2020年1月24日に放送された【ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~】の1話「トラブルメーカー」のネタバレと感想をまとめました。
初主演のシシド・カフカさんが女探偵葉村晶役を演じたこのドラマ、いわゆる“ハードボイルド”探偵ものにこだわった作りになっていました。ミステリーファンなら行ってみたくなるような古書店もいい味を出しています。
【ハムラアキラ】1話のあらすじ
古書店「MURDER BEAR BOOKSHOP」でバイトをしながら「白熊探偵社」の調査員でもある葉村晶(シシド・カフカ)。
晶の元に姉・珠洲(MEGUMI)が訪ねて来る。珠洲には散々な目に過去あわされて来たため、晶は彼女を嫌がっていた。珠洲は海外旅行のチケットをやるから旅行に行けと言うが、晶は旅行に乗り気ではなかった。
その頃、女性の遺体が発見され、持っていたキャッシュカードから遺体は“葉村晶”だということが判明した。
晶は旅行には行かずにチケットを換金してしまう。怒った珠洲が出て行くと、今度は同級生の生沢メイ(中川知香)の夫だという生沢努(村上淳)から仕事の依頼が入って来て…。
【ハムラアキラ】1話のネタバレ
生沢メイ・努殺害犯
珠洲
動機
悪い男に騙され人生につまづいてきた珠洲は、やり直したくても世間がやり直しを許してくれないと思っていた。メイは自分の人生に感謝していなかったので、自分がメイの人生を乗っ取ってやろうと思った。
珠洲は努と一緒に海外に行くつもりなど最初からなく、努のことも殺害する。そして、晶を巻き込んだのは自分か晶かどちらかが死ぬしかないと考えていたからだった。
真実への道筋
珠洲がバリ島へ旅行にいけと言ってきたのを、晶は行きたくなかったので換金してしまう。珠洲は怒るが電話がかかってきてそのまま外へ行ってしまう。
その後、メイの夫である生沢努から仕事の依頼が入り、乗り気ではなかったが話を聞きに行くことにする。約束の場所になかなか来ない努が、ようやく来て話を聞くと万引きをしないようにメイを見張っていて欲しいという。
あまりにも馬鹿らしい依頼に晶は断り、引き下がる努とやり取りを続ける。そのうち、努が折れてもういいと言うので帰ろうとすると、送っていくと言い出す。晶はそれも断り一人で帰った。
その頃、葉村晶の遺体が発見されたため、自宅を警察が捜索していた。戻った晶は誰かが侵入したことに気づく。ネットニュースをみると、自分が死んだことになっていた。
警察へ行こうと考えた晶が外に出た途端、何者かに襲われる。晶は反撃して何とかその場を逃れ、交番へ向かおうとするが考える。そして古書店へ向かったところ、岡田に遭遇する。2人で事件の話を推理し始める。
恐らくメイの夫の依頼を受けていたら、そのまま監禁されたのだろう。あの時、自分を襲ったのは努だったに違いない。今まで起きたことを思い返して晶は推理する。しかし、死体の自分が歩き回っていることで計画が狂った。なぜ、自分を身代わりにしようと思ったのか?
遺体の特定が早かったこと、それは珠洲が確認したからに違いない。珠洲は最初、メイのおこぼれをもらっていた。そこで夫の生沢努と出会う。2人は共謀してメイを亡き者にして、珠洲がメイになり代わり海外へ逃亡しようと企んでいた。
晶を旅行にいかせその隙にメイを殺害、晶も海外で殺害して成り代わる。それが当初の珠洲たちの計画だった。実の姉に晶は殺されかけていたのだった。
珠洲の行く場所を考え、晶は幼少期に珠洲が自分は姫だから船の舞踏会に行くと話していたのを思い出す。港に向かった晶の前に珠洲はいた。そして、事件の全貌を話すと珠洲は自らを刺して海に落ちる。とっさに伸ばした晶の手には、珠洲がメイからもらったネックレスだけが残った。
【ハムラアキラ】1話の感想
初回から重めな話で始まります。終わった後の空しさが残る感じや、その途中で起きる数々の身の危険、一人語りのナレーションに劇中の音楽はジャズ。そのすべてが正統派ハードボイルドを感じさせてくれます。
着る服は黒、部屋は殺風景、旅行に行くぐらいなら本を読みたい、嫌な相手にはとことん嫌な態度、媚びへつらうことない孤高の人物として晶は描かれます。こういったこだわり一つ一つが、このドラマはハードボイルドものですよと教えてくれます。
こういったタイプのドラマや映画は、大泉洋さんの『探偵はBARにいるシリーズ』や、昔でいえば松田優作さんの『探偵物語』などが当てはまると思います。好きな人にはたまらないタイプのドラマです。
晶の勤める古書店がミステリーファンなら行ってみたいと思うような古書店でして、置いてある本も貴重なものから子供向けのものまで、本棚を見ているだけでもワクワクするお店でした。手書きのポップにナイフを持った熊のロゴマーク、ブックカバーにもそのマークが入っていて可愛らしいです。
また、書店で企画などを催し、今回は『乱歩vs横溝~令和に蘇る二大巨頭~』という企画をしていました。近所にあったら行ってみたいなと思う古書店です。本棚にあったものを紹介したいと思いましたが非常に膨大なため、今回は晶が持っていた本や話に出てきた本のみを紹介します。