【地震のあとで】2話のネタバレと感想|家族を失った男がたき火にこめた魂

2025春ドラマ
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【地震のあとで】2話「アイロンのある風景」のネタバレと感想をまとめています。

海辺でたき火をする謎の男と家出少女が出会う。家族を失った喪失感に、生きる意味を見出せない今。2人がたき火を通じて選んだ答えとは?

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【地震のあとで】2話のあらすじ

スーパーで働く順子(鳴海唯)のところに、いつも決まったものを買いに来る三宅(堤真一)という客ががいた。

いつもは買うはずのビールを、三宅は今日に限って購入しなかった。順子はそれをきっかけに話しかけ、やがて海辺でたき火をする三宅のところへ行くようになった。

三宅と順子が話をしているうちに、お互いのことが少しずつ明らかになっていく。そして2人は“ある決意”をすることになり……。

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【地震のあとで】2話のネタバレ

阪神・淡路大震災で家族を失った三宅は、流れ流れて今の地にたどりついた。順子も高校3年生の時に家出をして、現在の地にたどりついていた。

自分だけ生き残ってしまったことをずっと悔やんでいた三宅と、生きる意味が見つからない順子はたき火をすることで繋がりを持つ。

2011年3月10日、三宅は順子を呼び出して大きなたき火をする。そこで順子は自分が空っぽだと三宅に相談すると、三宅は一緒に死ぬかと誘う。順子はそれに応じ、たき火が消えて真っ暗になったら死のうと約束した。

謎の男

2011年1月。線路に腰を下ろす順子(鳴海唯)は、レールに手を当てて振動を感じ取る。やがて電車が警笛を鳴らしながらやってくる。踏切の遮断機が下り警報音が鳴る。順子は線路外へ出た。

その後、順子が海岸に行くと、男が砂浜で流木を拾っていた。それを順子は遠くから見ていた。

スーパーで働く順子の店に、いつも決まったものを買う客・三宅(堤真一)がいる。同僚が言うには彼は画家ではないかという。なぜなら服に絵の具がついていたからだった。

順子は自宅に戻り、恋人の啓介(黒崎煌代)に店の期限切れ商品を渡す。代わりに啓介は順子の母から来たはがきを渡しながら、父親とうまくいっていないのかときいてきた。順子は構わずはがきをもらうと、読まずに引き出しにしまった。

テレビをつけると阪神・淡路大震災が明日で16年になるというニュースが流れていた。

翌日、三宅が順子の勤める店にやってくる。いつもは買うはずのビールが、今日はなぜかカゴに入ってなかった。順子が持ってこようとすると、三宅は今日はビールはいいんだと話した。

順子には以前から気になっていたことがある。なぜ三宅は毎日こまめに買い物に来るのか?買いだめしておけばいいのにと、思わずきいてしまう。三宅は冷蔵庫が嫌いで家にないからだと説明する。

「冷蔵庫があると、落ち着いて寝られへん」

順子は不思議に思った。

たき火

バイトを終えて帰る順子は、啓介に遠くから呼びかけられても気付かなかった。そして海に向かい、浜辺でたき火をしている三宅を見かける。近づいて声をかけ、三宅と一緒にたき火をすることになった

「火の形を見てると、不思議な気持ちになったりしないですか?」

順子は火を見ながら三宅に問いかける。順子はひっそりした気持ちになると話した。

「火いうんはな、形が自由なんや。自由やから見てるもん次第で、何にでも見える。だから店員さんのひっそりした気持ちが、そこに映ったんやろな。そういうのわかるか?」

三宅の問いかけに順子は頷いた。

たき火をやるために、ここに流れ着いたようなもんだという三宅。順子はそういうのがちょっといいと思った。

順子はふと砂に突き刺さる、半分に割れた竹に目を留める。中には「No.818 2011 1/17」と書かれていた。なんのサインなのか三宅にきくと、神戸にあったピザ屋が、客に出す時に今まで焼いたピザの数を紙に書いて渡すのだという。

