12月20日放送の【ミスジコチョー】最終回10話「真奈子、サンタを呼ぶ」のネタバレと感想をまとめました。
前回からの続きの話で今回で全ての謎が解明されます。SHIMZU自動車はリコールを隠していたのか?実証することができたのか?そして、真奈子のホスト問題はどうなったのか?
【ミス・ジコチョー】最終回10話のあらすじ
車メーカー編の、後編。高齢男性の運転する車が、女性を死亡させてしまう事故が発生。真奈子(松雪泰子)は実験を繰り返すうちに、車両側の欠陥の可能性を感じるが、同じ頃に「真奈子がホストに大金を貢いでいて、研究費を使い込んでいるのではないか」という疑惑が爆発。日本の大学から追放される危機と闘いながらも、真奈子は母親・喜里子の協力も得て、自動車会社のリコール隠しを暴いていく・・・。
公式HPより
【ミス・ジコチョー】最終回10話のネタバレ
事故内容
車のブレーキがきかず人身事故を起こしてしまった。
事故の原因
ブレーキをかけるためにバキュームポンプへの力を伝える、タイミングチェーンのチェーンテンショナーに不具合があった。チェーンが緩んだせいで振動が起き、バキュームポンププーリーのボルトが緩んでしまう。
さらにエンジンルーム内の温度が40度以上になった時、バキュームポンプのカムシャフトとプーリーの素材の関係で、最大10ミクロンのしめ代が減ってしまう。その結果、空回りしてロックしたような状態になりブレーキがきかなかった。
一番の問題
SHIMIZU自動車が不具合を知っていたのにも関わらず、公表せずにリコールを隠したこと。
【ミス・ジコチョー】最終回10話の感想
最終回は全ての謎が解明されて、スッキリとした終わり方でした。失敗学というものの大切さを、真奈子だけでなく志保も理解します。誰でも失敗はする、問題はそれを未来に生かせるか、それが大事だと今までも真奈子は語ってきました。今回ももちろんそういう話です。
失敗をした時、なぜ隠そうとしてしまうのか。先延ばしにすればするほど被害が拡大するのに。見ていていつもそう思っていましたが、今回のリコール問題の場合、10万台という数を回収しなければなりません。確かにとんでもない額の損失でしょう。
ですが、自動車という乗り物は人の命を奪いかねません。運転手だけでなく同乗者や通行人も死んでしまうかもしれない、その問題を深刻に考えたならやっぱり失敗はすぐ認めるべきだったと思います。
真奈子のホスト問題はもちろん理由がありました。真奈子が個人的に研究していることがあり、その研究を手伝ってくれていた元教え子だったのです。お金を渡していたのも研究に使うためですし、研究費を流用していたわけでもありませんでした。
事故の詳細、真奈子と家族の話、真奈子のやっていた研究などについて掘り下げます。
ネタバレの詳細となります。未見の方はご注意ください。
事故の謎
実験で使うポルトJを借りようと久坂が問い合わせても断られます。すでにSHIMIZU自動車の手が回っているようです。しかし、そのおかげで2つの妙なことに気がついたといいます。
その1:チェーン・テンショナーの交換
タイミングチェーンの張りを調整する部品である、チェーン・テンショナーがどうやら勝手に交換されていたことが分かります。
- 25台中8台が新品の部品に交換されていた
- 車のオーナーは部品を変えた覚えはない
- 実は上からの指示で、持ち主に黙って部品が交換された
その2:ブレーキのきかない車
- 久坂の知り合いの修理工場に運ばれた車の持ち主が、ブレーキがきかないと言っていた
- SHIMIZUが検証した結果、何もなかったという
- 検証の直後にSHIMIZUは内々にチェーン・テンショナーの交換を指示
SHIMIZUはこの時にチェーン・テンショナーの異常に気づき、リコールをするのではなくこっそり交換を始めた可能性が高いです。よって、この部品に問題があるということが分かります。
車の問題はどこ?
