7月6日からWOWOWで始まった湊かなえさん原作の【ポイズンドーター・ホーリーマザー】の初回は、娘側から見た母親に対する感情を描いていました。最初の話だけ2話構成となっています。娘側だけから見るととんでもない“毒親”の話でした。
WOWOWドラマ【ポイズンドーター・ホーリーマザー】1話のキャスト
WOWOWドラマ【ポイズンドーター・ホーリーマザー】1話のあらすじ
女優・藤吉弓香(足立梨花)は、幼いころから母親・佳香(寺島しのぶ)の過干渉に悩まされてきた。親友・理穂(山下リオ)の結婚式のために帰省した弓香は、同級生と再会し恋に落ち、新しいドラマの仕事も入り、順調に人生の歯車が回り始めたと感じていたが、佳香が、それらを裏でことごとくつぶしていったことを知る。弓香は、テレビのトークショーで母への鬱積した感情をついに爆発させた。
公式HPより
WOWOWドラマ【ポイズンドーター・ホーリーマザー】1話のネタバレ
- 冒頭でいきなり母親が車道に飛び出して車にひかれ、その後母親の葬式のシーンから始まる
- 遺影を見つめている娘のところに、理穂の義理の母親が来てあなたのせいで死んだと弓香を罵倒すると、弓香は遺影を持ち上げて床に思いっきり叩きつけた
- 弓香は友人の理穂の結婚式に仕事が押して遅れてくる。そこで高校時代の同級生である浅岡と会い、連絡を取り合うようになる。
- 実家に泊まることになった弓香に昼間の結婚式を見て、子連れやお腹が大きくなって式挙げたら、あなたのこと一生恨むからと脅す。
- 新しく入った仕事は主役だが、「愛の奴隷」というタイトルの官能的なドラマだった。当然母親は反対する。
- 弓香は今やっているドラマのプロデューサーと関係を持っていた。ドラマの主役を断ろうと思うというと、毒親なんじゃないの?と指摘されるが、弓香はムキになってそういうんじゃないと反論する。
- 浅岡からメッセージがあり一緒に食事をする。その帰りに二人は意気投合して、弓香の家で関係を持つ。
- 弓香は浅岡に励まされて「愛の奴隷」の仕事を受けることにし、事務所の社長に伝える。
- しかし、母は台本の“検閲”をして、事務所に手紙と共に送ってきた。そのため、事務所側はその仕事を断ってしまう。
- ある日、理穂から電話がかかってくる。しかし取ると母親からの電話だった。丁度そこに浅岡が来ていて、話し声が母親に聞こえてしまう。弓香は慌てて電話を切った。
- 母はこないだの結婚式の写真を見せてもらい、弓香が浅岡と付き合っているに違いないと考え、東京の家にまでやってくる。
- 弓香が誕生日の日、浅岡と食事をする予約を入れているレストランへ向かう。するとそこには浅岡ではなく母の姿があった。動揺する弓香に浅岡には別れてもらった、忘れなさい、あなたのためよと告げる。
- 生放送のトーク番組に出演した弓香は、そこで次のドラマの宣伝をしていた。シングルマザーの役のため、母親の話をされた途端、表情が強張り始める弓香。
- さらにサプライズとして友人の理穂がビデオメッセージを送ってきて、母親のことを“聖母のような人”と賞賛する。
- 弓香の中で何かが壊れ「聖母なんかじゃないですよ。外面がいいだけです。私の親は毒親です」と生放送の番組で発言してしまう。
- 弓香は学生時代にあるトラウマがあった。仲良くなったまりあという子が「今度プロのカメラマンに写真を撮ってもらうんだ。お母さんが雑誌にハガキを出して、それで…」と話していた。しかし、それは男性向けの雑誌で、まりあはそれ以来いじめを受けるようになる。
- まりあは弓香にいつも会っていた場所に6時に来て欲しいと言う。時間になって行こうとすると、母は止めて外へ出してもらえなかった。次の日、弓香がその場所へ行くと、まりあは首を吊って死んでいた。
- 今までの鬱憤を晴らすように弓香の口は止まらない。次々と吐き出す言葉にスタジオ内はざわつく。そして弓香は最後に「苦しかった、母に逆らえなかった人生を今は死ぬほど後悔しています。私の人生は私のもの。家族だからって、もう支配されるのは嫌。お母さんなんて、大っ嫌い」と言う。