「こんなにいっぱい、たき火をやったってこと?」

驚く順子に「せやな」と三宅は淡々と答えた。

順子の過去

たき火をしながら三宅は順子にこの辺の生まれなのかときく。答えに戸惑う順子に、三宅は無理に答えなくてもいいと告げ、ただ順子がこの辺の子とは違う気がしたと話した。

順子はぽつりぽつりと話し始める。2年前に家出してここに来た。高校3年生の時だった

「昔から自分がそこにいないような感じがあって、フワフワしてるっていうか、地面に足がくっついてないみたいな?」

順子はさらに続ける。

「中学の時、宇宙人を見るような目で見た。この人とは一緒にいられない、無理だと思った」

父親とダメになってしまったのが、一番の原因だった。それから順子はどこでもいいから、とにかく自分の足で遠くて行きたかったという。

電車に揺られてずっと行った先、時間をかけたわりには全然遠くに行けなかったのを覚えてる。時間とか自分の周りが、どんどん縮まっていく怖い感覚だけが今でも続いてる

そんな順子の話を、三宅は穏やかに無言のまま聞いていた。

順子は話を終えると自分も木をたき火に入れたいと願うが、三宅は今はたき火の真ん中にある大きい木の魂を燃やすためにやっているから、触らないほうがいいと制した

やがて啓介が迎えにやってきて、順子は立ち上がる。また来てもいいかときくと、三宅はもちろんやと歓迎した。

順子が啓介と帰った後、三宅は砂に突き刺さっていた竹を抜いて燃やした。

冷蔵庫の悪夢

荒い息遣いが響く。狭い冷蔵庫の中で苦しんでいた。三宅はそんな悪夢を見て目を覚ました。ふらふらと起き上がる三宅は、雑然とした部屋に立ち尽くす。

ふと床を見ると、そこに日めくりカレンダーが落ちていた。日付は1月17日、拾い上げて壁にかけ直し、一枚ちぎった。

海岸に行き、順子と木を探す。上手に木をくべてたき火の準備をする三宅。順子はその様子を見守っていた。うまく火がつきたき火が始まると、啓介もやってきて3人でたき火を楽しんだ

翌朝、いつものようにスーパーに行って帰ってきた三宅は、袋の中に「おまけです」と紙が貼られたカプセルを見つける。中にはカエルのフィギュアが入っていた

三宅は木炭を手にすると、キャンバスに絵を描き始めた

アイロンのある風景

2011年3月10日。順子の電話が鳴り、とると三宅だった。流木が沢山流れてきている。大きいのができるから出てこないかという誘いだった。順子はすぐに行くと答えて出かけた。啓介も文句言いながら一緒に行った。

