【地震のあとで】最終回のネタバレと感想|失われた30年間の記憶を取り戻せ

2025春ドラマ
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【地震のあとで】最終話「続・かえるくん、東京を救う」のネタバレと感想をまとめています。

駐車場の警備員である片桐は、ある日大きなかえると遭遇する。かえるくんと名乗る相手は、かつて片桐と一緒に東京を地震から救ったというが……。

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【地震のあとで】最終回のあらすじ

以前信用金庫に勤めていた片桐正一(佐藤浩市)は、今はネットカフェで寝泊りする駐車場警備員だった。片桐がある日歌舞伎町でゴミ拾いをしていると、ゴミの山から突然大きなかえるが現れる。驚き慄く片桐にかえるは自分のことを覚えていないのかと問いかける。

まったく記憶にない片桐だが、かえるくん(澤井一希(声:のん))と名乗る相手いわく、30年前に東京を地震から一緒に救ったという。そしてまた危機が迫っているので、手助けをして欲しいというが……。

←3話

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【地震のあとで】最終回のネタバレ

かえるくんと一緒に地下を進んでいた片桐だったが、信用金庫時代の顧客たちの恨み言や、罵詈雑言に耐えかねて倒れこんでしまう。

ふと目を覚ますとそこは1995年1月16日、つまり阪神淡路大震災の前日の神戸だった。謎の男に介護される片桐は、彼が誰だか分かっていなかった。そんな片桐のことを男は責めまくる。

耐えられず片桐は部屋を飛び出す。するとそこは小村が最後にさまよっていたホテルの廊下だった。何がなんだか分からずにいる片桐、不意にあの男に肩を叩かれてさっきの部屋に戻った。日付は阪神淡路大震災当日、5時45分になろうと何度も時計が動いていた。

男はここにいたほうがいいと諭すが、片桐はここにはかえるくんがいないといって、彼の元へ行こうとする。そして、持っていたコップに入っていたものを男に向けてぶちまけると、男はたちまち闇に包まれて塵になった。

気付くとまたトンネルにいた片桐。電話の鳴る音を聞いてそばにあった電話機の受話器を取る。かえるくんの心配する声が聞こえ、ようやくすべてを思い出した片桐は「お久しぶりです、かえるくん」と答えた。

かえるくんはさっきみみずくんと闘い、もうすぐ闇に消えるという。片桐は夢の中でずっと応援してくれたというかえるくん。忘れていた30年間を思い出すことで、かえるくんを応援していた。

本当はあっちにいるべきだったかもしれないが、あそこにはかえるくんがいないから。つまり、自分がいないということだという片桐。自分は片桐の影だとかえるくんは教えると、別れの言葉を告げて受話器を置く。

通話を終えた片桐は、出口に向かい外に出る。そしてまた、歌舞伎町でゴミ拾いをしていた。

片桐の一日

片桐正一(佐藤浩市)は病院のベッドで目を覚ました。近くにいるかえるくん(澤井一希(声:のん))に地震を防げたのかとたずねる。

「ええ、みみずくんとの闘いはなんとか引き分けに持ち込めました。東京は今回は救われました

片桐は肩の力が抜け、安堵の息をついた。

2025年。片桐はネットカフェから出勤する。新宿歌舞伎町のゲームセンターを抜けると、勤務先であるビルの地下駐車場の警備員としての一日が始まる。

最初に来た客(奥野瑛太)がカード決済でエラーを出すと、現金で支払うよう頼み、その客は一万円札を差し出した。片桐が金庫を開けてみるとお釣りがなく、「申し訳ない、今手持ちがありません」と頭を下げるしかなかった。男は「何のためにここにいるんだ」と怒声をあげ、同乗していた女の子が立て替えを申し出ると「使えねえな」と吐き捨てるように言って去っていった。

その後、同僚の山賀(津田寛治)が「本当にネットカフェで暮らしてるって話は本当なのか」と問いかけてきた。片桐は小さく「まあ…」とはぐらかす。山賀は笑いながらさらに問いかける。

「それにしても、いつも銀行員みたいなスーツで来てるけど、あれは何なんだ?」

片桐は特に答えずに笑ってごまかした。

巨大かえるに遭遇

片桐は制服のまま外へ出ると、落ちているゴミを拾い始めた。道端に積まれたゴミの山から、突然、巨大なかえるがゆっくりと姿を現す。目の前に現れたそのかえるは話しかけてきた。

