【ミスジコチョー】の2話は食品偽装と食中毒についての話でした。そして今回新たに登場した真奈子の母も、真奈子に負けず劣らずクセの強い人でした。野津田や郁美など他の登場人物のことも少しずつ分かってきます。
【ミス・ジコチョー】2話のあらすじ
とある学校の給食で食中毒事故が発生。事故調査委員会が開かれるが、どこで菌が発生し付着したのか、謎に包まれていた。真奈子(松雪泰子)は助手の野津田(堀井新太)とともに調査に乗り出し、一見有能なとある社員が、コスト削減のために食品偽装を行っており、その作業過程で菌がついたことを暴いていく。
公式HPより引用
【ミス・ジコチョー】2話のネタバレ
事故内容
- 東京の修陽院中学校で食中毒が発生
- 生徒と教師含む100人以上が被害
- 腹痛や嘔吐を訴える症状
事故の流れ
- 給食で出たハムを食べた人たちに症状が出た
- ハムを食べなかった人たちは無事だった
- 給食で使用された高級ハム「匠の極みハム」が原因
- 発症までの時間や症状から黄色ブドウ球菌による食中毒の可能性あり
謎
- ハムのサンプルや症状が出た生徒の検便からは菌が検出されなかった
- 黄色ブドウ球菌は加熱することで死滅するはず
- 仕入れの流通経路をさかのぼっても感染源が特定できず
- 保健所の給食センター立ち入り調査でも菌がついた証拠が見つからない
- 工場長と新社長はそりが合わないから復讐したという噂
食中毒の原因その1:食品偽装
「匠の極みハム」の取引記録を見ると、給食に使うには少ない量しか卸されていなかった。実は片山が他の産地の安いハムと混ぜて、袋を詰め替えてラベルを貼り直していた。
詰め替える際に素手でやっていたため、手に付着していた黄色ブドウ球菌がハムへついてしまった。
食中毒の原因その2:冷蔵庫の故障
ハムを保管しておく冷蔵庫が壊れ、温度が室温と同じぐらいになってしまう。2日間そのままの状態だったため、黄色ブドウ球菌から毒素が発生してしまった。
黄色ブドウ球菌は熱処理をして死滅するが、発生した毒素は熱を加えても死なない。それが原因でハムを食べた人たちは食中毒を引き起こした。
一番の問題
新社長はコストを第一に考えていたため、ベテランの従業員のクビを切った。それにより人手不足が起こり、安全性を確保するのが難しくなった。
それでも江島工場長は社長の意に従わず、安全性を確保することを第一に考える。よって、社長とそりが合わなかった。
一方片山は社長の主義に応じて食品偽装を始める。高級食材をできるだけ安く提供するため、残りの半分を「匠の極みハム」と遜色のない無名ものを安く仕入れて混ぜたのだった。
給食センターの手袋すらケチっていたため、偽装作業の時には当然素手でやっていた。そこで冷蔵庫がたまたま壊れた結果、黄色ブドウ球菌が増殖し毒素が発生した。
【ミス・ジコチョー】2話の感想
食品偽装に食中毒というとんでもない会社の話です。この番組を見ていると企業というものは、上の人であればあるほどどうかしているんじゃないかと思えてなりません。
前回も水上という社員が一番誠実でしたが、今回も江島工場長が一番誠実です。こういった人たちはなぜか、非難されたり馬鹿にされがちです。一方、今回の片山のような愛想や要領が良い人は“いい人”と思われがちです。それは結局自分にとって“都合がいい人”なだけのことが多いです。
今回新たに真奈子の母が登場しました。母も優秀な人物ですが、真奈子とは仲がいいのか良くないのか、色々過去にあったようです。真奈子は母に会うのが嫌なようですが、会うと一緒になって物事を解決するため考えます。ですが、母は真奈子にもっと研究に力を入れて欲しいようで、結局物別れになってしまいました。今後も何かしら出て来ると思われます。
また、他の登場人物では野津田や郁美のことも少し分かりました。
今回は登場人物について分かったことと、ドラマ内で出て来た過去の事例、工場長と部長の人物比較などについてまとめました。
ネタバレの詳細となります。未視聴の方はご注意ください。
登場人物の新情報
今回新たに登場した真奈子の母である南雲博士のことと、助手である郁美、野津田は過去に何かあったということが少し分かりました。一人ずつ分かったことをまとめました。
真奈子の母・南雲喜里子について
