【緊急取調室 5th SEASON】6話「白いスケッチ」のネタバレと感想をまとめています。
殺人事件の被疑者としてキントリに連れてこられた男は、否定もしなければ肯定もせずのらりくらりとした供述を続けるばかりだった。有希子はなぜ彼がそういう態度を取るのか考え、これは無実を証明するための取り調べなのではないかと思い始め……。
【緊急取調室5】6話のあらすじ
#緊急取調室 第5話11/20(木)よる9時‼️
— 緊急取調室【公式】 (@kintori_tvasahi) November 17, 2025
💬大人になってください
💬私は大人じゃないのでわかりません
💬ほんっとに大人げない
沈黙を貫く母子と官邸からの圧力…💥
数々の逆風を受け、捜査が八方塞がりとなり、キントリが揉める⁉️
お楽しみに☺️
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元々捜査二課の如月憲一(林泰文)と金本公太(粟島瑞丸)は大学入試問題漏洩疑惑で、印刷会社の岩崎栄太(中村公隆)を内偵していた。ある日、岩崎が全て話すので司法取引できないかと如月に電話をしてきた。その電話から数時間後、岩崎は殺害された。
被疑者として逮捕されたのは、同じ印刷会社に再雇用として働く山田弘(イッセー尾形)だった。山田は岩崎からいじめを受け、その腹いせに殺害したということだった。
キントリに連れて来られた山田は、のらりくらりとした態度で殺人を否定もしなければ肯定もしなかった。真壁有希子(天海祐希)はやがて、これは彼の無実を証明するための取り調べなのではないかと思い始め……。
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【緊急取調室5】6話のネタバレ
二課の情報で岩崎の手帳にイニシャルHなる人物と、江北女子医大に行って事務長に会っていることが分かった。それは営業部長の蓮沼であることが分かる。如月が事務長に話を聞きに行くと、彼はあっさり自白した。
その事実を持って堅物たちが蓮沼に話を聞きに行くと、彼は突然逃げ出した。後に逮捕される。
2人が自供したと山田に伝えると、今までとの態度は一転して、山田は自分はやっていないとはっきり殺害を否認する。蓮沼の立場と比べて、自分が何を言っても聞いてもらえないだろうと思い、山田はずっとあいまいな態度を続けていた。
ある日、妻の入院していた江北女子医大で、偶然蓮沼たちを山田は見かける。2人は慌てた様子で、何かやましいことがあるのだろうなと山田は感じていた。やがて蓮沼は山田の再雇用を更新した。
いつものように早朝に絵を描いてから、山田は会社に出社した。そこで偶然岩崎と蓮沼が揉めているのを山田は見かける。その時、山田が再雇用してくれたんで、何でもしますよと言ったら、蓮沼は脅されていると勘違いして怒った。蓮沼はだから厄介な山田に罪を被せた。
2人が揉めた時、蓮沼のメガネが床に落ちていたのを拾い、山田は保管していた。それを知らず蓮沼はメガネがどこにいったのか分からず、それが殺害の証拠になると心配してずっと捜し続けていた。
山田は自分の無実を証明するために警察を動かそうと、あえて否定も肯定もしなかったのではないか。そしてヒントとなる言葉を口にし、捜査を誘導していたのではないか。闘わないのが一番強いと知っていたのかもと有希子は思った。
事件発生
8月15日、山田宏(イッセー尾形)が逮捕された。その背景には、8月7日に発生した鶴栄堂印刷の営業部長である、岩崎栄太(中村公隆)殺害事件がある。被疑者の聴取によって、死因は絞殺による窒息死と判明した。被疑者は会社内でのいじめに強い恨みを抱いており、その感情が殺害に至る動機となっていた。
事件の捜査は二課との協力体制で進められることになったが、当初から両者の間には激しい対立があった。二課が追っていた医師国家試験漏洩疑惑に、今回の被疑者が関与している可能性が浮上したことで、緊張はさらに高まった。
取り調べ開始
真壁有希子(天海祐希)と玉垣松夫(塚地武雅)が最初に山田の取り調べを担当した。山田は定年後に再雇用された身であり、社内では特に問題視されていなかった。
一方、二課の如月憲一(林泰文)と金本公太(粟島瑞丸)は、岩崎を医師国家試験漏洩の疑いで内偵していた。事件当日、内偵に勘づいた岩崎から司法取引の打診が入り、江北女子医大に医師国家試験の問題を流す手伝いを強いられていたと明かした。
