12月9日放送の【シャーロック】10話のネタバレと感想、ロケ地などについてまとめました。
今回は誘拐事件の謎に獅子雄が挑みます。そして守谷の正体は誰なのか?まさかのあの人なのか?匂わせてきます。
ドラマ【シャーロック】10話のあらすじ
江藤礼二(佐々木蔵之介)が誉獅子雄(ディーン・フジオカ)に、いつも以上に頭を下げて事件解明を頼み込んでいる。若宮潤一(岩田剛典)が誘拐事件では獅子雄への依頼は無理だと言うと、江藤は誘拐されたのが鵜飼昇平都知事(大鶴義丹)の息子だと明かす。鵜飼のもとには息子を預ったという脅迫メールが届いていた。江藤が必死になるのも無理はない。さらに江藤が頼んでいると、獅子雄が珍しく報酬を取ると明言して引き受けた。不思議に思う若宮。すると、獅子雄は世話になったので少しは若宮に金を払っておかないと・・・と、意味深な言葉を告げる
獅子雄は若宮と江藤、小暮クミコ(山田真歩)と鵜飼の息子、椋介(浦上晟周)が通う高校の寮へと向かう。迎えたのは、鵜飼の第二秘書、津崎洋平(松島庄汰)だ。津崎の案内で、獅子雄たちは椋介の部屋へ。そこには、同部屋で椋介と同じバスケットボール部の竹内(佐久間悠)がいた。竹内は昨夜23時ごろまで椋介は部屋にいたが、その後は自分も寝てしまい分からないと証言している。その後に椋介がいなくなったのだが、竹内は室内で誰かと争うような物音は聞いていないと言う。江藤と若宮は、椋介と犯人が知り合いか、椋介自身が自ら出て行ったと推測。だが、獅子雄は裏口には誰も通った形跡がないことを確認していた。
事務室で正門の防犯カメラを確認すると、椋介が出て行く姿が映っていた。次に獅子雄たちはバスケットボール部のコーチ、灰田聡(増田修一朗)に話を聞きに行く。生徒への指導を見ていた若宮は、灰田に関してある疑念を抱き・・・。
公式HPより
ドラマ【シャーロック】10話のオープニングナレーション
遠ざかる背中を眺め思う
師弟関係とは違う
恩人とは認めたくない
ましてや…
相棒なんて呼ばれたくない
それでも いつの日か
この男に支配されたことは
至福の時間だったと
振り返るのだろうか
ドラマ【シャーロック】10話のネタバレ
鵜飼椋介誘拐犯
鵜飼椋介
動機
パワハラが酷いコーチ灰田と父親を陥れるため。父親に灰田のパワハラのことを訴えたが、体裁を気にしてコーチをクビにはできず、椋介へのパワハラだけをやめさせた。その結果、灰田は他の生徒へのパワハラを強め、椋介はチームから浮いてしまった。
トリック
椋介は一旦寮の外に出てから用意していた野球部のユニフォームに着替えて、野球部員に成りすまして戻ってきた。そして、部屋のカーテンレールを踏み台にし、天井裏に上って身を隠し誘拐の自作自演を成立させた。
誘拐計画犯
津崎洋平と竹内
動機
津崎:隠し子である津崎は母親の死後、父の所に来て秘書になったが、椋介との扱いの差に嫉妬する。そこで、同じく椋介に対して嫉妬心のある竹内を誘った。
竹内:いつも2番手で控えだったため、椋介がいなければ自分が試合に出れると思い津崎の誘いに乗った。
真実への道筋
椋介がいなくなったのは、灰田のパワハラのせいかと思ったが、部員達に話を聞くと本人は父親に言って以来パワハラされていなかった。
犯人からの連絡で東京ドームに身代金を持って来るよう言われるが、会見では言わないよう警察に止められる。しかし、鵜飼は息子が誘拐された話を定例会見で言い始める。
身代金受け渡し場所へ向かい、子どものために必死になる姿を人目の多い場所で見せる鵜飼。獅子雄は支持率上げのためのパフォーマンスだと考える。
そもそも誘拐事件自体が鵜飼の“マジシャンズセレクト”により誘導されたもので、その裏側には秘書の津崎が隠し子であること、試合に出たい竹内の嫉妬心をうまく利用したものだと獅子雄はいう。
椋介の居場所はどこなのか?獅子雄は灯台下暗しだと言い、火災報知機を鳴らし発炎筒を炊いて天井裏に隠れる椋介をいぶり出す。
椋介は椋介で大人に対する不信感が募り、2人が誘拐を計画しているのを知って、自ら姿を隠したのだった。
ドラマ【シャーロック】10話の感想
次回で最終回となる【シャーロック】ですが、2話連続の話ではなく1話完結の話でした。守谷がいつ登場するのかと待っていましたが、守谷は既に登場していたのか?灯台下暗しということなのか?そんな雰囲気を匂わせて終わります。
事件部分は割りとサラっと終わってしまい、事件そのものというより“マジシャンズセレクト”“灯台下暗し”というキーワードを次回の物語のための布石っぽく出してきます。1つの物語を丁寧に掘り下げていく回ではありません。
今回は“マジシャンズセレクト”のカラクリと獅子雄の推理、守谷の正体についての考察を掘り下げます。
ネタバレの詳細となりますので、未視聴の方はご注意ください。
マジシャンズセレクトとは?