- 弓香が視線をやったスタジオの奥に母が来ていた。驚く弓香だったが、母はそのままスタジオから何も言わずに静かに出て行った。
WOWOWドラマ【ポイズンドーター・ホーリーマザー】1話の感想
また重い話が始まったWOWOWです。まず冒頭からショッキングに始まり、途中は弓香のストレスが溜まりまくり、最後に爆発してしまうといった流れです。果たして佳香は本当に毒親なのか?二話構成のため実際はどうなのかは今回の話だけではわかりません。ただ、少なくとも弓香は母に対して鬱憤が溜まっていたのは確かです。生放送の番組だからか弓香の発言をそのまま放送するというのも凄いです。
母親との関係がよくない人が見たら、ストレスが溜まる内容だと思います。WOWOWは母と娘が揉める話が好きなのか、今年の番組だと『絶叫』『坂の途中の家』でも見れた“理解をしようとしない母親”VS“押さえつけられる娘”がこの話でも見れます。このドラマも人を選ぶ内容だと思いますのでご注意ください。
藤吉弓香とは?
今回の主人公で女優をやっています。実家とは離れて東京で一人暮らしをしながら仕事をしています。ドラマを見てわかったことを書いてみます。
- 父が4歳の時に亡くなり、女手一つで育った
- 大学3年の時に今の事務所にスカウトを受けた
- ちょい役でドラマに出てから芝居に目覚めた
- 最後の清純派と言われている
- しかしドラマのお偉いさんと関係を持ってる
- ウサギのぬいぐるみが部屋にたくさんある
- 学生時代に浅岡のことが好きだった
- 学生時代にまりあという友人を亡くしている
誰イメージの人なのかはわかりませんが、清純派女優ということです。番組内で出ていたドラマは医療もので、主演の俳優に怒られたりしていました。脱ぎシーンがあるというドラマに最初はためらいますが、浅岡に励まされてチャレンジしようとします。事務所の社長が持って来た仕事ですが、清純派のイメージも何もあったもんじゃありません。
ですが本人は性に奔放なようで、番組のお偉いさんと関係を持っています。また、浅岡とも会ってすぐに関係を持ちます。ちなみに浅岡は友人の理穂の元彼らしいのですが、学生時代に弓香のことが好きだったなど言い出します。
弓香目線で進行するドラマなので、どうしても母親が毒親に見えます。よくよく考えると母は色々わかっているから忠告をしている可能性があります。しかし、母があまり詳しく理由を言わないものですから、弓香はわからずに不満を募らせます。特にまりあの件は何か知っていたような気がします、なぜならまりあの母がハガキを送る雑誌はヤバいからです。
また普段は笑顔な弓香役の足立さんは、母親からの電話や母親の話になった途端、表情がみるみる強張っていきます。この対比が面白いです。
藤吉佳香とは?
弓香目線のことなのでいわゆる毒親に見えます。どんな人物か見てわかったことを書いてみます。
- 介護施設の職員をしている
- 夫が亡くなり弓香を一人で育てた
- 学歴や職業・肩書きで人を判断する
- 貞操観念が厳しい
- 近所の目を気にしている
- 外面だけよく見栄っぱり
- 他人には“聖母”と言われている
- 弓香の友人も恋人も付き合うに相応しい相手以外はダメ
- 弓香の出演するドラマを視聴し添削してくる
- 時間はちゃんと守り、ルーズな娘を怒る
- 官能的なドラマの台本は“検閲”して事務所に送る
こうやって書き連ねるといわゆる“昭和の母親”です。人生長く生きているだけにどうしても先回りしがちです。基本的に娘に対してはダメ出しをし、娘がだらしないのは自分の教育が悪かったと、自責する部分もあります。また佳香役の寺島さんは施設では笑顔を見せますが、娘の前では一切笑いません。こちらも弓香同様に対比が面白いです。
『愛の奴隷』とは?