「またこうして再会できてうれしいです」

思わず尻餅をついた片桐に、そのかえるは「お久しぶりです、片桐さん」と名乗る。しかし片桐には見覚えがない。

「昔、あなたと東京を救ったあのかえるくんです」

2人で30年前に東京を襲う大地震を防いだことを告げる。

かえるは自分が片桐の前に現れるのは、事態が極めて深刻になったときだけだと言い、「再び助けてください」と願い出る。その場に同僚の山賀が現れて声をかけてきた。しかし、彼にかえるくんは見えてないようだった

東京を救っていた2人

片桐はかえるくんと一緒にネットカフェにやって来た。シャワーを浴びたかえるくんは満足そうに体をタオルで拭い、自分の姿が片桐にしか見えないことを告げた。片桐は部屋へ招き入れて話を始めた。

かえるくんは30年前に神戸で起きた大地震について触れ、その直後に新宿の地下深くで巨大なみみずくんと闘ったと明かす。地下鉄車両ほどの大きさを誇るみみずくんは怒ると地震を起こし、ちょうど片桐が勤める信用金庫の真下に棲んでいた。

借金の取り立てで恨みを買いながらも、誠実に働く片桐を見込んだかえるくんは協力を求め、二人は寸前のところで東京を襲う地震を食い止めた。片桐が夢の中で想像力を働かせ、かえるんを励ましたおかげだった

そう言うとかえるくんは、手にしていたマグカップを宙に浮かせて見せた。

「ここは目に見える現実世界ですが、世界はそれだけではありません」

かえるくんがカップを逆さまにすると、中に入るコーヒーは零れなかった。

「世界の見え方は、どんなふうにも変えることができます」

すると今度はカップが箱に変わる。

「想像力次第で何にでも変えることができる。いわば箱の中身はあなたです」

片桐が宙に浮く箱に手を伸ばすと、それは再びコップへと変化した。突然の出来事に片桐は動揺し、「ちょっと外の空気を吸ってくる」と叫んで部屋を飛び出した。

みみずくんをやっつけろ

かえるくんが再び現れると、片桐は問いかけた。30年前の出来事はなんとなく理解できたが、なぜ今日また来たのか、と。かえるくんはみみずくんが再び危険な状態に陥っているという。

あらゆるものを分解できるはずのみみずくんの腹が、ここ30年にわたって人の不幸や憎しみが染み込んだ、黒い土を食べ続けたせいでパンパンに膨れ上がってしまったのだという。このまま黒い土を食べ続ければ、今度こそ東京に大地震を引き起こす。だからもう一度、自分と一緒にみみずくんと闘ってほしいと。

片桐は躊躇した。平凡以下の自分にそんな役割が務まるのか、自分より強い人間はいくらでもいるはずではないか、と。しかしかえるくんは力など必要ないと言い切った。片桐にはただ心を込めて応援してもらえればいい。実際に戦うのは自分が引き受けるのだから、と。

自分はここでひっそり生きるのが、身の丈に合った人間だと片桐が拒むと、かえるくんはズバズバと指摘を重ねた。あなたは昔から風采は上がらず、弁も立たないために軽く見られることもある。

「でも僕にはわかるんです。あなたは、筋道の通った勇気のある方だ」

若い頃には親代わりとして弟妹を養い、人の嫌がる仕事を厭わず黙々とこなしてきた。それなのに誰もあなたに感謝しない。

今だって頼まれなくても、新宿で延々とゴミ拾いを続けている。焼け石に水のような行為だと嘲られ、ゲリラ豪雨にはボロ傘で立ち向かう、愚か者のようにも見えるだろう。他の誰にも見えなくとも、あなたにはあのゴミが見える。

「東京広しとはいえ、あなたぐらい信用できる人はいませんよ」

番人

深夜3時。かえるくんは迎えに行くので、それまでに考えておいてほしいとだけ言い残して消えた。3時になると、片桐はふと、自分がなぜあの記憶を忘れてしまったのか考え始める。そこへかえるくんが再び現れ、「どうする?」とだけ問いかける。片桐は黙って頷き、夜の街へ踏み出した

向かったのは30年前と同じ場所、かつて信用金庫があった地点の真下──さらに地下へと続く道を辿るためだ。かつての建物は移転され、いまは巨大なビルがそびえ立っている。そのビルの地下駐車場片桐現在職場へと2人は向かった

片桐は自嘲気味に呟く。

「信用金庫なんていうと聞こえがいいが、自分の場合、人を助けることより、恨まれたり傷つけられたりすることのほうが遥かに多くて、あんまりいいことはなかった」

それでも、なぜかこの場所に戻ってきてしまう自分を不思議に思う。かえるくんは静かに頷いた。

きっと片桐さんは、無意識にここでずっと見守っていてくれていたんだ。みみずくんのことも、そして僕のことも」

やがてかえるくんが「何か、それらしい場所はないか」と尋ねると、片桐は辺りを見回しながら「こんなとこに…?」と呟いた。すると赤く点滅する小さな光が視界の隅に光り、2人はそちらへと歩み寄り、扉を開けて地下へと足を踏み入れた。

