【相棒シーズン19】9話「匿名」のネタバレと感想をまとめています。
転落死した女性の第一発見者がお手本のような110番通報をしてきて、違和感を覚える右京さんたち。
さらに事件の一週間前にも女性弁護士の転落事故死が発生していたことから、事件の関係性を探ってみると隠された真相が明らかになり……。
【相棒19】8話のあらすじ
歩道橋から転落死した女性は浅井環那(杏さゆり)という、人気ブロガーだった。第一発見者は飯島智子(藤吉久美子)という主婦で、お手本のような110番通報をしていた。
彼女の証言によると、溝口修也(海斗)というかつてカリスマイケメンシェフとしてもてはやされた男性が襲っていたという。右京(水谷豊)と冠城(反町隆史)はその正確な通報に違和感を覚えて飯島の家を訪ねる。
「まさか先生を」と言っていたという飯島の話から、以前の防犯カメラを調べたところ、矢坂美月(野村佑香)という弁護士が環那のマンションを訪ねていた。彼女に話を聞こうとした右京たちだが、美月は事件の1週間前に歩道橋から転落事故で亡くなっていた。
偶然とは思えないと推理する右京は、ちょうど事故現場に花を供えに来た人に話を聞く。彼女は美月に救われた女性だった。ある日突然、美月が現れて自分の悩みを解決してくれたという。事前に美月は状況を知っていたのでは?と考えた右京は、青木(浅利陽介)に頼んで調べてもらう。
青木は裏アカウントの投稿と表のアカウントの投稿を見比べ、紐付けることは可能だと証明する。そこで、美月についての書込みをしている人物を調べてもらうことにした。
すると、美月の依頼人だった人物の書き込みの中に、美月も殺されたのではないかという内容の投稿を発見する。右京たちはその人物に会いに行くと、彼女は環那に溝口を紹介され、その後、関係を持った溝口に脅されていたという。
溝口の裏アカウントの書込みには環那と話をつけてやるという投稿があり、美月は環那も脅迫されていると思ったのではないかと推理する。やがて、溝口の身柄が取り押さえられ、右京が聴取を担当し真相を聞きだそうとするが……。
【相棒19】9話のネタバレ
9話のネタバレは以下の3つです。
- 宇野の過去
- 事件の真相
- ドラマの結末
結論から言いますと、環那殺害は智子で美月殺害は環那です。
なぜこんなことが起きてしまったのか?正義のための活動がその裏側にありました。
1.環那と溝口の関係
環那のスマホの中には、溝口が自分をこき下ろしたシェフのレストランの窓に、スプレーで落書きをしている動画がありました。
脅されていたのは環那ではなく溝口だったのです。
2人の手口を見てみましょう。
- 環那が溝口にSNSで女性を紹介する
- 溝口が手当たり次第口説く
- 引っかかった女性と関係を持って盗撮
- その映像を元に女性を脅迫し金を引き出す
美人局的な手口です。
溝口は聴取ですべて環那の計画だった、金もほとんどあいつが持っていった。自分も被害者だと言い出します。
すると右京さんが「ふざけた事を言ってはいけませんよ!」とキレました。
「たとえ殺人は犯していなくても、あなたのした事は下劣で浅ましい犯罪である事に変わりはありませんよ!恥を知りなさい」と怒りまくりです。
そもそも、自分をこき下ろしたシェフのレストランの窓に、スプレーで落書きするような男です。
冷静になった右京さんは最後に1つと言って、美月のことは知っているか?と聞きます。
しかし、溝口は「誰ですか?その人」とまったく知りません。
そこで、右京さんたちはある計画を立てました。
脅されていたのは環那ではなく溝口だった
2.事件の真相
右京さんたちは智子の家に行き、お陰で容疑者を捕まえられたと報告です。
ただ、美月の件は事故だと言い、環那の裏アカウントを教えます。
パスワードがかかっていて中は見れないが、自供を引き出せばもう用済みだと付け足します。
すると、智子は裏アカウントのパスワードをひたすら探り、ようやく中を見る事ができました。
そこには、女性を溝口を使って脅していたことや、弁護士を突き落としたということが書かれています。
智子は美月が死亡した現場に向かい、突き落とした際に割れた爪の欠片を探します。
そこに右京さんたちが現れ、実はあの裏アカウントは偽物だと教えました。
パスワードを解読できたらここに来るはず、それを解読できるのはパソコンに詳しい人。右京さんたちはわざと智子に教えておびき出したのです。
智子はなぜこうなったのか、事件の真相を含めて語ったので見ていきましょう。
- 夫と別居して自分が役に立たない人間だと落ち込んでいた