今回のキーワードとなるマジシャンズセレクトとは、自らの意思で選んだように思わせて、実はこちらが選ばせたいものを選ばせるという高等マジックとドラマ内で紹介されます。では、今回のドラマでどの部分がそうだったのか?
例1:江藤の場合
獅子雄に事件を選ばせるために、3つ選択肢を出します。
- 都知事の息子誘拐事件
- 農家の親父が大根で撲殺された事件
- 二宮金次郎の石像だけが壊される連続器物損壊事件
この3択で獅子雄は都知事の息子誘拐事件を選択します。この時点では金目的のように獅子雄は言いますが、実は鵜飼とサットンビジネススクールが繋がっていました。守谷へたどりつくことは出来ないと思うが、守谷へのメッセージにはなると思っていたからです。要するにこの3択なら、間違いなく誘拐事件を選ぶわけです。
例2:鵜飼の場合
津崎が誘拐事件を思いつくように、鵜飼はマジシャンズセレクトで選ばせます。そこで支持率を回復する手立てを考えて欲しいと言います。その選択肢は以下の通りです。
- 疑惑を認めろというならそうする
- 新しい都政改革案を都民に示せというならそうする
- 何かの事件に巻き込まれ、悲劇のヒーローになるという方法もある
そしてこう付け足します。「時間がない。最も効率よく即効性の高いものを考えて欲しい」「全てはお前次第だ」と。津崎の椋介に対する嫉妬心をくすぐり、見事誘拐事件を起こすという選択肢を選ばせました。
例3:獅子雄の場合
鵜飼が認めないため獅子雄がマジシャンズセレクトを実践してみせます。カードを5枚机の上に伏せて置き、それとは別に文字が書かれたカードを選ばせます。
- 1回目に配ったカード
- エラー
- 不器用
- ぽか
- 力負け
- 侵略
- 負け戦
- うっちゃり
- オウンゴール
この中から最も好きな言葉を選ばせます。鵜飼は「負けは嫌いだから」という理由で“うっちゃり”を選びます。
- 2回目に配ったカード
- 木登り
- 電車
- 失点
- 幼稚園
- 不手際
- 黒星
- 落城
- シンガポール
この中から“うっちゃり”と最も特徴が似ている言葉を今度は選んでもらいます。鵜飼は“黒星”を選びます。
- 3回目に配ったカード
- ステンレス
- 失敗
- 新聞
- うたた寝
- サイドカー
- 象
- 愛情
- 敗北
また同じようにこの中から“黒星”と最も特徴が似ている言葉を選んでもらいます。鵜飼は“敗北”を選びます。
- 4回目に配ったカード
- 夏休み
- すみれ
- 居酒屋
- 一戸建て
- インターネット
- 飛行機
- 辞職
- タンカー
この中から“敗北”と最も言葉が似ているものを選んでもらいます。鵜飼は“辞職”を選びました。
そして伏せたカードを1枚ずつ表に返していくと順番にスペードのJに“うっちゃり”、スペードのQに“黒星”スペードのKに“敗北”、スペードのAに“辞職”と書かれていて、最後の1枚のジョーカーを加えてロイヤルストレートフラッシュが完成しました。
これはもちろん相手の性格をある程度知っている必要があります。このゲームは徐々に選択肢が減っていき、最後には絶対狙った言葉になるよう作られています。
鵜飼の性格上、好きな言葉を選ばせたら負けが匂う言葉は選ばないでしょう。よってギリギリ勝ちの可能性がある、“うっちゃり”を選ぶと獅子雄は分かっていたはずです。
そして、2枚目以降は“最も特徴が似ている言葉”を選択させ、自然と黒星=敗北=辞職となるわけです。このゲームの場合、最初に何を選んだとしても必ず“辞職”となります。
なぜなら、1枚目の全てのカードのイメージから、2番目のカードで選択できるのは、“失点”“不手際”“黒星”“落城”です。
3枚目はその4つのイメージから選ぶので、“失敗”か“敗北”の2択しかありません。
4枚目は“失敗”と“敗北”のイメージに最も似ている言葉となれば“辞職”しかありません。
なので、どうあがいても“辞職”しか選べないのです。
最初の1枚目から選ぶカードを当てないとならないなら、相手の性格を知っている必要がありますが、最後の1枚だけ当てればいいなら誰でも当てることができるようになっていました。面白いゲームです。
ドラマ【シャーロック】10話の獅子雄の推理
毎回お馴染みの獅子雄がなぜ気づいたのかの補足です。ドラマ内で結構大げさにヒントを出してくれたので、今回は視聴していて分かりやすかったとは思います。
