【イグナイト-法の無法者-】7話のネタバレと感想をまとめています。
女子高生の盗撮写真が売買されていることを知った伊野尾は、いつにもなく熱が入っていた。宇崎は彼女のサポートについて調査を進めていくうちに、伊野尾の過去にあったこととトラウマについて知ることになり……。
【イグナイト】7話のあらすじ
第7話5月30日金曜よる10時
— 《 イグナイト -法の無法者- 》4月期金曜ドラマ【公式】 (@ignite_tbs) May 23, 2025
#イグナイト-法の無法者-
第7話SPOT
案件7:狙われる少女…
犯罪の温床となる闇サイト
無法者たちは、仲間を暗闇から
救い出せるのか!?#間宮祥太朗 #仲村トオル #上白石萌歌 #三山凌輝 pic.twitter.com/ouDCrLcNCS
音部卓郎(髙嶋政伸)市長のさらに上にいる人物が、官房長官の石倉庄司(杉本哲太)であることを知った轟謙二郎(仲村トオル)は、伊野尾麻里(上白石萌歌)と高井戸斗真(三山凌輝)にこの件から外れるよう命じた。出戻りで覚悟を決めていた高井戸は、「やりますよ」と即答する。だが、伊野尾はどこか上の空だった。
ある日、女子高生の盗撮画像がSNSに流れているのを見た伊野尾は、妙にナーバスになっていた。宇崎凌(間宮祥太郎)が学校に連絡をして対策を促すが、被害者の三浦彩音(伊礼姫奈)は大事にしたくないと拒んでいた。
そこで伊野尾が自分の過去と現在も抱えるトラウマを話し、彩音を説得しようとするが……。
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【イグナイト】7話のネタバレ
湊市で自動運転化のテストをしていた当時国交大臣だった石倉は、なんとしてもモビリティシティの実現化を目指していたため、事故を宇崎の父親のせいにすることにした。
出戻ってきた高井戸は以前とは違って協力的になり、轟たちと一緒に打倒石倉を目指すことに。しかし、伊野尾は上の空だった。
伊野尾には女子高生時代に盗撮と痴漢をされた過去があり、それが今もトラウマになっていた。今回、彩音が盗撮されているのを知り、彼女に自分の全てを話して説得する。
事情を知った宇崎と桐石が、盗撮グループのオフ会に潜入し、グループの連絡先を掴む。そして、グループから流れてきた情報で、彩音の盗撮痴漢計画があることを掴む。
彩音は伊野尾を信じ、そして彼らを逮捕するためにおとりになる。電車にやってきた盗撮グループの中には、かつて伊野尾を盗撮して逮捕された男もいた。
盗撮される寸前、伊野尾が叫んで止める。事前に電車に乗車していた高井戸が盗撮しようとしている様子を動画に収め、逃げだす男を宇崎が捕らえた。この一件でようやく伊野尾はトラウマから解放された。
その頃、轟は盗撮映像を売買しているサイトの責任者が、実は自動運転のシステムエンジニアだと突き止め、見逃す代わりに情報を出すよう迫っていた。
大きすぎる相手
轟謙二郎(仲村トオル)と宇崎凌(間宮祥太郎)は音部卓郎(髙嶋政伸)との和解条件として、全てを話すのかどうかの決断を迫った。すると音部は自分のさらに上にいるのは、事故当時の国交大臣で現官房長官の石倉庄司(杉本哲太)であることを明かした。轟はさらに石倉が湊市で行おうとしていたことのすべてを語るよう詰め寄った。
桐石拓磨(及川光博)と浅見涼子(りょう)が事務所に姿を見せる。轟は想定外の事態が発生したため、報告せざるを得なくなったと切り出す。そして伊野尾麻里(上白石萌歌)と高井戸斗真(三山凌輝)に対し、これ以上巻き込まないためにと別行動を命じた。高井戸は、その話が5年前のバス事故に関わるものだと察していた。
