12月2日放送の【シャーロック】9話のネタバレと感想、ロケ地などについてまとめました。
今回はレストラン内で起きる殺人事件の謎に獅子雄が迫ります。殺人事件の裏側に隠された真実とは?
ドラマ【シャーロック】9話のあらすじ
謎の宿敵、守谷壬三に繋がっていた安蘭世津子(長谷川京子)に目の前で死なれた誉獅子雄(ディーン・フジオカ)の衝撃は小さくないようだ。そんな獅子雄を、若宮潤一(岩田剛典)、江藤礼二(佐々木蔵之介)は小暮クミコ(山田真歩)の誕生日をダシに外へ連れ出そうと計画。若宮はベッドで毛布に包まる獅子雄に声をかけるも断られるが、絶対に来いと先に出た。
若宮、江藤、クミコが集ったのは、とある有名イタリアンレストラン。獅子雄がなかなか来ないことに苛立つ若宮。そこに、ソムリエの加藤茂(田邊和也)に案内されて獅子雄がさっそうと登場し、いつものように嫌味を告げながらオーダーへ。身銭を切る江藤は一番安いコースを促すが、獅子雄はアラカルトを頼みだす。ところが店の看板料理が用意できないと加藤に言われてしまう。
その時、加藤が個室の客、高津みずえ(遊井亮子)に呼ばれる。個室には料理評論家、大石万作(升毅)とカメラマンもいた。取材で来ているのに、看板料理がないことに不満をもらすみずえは、シェフの古賀智志(大友康平)が不在なのかと問う。すると、加藤は店の体制はいつもと同じだと答えた。大石も料理に文句をつけだすと、その声に、客の不破凛子(島かおり)、達彦(綾田俊樹)は不快な表情。別の客、中原聖子(峯村リエ)も、大石に声を落として欲しいと注意した。ギスギスした店内で、若宮は盛り上がって来たと獅子雄をうかがう。予約も取りにくい有名店の味が変わり、名物料理が出せないのはなぜか?その謎を推理してみようと言う若宮。すると、獅子雄は、今日、店がオープンする前に異常事態が起こったと指摘して・・・。
公式HPより
ドラマ【シャーロック】9話のオープニングナレーション
コース料理は人の一生に似ている。
ささやかな前菜に始まり、
スープやパスタで徐々に温まり、
メインで一気に花開き、
甘いデザートと苦いコーヒーで幕を引く。
そして今日出合った料理は、その日だけのもの。
同じ味には、二度と出合えない。
人生に再びがないように…。
ドラマ【シャーロック】9話のネタバレ
新井伸吾殺害犯
加藤茂
動機
西岡に指示してレシピを持ってこさせていたところを見かけて代わりに話をする。シェフに恩がある加藤は新井の挑発に乗り、そばにあった花瓶で殴打して殺害してしまった。
真実への道筋
店の看板料理であるうずらのカチャトーラが今日はないことから、店に何かがあったと獅子雄たちは考える。
獅子雄が店内を見たところ、掃除道具入れの中に遺体を発見する。しかし、その後江藤が見たところ遺体は消えていた。
店にいた客と店員全てを集めて獅子雄が推理した内容を語る。ワイングラスを落としたのは、割れたグラスを片付けるために死体を隠した掃除用具入れを開けないとならない。犯人なら穏やかではないはずだと言い、加藤に対して動揺していたと指摘する。
しかし、古賀が自ら「私がやりました」と名乗り出て、オープン前に新井と揉めて殺害し隠したと自供する。すると話を聞いた西岡が新井に脅されてレシピを持ち出そうとしていた話をする。その時、加藤に止められてその後、加藤と新井が話し合うことになった。
加藤は過去にケンカで人を殺してしまい、そんな自分を拾ってくれた古賀に恩を感じていた。古賀の店を潰そうとする新井と口論になったため、かっとなって花瓶で殴打し殺害してしまったことを自供する。
死体が移動した謎については、店の客である老夫婦にあった。夫婦は事業が傾き借金で首が回らなくなっていた。思い出の店であるこのレストランで、食事をした後に死のうと考えていた。今日が最後の晩餐だったため、なんとしてもディナーの間だけでも見つからないようにしたかった。そこで、ことのいきさつを偶然聞いてしまっていた妻から、遺体が掃除用具入れの部屋にあることを聞いて夫が遺体を動かした。
実は古賀は脳梗塞で、味覚がおかしくなっていた。それを知られないようにするため、若い才能を利用していた。そこで新井が加藤と争っていた時、見てはいたが止めに入らなかった。新井が憎かったからだ。
ドラマ【シャーロック】9話の感想
少し後味の悪い回です。ケンカを見ていたけど止めないことは、罪に問うことはできないのかもしれません。しかし、そんな人の作る料理は食べたくないなぁと思いました。
今回の話は店員から客から、獅子雄はもちろんのこと、その場にいる殆どの人がエゴイスティックです。これを“悪”と呼ぶなら、見ていて結構嫌な気分になる回だと思います。しかし、これこそ“人間”だとも思います。人間誰しもエゴはあります。聖人ばかりが出てくる話は人間味がありません。ただ、創作物であるドラマで“鏡”を見たいかどうか、そこら辺でこの回の好き好きが分かれそうです。