順子が踏切を渡ろうとすると、啓介が警報機の音を真似る。

「危ないぞ、ちゃんと歩かないと」

啓介は順子に警告した。

海に行くと三宅は大きな木をくべていた。最近は海鳴りを聞くだけで、木が流れてくるのが分かると誇らしげに三宅は語った。

三宅はこっちに出てきて17年だと言う。なぜ出てきたのかを啓介がきくと、色々あってというだけだった。啓介がさらに時々帰るのかときくと、全く帰ってないと答えた

木に火をつけるとたちまち立ち上る炎。今までで一番大きいたき火だった。みんなその周りではしゃいで盛り上がった。

やがて火が小さくなってくると、啓介は腹痛を訴えて先に帰った。

残った順子は三宅に神戸に家族がいるのではないかとたずねる。三宅は子どもも2人いた、家族は東灘区に16年前までいたと話す。

「なんであん時家を出たんやろ、なんであん時、みんなと一緒にずーっとおられへんかったんやろって、今でも思うで」

三宅はスキットルに入った酒をあおりながら話す。そして不意に立ち上がってぼやいた。

「俺はあほの王様やねん。なんで俺だけ生きとんのや」

順子にどんな死に方をするか、考えたことがあるかと問いかける。

「そんなの考えらんないよ。だってどんな生き方するのかも、まだ全然わかってないのに」

三宅は死に方から逆算する生き方もあると言う。順子は三宅がどんな死に方をするのかたずねると、冷蔵庫に閉じ込められて死ぬと三宅は話す。

ゆっくりと時間をかけて苦しんで、結局は窒息する。そういう夢を繰り返し見るという。それはあまりにリアルで、何度も死んだ気がするぐらいだった。

「ほんでいつか本当に死ぬ。そういう予感がある。予感いうものはな、一種の身代わりなんや。ある意味それは、現実をはるかに超えて生々しいもんなんや」

順子はぼうっと火を見ながら考えていた。三宅はこんな話をしてもしかたないといって話題を変えようとする。順子は三宅がどんな絵を描いているのかきくが、説明するのが難しいという。

最近描いた絵はアイロンのある風景だと教えると、順子はアイロンはアイロンではなく、何かの身代わりなのだろうと考えた。三宅の絵は今日やっと描き上げられた。

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【地震のあとで】2話の結末

三宅は火が小さくなるのを見て、そろそろ終わりだから送るという。しかし順子はふらふら歩き出し、見つけた大きな木を持ってくるなりたき火の中に入れた。

「たき火の魂が2つになった」

三宅は特に止めるでもなく、順子の話を穏やかに聞いた。

「私って空っぽなんだよ。本当に何にもないんだよ。気づいたらきれいに空っぽだったんだ」

「わかってる」

順子は三宅の返答を疑っていた。すると三宅はそういうことは結構詳しいからと答える。

「どうしたらいいの?」

「ぐっすり寝て起きたら、だいたいは治る」

そんな簡単なことじゃないと順子がいうと、そうかもしれないと三宅は答えた。

「もしかしたら俺等は知らん間に、えらい間違った世界に来てもうたんかもしれんな」

三宅がふとつぶやくと、順子はどうしたらいいのか問いかける。

「どや、今から一緒に死ぬか?」

「いいよ、死んでも」

三宅の問いかけに順子は迷うことなく答えた。

「とりあえず、焚き火が終わるまで待とか。せっかく作った順ちゃんの初めてのたき火、この火が消えて、真っ暗になったら…その時一緒に死ぬ」

どうやって死ぬのかという順子に三宅は、考えてみると答えた。そして竹に「No.827 20011 3/11」と書き足した。

「少しだけ寝てもいい?焚き火が消えたら起こしてくれる?」

まどろむ順子に三宅は、火が消えたら寒くなって嫌でも目が覚めると告げた。

アイロンのある部屋の風景が描かれた絵が、三宅の部屋にあった。

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【地震のあとで】2話のまとめと感想

阪神・淡路大震災で家族を失った男と、生きる意味を見失った女が、たき火を通じて交流したという話でした。

前回に続き今回も分かりにくい話です。たき火やアイロン、冷蔵庫や踏切といったものが何かしらのメタファーになっているようです。

今回特に気になったのが、三宅がこっちに来て17年だと語ったことです。阪神・淡路大震災は1995年1月17日に発生し、ドラマ内の2011年3月10日時点では発生から16年経過しています。しかし、三宅は“17年”こっちにいます。

考えられるのは、地震が起きた時も三宅は一人でこっちにいたということです。あの時なんで家を出たんだろうと後悔しているので、何か揉めたりして出て行ったのかとも考えられます。そして一度も戻っていないというので、出て行った時に実は離婚でもしたのかと思わせます。

同時に順子と父親の間にあった問題も、単に嫌悪しているだけなのか、もしかしたら性的なトラブルでもあったのではないかと深読みしたくなります。

時系列的に前回が阪神・淡路大震災の年の話で、今回は東日本大震災の年の話になります。そして次回は震災後の話になるようです。今回出てきたカエルのフィギュアが、最終回のカエルくんに繋がるのだと思います。それとやっぱり関西弁の役は、関西弁がネイティブな俳優さんが演じたほうがいいなと、改めて思いました。

【地震のあとで】2話のいいセリフ

もしかしたら俺等は知らん間に、えらい間違った世界に来てもうたんかもしれんな。

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