- 他人のSNSでの愚痴を見て自分だけじゃないと思い満足していた
- やがて、酷い書込みを見ているうちに、何も出来ない自分に腹が立ってきた
- そんな時に美月が落ち込んでいる書込みを見つける
- 美月に嫌がらせをしている男のアカウントに、犯行予告があったのを見た
- 美月を助けようと決心した
そうして美月が男に襲われる現場に、智子は駆けつけて助けます。
しかし、智子は自分の存在を隠すよう告げて、美月は警察に通報をしました。
落ち込む美月を励ます智子。自分たち2人が力を合わせたらもっと沢山の人が救えるかもしれないと、美月と智子は意気投合をします。
それから、智子がネットで悩んでいる人を見つけて特定し、美月がその人物の所へ行って相談に乗るという活動を始めます。
溝口の裏アカウントを見た智子は、環那を襲うつもりだと気づきます。いつものように美月に報告し、彼女は環那の元へ行きました。
その後、美月が歩道橋で転落し亡くなってしまいます。自分のせいで彼女が殺された、そう思った智子は執念で真相を探ります。
特定に至るまでの経緯を見ていきましょう。
- 美月の死後、環那のSNSの更新が止まっていることに気づく
- コメントに書き込んでいる人のアカウントを片っ端から調べる
- すると溝口から脅迫されている女性たちのアカウントを見つけた
- そこから環那が関与していると分かり「お前を絶対許さない」と書き込む
- 美月を突き落としたのは環那だと確信した
環那は美月が来た時、「あんたら迷惑なのよ」と言って階段から突き落としていたのです。
そんな環那は今度は智子を突き落として殺害しようとし、その場で揉み合いになります。
逆に智子が環那を突き落としてしまい、彼女は死亡しました。
そのまま立ち去れば疑われることはなかったのに、彼女は美月の死を事故で終わらせないため、あえてその場で警察に通報したのです。
環那殺害犯は智子で、美月殺害犯は環那だった
3.ドラマの結末
智子が現場に探しに来た美月殺害の証拠である環那の爪は、真相に気づいた右京さんたちが一足先に回収していました。
その爪はDNA鑑定で環那のものだと証明され、美月の顔にあった引っかき傷の皮膚片が付着していました。
これにより、美月を殺害したのは環那であるという証拠となったのです。
それを聞いた智子は安堵し涙を流します。ふらふらと歩道橋の手すりに近づく智子、死んで償うつもりな様子に前回の悪夢が蘇ってきそうです。
右京さんは彼女に美月との関係に気づいた言葉があると教えます。
それは、美月が依頼人たちにかけていた「縦のシワは幸せが逃げる。幸せを呼ぶのは横のシワ」という言葉でした。
そして、智子がすべきことは死ぬ事ではない。罪を償いまたいつか笑えるようになる事ですと告げます。
こてまりで右京さんと冠城は話します。智子と美月は苦しんでいる人を救うためにSNSを利用し、環那は自分の欲望を満たすためにSNSを悪用していたと。
右京さんは何でも使い方次第、SNSも“とくめい”もとオチをつけます。
環那の飼っていたインコは新しい飼い主の元へ行き、その動画を見て和む右京さんと冠城でした。
環那が美月を殺害した証拠が出る
【相棒19】9話のまとめと感想
SNSを使って人助けをしていた弁護士と主婦が、SNSを悪用していたブロガーに殺され、その敵討ちに立ち上がるという話でした。
人助けをしたいと思って励む2人と、人を貶めるためにSNSを使う2人の対決の勝者は、結局誰もいませんでした。
4人のうち2人は死に、2人は逮捕されます。何とも空しい戦いです。
下手にネガティブな書き込みを目にすると、ロクなことが起きないと思わせる瞬間です。
ネガティブな感情をなぜ書き込むのか?とドラマ内で冠城が右京さんに聞きます。
日記と同じで悲しいことや嫌な事、ネガティブな感情を文字にするとストレスが解消されるからだと右京さんは言います。
ネットのない以前の日記なら、誰の目に触れることもなく密かに終わりますが、ネットのある今はその日記が人の目に晒されます。
個人的にストレス解消するだけでなく、他の人の感情まで揺れ動かしてしまう状況です。
匿名であることから安心して愚痴を吐いていたら、まったく関係ない人が殺されてしまうという恐ろしい話でした。
書かれた言葉が誰のものであれ、人の感情を動かす可能性がある。さらに本人や場所特定にも繋がる可能性がある。ゆえに、ネットで書く言葉は気をつけるべきだと思わせる話です。
次回は12月16日21時から放送予定です。内村刑事部長がいなくなってしまうのか?そんな予告でした。