チェーン・テンショナーがおかしいと、なぜブレーキがきかなくなってしまうのか?まずはブレーキがきくための仕組みを教えてくれました。
- ブレーキを踏むと力が何倍にもなるように、バキュームポンプの負圧を使う
- バキュームポンプの力はポルトJの場合、タイミングチェーンから伝わってくる
走っている車を止める力を軽い力で済むように、バキュームポンプの力を使って止めているということです。それを伝えるための部品がタイミングチェーンとなります。では、チェーン・テンショナーがおかしい場合どうなるのか?
- チェーン・テンショナーの不具合でチェーンが緩む
- 緩んだせいでバタつき振動が起きる
- 振動のしかたによってバキュームポンププーリーのボルトが緩む
- ボルトが緩むとプーリーが空回りする
- ブレーキに必要な負圧が足りなくなる
- ブレーキを踏んでも固いロックがかかったようになる
牧野が言っていたブレーキがきかなかったというのは、この状態になったことだと思われます。今度はブレーキテスターを使用して数値を計ってみますが、ブレーキはきいている状態でした。やはり問題がないのか?
実証実験の結果
真奈子は野津田からヒントを得ます。それは、固く閉まった瓶のふたが開かないのを、久坂がバーナーで温めて開けたのを見てひらめきます。
- カムシャフトの素材とプーリーの素材は、温度が40℃以上に上昇すると緩む
- これによってプーリーが空回りしてブレーキがきかなくなる
そこで事故が起きた過去の時期を確認します。
- 1件目から3件目は7月と8月の猛暑日に事故が起きている
- 4件目は10月だが3時間以上のロングドライブをしていたので、エンジンルームの温度が高かったはず
しかし、今回は冬で牧野は自宅から事故現場まで7分しか運転していません。なのになぜ起きたのか?それは娘の福江が牧野が運転しなくてもいいように、こっそり車の運転をしていたのです。よって、牧野の車のエンジンルームは温度が高かったことが分かります。
ここで、再度エンジンルームの温度を40℃以上になるようにしてから、ブレーキをかける実験をします。その結果、ブレーキはききませんでした。この一台だけの検証では意味ないという清原社長に、証拠を突きつけるため各自動車工場で実証を実はしていました。
- 158台中の9台に異常が発生
- 国土交通省に報告する義務は、3台か4台異常発生でする必要がある
これでSHIMIZU自動車のリコール隠しが決定付けられました。その後、清原社長は道路運送車両法違反、ならびに業務上過失致死傷容疑で逮捕されました。
真奈子のホスト問題
真奈子がホスト通いをして研究費を使い込んでいるのではないか、という疑惑が前回終わりに出てきました。実際のところなんだったのか?
- 自分のお金で個人ラボをやっていた
- 他の研究機関に籍を置く教え子たちに手伝ってもらっていた
- ホストのトキオはチームリーダー
- トキオはホストクラブで稼いだお金を資金として入れていた
- トップシークレットの研究内容をみんなで共有して開発していた
- 研究内容はタイムマシーン
ホストのトキオは真奈子の教え子で、元NASAのエンジニアというすごい人物でした。真奈子のタイムマシンの研究に、みんなで協力し資金を投じたりしていたというのが真実です。
しかし、トップシークレットな内容のものを、みんなで共有しているということは、出るところに出たら問題になるといいます。そのため、真奈子は誰にも言えずにいたのです。
志保はこのことを知っていて真奈子を守っていました。今回、大学の監査が入り呼び出されます。その時、大学関係者を前にして志保は真奈子に対する思いを語ります。
- 彼女のことは誰よりも知っている
- 彼女を辞めさせて欲しいなんて思っていない
- もっと最先端の研究施設で力を発揮して欲しいとすら思う
- でも真奈子は大学教授になることを選択した
- どんなに素晴らしい発明をしても、扱う人間が間違えば大変なことになる
- 次の世代に正しい知識や経験を繋ぐために真奈子は大学にいる
- 同じ過ちを繰り返さないために失敗学がある
- 失敗を乗り越えてこそ、明るい未来があると真奈子が教えてくれた
真奈子が工学者としてどこかの企業に所属したり、研究所に所属すればもっと良いものを発明できる。だから、真奈子を大学から追い出すならそれでも構わないと志保は言います。ですが、大学教授を真奈子が選択した理由、それを大学の人たちに語ります。
失敗学の素晴らしさに志保も気づき、真奈子は未来のために失敗学を教えているということです。この言葉がきいたのか、真奈子は大学を追い出されずに済んだようです。
真奈子の家族
母親が南雲博士であるのは度々登場するので分かりますが、前回に続き今回もまた父親の話を少しします。真奈子の父親とはどんな人柄だったのか?そして、南雲博士との関係性はどうなったのか?