轟はついに覚悟を決め、事故で娘の佳奈(藤﨑ゆみあ)を失っていたことを打ち明ける。さらに浅見が語ったのは、宇崎の父・裕生(宮川一朗太)がそのバスの運転手であったという事実だった。浅見は別の捜査中に偶然事故現場に居合わせ、現場の様子と後の報告に齟齬があることに気づいたという。調査の結果、証拠資料が警察内部で改ざんされていたことも判明した。
モビリティシティプロジェクト
あの時期、水面下で自動運転の実用化プロジェクトが始動していた。モビリティシティ計画と呼ばれる構想であり、その最初のテストシティに選ばれていたのが湊市だった。
轟は事故を起こしたバスに、自動運転システムが搭載されていた可能性が高いと考えていた。なぜなら事故の直後、計画は白紙に戻され、その後表舞台から消えた。そして、計画を推進するために事故の真相そのものが闇に葬られた。警察とも手を組んでの隠蔽だった。
出戻りの覚悟
敵は音部で終わりではなかった。背後には内閣官房長官の石倉庄司がいた。轟は、これほどの大博打に仲間を巻き込むわけにはいかないと告げた。
しかし高井戸は即座に「やりますよ。ねえ、伊野尾さん」と答え、伊野尾も「もちろん」と同意した。高井戸は、生半可な覚悟で戻ってきたわけではないと続けた。
轟は二人の決意を受け止め、「恩に着る。俺もやられっぱなしで終わるつもりは全くない。だよな、宇崎」と語り、自らの覚悟を固めた。宇崎も「敵は絶対に取りたいです」と応じた。
高井戸は、「石倉のもみ消しを証明すればいいんでしょ。誰かの因縁は、俺らの因縁だし」と意気込んだ。その横で、伊野尾は何かを考えていた。
トラウマ
伊野尾は浅見と共に食事をしながら言葉を交わす。浅見は、みんなで大ボスを倒すためにも、伊野尾が抱えている問題をどうにかできないかと話し、またあいつが現れるだろうと懸念を口にした。
伊野尾は、あいつの出所はこれまでにもう五回も経験していると語る。そして、「怯えたままなんじゃないか、17歳の麻里ちゃんが」と浅見が続けると、伊野尾は静かに、「あいつのターゲットからは、とっくに外れているよ」と返した。
浅見は轟に黒田圭介(赤ペン瀧川)という男について話す。黒田は高校生だった伊野尾を盗撮して、逮捕された過去を持つ男だった。痴漢の前科が4件あり、1年間刑務所に服役していた。
伊野尾がバイク移動を選ぶ理由も、電車に乗ることへの恐怖からだった。
失った自信
伊野尾は浅見に、なぜそこまでしてくれるのかと問いかけた。浅見は半ば憤っていた。
「だっておかしいじゃない。なんで被害にあって傷ついたほうが、さらに強くならなきゃいけないわけ?警察官として、そう思わせている現実が悔しい」
伊野尾は、自分がここまで立ち直れたのは浅見のおかげだと語る。そして、昨日高井戸が「仲間」だと言ってくれたことに触れ、「気持ちは同じ。でも、自分だけが吹っ切れていない気がする」と打ち明けた。浅見は心配そうに伊野尾を見つめていた。
帰り道、浅見に送られる中で、伊野尾は「怖いというより、自信がないんだ」と漏らす。「いざというとき、あらがえないかもしれない。あの時、拒絶できなくて、飲み込まれてしまったから」と続けた。
その言葉のあと、伊野尾は無理に笑って浅見を帰し、一人で家へと戻った。
翌朝、宇崎が家の外で待っていた。声をかけられた伊野尾は、一瞬身を強張らせ、怯えたような反応を見せる。
宇崎は、浅見から迎えに行くよう頼まれていたと伝えた。伊野尾はさりげなく、浅見から他に何か聞いていないか探るような言葉を投げかける。
宇崎は「何かあれば、話聞くよ」と穏やかに言ったが、伊野尾はそれを軽くからかって受け流した。
新たな被害者
高井戸はSNSを使って石倉の情報を集めていた。その最中で、「三浦彩音」という女子陸上選手の写真が最近頻繁に流れていることに気づく。コメントは悪質で、写真も明らかにゲスな目的で盗撮されたものだった。
