7月8日からフジテレビの月9枠で始まった【監察医 朝顔】の初回第1話は、少し切ない話となっていました。倉庫で見つかった遺体の死因が溺死とわかりますが、陸で溺死という不可解な死因に監察医である朝顔と刑事の父である平が謎を解き明かします。
ドラマ【監察医 朝顔】1話のあらすじ
万木朝顔(上野樹里)は、神奈川県にある興雲大学の法医学教室に勤める新米法医学者。新米とはいえ、周囲から一目置かれるほどに優れた技量と豊富な知識を併せ持つ朝顔は、実直な人柄で、自分よりもつい相手のことが気になってしまうような愛情深く心優しい女性だ。そんな朝顔は、捜査畑ひと筋の刑事でもある父・ 平(時任三郎)とふたりで、寄り添うように暮らしている。他愛もない会話と穏やかな笑顔。2011年3月11日から変わらない娘と父の日常。そこに母の 里子(石田ひかり)の姿はない。あの日、里子は、父親の 嶋田浩之(柄本明)に会うために、生まれ育った東北のとある海沿いの町に帰省していた。
朝顔が興雲大学の法医学教室に出勤すると、検査技師の 高橋涼介(中尾明慶)、法歯学者の 藤堂絵美(平岩紙)、絵美の夫でベテラン法医学者の 藤堂雅史(板尾創路)がすでに来ていた。野毛山署の強行犯係に異動してくる刑事がハリウッド・スターに似ているらしい、と噂話で盛り上がる高橋と絵美。絵美は、朝顔の恋人で、野毛山署強行犯係の新米刑事・桑原真也(風間俊介)に確かめてほしい、とまで言い出す。
同じころ、野毛山署強行犯係でも、係長の 山倉伸彦(戸次重幸)、刑事の 森本琢磨(森本慎太郎)、新米刑事の 愛川江梨花(坂ノ上茜)らがどんな刑事が来るのか興味津々で待っていた。すると、そこにやってきたのは平だった。
そんな折、野毛山署管内の倉庫で女性が死んでいるとの無線が入る。すかさず現場に向かう平。山倉は、桑原にも同行を命じた。検視官の 伊東純(三宅弘城)は、到着した平たちに、頭部に外傷があるものの詳しいことは解剖をしてみないとわからないと伝え、興雲大学の法医学教室へ連絡する。
連絡を受けた朝顔と絵美は、藤堂が別の解剖に入ったこともあって一度は断ろうとした。そこに、ちょうど旅行から戻ってきた主任教授の夏目茶子(山口智子)は、朝顔に解剖をするよう指示する。
ほどなく、平と桑原が、遺体とともに法医学教室へとやってきた。そこで初めて、平が野毛山署に異動したことを知って驚く朝顔。そしてそれ以上に驚いていたのは、平が恋人の父親だと知った桑原だった。「教えてください。お願いします」。朝顔は、遺体の胸に手を当てて小さくつぶやくと、茶子の指導の下、遺体の解剖を行った。そこで分かったのは、女性が溺死した可能性がある、ということだった。倉庫で溺死という不可解な話に困惑する一同。平は、桑原とともに現場に戻り、周囲の捜査を進めるが……。
公式HPより引用
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ドラマ【監察医 朝顔】1話のネタバレ
- 万木平は野毛山署の強行犯係に赴任する。そこは娘の朝顔の管轄でもあった
- 身元不明の遺体が見つかりさっそく司法解剖をすると、死因は溺死の可能性がある
- 遺体から調べた水が汽水域のものであるとわかった
- やがて身元がわかり娘の早紀が当日母親の恵子に酷いことをしたと後悔する。
- それは母が持って来たお弁当箱が、友達からおじさんみたいと言われたことで受け取らなかったことだった
- 遺体の手のひらの傷に残っていた物質が、富士越百貨店の紙袋のものだとわかる