司法取引に応じるなら、翌日に警察で全てを話すつもりだったという。しかしその数時間後、岩崎は殺害された。二課は岩崎が主犯ではなく、山田に命じられて動いていたと考えていた。
取り調べで有希子が凶器について尋ねると、山田は刑事がパソコンのコードだと言っていたと答えた。また、現場の公園に何度も訪れていた様子が防犯カメラに残されていた。
犯行を認めるかどうか問い詰めても、山田ははっきりせず、岩崎を殺害した理由を問われても「よくわからない」と曖昧な返答しか返さない。終始のらりくらりとした態度に、有希子と玉垣は取り調べを思うように進められず苦悩することになった。
山田の評判
堅物大二郎(鈴木浩介)と渡辺鉄次(速水もこみち)は鶴栄堂印刷を訪れ、取締役営業本部長の蓮沼芳彦(近藤公園)から話を聞いた。現場の方向へ山田が向かう姿を目撃したと供述したのは蓮沼であり、その証言をもとに山田の周辺を警察が調べた結果、社用パソコンから凶器となったコードが発見された。
蓮沼によれば、岩崎は優秀だが周囲に厳しく、山田はおとなしい反面、出世した人間に対して執念深く嫉妬するところがあったという。また、山田の再雇用契約を更新したのは蓮沼自身だった。
ほかの社員からも話を聞いたところ、岩崎の死を知った蓮沼は相当なショックを受けており、岩崎の担当業務を引き継ぐと言って連日残業し、資料を探していたという証言が得られた。また、別の社員は岩崎が確かに厳しく、山田に怒鳴っている場面を目撃したと語った。さらに「金のことは俺が考える。あんたに言われたくない」と、岩崎が山田に強い口調で怒鳴っていたという証言も別の社員から得られた。
消しゴムみたいな人生
岩崎にいじめられていたというが、金銭トラブルがあったのではないかと尋ねると、山田は「余計なことを言っただけだ」と答えた。仕事を次につなげるためにはデザインに金をかけたほうがいいと岩崎に助言したところ、怒られたという。
山田はこの20年、発注先から受け取るデータを外部に漏らさないよう、独自のソフトで完全に消去する業務を担当していた。何かを作るのではなく、ただ消す仕事だと語り、「消しゴムみたいな人生ですよ」と自嘲気味に続けた。
蓮沼とは特に親しくなく、エレベーターで一度だけ一緒になった際に、白いメガネを褒めた程度の関係だという。また、家族について尋ねると表情が沈み、昨年に妻を亡くしたことを明かした。晩婚だったため子供はおらず、妻は自分には過ぎた存在だったと振り返る。生前は妻と2人でよく一緒に絵を描きに出かけていたという。
スケッチブック
モツナベは山田の自宅を調べに向かったが、先に金本たちが入っており、入れ替わりで家宅捜索を進めた。室内には夫婦それぞれのスケッチブックが置かれており、2人はページをめくりながら目を通した。
同じ場所を描いた絵もあり、夫婦でスケッチ旅行に出かけていたのだろうと察せられた。その中には病室にいる妻を描いた絵も含まれていた。背景から判断すると、その絵は江北女子医大に入院していた時期のものだった。
取り調べで有希子はスケッチブックの話を切り出し、自分も配偶者を亡くしていることを打ち明けたうえで妻の絵を見せた。病院がどこなのか尋ねると、山田は「もう調べてあるんでしょう」と返した。そして岩崎が国家試験問題を漏洩していた件について何か知っているか問われても、「いいえ」ときっぱり否定した。
さらに「適当に済ませてくれないか」と言う山田に対し、有希子は人が1人死んでいる事件で適当に済ませることなどできないと怒りを露わにした。梶山勝利(田中哲司)が間に入り、この日の聴取はここまでと打ち切った。
有希子が怒鳴ったことを謝罪すると、山田は「お芝居でしょう」と見抜いていた。
持ち帰ったスケッチブックを改めて確認すると、同じ景色ばかりが繰り返し描かれていた。玉垣はその風景が鶴栄堂印刷の社屋に酷似していると指摘し、事件現場となった公園で描いていたのではないかと推測した。防犯カメラに山田が何度も映っていたのは、絵を描くために通っていたからだと考えられた。
凶器は山田のパソコンコードではあるものの、第三者がそれを使用することも可能である。また、山田が国家試験漏洩に関わっていたのなら金銭の動きがあるはずだが、彼は贅沢とは無縁の質素な生活を送っていた。
無実の証明
8月16日、梶山は山田について、被疑者としては証拠不十分と言わざるを得ないと判断した。そのうえで、二課への協力を改めて要請することにした。