伊野尾が彩音について調べると、確かにその写真が拡散されており、自身の過去のトラウマと重なって動揺する。その中で、「鳥自爺」というアカウントが拡散の発信源であると気づき、「こいつが広めてる」と小さくつぶやいた。
その時、宇崎に「随分怖い顔をしているな」と声をかけられ、伊野尾は我に返る。宇崎は何かを察したように、「学校に通報したほうがいいな」と言い、その場で迷わず電話をかけた。
協力要請
宇崎は屋上で高井戸に、伊野尾から何か聞いていないかとたずねたが、高井戸は何も聞いていないと答えた。
すると宇崎は、「胸糞悪いから捕まえたいんだけどさ」と切り出し、鳥自爺が運営していると思われる闇サイト「電写鳥師」を高井戸に見せた。そこには盗撮写真や動画が並ぶ、怪しげな内容ばかりだった。
「普通にムカつくし、許せねえ」と吐き捨てるように言った宇崎は、このサイトで盗撮動画まで売られていることを説明し、「ちょっと探ってみてくれないか」と高井戸に調査を頼んだ。
伊野尾の覚悟
学校から宇崎に電話があり、「そっとしておいてほしい」と伝えられた。何か特別な対応を望んでいるわけではなく、本人も警察沙汰にするつもりはないという。彩音は「陸上は高校で辞めるつもりなので、引退すれば終わる話です」と話していたという。
それを聞いた伊野尾は、「この子、多分じっと耐え忍んでる。本当は傷を抱えているのに、押し殺してやり過ごそうとしてるの」と口にする。そして、「でもそれって絶対に間違いで、こういう写真を見た誰かがストーカーになったり、どんどんおかしなことになる可能性があるわけだから」と、早口で一気にまくし立てた。
その勢いに、宇崎は思わず「伊野尾ちゃん」と静かに声をかける。そして、「まあ、少しはわかるよ。人が突っ走っちゃう時がどういう時か」と、伊野尾の気持ちに理解を示した。
伊野尾は、「今から電話で、自分に昔あったことを話すから、宇崎も聞いていてよ」と頼んだ。
伊野尾の過去
浅見に報告を入れ、彩音と直接話してみるつもりだと電話で伝えた後、伊野尾は宇崎と共に彩音の学校を訪れた。教室で向き合った彩音は、やはり「これ以上大きくしたくない」と静かに言った。
伊野尾は少し間を置き、「私の話をしてもいいかな」と切り出した。
「高校生の頃、似たような被害にあったの。今でも電車に乗れない。シャッター音が聞こえるとびくっとするし、当時はつけられたりもしてたから、歩いていてもつい振り返っちゃう。もう10年前のことなのに」
そう言って伊野尾は、「私みたいな人を増やしたくないから」と続けた。
部活の大会で、伊野尾はある男――黒田に目をつけられた。試合が終わると彼は話しかけてきて、それ以降、学校の外でも電車の中でも、執拗につきまとわれるようになった。
逮捕されても
ある日、先輩が「ユニフォーム姿の写真がアダルトサイトに載っている」と教えてくれた。伊野尾は恐る恐るそのサイトを確認し、自分の姿が無断で晒されていることを知った。
それで、もうバレーは続けられなかった。「なんであんなやつのせいで」と悔しさが込み上げ、伊野尾は警察にすべてを話した。すると、さらに多くの盗撮写真が見つかり、「こんなにあるんだ」と愕然とした。
黒田は盗撮による迷惑防止条例違反で逮捕された。伊野尾は当時の記憶を思い返す。浅見が学校で「もし刑期を終えて出てきても、麻里ちゃんには絶対近づけない。私と警察が必ず守るから」と言ってくれたのを覚えている。
黒田は再犯であり、写真を公開・販売していたこと、さらに伊野尾のPTSDも考慮され、10ヶ月の実刑判決が下された。
話を聞いていた彩音は、「たった10ヶ月…」と驚きを漏らした。
説得と戸惑い