闘い開始

地下鉄の駅に到着した片桐とかえるくん。ホームで様子がおかしくなったかえるくんは、口から小さな光る箱を取り出して、片桐に差し出した。

「ここから先は闇が深くなる」

2人はさらに地下へと降りていく。

暗い階段を下りながら、みみずくんの痕跡を探すためにかえるくんは低く鳴き声をあげる。やがて古びたトンネルが現れ、かえるくんが「さあ、風のゆくほうへ」と促して歩き出した。暗闇を進むうちに、天井に「1995」「2025」の文字が浮かび上がっているのに気づく。

しばらく進むと、かえるくんが足を止め、「すでに何かに取り囲まれている」と声を潜めた。この先は目印もなく、見ることも聞くことも危険な、まるで悪夢の世界だと警告し、再び歩き始める。

すると、かつて信用金庫の行員だった当時に浴びせられた罵詈雑言が、どこからともなく聞こえてきた。「全部おまえのせいだ」「死ねってことかよ」――恨み節が終わりなく響き渡る中、かえるくんは「立ち止まるな」「何も考えるな」と必死に叫んだ。しかし片桐は胸を押さえ、その場に崩れ落ちてしまった

見知らぬ男

ふと声をかけられ、肩を叩かれた。気づくとそこは公園だった。片桐は介護士の男(錦戸亮)に手伝われ、車椅子に乗せられた。男は「家にいなかったから迎えに来た」と告げ、妹のケイコと弟の啓介が自分を心配していると言った。片桐は何のことかわからず、ただ黙っていた

部屋に戻された片桐は自力で立ち上がり、壁の日めくりカレンダーを見ると1995年1月16日だった。テレビからは関西地方の天気予報が流れ、片桐は自分が神戸にいることを悟った

テーブルの上には「神戸安全信用金庫」のロゴ入りティッシュが置かれ、床には四角い箱が転がっていた。介護士の男がその箱を棚に戻すと、冷蔵庫が勝手に開き、男はコーラを取り出して飲ませようとした。

片桐は箱を拾い上げて開けたが、中は空っぽだった。突然「かえる、うちに帰る」と叫び、扉に向かって歩き出した。男が制止しようとしたが、片桐は勢いよく周囲をかき回し、箱を男に投げつけた。箱が当たって痛がる男を見て、片桐は慌てて謝罪した。

男は静かに問いかけた。「本当に覚えていないのか?よく見てくれ、見覚えがあるでしょう」と言われ、片桐ははっと思い出した。新宿の夜間保育園にいたテツヤではないかと。そして君の父親が自殺したのは、自分のせいじゃないんだよと謝罪する。

「人間ってね、傷つけた方は結構簡単に忘れちゃうものなんすよね。傷つけられたほうと違って」

許しを請う片桐に、男は自分はテツヤではないと否定した。

「君のことを知らないんだ。覚えていないんだよ」

「知らない、わからない、覚えてない。あんたらがいつもそんなんやから、世の中悪なる一方やねんで?」

男は呆れてと吐き捨てた。そして「思い出させてやろうか」と片桐を椅子に押し込めた。続けざまに「もっと大声を出していれば子どもは助かった」「見て見ぬふりをしなければ命が救えた」「適当に打ち込んだデータ一つで争いが生まれる」と責め立てる。片桐は彼が何を言っているのか、いまだに分かってなかった

「何回おんなじことしたら気ぃつくんや。おっきな出来事ある度に、騒ぐだけ騒いだり、知らんふり決め込んだり…結局あんたらどこへも向かってへんわ」

胸を小突かれた片桐は動揺し、そのまま部屋を飛び出した

闘いの行方

目覚めると、そこは小村徹(岡田将生)が彷徨っていたホテルの廊下だった。「扉を開けるとかえるくんがいるんだ」とつぶやく小村。扉から人が現れ、地下へ降りてミミズくんと闘おうと誘ってくる。片桐には理由も意味もわからず、ただ立ちつくすしかなかった。

そこへ例の男が現れ、「だから出るなといったでしょ」と肩を叩く。目を開けると、いつもの小部屋に戻っていた。テレビはカラーバーを映し、古いパタパタ時計が何度も〈1995年1月17日 5:45〉を示している

暗闇の中、男は「さっきはちょっと言い過ぎました」とつぶやきながら電気を点け、テーブルのコップに飲み物を注いだ。「これは嫌なことを忘れさせる薬のようなものですから」とコップを差し出すが、片桐は首を振った。

