【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜Season2】8話のネタバレと感想をまとめています。
当初事故死かと思われていた俳優の死は、実は殺人である可能性が浮上する。朱梨が取り調べを進めると、逮捕された男は復讐代行屋だった。誰が殺害を依頼をしたのだろうか?
【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】8話のあらすじ
溝口ひかり(片山萌美)が自宅の浴室内で頭を打って亡くなっていた。当初は事故死と見られていたが、現場検証の結果、殺人である可能性が浮上する。防犯カメラの映像から、田代類(品川祐)という男が逮捕されるが黙秘をしていた。
朱梨が質問をしていくうちに、男が復讐代行屋であることが判明する。だが、依頼主は誰か分からずにいた。
朱梨は坂東俊之介(浜野謙太)と一緒に、関係者へ聞き込みを開始する。誰が殺害を依頼したのか?
←7話|9話→
【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】8話のネタバレ要約
復讐代行屋に殺害を依頼したのは、妹でマネージャーの溝口充希だった。
姉のひかりが休養を明けて最初の舞台のリハーサルをするが、極度のプレッシャーに耐え切れず壊れてしまう。
そんな姉を見たくないと思った充希は、姉が復讐代行屋に金を払うのを許可し、死後の価値を上げるため事故死を演出した。
【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】8話の詳細なネタバレ
再会
心野朱梨(飯豊まりえ)と滝沢美空(影山優佳)は、古びた診療所のドアを押し開けた。そこは、かつて甲本祐希(臼田あさ美)の父親が営んでいた診療所だったが、今は活気がなく、ひっそりと静まり返っていた。診察室に通されると、甲本が机に向かい医学書を広げていた。
「患者さんは見てないんですか?」と美空が尋ねると、甲本は軽く笑い、「今は医学を勉強し直しているところだよ」と答えた。朱梨はずっと警戒していた。その様子を見た甲本は、よっぽどの理由があって来たのだろうと察した。
朱梨はわずかに口ごもりながら、「ここではないんですか?」と尋ねた。「そう、いなくなっちゃったの」と甲本は心野紫織(松井玲奈)の行方は分からなかった。
美空が話題を変えるようにして、クリット・ウォンラット(Sapol Assawamunkong(Great))の話を持ち出した。すると甲本は「彼を現場に連れて行けば、何かを読み取る可能性はある」と助言した。そして、名簿に載っている医者たちについて語り始めた。「あの医者たちは、精神医学の中でも特にPTSDや意識障害を専門にしている人ばかり。紫織さんは以前からフラッシュバックや意識障害を起こしていた。事件の時も、その状態だったのかもしれない」
「二見さんの遺体を見たことで、ご両親の事件を思い出したってことですか?」と美空が問いかけると、甲本は静かに頷いた。「組織が専門家を調べていたこと、そして紫織さんの失踪。これらは無関係ではないはず。あなたたちの捜査は間違っていないと思う」
しかし、朱梨が資金援助をしている実業家の話題を持ち出すと、甲本の表情がわずかに変わった。その変化を見逃さなかった朱梨は、静かに視線を送り続けたが、甲本は「話せるのはこれくらいね」とそれ以上の言葉を避けた。
診療所を後にした朱梨と美空は、歩きながら甲本の言葉と態度を振り返っていた。「彼女から見えたのは【関心】の感情だった」と朱梨が口を開いた。
「興味を持ったか、もしくは何か心当たりがあるんだと思う」と朱梨の言葉に、美空も深く頷きながら歩を進めた。
今回の事件
俳優・溝口ひかり(片山萌美)の事件は坂東俊之介(浜野謙太)の聴取から始まった。今西湊人(岩瀬洋志)が概要を説明する。「被害者は溝口ひかりさん。第一発見者は妹でマネージャーの充希さんと、彼女の恋人で舞台演出家の尾形友也さんです」