黒田は女子高生だけを狙って、盗撮や痴漢を繰り返している人物だった。彼が刑務所から出てきた頃には、伊野尾は高校を卒業していた。しかし彼女のトラウマは消えてなかった。
「最近また出所したときいて、さすがにもう大丈夫かなって思ってたんだけど…」
「まだ怖いってことですか?」
彩音は心配げに尋ねる。伊野尾は素直に認めると同時に、彩音を説得する。
「引きずってるんだよね。ちゃんと拒絶できなかったのを。彩音さんには、こんなふうになってほしくない。だから、戦うのを諦めてほしくないんだ」
だが、彩音はどこかまだ戸惑っていた。
2人だけの秘密
その後、彩音と伊野尾は、2人きりで静かに話していた。
「実は親にも先生にも言えなかったんですけど…あの一件の後、男の人が怖くなって。彼氏ができても、その…」と彩音が言いかけると、伊野尾は「大丈夫、わかるよ」と優しく応じた。
「陸上をやめても、こういう気持ちが一生つきまとうと思うと、それが一番怖いです」と彩音が続けると、伊野尾はうなずきながら言った。
「自分の体が、自分のものじゃないみたいに感じちゃうよね」
「そうなんです」と彩音は驚いたように答えた。そして少し笑みを浮かべ、「よかったです。伊野尾さんに会えて。一生一人で抱えていくしかないって思ってたんで」とこぼした。
伊野尾は「今のことは誰にも言わない。約束する」と言いながら、そっと彼女の背を擦った。
弁護士を目指したきっかけ
伊野尾たちは事務所に戻っていた。宇崎はずっと黙ったまま、何かを考え込んでいる様子だった。
やがて口を開き、「すげえな。そんな大変なことがあったのに、弁護士になってさ」と伊野尾に言った。
「お互い様じゃない?」と伊野尾は軽く返す。
「なあ、男の俺でも何かできること、あんのかな」と宇崎が問いかけると、伊野尾は少し考えてから語り始めた。
「さっきの話ね、実は私が弁護士を目指したきっかけでもあるんだ。部活をやめたころ、OGの弁護士の講演を聞いたことがあって、そこで本当に力をもらえる言葉に出会ったの」
壇上で話す女性弁護士の江藤(佐藤乃莉)は、法律がどういうものか話す。
「法律を知れば声を出せるんです。泣き寝入りするしかない相手にも、怖くて黙るしかない相手にも。法律の知識さえあれば、立ち向かうことができるはずです」
「いい言葉だなって思った。そのとき決めたの。私も弁護士になるって」と伊野尾が言うと、宇崎は静かに「初志貫徹か、立派だよ」と応じた。
事務所に来た理由
伊野尾は、以前所属していた事務所で、2年目に刑事事件を担当することになったと語る。そのとき、依頼人のことをどうしても信じ切れなかった。黒田のことが頭をよぎり、「この人も誰かを傷つけたんじゃないか」と疑念が浮かんでしまった。それでも弁護しなければならなかった。
だからこそ、心から信じられる人のために闘いたいと思った。ピースは少し変わった事務所だけど、今のほうが自分には合っていると感じていた。
「なら、彩音ちゃんのために闘いたいよな」と宇崎が言うと、伊野尾はうなずき、「うん。それに、17歳の自分も救ってあげられるような気がする。やっぱりさ、誰かが一緒に戦ってくれるって、嬉しいよね」と続けた。
宇崎は「最後まで全力でサポートするわ」と力強く約束した。
対策会議
事務所で、例のサイトを轟たちと確認する。画面には大量の盗撮画像が並び、悪質なコメントが溢れかえっていた。
その中で、伊野尾は「ダークベイダー」というアカウントが「シャバの空気うめー」と書き込んでいるのを見つけ、高井戸に調査を依頼する。
一方、宇崎はオフ会の告知に気づき、「一網打尽にしよう」と意気込むが、轟は「もっと賢いやり方がある」と制し、「あいつならなんとかしてくれるだろう」とつぶやいた。
その頃、桐石はどこかに電話をかけていた。変装した宇崎も現場に現れる。
