【相棒19】13話「死神はまだか」のネタバレと感想をまとめています。
人気落語家が高座中に死亡するという事態が起こり、病を患っていたことから病死であろうと判断されます。
しかし、たまたま現場に居合わせた右京さんは殺人事件だと見立て、弟子たちの中の誰かの犯行だと推理します。
“死神”はいったい誰なのか?
【相棒19】13話のあらすじ
噺家の椿家一門には師匠の椿家團路(笹野高史)の元に、椿家小ん路(林家正蔵)、椿家路里多(立石晴香)、椿家駄々々團(水沢林太郎)、椿家怪路(遠山悠介)、椿家いろ里(紺野ふくた)、椿家丈團(植木紀世彦)と6人の弟子がいた。
しかし、前座の駄々々團がある日破門を言い渡されてしまう。駄々々團が出て行った後、新弟子の路里多は師匠からセクハラを受けた。團路はスケベで有名な人物で、立場上路里多は強く抵抗することができなかった。兄弟子たちにその話をすると、彼らは呆れて師匠の悪口を言いまくる。
右京(水谷豊)と冠城(反町隆史)が椿家一門の落語会を見に行く。最後に登場した團路は『死神』という演目をやり、オチの部分で倒れてしまいそのまま起き上がらずに幕が下りた。右京は團路が死んだと騒ぎになっているところに現れ、弟子たちの様子をうかがっていた。
伊丹(川原和久)、芹沢(山中崇史)、麗音(篠原ゆき子)の三人を呼び、状況を右京は教える。所轄の刑事の見立てでは團路はがんを患っていたため、病死で死因は心不全だと判断された。しかし、右京は事件性ありと睨んでいた。
そこで右京は弟子たちに聞き込みを始め、彼らそれぞれに動機があることに気づくが……。
【相棒19】13話のネタバレ
13話のネタバレは以下の2つです。
- 弟子たちの動機
- 事件の真相
結論から言いますと、團路殺害犯は弟子全員です。
彼らはなぜ凶行に及んだのか?そしてどうやって殺害したのか?右京さんの推理が真相をあぶりだします。
1.弟子たちの動機
右京は弟子たちそれぞれの不審な点に気づいた。怪路は師匠の亡骸に大げさに泣きつき、犯人の振る舞いだったと指摘する。それを聞いた小ん路はかばうと同時に、師匠に怪路がこき下ろされたことを言ってしまう。右京は怪路が師匠に叱られたことを恨みに思った可能性もあると考えた。
内村刑事部長からの電話で、行政解剖を司法解剖に変えるような、法を捻じ曲げることは許さないと連絡が入る。そして捜査一課の3人には右京に協力するよう命じた。通り一遍の解剖では殺害の証拠は出ない、右京は新たな方法で犯人を特定するしかなかった。
だが、捜査一課の面々どころか冠城までも、「事件だと言っているのは右京さんだけ」と懐疑的だった。そこで右京は何とかみんなの意欲を掻き立てるために、團路の家に行って弟子の路里多に話を聞くことにする。一方、捜査一課の面々は破門された駄々々團が怪しいと睨んでいた。
師匠にセクハラを受けていたのではと聞き込みをする右京と麗音。路里多は覚悟の上の入門だと答え、セクハラを不服に思っていない態度を取る。そこで右京は駄々々團がなぜ破門にされたのかを聞いた。
その後、今度は小ん路に駄々々團がなぜ破門にされたのかを聞く。すると師匠のものを売ってお金に換えていたのがバレたからだという。しかし、路里多から聞いた話では、盗み食いが原因だったという。どちらかが嘘をついているか、両方とも嘘ではないかと右京は考えた。
そこで右京はある作戦を立てて、彼らから真相を聞きだそうとする。
怪路は師匠に叱られたことを恨み、路里多はセクハラを恨み、駄々々團は破門を恨んでいる可能性がある。
2.事件の真相
師匠の葬儀の相談に集まっている弟子たちを前に、右京は冠城と捜一の3人も連れて駄々々團に直接破門の理由をたずねた。すると彼は転売と盗み食い、その両方が原因だという。想定問答のような受け答えに右京は立てた作戦を披露する。それは小遣い稼ぎの転売は立派な窃盗だと言い、別件逮捕で警察に引っ張るという作戦だった。