今回初登場の余貴美子さん演じる南雲喜里子は、真奈子と同じく優秀な工学博士です。何が決定的な理由で真奈子と決別したのかは分かりませんが、技術的な部分ではお互いに考えて意見を出し合ったりします。
- 国立工学創造センターのセンター長
- 新型ロボットカー開発のプロジェクトリーダー
- 夫と子を捨てて仕事を選んだ
- 夫の葬式も仕事で行かなかった
- 3年前に真奈子と決別
家族よりも仕事を選んだことに博士は後悔はないと言いきります。そのことが原因であまり真奈子と巧くいかないのか?詳しくは説明されません。ただ、母親にありがちな娘をコントロールしたがる部分があり、それが真奈子は嫌なようです。
過去よりも未来という考えが強いらしく、真奈子のやる事故調査や失敗学などは過去を顧みることなので、あまり博士は共感できないようです。それよりも研究所に来て研究しろとか、研究に専念しろと言います。
しかし、大切なものを入れている箱には幼い真奈子と写った写真立てです。さらに、裏で手を回して真奈子の検査を優先してやるよう口添えしてくれます。やっぱり何だかんだ言っても、真奈子のことが好きなのだと思います。
郁美の新情報
真奈子の助手としている郁美ですが、どういった人物なのか今回新たに分かりました。
- 3人の子供がいるシングルマザー
- 長男:輝樹(てるき)次男:功太(こうた)長女:理愛(りあ)の3人の子供
- 3人の父親は全て別
- 3回結婚してバツ3
- それぞれの父親が週に3日はみてくれる
- おもちゃメーカーとライセンス契約21個しているのでお金に困っていない
3回結婚して3回離婚して3人それぞれの間にもうけました。そんなイクミンを見て真奈子は「堂々と同じ失敗を繰り返す人が興味深い」と言います。
中々たくましい女性のようで、この状況をむしろ後悔するのではなく前向きに育児しています。
野津田の過去
番組で詳しく説明はまだありませんが、野津田は過去に勤めていた会社でやらかしたようです。会社で怒られているシーンが出て来てこう言われます。
お前一人のせいで10億の損失だ。どう責任取るつもりだ。
分かってるのか!お前は失敗したんだ。
10億の損失を出したようです。それは前回のような事故なのかもしれませんし、今回のようなグループ全体に及ぼす損害なのかもしれません。ただ、とんでもない金額の損失が、野津田一人のミスで起きたようです。
恐らくこの件については後々触れられると思います。野津田はその“失敗”を教訓にしているのか?それとも逃げてしまったのか?注目です。
【ミス・ジコチョー】2話の過去の事例
今回の食中毒について真奈子が過去の事例を持ち出して説明します。食中毒はどこの世界でもあるようで、意外な所から広範囲に広まってしまいました。
1989年のアメリカの例
1989年にアメリカで起きたマッシュルームの話は、中国から輸入した缶詰のマッシュルームが原因でした。
- 2月13日 ミシシッピ州スタークビル
- 22人が大学の食堂で食事をした数時間後に胃腸炎になり9人が入院
- キノコが入ったオムレツとハンバーガーから検出
- 同じロットの未開封の缶からブドウ球菌のエンテロトキシンが検出
- 2月28日 ニューヨーク州クイーンズ
- 48人が病院の社員食堂で発症し1人が入院
- サラダバーで提供されたキノコから検出
- 同じロットの未開封の缶2つからブドウ球菌のエンテロトキシンが検出
- 4月17日 ペンシルベニア州マッキーズポート
- 12人がレストランで昼食または夕食を食べた後に胃腸炎になり2人が入院
- ピザで使用されていたキノコから検出
- 同じロットの未開封の缶からブドウ球菌のエンテロトキシンが検出
- 4月22日 ペンシルベニア州フィリップスバーグ
- 20人がテイクアウトのピザから発症し4人が入院
- マッシュルームを添えたピザから検出
- 同じロットの未開封の缶からブドウ球菌のエンテロトキシンが検出
2009年のフランスの例
2009年末にフランスで起きたチーズの話は、低温殺菌されていない牛乳から作ったチーズが原因でした。
- 2009年10月29日~11月14日までにフランスの6県で発生
- チーズを摂取した26人のうち23人は嘔吐などの症状が出た
- 低温殺菌されていない牛乳から作られたソフトチーズが原因
- 同じ生産者の牛乳貯蔵タンクから製造されたチーズが関与
- ブドウ球菌エンテロトキシンE型がチーズから検出