岩崎の手帳を調べた結果、イニシャルHの人物とともに江北女子医大を訪れていた記録があり、そこで事務長の酒木勇介(富岡晃一郎)と面会していたことが判明する。監物は蓮沼もイニシャルHではないかと疑い、彼の周辺を調べた。すると、蓮沼は役員に昇進している一方で接待営業に依存する傾向があり、不正な領収書で注意を受けた過去があることがわかった。
山田が蓮沼の「白いメガネ」を褒めたという話を有希子がすると、監物は蓮沼のメガネは黒だったはずだと思い出し、直接本人に確認することにした。
有希子は、今回の事件は「黒」を証明するのではなく、「白」を証明するための捜査になるのかもしれないと感じ始めていた。
自白
玉垣に代わり、菱本進(でんでん)が山田の聴取を担当することになった。菱本が「本当にやったのか?あんたがやったようには見えない」と率直に問いかけると、山田は「私がやってないと証明できないんですよね?」と弱々しく返した。さらに「じゃあもういいんです。何を言っても変わらないんでしょ」と投げやりな態度を見せた。
一方、如月たちは江北女子医大を訪れ、事務長の酒木から話を聞いた。まず蓮沼から接待を受けていた件を切り出し、次に医学部の医師国家試験合格率について質問した。2023年以降、合格率が99%を超えているとパンフレットに記載されていたことを指摘し、他大学と比較して全体的に高すぎる数値ではないかと問い詰める。
その瞬間、酒木は突然立ち上がり、「私は関係ありません。私じゃありません。私は殺していません」と動揺しながら叫んだ。
有希子は山田に、やったかやっていないかのどちらかであるはずなのに、なぜどちらとも言わないのかと問いかけた。しかし山田は「できないものはできません」「なぜでしょうとはなぜでしょう」と答えにならない返答を繰り返し、堂々巡りの問答が続いた。やがて山田は有希子を見つめ、「あなたを見ていると妻を思い出す。どうしてだろうね、全然似てないのに」と笑った。
真犯人
一方その頃、監物たちは蓮沼に会いに行き、酒木が自白したことを伝えた。酒木と岩崎を通じて医師国家試験の問題が漏洩していたとし、蓮沼が2023年から2025年までの3回にわたり試験問題を流し、合計8000万円を受け取っていた事実を突きつけた。
追及を受けた蓮沼は「正直に言えば上場酌量はあるのか」と口にし、漏洩を認めた。岩崎から提案されて断れなかったと述べる一方で、出頭しようと思った矢先に岩崎が殺害され、漏洩絡みで揉めたと誤解されるのが怖かったと打ち明けた。
監物が「それで山田に罪をなすりつけたのか」と問い詰めると、蓮沼は山田が現場方向へ向かったのは事実だとし、罪の押し付けを否定した。ただし、岩崎が出頭しようとしていた以上、蓮沼が口封じに動いた可能性は否定しきれないという状況だった。
また監物は、事件後に蓮沼が残って資料を探していた件について問いただした。すると、防災センターにメガネの落とし物がないか何度も問い合わせた人物がいたことがわかる。ただしその人物は名前を名乗らなかった。失くしたのはメガネではないか、そして事件現場に落としてしまったのではと恐れていたのではないかと監物が指摘すると、蓮沼は態度を一変させ、連行されそうになった瞬間に逃走した。
ようやくの供述
連行の際、山田は写生をしていたが、菱本は「朝5時に、しかも現場からさほど離れていない場所で、なぜ絵を描いていたのか」と問い質した。山田はその問いに答えられず、しばらく考え込んでしまう。
そこへ小石川春夫(小日向文世)が入り、蓮沼が岩崎とともに国家試験問題の漏洩に関わっていたことを認めたと伝えた。2人が仲間割れを起こして事件に発展した可能性を示し、「つまりあなたはやっていない。もしそうなら、2人にちゃんと言ってあげてくれ」と告げて部屋を出た。
菱本が「無実なんだろ?」と尋ね、続けて有希子も「蓮沼が罪をかぶせようとしたのでは。何か心当たりは?」と尋ねると、山田は江北女子医大に妻が入院していた頃、蓮沼と岩崎が病院にいるのを見かけたと語った。2人は慌てており、何かやましいことがあるのではと思ったという。
その後、蓮沼から再雇用を勧められたが、山田は「口止めなのかもしれないが、こちらからは何も求めていない」と淡々と言った。ただしその出来事は岩崎が死ぬ1年以上前の話である。そして山田は「あの日も見てしまったからかな」と小さくつぶやいた。
事件の真相