慌てふためく弟子たちはすぐにボロが出始める。すべてシャレで窃盗はしていないと言い出し、盗み食いが原因で破門されたと主張する。しかし、右京は全員が嘘をついているとまだ疑っていた。そこで、師匠の家に行った時に見つけたあるものの話をする。
トイレを借りた右京はその足で家の中を調べていた。台所へ行った時、部屋の片隅に袋に入ったままの和菓子があった。中に入っていたレシートを見ると一ヶ月前のものだった。恐らく師匠はよほど慌てて置き、それどころではない状況だったのではないかと推理する。
そこで、レシートの日付の日にこの家で何があったのか、右京は青木に頼んで付近の防犯カメラを調べてもらっていた。すると当日に2名の男女が家を訪問していた。男のほうは弁護士だということはすぐに分かった。しかし、女性は何者かはまだ分からなかった。
右京は推理する。あの日路里多は師匠に頼まれ買い物に行っていた。戻ると師匠はすぐに受け取り、来客中のようで路里多に自室へ戻っているよう告げた。気になった路里多は立ち聞きをすると、女性は師匠のセクハラの被害者で、慰謝料を弁護士と一緒に請求しに来ていたことが分かった。
そしてそのことを兄弟子たちに話すと彼らは困惑した。中でも小ん路は師匠の死を願い始め、表沙汰になって晩節を汚す前に逝ってもらうのが師匠のためだと言い始めた。右京は推理を披露するが、彼らはそれでも口を噤んだままだった。
好物を忘れてしまうほどの来訪者、弁護士帯同なら何らかのトラブルを師匠は抱えていた。その後、トラブルが表沙汰になっていないので、内密に解決したはずだと右京は考える。なのになぜ殺人に繋がったのか、それは全員に師匠殺害の動機があったため、実行に移したのだろうと。
『死神』を話したあの日、ワザと師匠は倒れたまま起き上がらずにいたに違いない。なぜなら、自宅の書斎に「一門会 死神で新趣向 愉快」と書かれたメモがあった。しかし、見た時に新しい趣向など何もなかった。その後、考えてみると“倒れたままでいる事”それが新しい趣向だったと右京は気づいた。
つまり、師匠はサゲのタイミングで死んだのではなく、幕が下りた後に殺されたと。恐らく毒物を飲ませたか、嗅がせたか注入した。遺体に外傷がなかったことから、毒物の可能性が高いと右京は考える。話を聞いた捜一の面々は俄然やる気を出し、師匠の遺体を押収して改めて調べると告げた。
幕が下りた後すぐに弟子全員で師匠殺害に手を貸し、毒物で殺害した
【相棒19】13話のまとめと感想
噺家の弟子が全員で結託して、師匠を殺害するという話でした。落語×ミステリーのような話です。13話なので“死神”が登場する不吉な話なのかもしれません。
落語の『死神』のサゲを利用し、あたかもその時に病死したよう見せ掛け、実際はその場で急いで殺害していたと右京さんは推理します。しかし、今回の話はあくまで右京さんの推理であり、真相を彼らの口から語られるシーンはありません。再現のシーンはありますが、それが事実かどうかは不明です。
ただ、最初からおかしいと睨んでいた右京さんは、トリックをどう証明するかという一点に絞って考えていました。動機は全員にある、あとはどうやって殺害したのか。それを解く鍵が自宅でずっと放置されていた和菓子でした。中に入っていたレシートの日付から、その日に何があったかを考えます。
さらに師匠の残したメモを見て、あのサゲが新趣向だったのかと理解します。その結果、師匠はサゲの時点では生きていて、後で殺害したに違いないと右京さんは気づきました。落語ミステリーがここで完成したのです。
『死神』のサゲは噺家によって変わり、実は生きていたとか、夢オチだったり、恐怖新聞よろしく今度は自分が死神になったりなど、様々なサゲが存在します。この人はどんなサゲで終わるのかなと楽しみにして見る演目の一つです。【相棒】でのサゲは本当の死神はそばにいる身内だった、という皮肉なサゲでした。
次回は1月28日21時から放送予定です。