- 平と桑原で遺留品を事故現場で探していると紙袋が見つかり、遺留指紋から引ったくりの常習犯が逮捕される
- あの日、恵子は富士越百貨店で買い物をした後、引ったくりに遭遇してしまう
- そして揉みあった際に転倒して頭をぶつけ、意識を失ってしまった
- 水際で意識を失っていた恵子は水を飲んでしまっていた
- 気がついて立ち上がるが、もうろうとしながら無意識で歩き始める
- そして自宅の工場によく似た倉庫の中で息絶えてしまう
- くしくも死んだ場所は自宅の工場でいつも仕事をしている、机がある場所のあたりだった
- 恵子は自宅に戻ったつもりだったが、倉庫で死んでしまったのだった
- 死因は遅発性溺水を発症したせいで、水を飲んだ後しばらくして呼吸困難を引き起こして死んだ
- 恵子が百貨店で買ったものはお弁当箱だった
- その後、朝顔と平は祖父の元へ向かう。しかし、朝顔は駅に降りると地震のトラウマから足がすくんでしまう。
- 平は妻の手がかりを探すために残り、朝顔はそのまま電車に乗って戻る。
- あの日、朝顔は母と一緒に祖父の家に来た途中で地震にあう。母は知り合いの人の様子を見に行き、その後会うことはなかった。
ドラマ【監察医 朝顔】1話の感想
初回を見た感じだと犯人探しがメインというよりは、遺体とその家族の思い出や無念を描くドラマといった感じでした。どちらかというと、死んだ人の生きていた時を解明して、死後に遺族に「こうだったからこうなった」と伝える流れです。方向性としては『遺留捜査』とかに近いですが、毎回犯人がいるとも限りません。『臨場』などのように“自殺”だったり“事故死”の可能性もあります。
同じ法医学を扱う『アンナチュラル』や『法医学教室の事件ファイル』のようなものではないと、初回を見た限りそう感じました。なぜなら、犯人が捕まりますが自供のシーンもなければ、名前すらドラマではわかりません。要するに犯人が誰だったかより、残された家族の感情に重きを置いているのです。
まだ初回なので今後どうなるかはわかりませんが、法医学の12ある死因を1話ずつ全てやっていってくれるなら面白そうです。今回は10番目の他殺でした。
万木朝顔とは?
上野樹里さん演じる監察医です。とにかく上野さんの演技がよいです。自然でありながらどこか憂いもあり、父との関係もよく見ていて感じがよかったです。
- 興雲大学の新人法医学者
- 新人とはいっても落ち着いて解剖をきちんとできる
- 野毛山署の桑原とは恋人
- 父と二人暮らしをしている
- 食事は父と交替で作るルール
- 洗濯物の扱いにはどうやらこだわりあり
- 死因だけでなく「なぜそうなったのか」までを解明しようとする
- そのための努力は惜しまない
- 震災のトラウマがある
父と二人暮らしですが平も朝顔も穏やかなので、見ていて和む二人の関係でした。食事を交互に作るというのもなんだか微笑ましいです。二人共仕事で忙しいときもあるでしょうに、守れなかったときにはちゃんと謝る平も親子仲良くできる秘訣かと思います。
母を亡くした過去があり、今回祖父の家へ電車に乗って行きますが、駅に着いてスピーカーから流れる放送を聞いただけで足が止まってしまいます。それを見た父は無理をさせずに朝顔と一緒にまた電車を待ちます。そして朝顔だけを乗せ、自分は残り母の手がかりを探しに行くというシーンがありました。
普段落ち着いているような朝顔が、怯えて震えている姿は深い心の傷を感じさせます。
万木平とは?
