WOWOWのオリジナルドラマ【シャドウワーク】2話のネタバレと感想をまとめています。
紀子は昭江から一生に一度だけ人を押しのけていいという話を聞き、昭江は25年前にそれを実行したという。やがて夜のレクリエーションで“思考実験”が始まり、紀子は究極の選択を迫られ……。
【シャドウワーク】2話のあらすじ
『連続ドラマW #シャドウワーク』
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) November 29, 2025
明日午後10:00放送・配信🏠
|◤第二話
DVの記憶にさいなまれる紀子(#多部未華子)だったが、
働くうちに少しずつ本来の自分を取り戻し始める。
薫(#桜井ユキ)の過去を知った荒木(#川西拓実)は複雑な想いを抱える―https://t.co/04KuZoTOZj#WOWOW pic.twitter.com/P2jFUQzdYy
紀子(多部未華子)は夫・清明(森岡龍)に暴力を振るわれるのは、自分のせいだと思い込んでいた。しかし、入院して路子(石田ひかり)との出会いをきっかけに夫の元から離れた。
昭江(寺島しのぶ)がなぜこの場所を作ったのかと紀子にきかれ、自分もDV被害者であったことを明かす。そして一生に一度だけは、他人を押しのけていいことにしようと決めた結果、25年前に一度だけ使ったと話す。
夜のレクリエーションで“思考実験”が開始され、紀子は究極の選択を迫られ……。
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【シャドウワーク】2話のネタバレ
思考実験は村人にひどい仕打ちをした王様が殺害され、自分は犯人をかくまっている。王様の家来たちが犯人を捕まえて火あぶりにするといい、村人を拷問して犯人を聞き出そうとする。このまま犯人が見つからなければ村人は何人も殺されてしまうが、犯人を突き出せば村人は助かる。犯人を知っているのはあなただけ。あなたなら村人を助けますか?王様を殺した犯人を助けますか?という内容だった。
紀子は悩んで答えが出せずにいたが、洋子と雅代は犯人を助けると話す。すると紀子も釣られて犯人を助けると告げると、昭江は自分の頭で考えるよう注意した。
続いての思考実験は「もしあなたの仲間が、あなたの夫にあなたの居場所を教えたとしたらどうしますか?」という質問だった。紀子はみんなの顔を見渡した後、自分の仲間はそんなことしないと答えた。
紀子は思考実験の後、物音がして外に出てみると廊下で昭江が倒れていた。薬を持ってくるよう言われ、取りに行った際、あるファイルを見てしまう。そこには自分の夫のことについても書かれており、ある男性は死亡記事が貼られていた。
一方、薫は路子に会い、亡くなった美佳子のことをきくが、退院後は会ってないという。そんな薫の自宅に突如現れる夫、彼は警視庁二課のエリート刑事だが薫にDVをしていた。薫はそのことを訴え、以来、警察では仲間を売った女と白い目で見られていた。
ある日、夫が薫の自宅を見つけて押しかけてくる。訴えを取り下げるようドアを叩きながら喚く夫に、薫は心底怯えていた。
美佳子の通話履歴から、最後に電話したのは路子だと判明し、薫は路子に電話をしているとヘルメットを被った暴漢が現れ、薫を鉄パイプで殴って襲う。薫はとっさに持っていた防犯ブザーを鳴らすと、暴漢は去って行った。
紀子の場合
紀子(多部未華子)は夫の清明(森岡龍)から受けていた暴力の記憶を断片的に思い出す。気を失って目を覚ましたとき、そばには泣き崩れる夫がいて、繰り返し謝りながら「お前がいないと駄目なんだ」と縋りついていた。
状況を把握した明日香は、このままでは紀子の命に関わると告げる。しかし紀子は、弱々しいながらも夫の肩を持ち、夫を責めるどころかかばおうとする。明日香は問いかける。それは本当に愛情なのか、と。
入院中の紀子を見に来た路子(石田ひかり)は、担当看護師のゆいから事情を聞く。紀子には頼れる両親もおらず、退院しても帰る場所がないという。ゆいの説明を受け、路子は彼女の担当を代わることを申し出る。ろくに食事も取れない紀子のベッド脇に立ち、路子はそっと飴をひとつ差し出し、静かに挨拶した。
奈美の場合
奈美(トリンドル玲奈)はときどき金額が数えられなくなる。かつて夫が事業に失敗し、家計を支えていたのは奈美だった。借金も抱え、バイトを三つ掛け持ちして働き続けていた。
それでも夫は給料を現金で持ってこいと命じ、奈美の目の前に置いた札を数えさせた。少なくても多くても気に入らない。数え終わった瞬間に暴力が飛んできた。だから奈美は、数え終える行為そのものを恐れるようになった。途中で金額がわからなくなるのは、その恐怖の名残だという。
