【相棒20】10話のネタバレと感想|紅茶で真犯人を暴く

2021秋ドラマ
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【相棒20】10話「紅茶のおいしい喫茶店」のネタバレと感想をまとめています。

角田課長から頼まれて詐欺グループの張り込みをすることになった右京さんたち。果たしてグループのリーダーは誰なのか?

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【相棒20】10話のあらすじ

角田課長(山西惇)から詐欺グループの張り込みを頼まれ、右京(水谷豊)冠城(反町隆史)はグループのメンバーが出入りする倉庫を見張れる向かいの喫茶店に目をつける。

喫茶店のオーナー真鍋弘明(酒井敏也)に捜査協力を頼み、右京たちは店員として店で張り込むことになった。

店の常連客の大杉瑞枝(麻丘めぐみ)と紅茶話に花を咲かせ、意気投合する右京。やがて詐欺グループの男女2人が店にやってくる。

冠城が尾行をしようとするが失敗し、その後、男が転落死体で発見される。詐欺グループのボスはいったい誰なのか?

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【相棒20】10話のネタバレ

右京さんが店員に扮して紅茶を注ぐ姿も見れる回です。誰も姿を見たことがない人物が誰なのか?その正体を推理する話です。

詐欺事件発生

特命係が張り込みの依頼を受けた詐欺事件は、角田課長のいる組対と二課が追っている事案でした。仮想通貨を使ったロマンス詐欺と呼ばれるものです。その手口は以下の通りです。

  1. マッチングアプリで女性と知り合う
  2. 共通の趣味であるワインの話で盛り上がる
  3. 高級ワインを仮想通貨の利益で買ったと女性が教える
  4. 興味を持った男に仮想通貨を勧める
  5. 全く架空の仮想通貨を女が買わせる
  6. 全額投資すると女が金を持ち逃げして消える

こういった手口で詐欺グループは、2億円以上荒稼ぎをしていると言います。話はこれだけで終わらず、被害者が女の送ってきた写真を元にレストランを特定して、コンタクトを取る事に成功しました。

指定された喫茶店に行くとそこいたのは女ではなく、夫と名乗る男性で美人局的に脅してきます。一旦は泣き寝入りしようと思った被害者ですが、やはり納得がいかず警察にやってきました。