時任三郎さん演じる刑事です。今回異動で朝顔と同じ管轄になり、司法解剖をする際に立ち会ったりしてました。
- 野毛山署強行犯係の刑事
- 手がかりを探すためなら細かな作業もする
- 県警の捜査一課にいた時代もある
- ジョージ・クルーニーには“似てない”
- 桑原に対しての印象は“普通”
- 茶子とは以前からの知り合い
- 妻の手がかりを今でも探している
朝顔と一緒にいるときも穏やかで、時折娘のことを心配したりしながらも基本的には見守っています。それは、朝顔が明日は食事はいらないといった時に、「どこに?誰と?何を食うんだ?」とはききますが、それ以上しつこく聞きだそうとはしません。心配はするが本人に任せるといった部分があるので、朝顔と喧嘩にならず仲良くやっていけるのでしょう。
今回の事件について
結果的には“他殺”ということで解決もしますが、娘がちょっとどうなんだ?と思う内容でした。時系列でもう少し詳しく事件を掘り下げます。
- 早紀と恵子は一緒に『ピーチピチ ガールズコレクション』というイベントにきた
- 早紀は「一緒にいたくない。もう行って」といって恵子を追いやり一人で行きたがる
- 恵子は「わかった。5時に迎えにくる」と答える
- 作ってきたお弁当を早紀に渡そうとする
- 「恥ずかしいからいらない」と早紀が断る
- なぜなら友達に「早紀ちゃんのお弁当箱おじさんみたい」といわれたから
- 「そんなの気にしなくたっていいじゃない」とお弁当を渡そうとする
- 「嫌!」といって早紀がお弁当を押し返す
- お弁当が落ちて中身もバラバラ
- 恵子は一人でそれを拾って片付けている
- 早紀は謝らないし片付けも手伝わずにイベント会場に行く
- 恵子は富士越百貨店にお弁当箱を買いに行く
- 会場に迎えに行く途中でひったくり犯と遭遇
- その後、倉庫で亡くなってしまう
どうやら女子小学生向けのファッションショーのようなイベントで、そこに母親と一緒に来たようです。思春期だからかやたら母といることを嫌がります。そして弁当箱がおじさんぽいという理由で、作ってくれたお弁当を受け取りません。よくあることといえばそうですが、これが母との最後のやり取りとなってしまいます。
作ってくれたお弁当は美味しそうですし、タコウィンナーやうさぎのリンゴといった子供が喜びそうな加工もしてありました。ただ、弁当箱が早紀は嫌だったようです。他人に指摘されたという理由で。その弁当箱を買いに行った帰りに事故にあって恵子は死んでしまいます。一緒にイベントを見ないで“弁当箱を買いに行ったせいで”死にます。
最後に母が買って来た弁当箱を朝顔から受け取る早紀は「お母さんひどいこと言ってごめんなさい…」といい、弁当箱選ぶの楽しかったと思うよと朝顔にいわれ「お母さん…ありがとう」と泣きながらいいます。これでは自分が“ひどいことを言った”後悔であって、弁当箱については“ありがとう”です。
自分のせいでお母さんは死んだ、弁当箱を買いに行ったから死んだ、一緒にイベント見なかったから死んだ、という後悔が少ない早紀です。いい話としてまとめてますが、ちょっとぼんやりしました。
その他気になったこと
- 泥棒の映画は『オーシャンズ11』のことだった
- 解剖のアップのシーンや具体的なシーンはない
- 桑原に「お父さん」と呼ばれて「君のお父さんじゃないよ」と答える平
- バッグがいつもより小さい時はデートな朝顔
- 平との身長差がありすぎて視線が合わないとぼやく桑原
- 自宅の冷蔵庫には「お父さんに食べて欲しいものリスト」が貼ってある
- カラーコピー機には「資源に限りがありますが、予算にも限りがあります」という注意書き
- ぶら下がり健康器にぶら下がる茶子
- 台湾に小龍包を食べに行く茶子
- 死亡フラグのようなセリフを言って別れる母
ドラマ【監察医 朝顔】1話の感想
主に上野樹里さんの演技で引っ張っていくドラマだと思いました。話としては人情のほうに重きを置いて、事件解決といった部分にはあまり重点を置いていない回でした。今後もどういった死因であろうとも、人情の部分を大きく取り上げるのか?人が死んでハッピーな回などあるわけないので、毎回しんみりした話となるのか?せめて殺人で冤罪に巻き込まれた人が出てきて、実は死因は病死だったという回でもないと、「あの時ああすればよかった」という後悔の話だらけになりそうな予感です。そういう意味でも『遺留捜査』とかに似ています。月曜から後悔話ばかりじゃ気が滅入るので、スッキリする話も織り交ぜてくれることを期待して次回も視聴してみます。