それを克服しようと、奈美はあえてレジの仕事に挑戦していた。逃げずに向き合うためだった。その話を聞いていた紀子にも、みんなは「何かあったら言ってほしい」と声をかける。しかしその言葉が引き金となって、紀子の表情にフラッシュバックが走る。奈美はそんな彼女に向け、「ここでは我慢しなくていい」と静かに伝えた。
遺骨の行方
昭江(寺島しのぶ)が離婚調停を担当している弁護士・西山千栄子(街田しおん)を紹介してくれる。紀子は夫が離婚に応じるとは思えないと言うが、昭子は「ここにいる間に決着はつく」と断言した。
路子のもとに、北川薫(桜井ユキ)から美佳子の件で電話が入る。路子は、休みの日ならいつでも対応すると連絡先を伝え、通話を切った。
その後、薫は寺に行き美佳子の遺骨を見せてもらう。墓については何も聞かされておらず、このままでは無縁仏になってしまうという現実を突きつけられる。薫はどうにか引き取り手を探す時間が欲しいと頼み込んだ。
署に戻った薫は、荒木悠真(川西拓実)に遺骨の引き取り先を探すよう指示を出す。
一生に一度だけ
昭江宛の手紙を回収し、束ねて持っていった紀子は、消印がさまざまな場所から押されているのに気づく。それを渡したことをきっかけに、紀子と昭江は縁側で話をすることになった。
紀子は、最近ようやく頭の整理ができてきたと語る。夫の機嫌を損ねないことだけを考えて生きてきたが、ここに来て視野が広がり、心に張りが出てきたと打ち明ける。
紀子が「2人はどうしてここを?」と尋ねると、昭江は「見当はついてるでしょ」と返す。路子と昭江は、どちらも過去にDV被害を受けた者同士だった。2人はシェルターで知り合い、身の上を語り合う中で、「自分たちのような被害者をなくしたい」と思うようになった。それが今に至る原点だった。
昭江は静かに続ける。人間はどうせ長くは生きられないのに、他人のせいで自分の人生が駄目になるのは悔しい。しかし、自分のことだけを優先して、他者を押しのけるのも褒められた行いではない。自分たちは、そういう人間に押し潰されそうになってきた側だ。だからこそ、昭江はこう決めたという。
「だからこう考えることにしたの。自分が生きるために一生に一度だけは、他人を押しのけていいことにしようって」たった一度、ここだけは譲れないというときにだけ。昭江は、その“一度”を25年前に使ったのだと、静かに語った。
薫の場合
薫の夫・北川晋一(竹財輝之助)は警察庁捜査二課に所属するエリートで、その父親は元刑事局長という強大な後ろ盾を持っていた。だが、薫はその夫をDVで訴えた。
しかし、薫が家に戻ると、すぐに晋一が押しかけてきた。ドアを叩き、蹴り、騒ぎ立てる。薫が警察を呼ぶと言うと、彼はにやつきながら「もう来てますよ?」と返した。その瞬間、薫の鼓動は一気に早くなる。
谷口は「たかが夫婦喧嘩でいつまで騒いでいるんだ」と鼻で笑う。そして「あんなすごい身内を敵に回してどうするつもりだ」と言い、荒木が「実際どうなんです?」と問うと、「知らないが噂は広まってる」と答えるだけだった。
生きるため
施設で夜のレクリエーションが行われる。まずはトランプやクイズに慣れ、次にパズルへ進む。それらができるようになれば、さらに思考実験に取り組む段階へと移る。自分で判断し、行動する力をつけるための訓練であり、奈美は「ここを出たときに役に立つ」と説明した。
昭江は静かに言い添える。「生きるためよ。生きるためにやっている。それだけよ」と。
その言葉のあと、みんなで花火を楽しむ時間が訪れた。無邪気にはしゃぎ、笑い合うひとときに、「ずっとここにいたい」と漏らす声も上がる。だが、洋子(上原実矩)が「退所日は自分で決めるものではなく、それぞれ出て行く時期が来る」と口にした途端、みな一斉に視線を向け、言葉を失った。
手がかり
薫は路子と向き合い、美佳子について話を切り出す。美佳子は自殺したが、同棲相手の松原がそのきっかけになったのではないかと薫は考えていた。しかし路子は、松原のことも前の夫のことも何も知らないと言う。
薫は続ける。美佳子の夫とその前の夫──関わった男たちが続けて、普通ではない死に方をしていることが気になっているのだと。路子は「人は意外にあっけなく死ぬもの」と答える。仕事柄、そう感じる瞬間があるらしかった。
その言葉に、薫は思わず戸惑う。美佳子は前の夫が亡くなったとき、安堵したのか。それとも愛情ゆえに悲しんでいたのか。どちらだったのかを知りたい、と薫は打ち明ける。彼女がどんな人生を歩んできたのか、確かめたいのだと。
だが路子は、「自分では役に立てない」と言い、席を立とうとする。帰り際、わずかに立ち止まり、「彼女に愛情はなかったと思います」とだけ告げて去った。
