2月7日に放送された【ハムラアキラ】3話「わたしの調査に手加減はない」のネタバレと感想をまとめました。
調査の依頼を一度は断った晶ですが、結局受けることになります。2時間ドラマ的な女の嫉妬話かと思いきや、その裏側には切ない思いが隠されていました。今回も松本まりかさんの演技が炸裂します。
【ハムラアキラ】3話のあらすじ
死んだ香織(藤井美菜)が出てくる夢にうなされているから死因の調査をして欲しいと、慧美(三倉佳奈)からの依頼を不可能だと一旦は断った晶(シシド・カフカ)だったが引き受けることにする。友人の環(松本まりか)に話を聞き調べていくうちに女同士の妬みや僻み、そういったものが裏側に隠れていたのではないかと晶は推理する。
そして、調査報告を慧美にして話をしているうちに、彼女は怒って出て行ってしまう。この依頼には何か裏がある。そう気づいた晶は再び調べてある真実へたどり着く。
【ハムラアキラ】3話のネタバレ
由良香織の死因
事故死
真実への道筋
死んだ香織の手には慧美から送られて来た年賀状が握り締められていた。香織は不妊で悩み子供が欲しくてもできなかった。そんな香織に送られてきた慧美の年賀状は、自分の子供と一緒に写る写真入りの年賀状だった。
晶は当初、依頼をしてきた慧美が「自分は香織の自殺に関与していない」ことを知りたくて調査依頼をしてきたと思っていた。関係者から話を聞き調べた結果、香織は自殺ではあるが、慧美の年賀状が引き金になったに違いないと思っていた。そのことを依頼人の慧美に告げると、慧美は怒って出て行ってしまう。
店の常連達は推理する。「出来すぎではないか?」と。この年賀状一枚で本当に自殺をしたのだろうか。晶は引っかかりを覚えて再び話を聞きに向かう。
ようやく晶は気づく。これは環の仕掛けた罠で、危うく自分もはまるところだったと。そして環に事の真相を話しに行く。
あの晩、環は華子を送り届けた後に再び香織の部屋を訪ねた。そこで、香織に自分の思いを打ち明けるが香織は理解してくれなかったのではないのか。香織は環が自分に優しくしてくれたことは下心があるからで、自分に子供ができないことや、離婚したことも内心喜んでいたのだろうと怒る。そして、合鍵を返して欲しいとベランダでもみ合いになり、誤って転落してしまったのではないかと晶は推理する。
なぜなら、環は死のうとしている兆候もなかった。さらに出入りしていた喫茶店のマスターから環は「あの子も色々ある」という話を聞き、晶は最初はなんのことか分からなかったが、マスターと同じく同性愛者だということを意味しているのだと気づく。
香織が「みんな違ってみんないい」という詩を読んでいたのを聞き、マスターが救われた気分になったのと同時に、環もまた救われていたのだった。だから詩の朗読を聞いた時、環は涙を流して感動していたのだろう。
転落した香織のもとに駆けつける環は、彼女のポケットに慧美の年賀状が入っていることに気づく。そしてそれを取り出し香織の手に握らせることで、捜査の目を自分からそらし自殺だと思わせた。
しかし、証拠は何もない。すべては晶の推理でしかなく、環を警察に突き出すつもりもない。ただ、晶は慧美に自分が間違っていたと伝えにいくつもりだと告げる。
過去に香織が朗読した詩集に挟まる2人で写るプリクラを環は燃やした。
【ハムラアキラ】3話の感想
今回の話は二段オチです。最初にした推理で終わるかと思ったら、その裏側にあった悲しい真実を引きずり出します。しかし、何の証拠もないので死因となった人物は逮捕されることはありません。晶は探偵であり警察ではないので、そのまま話は終わります。
望むものが手に入らない苦しさ、華子はどうか分かりませんが残りの三人はそれに苦しめられます。子供、金、愛、三人はそれぞれに欲しいものがあり、手に入らないがゆえに苦悩していました。
金はあるが子供ができない香織、子供はいるが金に困っている慧美、金に困っていないし子供も望んでいないが愛を得られない環。この三人を見ていると「みんなちがって、みんないい」と、ドラマの中でキーワードのように出て来る言葉は、まるで皮肉のように聞こえてきます。
なぜなら、みんな違う苦悩を抱え、誰一人いい状態ではありません。みんなちがってみんな悪い、そんな話でした。
【ハムラアキラ】3話に出てきた本
今回は楽しみにしていたフェアやポップがなく、出てくる本も児童書が多かったです。この本がドラマ内のキーワードになる本でした。ドラマ内で出てきた本とは違いますが、出てきた詩が収録されているので紹介します。
「私と小鳥と鈴と」金子みすゞ
松本まりかが怪演!
