやってきます。その時、字幕では吉崎としか表記されず、事件関係者の一ノ瀬弘美と同一人物なのか分からないように進みます。

ただ、よく見ると保健師の吉崎は名札をつけていて、吉崎弘美と書かれていました。後に一ノ瀬弘美と吉崎弘美が同一人物だと分かりますが、それまで分からないように工夫がされていました。

話としてはよくある話なのですが、右京さんと犯人の言い合いが面白い回です。小沼がふてぶてしい人物なので、よりいっそう証拠を突きつけた時の爽快感が増します。

時が止まったままという状態から、砂時計だけに砂で追い詰めた後、逆さにして時を動かすという一連の流れが洒落ている回でした。

次回は伊丹刑事の恋の話のようです。

【相棒21】7話のいいセリフ

ひっくり返せばまた、時は流れ出します。砂時計は何度でもやり直す事ができるという、希望の象徴でもあるんです。

←6話|8話→

タイトルとURLをコピーしました