本来二課の仕事ですが、角田課長が関係しているのには理由があります。先週しょっ引いた半グレの男が、一時期この詐欺グループに所属していたそうです。

その男の証言によるとグループには50人ほどのメンバーがいて、偽サイトを作るIT担当やだました相手との交渉担当など、役割が細かく分かれていると言います。

しかし、誰もこの詐欺グループのリーダーの顔を見た事がありません。指示は全てメールで行われていたのです。

逮捕された男は決められた8ヶ所をぐるぐる回っていた運転手役でした。恐らく金を運んでいたのだろうと思われます。

そこで警察では8ヶ所を張り込みして、動きがないかを探ることにしました。その中の1ヶ所を右京さんたちが担当することになります。

張り込み開始

唯一の手がかりは喫茶店で被害者が男に脅迫された際に回収した、使用済みのストローでした。

そこからDNAを採取したので、これと合致する人物がグループの交渉担当だと角田課長は言います。どうやってDNAと合致するか調べろというのか?冠城はぼやきます。

右京さんたちは担当する倉庫に向かい、張り込みができそうな場所を探ります。ちょうど倉庫の向かい側に喫茶店があり、協力を要請することにしました。

戸惑う店主ですが店に置いてあった紅茶について右京さんが褒めると、店主は気を良くしたのか話が弾み始めます。

右京さんが今季のダージリンのセカンドフラッシュはどうだったかと聞くと、今季のはイマイチだったと店主は答えます。

定年退職をし気が向いた時だけ店を開けるという、悠々自適な生活をしている店主。協力を何とか要請していると、客が一人やってきます。

今日は店は休みだと断ろうとする店主に、右京さんは自分がやると言い出し、店の店員として働き始めてしまいます。

やってきた客は店の常連で大杉瑞枝という女性でした。彼女は窓際の指定席に座り、右京さんの出す紅茶を完璧だと褒めます。どうやら紅茶に造詣があるようです。

店員として働く2人

店で張り込みをすることになった右京さんと冠城は、完全に店員に扮して接客を始めます。凝り性の右京さんは店に置く紅茶として、私物の紅茶を持ってきて並べ始めます

さらに右京さんは自分がブレンドした紅茶を、店主に試飲して感想をもらおうとしますが、あとでもらうと言われ水筒に注ぎました。

やがて瑞枝が店にやってくると、棚に並んだ紅茶を見て驚きます。それは“ゴールデンチップス”という紅茶があったからです。

右京さんが持って来たその紅茶は、ロンドンのホテルで飲んだら1杯2万円以上するという高級品だったのです。

気を良くした右京さんは瑞枝にサービスで1杯注ぎます。瑞枝は紅茶を飲みながら、夫とイギリスに住んでいた頃の思い出を語ります。

主人にも飲ませてあげたい、今は長野の奥諏訪の別荘に住んでいるという話をする瑞枝、寂しがり屋だから近々あっちに行こうと思っていると言います。

そうして会話に花を咲かせていると、倉庫から若い男女が出てきました。右京さんは冠城に知らせ、角田課長に連絡するよう伝えます。

怪しい来客

角田課長に伝えると尾行するよう頼まれます。するとその男女は店に入ってきました。DNAを採取するチャンス到来です。

2人の客はどこか警戒しているような雰囲気で、注文した本日の紅茶について聞きます。右京さんはスラスラと答え、その博識ぶりを披露しました。

警戒が解けたのか男女は普通に飲み終えて会計を済ませ、店を出て行こうとします。冠城が急いで尾行しようとすると、店内にいた別の客がクレームをつけ始めます。

対応に手間取っている内に2人は車で行ってしまい、尾行することができませんでした。

その後、防犯カメラから素性が割れ、男は鷲尾琢磨という人物で女は赤堀絵里という人物だと分かります。

飲み終えたカップから採取したDNAもストローのものと一致し、詐欺グループのメンバーだということも判明しました。

新たな事件発生

角田課長のもとに鷲尾が遺体で発見されたという一報が入ります。ビルの非常階段から転落し、頭蓋骨が骨折している状態でした。

事件前の足取りはビルのレストランで赤堀と食事したことが、店内の防犯カメラから判明しています。

映像を見ると鷲尾はレストランを出た時、赤堀に支えられながら歩いています。赤堀が非常階段の扉を開けて出て行きますが、戻ってきた時は1人でした。

鷲尾を赤堀が殺害したのではないか?警察はそう見立てて赤堀の行方を捜します。

過去の詐欺事件

死亡した鷲尾は詐欺グループの中心メンバーだったことが分かります。今回のロマンス詐欺では夫役、3年前の架空請求詐欺では警察官役でした。

右京さんは原野商法詐欺事件の資料を見て、その時は鷲尾が弁護士をしていたと角田課長に教えられます。

原野商法とは1980年代に多発した詐欺の手口で、地方の価値のない山や原生林をレジャー施設ができるなどとウソをついて、高く売りつけるという手口でした。

その二次被害が最近増えているらしく弁護士や不動産業者になりすまして、過去に買わされた土地を高く買い取るといって別の土地を買わせるそうです。

当時被害にあった人たちは皆高齢で、中には老後の資金を全額持っていかれて自殺した人もいると言います。

右京さんはその資料を見ていて、あることに気付きました。

被害者の過去

右京さんは鷲尾と赤堀を尾行する人物が防犯カメラに映っていることを知らされ、それは瑞枝ではないかと言い当てます。

冠城と一緒に向かった先は橋の上でした。一人立っている瑞枝に「間に合って良かったです」と右京さんは声をかけます。

驚く瑞枝に自分たちが警察の人間だと身分を明かし、「あなたが死を選ぶとすれば、ここしかないと思いましてね」と右京さんは語りかけます。そこは瑞枝の夫、大杉隆也が飛び降りた場所だったのです。

右京さんは喫茶店での会話から、瑞枝の夫は恐らく亡くなっているのだろうと察していました。別荘があるという奥諏訪の住所を調べたところそこは原生林でした。瑞枝は原野商法にだまされた被害者だったのです。