「人間が生きるために、いっちゃん必要なんは、忘れるていう能力ですよ。人間は忘れるから前を向ける。全部覚えてたら、頭おかしなるでしょ?」

そう言って片桐の手にコップをぎゅっと握らせる。さらに棚から箱を取る。

「この箱ん中におればいいんです。言い方悪いが、もう老い先が短いんだし、あとのことは誰かがなんとかする」

片桐は小さく「帰りたい」と呟く。男は「さっき見た廊下が片桐さんの世界だ。ここにいれば誰にも恨まれず、事故も地震も起きない」と説得を試みるが、片桐の決意は変わらない。

そのとき、電話が鳴り響く。男は戻ってどうするの?片桐さんができることなんてないでしょ」と呟いた。すると片桐は持っていたコップを逆さに掲げた。

「あそこには、かえるくんがいるんです。もう一度かえるくんに会いたい」

コップの中の水は落ちず、ゆらゆら揺れるだけだった。片桐はそっとコップを元に戻し、うめくように「かえるくん」とつぶやいた。

男は慌てて後ずさりし、「あかんて、あかんて片桐さん…」と叫ぶ。片桐は思い切りコップの中身を男にぶちまけた。たちまち闇に包まれた男の姿は塵となって消えた

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【地震のあとで】最終回の結末

電話のベルが響いた。片桐は暗い地下トンネルで目を覚まし、そばにあった公衆電話の受話器を取った。向こうからかえるくんの声が聞こえた。

「片桐さん、大丈夫ですか?」片桐は小さく笑いながら「お久しぶりです、かえるくん」と応えた。かえるくんは「ようやく思い出したんですね」と言った。「きっと忘れないと、生きていけなかったんですね」というかえるくんの言葉に、片桐は「そうかもしれない」とつぶやいた。

そのとき後ろで物音がし、振り返って「そこにいるのか?」と尋ねる。

「来ないでください。もうすぐ僕は闇に消えます」

「どうして?」と問い返す片桐に、かえるくんは静かに話し始めた。

「さきほどみみずくんと闘いました。片桐さんは夢の中でずっと僕を応援してくれた。本当にありがとう」

その言葉に片桐ははっと気づく。自分も一緒に闘ってたのだと。

「片桐さんは、忘れていた30年間を思い出すことで、僕を応援してくれていたんです」

「本当はあっちにいるべきだったのかもしれない。でも、あそこにはかえるくん。君がいない」

「僕がいないと、いったい何なんです?」

「私がいないということです」

それを聞いたかえるくんは笑い出す。

「ありがとう、片桐さん。そう、僕はあなたの影なんです。でも…そろそろお別れの時間です。どうか、生き抜いてください。これから何が起きても」

かえるくんはそう言って受話器を置いた。片桐はかえるくんのいた方を見つめたあと、踵を返して出口へ向かった。

片桐はまた街角でまたゴミを拾っていた。山賀に「またやってるのか」と声をかけられ、片桐は淡々と「はい、片桐はまたやってます」と応じた。

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【地震のあとで】最終回のまとめと感想

失われた30年間の記憶を思い出し、片桐はようやく自分に戻ったという話でした。

今回の話も少々分かりにくいです。片桐とかえるくんが出会った時、かえるくんは正真正銘のかえるだというので、本当にかえるなのかと思って見ると、最後に片桐の影だと言います。つまり、かえるくんは片桐であり、片桐はかえるくんとなります。

恐らく片桐は信用金庫時代のあまりにも熾烈な仕事内容のせいで、自分の記憶に封印をしていました。忘れないと生きていけないからです。しかし、かえるくんと出会うことで思い出し、謎の男によって閉じ込められていた箱から出ます。そうしてかえるくんの所に戻って影と一つになり、自分を取り戻しました。

また、「かえる=帰る、変える」で「みみず=見ず(見ない)」という意味なのかもと思わせます。

と、言っていることも合っているのか分からず、何が答えかは結局示されることはありません。今回の話は村上春樹版『マトリックス』みたいな、『ドン・キホーテ』みたいな話だと感じました。

そして2話目の堤さんと同じく今回の錦戸さんを見て、関西弁の役柄はやはり関西弁ネイティブな人がいいです。

映像化することでより、考えるよりも感じたほうが理解できる気がします。映像からなんとなく感じる喪失感、なんとなく感じる生きる希望……そんな雰囲気を感じ取るドラマでした。

【地震のあとで】最終回のいいセリフ

世界の見え方は、どんなふうにも変えることができます

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