ドラマ内で弓香が主役をもらったドラマです。ドラマ内の台本を引用したいのはやまやまですが、ちょっと激しすぎる内容なのでここでは紹介を控えます。単行本の帯に書いてあった部分を紹介します。
細胞レベルで交わる究極の愛
ドラマ内から引用
女にとって家族とは、愛とは、性とは――
男の狭間で揺れる女の心を赤裸々に描く
大反響を巻き起こした衝撃の問題作!!
官能小説より官能的と話題になった本らしいです。そしてどうやら“不倫”ものらしいです。それは台本の表紙にあった言葉と、弓香と関係を持つ番組のお偉いさんが言うセリフからわかります。『失楽園』辺りをイメージした作品なのでしょうか?いずれにしても、官能小説の分類に入れてもいいような内容の台本です。
事務所が弓香を清純派で売ることに限界を感じたのか?それにしたって全く違う役柄過ぎて、下手すればそのままイメージダウンになってしまいそうなドラマです。これはさすがに母親なら心配になると思う内容でした。
エンディングの曲について
それぞれの回の女優さんが歌っていくのですが、とても切なくそして怖い曲でした。調べてみたところまだ発売はされていなく、番組用に書き下ろした曲ではないかと思います。なぜなら作詞が番組の脚本家である吉川菜美さんと監督の吉田康弘で、作曲が音楽のきだしゅんすけさんが担当しています。『だいじな子』というタイトルです。
いわゆる子守唄のような歌詞なのですが、ドラマでは殺伐としていても楽しげに歌っていきます。それが逆に怖く、笑顔で歌われるほどに恐ろしい雰囲気を出します。『悪党』の時もそうだったので、ドラマのサントラが発売されたら収録されるかもしれません。
今回は弓香の回だったので“弓香は”という出だしで始まったのか?3話目にはそこの歌詞が変わるのか?そこにも注目してみたいと思います。
その他気になったこと
- やたら『愛の奴隷』に詳しいドラマのお偉いさん
- アレックスという名のAIアシスタントに電気を消させる
- ぬか漬けを家で漬けてる弓香
- しかしその漬物は酸っぱいらしい
- 展開の無理さと安っぽい恋愛要素はいらないとドラマにダメ出しする母親
- それに対する弓香の返答は、次回はもう少しヒューマン要素が強くなります
- まりあの母親がハガキを送る雑誌がヤバ過ぎる
- しかもまりあを実名顔出しで掲載させる
WOWOWドラマ【ポイズンドーター・ホーリーマザー】1話のロケ地
弓香が誕生日に予約したレストランです。
WOWOWドラマ【ポイズンドーター・ホーリーマザー】1話のまとめ
2話に話が分かれているのでまだわからない部分が多いです。タイトルではポイズンなのは娘で、ホーリーなのは母親です。しかし今回見ただけだとポイズンなのは母です。このドラマのキャッチコピーは“あなたの正常を鮮やかに反転させるポイズン・ミステリー”となっています。恐らく次回で母親側の話が描かれ、今回見た印象と全く違うオチになるのではないのか?そんな想像をしています。
ドラマには年齢制限のレーティングがついていないようですが、『愛の奴隷』の台本内容とまりあが掲載された雑誌に関しては、さすがに大丈夫なのか?と心配になりました。話としては面白いので次週も楽しみに視聴したいと思います。