32年前にだまされた大杉夫妻は、2年前にまた土地の下取りをすると言われてだまされます。老後の資金を持っていかれてしまい、それを悔いた夫は自殺してしまったのです。

その時に弁護士役でやってきたのが鷲尾で、瑞枝はその顔だけは一日だって忘れたことはなかったと言います。

事件の告白

夫が自殺した後、生きる気力を失った瑞枝ですが、偶然街中で鷲尾の姿を目撃します。自分たちの人生をめちゃくちゃにし、夫を殺したあいつを殺そうと決意したのです。

鷲尾の後をつけていき、あの喫茶店の向かいにある倉庫に入っていくのを目撃します。出て来たところで殺そうと思いますが、他のメンバーも出て来たためその時は諦めました。

しかし、必ずまたここに来るはずと確信した瑞枝は、向かいの喫茶店で張り込みを続けていたのです。だからいつも窓際に座っていました。

あの日、鷲尾が店に現れた後、瑞枝は2人を尾行します。レストランから出て来た鷲尾が、非常階段に座っているのを発見し、瑞枝は今だと思って背中を突き飛ばしたのです。

「やっと夫の敵が討てた」と瑞枝は言います。鷲尾の着衣に瑞枝の指紋もあり、取り調べでも殺害を認めていると報告を受けました。

右京さんは背中を押した事だけは確定だろうと意味深なことを言います。やがて、司法解剖の結果、鷲尾の体内からテトロドトキシンが発見されたと分かります。

鷲尾が階段から転落して頭を打った割りには出血量が少なかったことを右京さんは気になり、生活反応がなかったのではないかと推理していました。そこで本来するはずもない毒物の検査をしてもらった結果、毒物が検出されました。

鷲尾は瑞枝が突き飛ばす前に、テトロドトキシンで既に死亡していたのです。恐らく赤堀がレストランで毒を飲ませたのだろうと推理します。

新たな遺体発見

すると今度は赤堀の遺体が海で発見されます。しかし、死因は溺死ではなく恐らく鷲尾と同様にテトロドトキシンで殺害されたのだろうと右京さんは言います。

丁寧に遺書まであり、鷲尾と金の分け前を巡って揉めたので殺したとか、逃げ切れないので自殺するとか書いてありました。金にいたっては東京湾に投げ捨てたとあり、右京さんでなくとも怪しむ状況です。

あまりにも都合が良過ぎる展開で、そもそも見張りをしているところに、鷲尾と赤堀が現れたことも都合が良過ぎると右京さんは言います。

警察が望むようにDNAを採取させ、尾行しようとする冠城を妨害する客がいたり、あまりにもタイミングが良すぎると。

強い恨みを持つ瑞枝が尾行にあっさりと成功し、さらには非常階段に座っていた鷲尾を突き落とした。しかし、瑞枝が犯人ではないといずれ分かるのを見越して、今度は赤堀が自殺という展開。

つまり、全ては真犯人によって仕組まれていたと右京さんは確信しました。

真犯人は誰だ?

全てを悟った右京さんたちはある場所に忘れ物を取りに向かいます。それは、張り込みをしていたあの喫茶店でした。

ちょうどそこにいた店主の真鍋は、店をたたんでいるところでした。右京さんは忘れ物の記録用ボイスレコーダーを取りに来たと言います。

ただ、どこに仕掛けたか忘れてしまったと言い、店主も一緒になって探し始めます。しかし見つからず真鍋はキレ気味に何もないじゃないかと言いました。

そんなに焦ってどうしたのか、聞かれてはまずい音声でも入っているのかと突っ込むと、真鍋はボイスレコーダーなんて本当はないのだろうと言います。

試したのだと手の内をバラし、最初から違和感を抱いていたと右京さんは指摘します。それは、今季のダージリンのセカンドフラッシュの話です。

真鍋はイマイチだったといいましたが、実際は今季のセカンドフラッシュは非常に出来が良かったのです。紅茶好きならば当然知っている情報だと突っ込みます。

さらに、瑞枝はすぐに気付いたゴールデンチップスですが、真鍋はまるで気付かずにいました。右京さんは真鍋が紅茶店を開く事は別の目的があると察したと言います。

真鍋は開き直って紅茶好きでも何でもないと言い、元々この店が紅茶専門店だったのでそのまま使っただけだと言います。

この状況でも動揺せず平然とウソをつけるのは大したものだと、さすが長年詐欺師をやっているだけあると、右京さんは思いっきり皮肉をぶつけます。

そして真鍋が書いた張り込みの同意書と、大杉隆也が交わした土地の売買契約書を見せ、両方に共通する特徴的な文字指摘します。筆跡鑑定の結果、同一人物であることも既に鑑定済みです。