桐石は、長い間投稿のないハンドルネームを買収し、オフ会に潜入しようとしていた。彼の使う名は「黒い青春」で、黒ギャルフェチの設定だった。
一方、宇崎も「セーラー大佐」というハンドルネームを買収し、同じく潜入の準備を整えていた。
オフ会に潜入
オフ会に潜入した宇崎と桐石は、好き勝手に猥談を繰り広げる参加者たちの会話を聞きながら、徐々に怒りを募らせていく。特に宇崎は今にも声を荒げそうになるが、桐石が「今ここでキレて、彼女たちのためになるのか」と冷静に説得し、場を収めた。
やがて、ペロペロペペロンチーノ(海老沢七海)という参加者の紹介で、鳥自爺こと吉野潤一(濱正悟)と接触することに成功。宇崎たちは「現場に同行したい」と持ちかけ、消えるメッセージアプリのアカウントを教えてもらう。
その頃事務所では、高井戸が轟に、問題の動画サイトの代表が元々凄腕のエンジニアだったことを伝えていた。
オフ会が終わると、抑えていた感情が爆発したように宇崎は怒りをあらわにする。しかし桐石は、「その怒りは必要になる日まで、とっておくんだな」と静かに諭した。
卑劣な計画
鳥自爺からメッセージが届いた。そこには、痴漢動画の撮影がセッティングされたという内容と共に、彩音がターゲットであること、さらに実行される電車と日時が具体的に記されていた。
事務所ではすぐに対策が話し合われ、とりあえずその日は彩音に別ルートで登校してもらおうという案が出る。しかし、そうしてもまた別の日に狙われる可能性があるというジレンマが残った。
その中で、伊野尾は彩音にある提案をする。内容を聞いた彩音は、静かに「行かせてください」と答える。
「今ここで自分を守りきれて、大丈夫だって思えたら、これ以上傷つかなくてすむんじゃないかって」──その言葉には、確かな覚悟が込められていた。
敵討ち
高井戸の調査により、「ダークベイダー」の正体はやはり黒田だったことが判明した。さらに、当日の撮影に本人が直接参加する予定であることも掴んだ。
宇崎は作戦の危険性を考え、「伊野尾は来なくていい」と告げた。
その場で轟が伊野尾に問いかける。「もしうまくいったら、黒田をどうしたい?」
伊野尾は迷いなく答える。「被害者を焚きつけるのがうちのビジネスです。でも、刑罰で制裁しないと。こういう被害はなくならないと思います」
轟は短くうなずき、「わかった」と答えた。
おとり調査
彩音は指定された電車に乗り込んだ。その背後には、例の盗撮グループの男たちが潜んでいた。電車内には、事前に高井戸と宇崎が配置され、状況を監視していた。
やがて、彩音の背後に数人の男が接近し、スマホのカメラを起動してスカートの中へ差し込もうとしたその瞬間――「その子から離れて!」と、ホームから伊野尾の声が響いた。
その声に黒田は驚き、伊野尾だと気づく。「言いがかりだ!」と怒鳴り、抵抗しようとするが、宇崎と高井戸が「全部動画で押さえてる」と突きつけ、逃げようとした黒田を取り押さえた。
さらに、残っていた他の盗撮犯たちも高井戸によって電車から引きずり下ろされ、その場で確保された。
一歩前進
伊野尾は、浅見に彩音を紹介した。自分も浅見のように、誰かの力になりたいと願ってきたのだと語る。
彩音は、「みんながいてくれたから怖くなかった。絶対に負けるもんかって思えた」と振り返った。
「それは、みんなの力と彩音さんの勇気の賜物だよ」と伊野尾が言うと、浅見が優しく続ける。「それだけじゃないよ。麻里ちゃんが強くなったことが大きいんだ。あなたの勇気が、彩音さんを救ったんだから」
「間違いないです」と、彩音もうなずいた。
「やめて、泣いちゃうから」と伊野尾は照れくさそうに笑い、彩音は「かっこよかったです」とまっすぐに伝えた。