珍しくどこかを移動するでなく、レストランのみで話が展開します。ソリッドシチュエーションな話ですが、獅子雄がさっさと謎を解いてしまうため、バイオリンタイムまでには病気の症状などを知っている人でないと、解けないんじゃないかと思いました。
今回は謎を解いていくための獅子雄の推理をメインに掘り下げます。
ネタバレの詳細となりますので、未視聴の方はご注意ください。
バイオリンタイム前までのヒント
まずはバイオリンタイムまでに出てきたヒントをまとめます。
- 看板メニューの「うずらのカチャトーラ」がない
- 前に来た時と料理の味が全然違う
- ソムリエナイフには「from koga」の文字
- ワインが芝生のような匂いがする
- 今日になって看板メニューが出せなくなった
- 老夫婦の夫、達彦の結婚指輪がピカピカ
- 老夫婦の妻、凛子の携帯の着信履歴は金融系
- 老夫婦の会社は小さな工務店
- トイレのそばにある花瓶の下には花びらが散ってる
- 凛子の靴は擦り減った靴
- 獅子雄が掃除用具がある物置にある遺体を発見
- 遺体は死後2時間程度
- 達彦がトイレに立つ
- 江藤が見に行くと遺体は消えていた
- 聖子が電話で「新井は消した」と話しているのを聞く
- 聖子は電話で「店のスタッフにはバレていない」と言っている
- 西岡の眼鏡の端が割れていることに気づく
- パティシエなのに佐伯はジャガイモの皮を剥いていた
- 佐伯が新井は休みだと言う
- クミコが警察を手配しに外へ出る
- 新井は辞めたと古賀が言う
- タリアータの塩味が濃い
- 古賀が塩の名前を言う時にどもる
- 調整が難しい塩を使っている
- 古賀の両手を見せてもらうと左右の高さが違う
- 老夫婦は久し振りに店へ来た
- 聖子はコースを頼まないでカウンターでワインを飲んでいた
- 試行錯誤して味が定まらないと古河が大石に詫びる
- 副料理長がいないだけなのになぜか味が落ちている
ここまでがバイオリンタイム前までのヒントです。ここから分かることをまとめます。
誰が殺害したか?この段階で獅子雄は分かったらしく、バイオリンタイムに入ります。そして解答編へと突入します。
ドラマ【シャーロック】9話の獅子雄の推理
デザートが近づき獅子雄はグラスをわざと床に落として割ります。それから今回は店の客と店員の全てを集めて獅子雄が真相を話します。全員が容疑者だという獅子雄、どうやって絞り込んでいったのかまとめました。
推理その1:今日の料理についてどう思ったか?
- 高津みずえ:先生を連れて来ただけで分からない
- 大石万作:感心しない
- カメラマン:写真撮っていただけなので分からない
- 中原聖子:食べていないから分からない
- 不破達彦:以前と変わらずおいしい
- 不破凛子:おいしかった。メインは最高
- 佐伯斗真:この店もう終わりだ。早く帰りたい
- 西岡啓介:新井がいなかったので大変だった
- 加藤茂:Elenaらしいいいディナーだった
- 古賀智志:自分では評価できないが、全力で作った
この質問とこの解答を聞いて獅子雄は「犯人が分かりました」と言います。なぜ分かったのか?
ここでまず大石、カメラマン、佐伯を帰らせます。理由は以下の通りです。
- 大石:あなたのような人間にはデザートを味わう権利も、犯人が誰かを知る権利もない
- カメラマン:大石を連れて出ていくよう頼む
- 佐伯:この店が終わりだと思っているようなパティシエに、サーブされるデザートはおいしくない
という理由です。意味が分かりませんが、とにかく獅子雄的には彼らは容疑者ではないのでしょう。残った人たちは今日の料理を否定しなかった人たちです。うずらのカチャトーラは新井が作っていたから、今日は出てこなかったと獅子雄は言います。ここで、みずえと聖子が揉めます。
推理その2:みずえと聖子の口論
- みずえ
- うずらのカチャトーラは新井が考えて新井が作ったものだ
- 極秘情報を知っているのは、新井と個人的な関係にあったから
- 今日の取材は新井に頼まれ、新井がいないとダメだと分からせるための取材
- 新井に好意を利用されている
- 聖子
- 新井をビジネスパートナーにしようと考えていた
- 支度金まで用意していた
- しかし新井は別の店の引き抜き話に応じていた
と、お互いがお互いを罵った後、獅子雄に言われて表に出されます。この2人も犯人ではありません。
推理その3:グラスを落とした意味
獅子雄はわざとグラスを落としたのは、反応を見るためでした。それは、破片を片付けるために、掃除用具が入っている物置を開けないとならないからです。犯人なら穏やかでいられないはずと思ったからです。
獅子雄は加藤に向かい「あなたは動揺していましたよね?」と言います。しかし、ここで古賀が遮り「私がやりました」と自供します。では本当に古賀が犯人なのか?古賀と西岡、その2人が話した後に、加藤が語り始めます。