真奈子の父
- 売れないSF作家だった
- どの作品もありえないぐらいの理想の世界が描かれている
- 最後はみんなハッピーエンド
- 男手一つで真奈子を育ててくれた
- 母と同じ工学者の道を選んだ時、父は応援してくれた
- どことなく野津田に似ている
- 父親の影響でありえない夢を追いかけている
南雲博士とはまったく違うタイプで父親は優しげな人でした。そんな父は真奈子に会いにアメリカに行った時に、失敗して落ち込んでいる真奈子を励ますようにこう言います。
誰だって失敗はするさ。あの母さんでさえな。俺と結婚したことは母さんの最大の失敗だ。その失敗のおかげでお前と出会えた。お前さんはね、失敗の申し子だ。
いつも完璧な母の失敗は自分と出会ったことだと言い、自分で言っていて悲しくないのか?と真奈子にきかれ、悲しくなんかない、おかげで真奈子が生まれたのだからと言います。真奈子は父の言葉に笑って励まされました。
南雲博士との関係
- 元夫の墓参りに来たところで真奈子と会う
- SHIMIZU自動車に対して客観性を失っていたと言い真奈子と協力
- 共に事故原因の実証実験をやる
- ロボットカーの実現が10年遅れてもしかたない
スイッチの入っちゃったこの子を止めることはできないのよ。私の最高傑作だもの。
“最高傑作”を見せるといってSHIMIZU自動車の人を呼び、実証を終えた時に真奈子こそが自分の最高傑作だと言います。南雲博士は真奈子のことを非常に愛していると分かるセリフです。その後、サンタの格好をしてホログラム映像になったりと、茶目っ気があるところを見せてくれました。
【ミス・ジコチョー】最終回10話のその他気になったこと
- 真奈子の彼氏だと思われる野津田
- 真奈子の話に感動して思わず泣いてしまう野津田
- 郁美の手作りっぽい食事が美味しそう
- 久坂に惚れてしまいそうな郁美
- 三度の飯より車が好きな修理工場の連中
- SHIMIZU自動車が大好きな沼尻
- 思わずボンネットにくっつく沼尻
- そんな沼尻の背中を擦る久坂
- サンタでもなければおばちゃんでもないと言う真奈子
- サンタの格好が意外と似合う南雲博士
- 南雲博士はサンタの格好したりするのが好き
【ミス・ジコチョー】最終回10話のまとめ
最終回はすべてスッキリと問題解決して終わりました。事故調査委員会のドラマというので、どんなドラマかと思いながら見てきましたが、見終わった後に“失敗”というものに対して見方が少し変わりました。
今までは失敗=悪いことのようにどこかで感じていましたが、ドラマを見てからは失敗は必ず起きることで、それを今後にどう生かすかが大切だということに気づきました。失敗は何も悪いことばかりだけでなく、学びの良い機会でもあるということです。
そう思うと人の失敗にも寛容になれますし、失敗した人のことを責めても何もならないということに気づきます。共に考え今後失敗しないためにはどうするか、情報を共有することが大切です。他人の失敗は自分の学びになるのです。
野津田が最後に「もしタイムマシーンができて、色んな時代に行けたとしても、きっと今が一番好き」と言います。いくつになっても現在が一番好きだと言えるような、生きかたができたらよいなと思いました。
視聴率的には残念ながらふるわなかったドラマですが、個人的には終始楽しく視聴できましたし、物事の考え方を少し変えてくれる良いドラマでした。