山田は話を続ける前に、「絵のことを話してもいいか」と切り出した。あの絵は妻との約束だったという。2つのビルに朝日が反射し、太陽が2つに見える瞬間がある。それを描こうと2人で決め、出勤前によく公園へ通っていた。妻は真壁のようによく怒り、そしてよく笑う人だったと振り返る。
菱本が「そんな瞬間はほんの一瞬では?」と問うと、山田は頷いた。そのため妻が亡くなった後も、その光景を描くために早朝から会社付近へ向かったという。その後出社すると蓮沼と岩崎が口論している場面を見てしまった。投げ飛ばされた蓮沼に対し、山田が「更新してもらったし、なんでもしますよ」と声をかけると、蓮沼は「余計なこと言うな」と怒った。その出来事を蓮沼は脅しと誤解したのかもしれない。
有希子が「だから罪を被せたのか」と指摘すると、山田は姿勢を正し、「申し上げます。私は殺しておりません」とはっきり述べた。有希子は「もっと早く否認してくれればいいのに」と言うが、山田は「否認したら信じてくれました?向こうは役員ですよ。こっちはしがない消しゴムみたいなものですよ」と静かに返した。
有希子が「これからしっかり蓮沼を追及します」と言うと、山田は「お手柔らかに」と笑った。陥れようとした人物だと指摘されても、「運命なんてそんなもんですよ。受け入れたほうがいい。なまじツキに恵まれると、それを失った時の落ち方が大きいですから」と達観したように語った。
菱本は「ようやく本音で話してくれたね」と声をかける。山田は「私の話を聞いてくれる人が、もうちょっといるかもしれないってことか」とつぶやき、有希子が頷くと「よし、頑張ろう」と気持ちを立て直した。
菱本は「スケッチブックはいつだってある。あなたの意志で好きな絵を描いてください」と告げた。すると山田は「一つ忘れていました」と思い出したように話し始める。蓮沼と岩崎が揉めていたとき、現場にメガネが落ちていたという。それを山田が拾い、ロッカーに保管していたのだ。届け出ようと思った矢先に警察に呼ばれ、そのまま忘れていたと語った。
【緊急取調室5】6話の結末
如月たちは協力に礼を述べ、キントリメンバーに別れを告げた。蓮沼は漏洩事件で送致され、一課はこのあと殺人罪で逮捕に踏み切るという。双方が感謝を交わし、如月たちが去ると、キントリメンバーはいつものように酒を酌み交わし始めた。
小石川が「これでよかったのかね」とこぼすと、有希子も同じ違和感を抱えていた。山田は決して明確に否認せず、諦めたふりを続けていた。あの振る舞いは、警察を焦らせて真犯人である蓮沼へとたどり着かせるためではなかったのか。
玉垣が「彼の術中にはまったということか」とつぶやくと、有希子は山田の行動を振り返った。彼は自ら「家に絵がある」と口にし、その結果、妻の肖像画から江北女子医大へと捜査が繋がった。朝日の絵により、事件現場の公園へ通っていた理由も明らかになった。
蓮沼が普段は白いメガネをかけていると話したことも、メガネ紛失に捜査が向くよう誘導していたとも考えられた。さらに、そのメガネをロッカーに保管し続けていたのも、蓮沼がいずれ自滅すると読んでいたからかもしれない。
有希子は「闘わないのが一番強いと知っていたのかも」と――しかしそれを証明する術はない。
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【緊急取調室5】6話のまとめと感想
弱い立場の人間が無実を証明するために、余計なことを語らずにうまく誘導したという話でした。
完全にイッセー尾形さんの演技にかかっている話で、彼でなければ成立しない内容でした。以前『相棒シーズン20』の11話でも素晴らしい演技を見せてくれた尾形さん、今回も魅せてくれます。のらりくらりとかわし、枯れたように見せかけてどこかチャーミングな山田は、有希子たちを翻弄し続けました。
何を言っても立場の弱い自分の話なんて聞いてもらえない。そう覚悟していた山田は、弱者なりの戦術を取ります。闘うのではなく誘導し続けました。キントリメンバーだから気付いてくれたかもしれませんが、二課の人たちに任せていたら、今頃山田は冤罪で牢に入れられていたかもと思うと恐ろしいです。きっと山田は山田で、有希子たちに自分の運命を賭けたのかもしれません。
4話とはまた違った良さがある印象的な回でした。
白の証明
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