【相棒 season24】最終回第19話「暗闇の鬼」は、初代相棒である岩橋虔矢が初登場する、世田谷の高級住宅街で発生した連続空き巣事件から始まる物語でした。
一見すると、闇バイトによる窃盗事件のように見えたこの事件は、やがて警察内部の権力争いへとつながっていきます。
鍵を握っていたのは、27年前に録音されたある音声データ。
それは、警察庁警備局長・叶恭次の過去を暴くものでした。
空き巣、闇バイト、警察上層部、そして週刊誌リーク。
複雑に絡み合った事件の構造と、その裏にあった人間の思惑を整理していきます。
※本記事は本編視聴済みの方向けのネタバレ解説です。
※『相棒24』他話のネタバレ解説はこちら
→【相棒24】全話ネタバレまとめ
【事件整理】第19話の全体構造
今回の事件は、単なる空き巣事件ではありません。
実際には、次の3つの層が重なった構造になっています。
①空き巣事件(表の事件)
闇バイトを使った連続窃盗。
②録音データ争奪
27年前のパワハラ音声を巡る攻防。
③警察内部政治
警視総監人事を巡る権力ゲーム。
つまりこの事件は、
録音データを巡る政治的事件が、空き巣事件という形で表面化したもの
でした。
結論|事件の真相
今回の世田谷連続空き巣事件の目的は、金品ではなく岩橋虔矢が持っていた録音データを奪うことです。
その録音には、27年前に叶恭次が岩橋に対して行ったパワハラ発言が記録されており、警視総監内定を目前に控えた叶にとっては致命的な証拠となり得るものでした。
総理秘書官である春日居太郎は、その録音を入手するために馬場立裕に接触。
馬場は闇バイトを使った連続空き巣事件を計画し、その中に岩橋宅への侵入を紛れ込ませることで録音データの奪取を狙います。
さらに闇バイトの馬乃糸会斗が岩橋に接触し、スマホのデータ削除を強要するなどの工作も行いました。
しかし事件は警察内部にも波及し、社美彌子は政治的判断として事件の幕引きを図ります。
一方で甲斐峯秋は録音データを週刊誌にリークし、世論の場に問題を持ち出しました。
結果として叶恭次の警視総監内定は取り消され、事件は空き巣事件として処理されることになりました。
つまり今回の事件は、
録音データを恐れた権力者の保身が、闇バイト事件を引き起こしたもの
です。
登場人物
- 岩橋虔矢…石黒賢
私立探偵。初代相棒 - 叶恭次…堀部圭亮
警察庁警備局長 - 馬場立裕…渡辺大
強盗計画の指示役 - 春日居太郎…川島潤哉
総理秘書官 - 桐畑さら…山崎真実
岩橋の2番目の妻 - 馬乃糸会斗…喜内優心
闇バイトのリーダー - 平林尚哉…榎木薗郁也
南麻布署の刑事
【時系列整理】録音データ事件の流れ
① 叶恭次が27年前の録音を恐れる
警察庁警備局長・叶恭次は、岩橋が持つ録音データを恐れていた。
そこには27年前、自分が岩橋に浴びせたパワハラ発言が記録されていたからだった。
② 春日居太郎が早田大善に接触
総理秘書官・春日居太郎は、その録音データを入手するため、馬場立裕に接触する。
③ 馬場が闇バイトによる空き巣計画を実行
馬場はペーパーカンパニーを作り、闇バイトを使った空き巣計画を立てる。
連続空き巣は、そのカモフラージュでもあった。
④ スムーズに盗めた理由
本当の目的は、岩橋の自宅にある録音データだった。
岩橋の元妻から内部の間取りを聞いていたため、すみやかに書斎を狙った侵入が行われる。
⑤ 馬乃糸会斗が岩橋のスマホデータを削除させる
さらに半グレの馬乃糸会斗が岩橋に接触し、スマホのデータ削除を強要する。
⑥ 社美彌子が事件の幕引きを図る
事件が警察内部に波及すると、社美彌子は政治的判断として事件の幕引きを図る。
⑦ 甲斐峯秋が早田を「馬場」として処理
警察庁の甲斐峯秋は、早田大善ではなく「馬場立裕」として処理。
事件を小さく収めようとする。
⑧ 週刊フォトスへのリーク
しかし甲斐は、録音データを週刊誌へリークする。
警察内部ではなく、世論に裁かせるためだった。
⑨ 追い詰められた叶の暴走
録音が世間に知られ、警視総監内定は取り消し。
追い詰められた叶は拳銃を持ち出し、岩橋を脅す。
⑩ 右京が見抜いた事件の本質
右京は、岩橋の本当の目的を見抜く。
それは復讐ではなく、ただ一言の謝罪だった。
なぜ短時間でテープが盗めたのか
短時間で録音テープが簡単に盗めたのは、家の内部情報が漏れていたためだった。
その情報を伝えたのは、岩橋の二番目の妻・桐畑さらだった。
彼女は岩橋に恨みを持っていたため、岩橋への嫌がらせ目的で情報を流した。
右京が見抜いた「岩橋の本当の望み」
右京は岩橋に問いかける。
「あなたは謝罪を期待していたのではありませんか?」
岩橋が求めていたのは、復讐でも暴露でもない。
ただ、27年前の出来事に対する謝罪だった。
しかし叶は謝るどころか、脅しで返した。
その瞬間、岩橋は絶望したのだった。
今回のテーマ
「死んでも謝りたくない病」と権力
右京はこう語る。
「今は死んでも謝りたくない病が蔓延している」
謝罪さえあれば終わったはずの出来事が、
権力と保身によって巨大な事件へと発展してしまった。
今回の事件は、その象徴とも言えるものだった。
■ この回が刺さる人/刺さらない人
刺さる人
- 相棒の政治ドラマ回が好きな人
- 警察内部の権力構造に興味がある人
- 人間ドラマを重視する相棒回が好きな人
刺さらない人
- トリックや推理が中心の王道ミステリー回を期待していた人
- 事件の犯人がはっきり示されるスッキリした解決編が好きな人
- 政治的な駆け引きよりも、刑事の現場捜査が中心の回を求める人
まとめ
今回の事件は、闇バイトでも空き巣でもない。
その本質は、27年前に終わらなかった一つの出来事でした。
謝罪。
それだけで終わったはずの問題が、
権力と保身によって大きな事件へと変わっていきます。
岩橋は謝罪を求めていた。
しかし叶は謝らなかった。
その結果、警察内部の権力争いを巻き込み、
一人の男のキャリアは崩壊しました。
もしあのとき、たった一言の謝罪があったなら。
今回の事件そのものが、起きることはなかったのかもしれません。
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