- ワインを注いだときの匂いはドライフラワーの匂い
- シェフからもらったソムリエナイフを大切にしていた
という点から、獅子雄は加藤が犯人だと分かっていたようです。すぐに自供した加藤ですが、なぜすぐに出頭しなかったのかを今度は聞きます。すると、凛子が突然「ごめんなさい」と言い出します。
推理その4:遺体が移動した理由
唐突に謝る凛子ですが、何に対して謝ったのか?理由はこうです。
- 子どもに電話をかけに行った時に新井の電話内容を聞いてしまった
- 加藤が新井を殺害したのを見てしまった
- 物置に遺体を運んだところも見てしまった
- しかし、最後の晩餐だったので、すぐに警察に届けたくなかった
この後、達彦がトイレに立った時に遺体を移します。達彦は妻から遺体が物置にあるのを聞いていて、この店の施工をしたので建物の構造に詳しかったのです。物置の奥にドアがあることを知っていたので、そこに遺体を隠したといいます。
なぜ、この夫婦は遺体をわざわざ隠してまで、この店で食事をしたかったのか?それが“最後の晩餐”だからです。
推理その5:夫婦の事情
遺体を隠した夫婦には事情がありました。獅子雄はそのことも見抜いていました。
- 妻の携帯には金融関係や未登録の番号から着信があった
- 借金の取立ての電話に違いない
- 夫の会社は負債を抱えていた
- この店で食事をする余裕などなかった
- 着飾ってきたものの靴にまでは手が回らない
2人は食事が終わったら死ぬつもりだったと言います。この店は夫婦にとって心のよりどころで、最後の晩餐はこの店と思っていたそうです。だから、ディナーの間だけでも見つからないようにと遺体を隠したといいます。
推理その6:本当になくしたものは?
犯人も分かり遺体が移動した謎も分かりこれで全て解決と思ったら、もう1つ実はあったのです。本当になくしたものは何だったのか?獅子雄が教えてくれます。
古賀は夢や熱意をなくして、若い才能を利用していたと言います。しかし、獅子雄はそうではないといい、加藤も知っていたはずだと指摘します。
- 両手を見た時、左右の手の高さが揃わない
- 塩味が分からない
- ろれつが回っていなかった
以上から古賀は脳梗塞が原因ではないかと導き出します。脳梗塞で味覚がおかしくなっていることを隠し、店を守るために新井を利用していたということでしょう。キレた新井が店を辞めると言い出し、古賀は焦ります。
味覚を失ったかわいそうなシェフの物語として、終わらせていいのか?と問われ、なぜ加藤を最初かばったのかと突っ込まれます。すると、自分に恩を感じていた加藤と新井が揉めるのを目撃していたと白状します。けど、止めなかった。なぜなら、新井が憎かったからと言います。
獅子雄は正解を言いませんが、古賀が本当になくしたもの、それは“良心”だったのではないかと思いました。
ドラマ【シャーロック】9話のロケ地
レストラン内部はセットなため、ロケ地はありません。
参考HP:『シャーロック』1話限りのスタジオセットも 現場の気合が役者の刺激に (2) 360度作り込まれたリストランテ | マイナビニュース
ル・ジャルダン・デュ・ヴェール
レストランの外観
食べログ
ドラマ【シャーロック】9話のその他気になったこと
- 江藤とクミコが並んでいると高い店でも警視庁の食堂
- 他人が作る料理は毒が入っている可能性があるという獅子雄
- 一番安いコースを率先して選ぶ江藤
- 他人の決めたものは嫌なのでアラカルトで頼む獅子雄
- 何様と問われれば「獅子雄誉様だ」と答える獅子雄
- 仕事の時も推理していないと言われる江藤
- バラの茎で書くタイトル
- ワインをかけられる若宮
- 「はい、警察です」と手を挙げて答える江藤
ドラマ【シャーロック】9話のまとめ
一人のシェフのエゴが、他人の人生も狂わせるというお話でした。果たして加藤はこれで良かったのか?恩を感じた結果、自分の人生を棒に振ります。新井に至っては散々利用された挙句、殺されるという結末です。ですが、新井も相当嫌な奴なのでまぁこれはこれでいいかと。
獅子雄を筆頭に客や従業員も自分達のことしか考えないので、エゴとエゴがぶつかりあう嫌な感じの話でもあります。エゴ=感じが悪いと思いがちですが、感じのいい老夫婦も相当なエゴイストでした。
一方、獅子雄のようなエゴイストは、一般的にKYだ自分勝手だと言われるのでしょうが、個人的には『嫌われる勇気』を地でいくような人物だと思っています。建前ばかりの人当たりのいい人より、裏表がないので信用できます。
次回は12月9日放送予定です。ラス前らしいので、そろそろ守谷を出して欲しいです。
ドラマ【シャーロック】9話のエンディングナレーション
なぜ彼は今夜のディナーが、
最後の晩餐だと言ったのだろう。
いつもの言葉遊びだろうか。
それともこんな日々にも、
終わりが近づいていると予感したのだろうか。
僕も覚悟を決めた方が、いいのかも知れない。