- 津崎
- 鵜飼がドームで探し回っている時の動画に姿が映っている
- 第一秘書から聞いた話で25年前の不倫騒動の隠し子だと知った
- 防犯カメラを確認していた時に、言葉に詰まっていた
- 竹内
- やたら秘書の津崎をちらちら見て気にしていた
- レギュラーでもないのに部員の集合写真を飾っている
- 椋介
- カーテンレールが変形していた
- 野球部の最後尾の一人はバッシュを履いていた
- 集合写真が一人だけ笑っていない
守谷についての考察
守谷は誰なのか?番組終盤になり、どうやら江藤なのではないか?という匂わせをしてきます。いくつかその理由を挙げていきます。
その1:マジシャンズセレクト
今回の事件を解決したことで、江藤は次の人事で捜査一課長へ昇進します。クミコも第3係係長になります。しかし、クミコはまったく嬉しそうにしません。なぜなら、今まで事件を解決した実感がない、獅子雄が解決しているだけだと思っていたからです。
しかし、江藤はこういいます。
あいつが解決してるわけじゃない。
あいつに解決させてやってるだけだ。
あいつが解決するよう俺たちが導いてやってる。
分かるな?
解決するよう導いてやっている。マジシャンズセレクトなのか?いつものとぼけた江藤の強がりなのか?微妙なラインではありますが、思わせぶりなセリフです。
その2:市川利枝子の脱走
番組終わり頃になって、拘置所から4人の被告が脱走します。男女合わせて4人らしく、その中の1人が以前登場した元警視庁捜査二課所属の市川利枝子でした。この人物は守谷の熱烈な信奉者で、守谷のためなら何だってできると公言していた人物です。
彼女が出てきたとなると、守谷にとって邪魔な獅子雄を消しに来るなど考えられます。恐らく守谷が何らかの手を使って逃したのではないか?そんな雰囲気です。同じ警察の江藤が関わっているのだとすれば、簡単に逃すこともできるでしょう。
その3:君が代
脱走した被告4人を追うため警察では緊急会議が開かれます。しかし、江藤はその場には来ないで、なぜか屋上で君が代を口ずさみます。
なぜこのタイミングでこの歌を歌うのか?まるでこれから死にに行くような、強い覚悟のようなものを感じさせます。
その4:年齢と身体的特徴
以前、守谷の年齢設定について一覧表にしたことがありますが、仮に江藤が守谷なら合致しているのかを見比べてみると、演者の佐々木蔵之介さんは現在51歳なのでギリギリのラインでした。
原作版シャーロックホームズのモリアーティ教授の身体的特徴は、背が高くて痩せているなどいくつか特徴があります。江藤はその部分には当てはまっています。
ただ、モリアーティ教授には“兄弟”がいます。一人は弟で原作ではイングランド西部で駅長をしています。もう一人は兄か弟か不明ですが、原作では大佐と呼ばれているので軍人です。
今回、江藤が果たしてモリアーティ教授本人なのか?それとも兄弟の誰かなのか?現時点では謎です。
ドラマ【シャーロック】10話のロケ地
東京経営短期大学
聖ルーク高校の外観
公式HP
日野市 市民の森ふれあいホール
バスケをしていた体育館
公式HP
東京ドーム
身代金受け渡しの場所
公式HP
山野美容専門学校
都知事室
公式HP
パレスサイドビル
江藤が「君が代」を歌っていたビルの屋上
公式HP
ドラマ【シャーロック】10話のその他気になったこと
- 何1つ盛り上がらない事件という江藤
- マジシャンズセレクトではなく、バナナの叩き売りと言われる江藤
- ゴミが磁石くっつくチート
- ピッキングのやり方を教わる若宮
- しかしピッキングできない若宮
- サンタの格好で登場する獅子雄
ドラマ【シャーロック】10話のまとめ
江藤が守谷なのかと匂わせて終わる回でした。ラス前なので2話連続にするかと思いきや、いつもどおりの単発で終わります。次回で全て話が完結できるのか?30分拡大で放送されるようですが、どう終わるのか楽しみです。
評判がよければ続編もありそうな気がしますが、視聴率的にはちょっと微妙なラインです。また、一応原作つきなので話に限りはあると思います。月9前作の【監察医朝顔】が評判よかったので、【シャーロック】はそれと比較されてしまうと厳しいのかもしれません。とはいえ、個人的には見ていてわりと楽しく視聴できたドラマでした。
次回は12月16日21時から30分拡大で放送予定です。最終回となります。