涙ぐみながら伊野尾は、「そうね。ちゃんと怖がらずに言えた。立ち向かえた。もう17歳の麻里ちゃんじゃないかも」と口にした。
浅見もまた目を潤ませながら、「ほんと、よくやった」と優しく褒めた。
伊野尾は彩音に向き直り、静かに語りかけた。「私たちは一生分の傷をつけられた存在なんかじゃない。こんなものを引きずり続けなくていいの。一緒に頑張っていこうね」
裁判の結果
黒田の裁判で、彩音は証言台に立った。
「性的に人を傷つける行為について、よくこう言われます。加害者にとってはいっときの軽い行為が、被害者にとっては一生の重い傷になる――でも、私はそうは思いません。たしかに時間はかかるかもしれません。でも私たちは、過去にとらわれずに生きていけるんです」
言葉を噛みしめながら、彩音は続けた。
「だからこそ、この法の下で、そんな身勝手な行為は二度と許されないと明言されることに、意味があると思います」
そう語ると、彼女は傍聴席に座る伊野尾と浅見の方を振り返り、穏やかに微笑んだ。
裁判が終わり、事務所に戻った伊野尾は、宇崎に感謝の言葉を伝えた。
宇崎が「いつもの伊野尾ちゃんが戻ってきたな」と笑うと、伊野尾は「戻ったんじゃないよ。乗り越えて、前に進んだの」と力強く答えた。
【イグナイト】7話の結末
轟は吉野と密かに会っていた。これまで吉野に情報を流し、逮捕を回避させてやっていた。しかし吉野は、「情報があろうがなかろうが、現場になんか行かない」と冷めた態度を崩さなかった。
吉野はかつて、アプリやソフトのシステム構築を請け負っては、成果だけ残して姿を消す凄腕エンジニアだった。だが、特にアダルトコンテンツが最も金になると知ってからは、本業の傍らでエロサイトの運営にも手を染めていた。
そんな吉野に、轟は切り出す。「君の専門、自動運転なんだってね?GIテクノロジーズのこと、当然知ってるよな」
あの事故を起こしたバスには、GIテクノロジーズの自動運転システムが組み込まれていた。轟は、「同じ業界にいるなら、何かしらの情報を持ってるだろ?」と詰め寄った。
しかし吉野は笑ってはぐらかそうとする。それに対し、轟は苛立ちを隠さず、「笑ってんじゃねえぞ、クズ野郎。忠告しといてやる。クソサイトは二度とやるな。やったらまたぶっ潰す。突き出されて人生終わりにされないだけ感謝しろ」と強い口調で釘を刺した。
吉野は「首は突っ込まないほうがいい」と言い残すが、轟は冷たく返す。「こっちは聞き飽きてんだよ、そのたぐいの忠告は」と。
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【イグナイト】7話のまとめと感想
伊野尾が過去のトラウマを、依頼人と一緒に乗り越えたという話でした。
ドラマでは伊野尾は痴漢の被害にあったのか、最初はよくわかりません。しかし「いざというとき、あらがえないかも。あの時拒絶できなくて、飲み込まれちゃったから」というセリフから、きっと彼女は盗撮被害だけでなく、痴漢の被害にもあったのだろうと想像できます。
ドラマ内で盗撮サイトに集まる人たちは、自分の欲望を満たすために楽しげに話します。被害者がどうなろうと知ったこちゃなく、ただただ楽しげに自慢げに語ります。彼らにとって被害者は人であって、人ではないのだろうと考えさせられます。
そんな被害者が声をあげ、裁判で勝つことでトラウマを乗り越えたという話でした。実際はこんなにうまくいかないでしょうが、加害者を罰せないのもまたおかしな話です。
こうして事務所の仲間、一人一人の問題が解決していきます。次回は桐石の抱える問題にスポットライトが当たるようです。
戻ったんじゃないよ。乗り越えて、前に進んだの。
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