その後、薫は斉藤義久(宮崎吐夢)署長から「自重するように」と注意される。荒木から遺体の引き取り手として叔母の存在が判明したが、その叔母は「自分とは関係ない。恩知らずだ」と言い放ち、縁を切っているため遺骨はいらないと突き返したという。
薫はさらに携帯の通話履歴を受け取る。発信はほとんど松原からだったが、その中に路子の番号があった。薫は、美佳子が退院後も路子と会っていたのだと悟る。
思考実験
レクリエーションの時間に、今夜は思考実験が行われる。提示されたのは、ある王様が村人にひどい仕打ちをしてきた末に殺され、その犯人を家来たちが血眼になって探しているという設定だ。家来は「捕まえれば火あぶりにする」と宣言し、村人たちを次々に拷問にかけて犯人を吐かせようとしている。
犯人を突き出せば村人は助かる。しかし、犯人を守れば無実の村人が死んでいく。犯人を知っているのは自分だけ──その状況で、どうするかを問われる。
洋子と雅代(須藤理彩)は「犯人を助ける」と答えた。紀子がその意見に引き寄せられそうになると、昭江は「自分で考えなさい」と穏やかに釘を刺した。
続けて出された次の問いはさらに鋭い。「もしあなたの仲間が、あなたの夫にあなたの居場所を教えたとしたらどうしますか?」
紀子はみんなの顔をゆっくり見渡し、答えを探そうとする。「もしそうなら私は……」と口にしかけて、しかし、思い直したように言い切った。「私の仲間はそんなことしない」迷いを断ち切るような答えだった。
和解の提案
夫の弁護士である坂巻が薫の家を訪ね、和解を求めてきた。薫は問い返す。4年間にわたって殴り蹴り続けてきた行為を、どう説明するつもりなのかと。坂巻は逆に「和解できないなら名誉毀損で訴える」と言い放つが、薫はまったく取り合わず、話を打ち切った。
その後、薫はまゆみのもとを訪れる。路子について尋ねるが、まゆみは「見たことがない」と答える。松原が女性2人と歩いていたという噂についても確認するが、まゆみは「その人とは別の人だ」と否定した。
【シャドウワーク】2話の結末
紀子は思考実験で問われた「仲間が自分の居場所を、夫に知らせたらどうするか」という問題を、布団の中に入りながら頭の中で何度も反芻していた。
その夜、物音に気づいて起き上がると、廊下に昭江が倒れていた。紀子が駆け寄ると、昭江は救急箱を持ってきてほしいと頼む。救急箱を取り出そうと戸棚を開けた瞬間、大量の資料が崩れ落ちた。その中には多くの男の情報がまとめられたファイルがあり、その一つに「宮内清明」──紀子の夫の名前が記されていた。
さらに「田島義則」という人物のファイルには、お悔やみ欄の記事が挟まれていた。紀子は震える手で、それらを元の位置に戻した。
救急車を呼ぼうとする紀子に対し、昭江は「貧血でよくこうなる」と言い、誰にも内緒にしてほしいと頼む。紀子はそのまま自室へ戻った。
部屋に戻った紀子は、これまで聞いてきた話を一つずつ思い返し、点と点をつなぎ始める。一方、少し遅れて自分の部屋に戻った昭江は、紀子が資料を見たことを確信していた。
薫は再び路子に電話をかけたが、応答はなく留守番電話につながった。薫は美佳子が最後に電話をした相手が路子だったことをメッセージに残した。
その帰り道、ヘルメットを被った暴漢が突然現れ、薫に鉄パイプで襲いかかる。咄嗟の判断で薫は持っていた防犯ブザーを鳴らし、さらにそれを茂みに投げ込んだ。音に驚いた暴漢は、そのまま逃げ去った。
【シャドウワーク】2話のまとめと感想
施設にいる女性たちはみなDV被害者で、薫もまたDV被害で夫を訴えていたという話でした。
薄っすら紀子も気付き始めます。昭江は恐らく夫を殺したのだろうと。そして思考実験という名の洗脳に、紀子は違和感を覚えました。なぜか二択で、洋子と雅代は誘導するような発言をします。
思考実験はなかなか面白く、自分だったらどうするかを考えてみました。犯人を突き出すのも嫌だし、村人が死ぬのも嫌だとなると、自分が犯人だと名乗り出て処刑されるのが一番人的被害が少ないのだと思いました。
しかし、この王様の家来は亡くなった王様同様に、村人を今後もいじめるかもしれません。となると、可能なら家来たちをやっつけるのが、村の今後の安泰に繋がるのかもしれません。
また、二番目の仲間が居場所を教えたら?の問いには、誰かを恨んでる暇があったら、さっさとその場を逃げるのが一番いい気がします。
昭江たちのやっていることを知った上で、紀子はどんな選択をするのか?気になるところです。
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