食中毒を専門に扱うアメリカの弁護士の人が、これは絶対食べないというものを選んだ記事もあったので、読んでみたら面白かったです。
集団食中毒事件を手掛けてきたプロが個人的に絶対食べない食品6選(アメリカ) : カラパイア
原文:Food Poisoning Expert Reveals 6 Things He Refuses To Eat | IFLScience
片山と江島の比較
今回登場した会社側の人間2人は対照的な性格でした。ぶっきらぼうで愛想のない江島工場長と、従業員にも慕われている片山部長の2人です。一見すると片山のほうがいい人に見え、工場長は感じの悪い冷たい人物に見えます。
しかし、ドラマの最後に工場長がどういった思いで仕事と向き合っていたかが分かります。本当に誠実な人は誰か?見極められるでしょうか。
片山紀之 | 江島工場長 | |
---|---|---|
役職 | エクセランフーズ仕入れ部長 | エクセランフーズの工場長 |
調査への協力 | 真奈子たちを案内する | 真奈子たちの相手をする時間はない |
手袋の補充 | 工場長の代わりにする | 機嫌が悪くなる |
社長に対して | 従順 | 反りが合わない |
工場の監督 | 現担当者 | 外された |
従業員の評 | 接しやすい | 話しにくい |
機械が壊れた時 | 一応見に行く | 業者呼べ |
会社への貢献 | 社長の意をくんで食品偽装 | 社長の意に反して食品の安全を守る |
リスク管理 | あちこち気を遣って色々抱えて ミスを犯すリスクを増やす | 自分のすべきことに集中して 余計なことはせずミスを無くす |
何のために仕事をしているのかというのが一番のポイントとなります。片山は社長のために仕事をして、江島は食品の安全を守るために仕事をしています。
コストを削減するのが第一の社長にとって、江島は迷惑な存在なのでしょう。一方片山は社長の意をくんで成果をあげようと食品偽装までします。
社長にも部下にも慕われる片山、社長にも従業員にも慕われない江島。しかし、結果は片山は法を犯し江島は安全を守ります。
呼び出されてクビになると思っていた江島ですが、真奈子の言葉を聞いた社長が改心したのかならずに済みました。
どちらが誠実か?結果を見れば一目瞭然ですが、これを見抜くには中々難しいかもしれません。ただ、人間的に信用もできるのは江島のようなタイプです。自分にとって都合がよくない人物は、実は自分を成長させてくれる場合もあります。
以前放送していた【ノーサイド・ゲーム】でもそんな話がありました。君嶋と滝川の関係などはそれに当てはまります。
【ミス・ジコチョー】2話のその他気になったこと
- 「非論理的、それでも工学者か」と子供に言われる野津田
- バシバシ叩きまくるパートのおばちゃん
- 野津田と真奈子が付き合っていると勘違いする志保
- 事故調のことをペラペラ喋ってバラす野津田
- 元々仲が悪いので仲互いではないという真奈子
- パワハラだと思ったらクビという野津田に無茶いう真奈子
- 高尚過ぎる冗談に置いていかれる野津田
- 真奈子たちの会話がわからず居眠りし始める野津田
- 似ていると言われて「似てない」と声を揃えて反論する親子
- なぜか博士と2人で鉄板焼きを食べる野津田
- 真奈子が母の所に助手を連れて来たのは初めて
- ハム工房で出されたものを遠慮なく食べる真奈子
- 食品偽装には全く興味がない真奈子
- 子供に“トモルン”と呼ばれる野津田
【ミス・ジコチョー】2話のまとめ
食品は火を通したら大丈夫なんて思っていたら大間違いでした。火を通しても死滅しない菌が発生してしまったら、それはもう食べずに捨てなければなりません。コスト至上主義だった会社なため、捨てるという選択はできなかったのでしょう。
そこで結局真奈子の言うところの、“安全のために資金を投じるのが長い目で見れば経費の節約になる”ということです。目先の廃棄することの損を嫌がり、結果として大損害を与える。上辺だけ取り繕えばどうにかなると思って食品偽装。高級品を安く食べれてありがたがる消費者。
当たり前のことですが、安全はコストがかかるものですし、高級品は安く食べれないから高級品なのです。今一度、自分にも言い聞かせたい教訓ともなる回でした。
次回は11月1日放送予定で、火災事故の話です。