どのシーズンのドラマを見ても必ずといっていいほど、ゲスト出演してくれる松本まりかさん。出たドラマでは確実に爪あとを残していき、強い印象を視聴者に与えてくれます。
2019年だけでも緊急取調室やシャーロックやドクターXなど、話題作にゲストで出演しては何かが憑依したような演技を見せて楽しませてくれました。
今回もその憑依ぶりは健在で、地味な女性の役を演じるのですが最後にはキレ芸を見せてくれました。複雑な心境を抱く役柄を見事何か目に見えないものを下ろして演じきります。
どんな役柄だったのか、どんな演技だったのか、簡単にまとめます。
- 野口環(36歳)
- 聖知女子大の准教授
- 児童文学ゼミで他の3人と一緒だった
- 眼鏡に髪を一まとめに束ねた地味女
- 他の3人とは明らかに異質な風体
- 香織の離婚後励ますために独女会を復活させる
- 香織の部屋の合鍵を持っている
- 慧美のことはあまり好きではないらしい
- 香織に密かな思いを寄せている
- 香織が死んだときの第一発見者
冗談なんかじゃないんだよ。そんなことされたら…私が本気になっちゃうよ。
と、妖しいセリフを言ったかと思えば…
世間ってものはいっつもおんなじ答えを、いっつも望む答えを求めてるんだなと思って。そう思いません?だってそうでしょ?みんな女は子どもを産んで当たり前。産まない、産めない女は生きる価値なんてない。内心そう思ってるから納得したんでしょ?
と、笑いながらの開き直りをして…
誰にも分かんないわよ!香織にも分かんない。そう…分かんなかったのよ。
と、キレ芸となります。
この間の演技はもう何かが下りてきているようで、いつもの松本まりか節を見せてくれます。今回もしっかりと爪あとを残していきました。
【ハムラアキラ】3話のその他気になったこと
- チーム白熊のおそろいTシャツ
- 口にクリームつけたまま話し続ける管理人
- 電話を無視してもすぐ後ろに晶がいる
- 疫病神扱いされる晶
- ノリノリなチーム白熊
- 笑いのツボが分からない晶
【ハムラアキラ】3話のまとめ
今回も空しい話です。誰もハッピーにならないし裁かれないからか、毎回終わった後は空しさが残るドラマです。悲しいとか苦しいというより、とにかく空しくやるせない気分になります。
あの時、環は思いを打ち明けなければ良かったのか?無自覚に接触してくる香織に苦しい胸の内を抱いたまま、一緒にいるのはそれこそ辛いでしょう。また、香織は香織で手に入れられないものに固執した結果狂い、立ち直ったかと思えば被害妄想気味なことを言ってきます。本当に立ち直っていたのか疑わしいです。
しかも「みんなちがって、みんないい」なんて詩を朗読したわりには、他人の嗜好は認められないというなんともちぐはぐな人物です。環を受け入れることはできなくても、否定する必要はなかったのではないか?
外面は取り繕っても家計は火の車な慧美、他人に寛容な詩を読んでも認めない香織。環が年賀状を握らせたり写真を焼いたのは、そんな二人に愛想が尽きたのかもしれません。
そして晶は自分が知った真実に従い、慧美に謝りにいくという選択をしました。シンプルに軸がぶれない生き方をしている晶が世界で最も不運な探偵ですが、一番いい生き方だなと思いました。
次回は2月14日(金)22時から放送予定です。