真鍋が今回の詐欺グループの隠れたリーダーだったのです。

事件の真相

右京さんは真鍋に事件の真相の推理を話します。この喫茶店は金の隠し場所である倉庫を監視するためのものだったと。ただ、予想外のことが2つ起きたのだろうと。

1つは自分がだました被害者の家族、大杉瑞枝が店の常連になった事。もう1つは右京さんたちが来て張り込みに使わせて欲しいと頼んだ事でした。

しかし、真鍋はそれすら利用することにしました。鷲尾と赤堀が店に来た日、鷲尾に対する強い恨みを持っている瑞枝がいるタイミングを狙って入らせます。

店の店員が怪しいから探れと指示し、さらに鷲尾のDNAを残させる目的もあったのです。瑞枝が尾行するのも想定していたため、今度は赤堀に命じて鷲尾にレストラン内で毒を飲ませます。

そして鷲尾を非常階段に座らせ、うまくすれば瑞枝が突き飛ばすだろうと計算していたのです。

その混乱の隙に真鍋は倉庫の窓から侵入して、隠してあった金を運び出します。それから赤堀に毒を飲ませて自殺に見せかけて殺害し、全ての罪を着せる計画だったのです。

毒を飲ませた証拠なんてないと主張する真鍋に、右京さんは紅茶の茶葉を見せます。それは右京さんがブレンドした紅茶の茶葉で、あの水筒に入れたものだったのです。

同じ茶葉が赤堀の胃の中から発見されたのは、毒を飲ませる際に紅茶に混ぜたからでした。まさか自分の紅茶が殺害に使われるとは思わなかったと、右京さんは言います。

ドラマの結末

全てを見抜かれた真鍋は金のありかを教えるから、見逃してくれと言い始めます。右京さんはキレて「いい加減にしなさい!」と一喝します。

詐欺の罪深さを指摘し、今まで配下の人間に押し付けて逃げてきたのだろうが、今度は逃がさないと言って逮捕しました。

瑞枝は執行猶予が与えられて釈放され、右京さんは彼女をカフェに呼びます。ゴールデンチップスの紅茶を注ぐと喜ぶ瑞枝、飲みながら事件の話を始めます。

真鍋は罪を認めたのかと問われ、全てではないが認めていると伝えます。なぜ捕まえてしまったのか、自分が殺したかったのにと語る瑞枝に右京さんは、もう復讐に囚われず夫の分まで生きなくてはならないと諭します。

老い先短いし生きていてもなんの楽しみもないと言う瑞枝に右京さんは、自分とお茶飲み友達にならないかと提案します。

瑞枝は「しょうがないわね。でもただの友達よ。私が生涯愛したのは、夫だけですから」と承諾しました。

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【相棒20】10話のまとめと感想

右京さんの淹れた紅茶がきっかけで、詐欺グループのリーダーを特定するという話でした。

最初右京さんと冠城が喫茶店の店員を演じるという話から、もっとパヤパヤした回なのかと思いましたが、ちゃんと作りこまれた切なくも面白い話でした。

一度だまされた被害者が再びだまされ、それを悔いて自殺してしまいます。だまされた自分が悪いと思うような人は自殺し、だました奴が憎いと思った妻が殺しに行きます。

そうしてようやく敵を討ったと思っていた妻ですが、実際は既に死んでいた男を階段から押しただけでした。しかし、もし息があったとしても彼女はきっと押したでしょう。

夫を奪われて生きがいを無くした妻が、皮肉にも殺意を糧に日々生きがいを感じていたのです。それも終わってしまえば再び生きがいをなくし、自殺しようとしていたところを右京さんたちに助けられます。

逮捕され自分が殺害したわけではなかったと釈放されると、やはりまた生きがいもなくさまよっていました。右京さんはそんな瑞枝を案じて、お茶飲み友達になろうと提案してくれたのです。

老いることは死への一歩かもしれませんが、息を止めるその瞬間まで、執着するでなく日々充実した時間を過ごせたらいいなと考えさせられる話でした。

次回は2022年1月1日21時からスペシャルの放送予定です。

【相棒20】10話のいいセリフ

しょうがないわね。でもただの友達よ。私が生涯愛したのは、夫だけですから。

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