ひかりは主演舞台の公演を控えていたが、リハーサルに現れず、心配した二人が自宅マンションを訪れた際、浴室で遺体を発見したという。今西は続けた。「死因は溺死です。発見の前日、ひかりさんは会食の席で酒を飲んでいました。そして後頭部には殴打の痕がありました。浴室内で滑り、頭を打って気を失い、そのまま浴槽に沈んだと思われました」
しかし、風早涼(浅香航大)が補足した。妹と恋人が来た時、玄関に鍵がかかってた。2人とも合鍵を持っていたから、中には入れた。ひかりの鍵は室内にあった。つまり、密室状態だった。
「現場検証の結果、浴室の外側から血痕が見つかった。また、後頭部の傷は浴室内で負ったものではなく、ハンマーのような武器によるものでした」
「つまり、殺人事件ということですね?」と美空が確認する。
今西は頷きながら続けた。「マンション内の防犯カメラを確認したところ、死亡推定時刻の前後に住人ではない男が出入りしているのが確認されました。その足取りを追って、参考人として田代という男を聴取することになりました」
田代類(品川祐)は聴取に応じたものの、黙秘を続けていた。坂東があれこれと問いかけても彼は一切口を開かない。そこに朱梨が加わる。
朱梨は田代に静かに問いかけたが、彼の口は堅く閉ざされたままだった。田代からは【平穏】の感情が見えていた。そのため、私怨による犯行ではないと考え、さらに質問を重ねた。
金銭について話題を振ると、田代から見えていた感情が【不安】に変わった。その瞬間、朱梨は問いを重ねた。「誰かに殺害を依頼されたんですか?」その問いに反応するように、田代の感情はさらに濃い【恐怖】へと変化していった。
聴取を終えた後、坂東は感謝の言葉を口にした。田代は300万円の報酬でひかりの殺害を依頼されていたと話し始めた。黙秘を続けていた理由は、依頼主から「口を開かなければ報酬を上乗せする」と言われていたからだという。彼は「借金があり、金が必要だった」と語り、闇金の存在を明かした。
「依頼主はまだ不明ですが、彼が共謀共同正犯や殺人教唆に問われる可能性はある」と風早がまとめた。事件は新たな局面を迎え、真相へ向けた捜査が続くことになった。
関係者へ聴取
坂東と朱梨は、溝口ひかりの妹・充希(冨手麻妙)、恋人で舞台演出家の尾形友也(田村健太郎)、そしてひかりの代役を務める日下部玲香(池田朱那)の三人へ同時に話を聞きに行った。
「ひかりさんに恨みを持つ人に心当たりはありませんか?」朱梨が尋ねると、尾形と玲香は首を横に振ったが、充希は俯いたまま何も答えなかった。
朱梨は続けた。「最近のひかりさんの様子はどうでしたか?誰かに怯えるようなことは?」尾形が答えた。「舞台の稽古に集中していましたね。特に変わった様子はありませんでした」
朱梨は充希に視線を向けた。「充希さんがマネージャーを務めるようになったのはいつからですか?」
「2年前です。母が病気で亡くなったので」充希は少し間をおいて答えた。そして続けた。「それまでは母がずっとマネージャーでした。母は俳優をしていて、姉も私も子役としてデビューしたんです。でも、私は才能がなかったからすぐに諦めました」
彼女は少し目を伏せながら言った。「母の死は姉にとっても大きなショックでした。母が受けた仕事を最後までこなした後、1年くらいはずっと休養していました。今回の舞台が彼女の復帰作だったんです」
尾形も補足した。「ひかりさんは仕事でもプライベートでも充希さんと一緒にいました。誰かに恨まれるようなことはなかったはずです」
朱梨は尾形と日下部から特に変わった感情は見られなかったことを報告した。しかし、充希からは【喜び】の感情が見えたという。
「喜び?」と坂東が驚いたように聞く。「それって、充希さんがお姉さんの死を喜んでるってこと?」朱梨は曖昧な表情を浮かべ、答えを出せずにいた。
「溝口ひかりさんと充希さんの母親、溝口真於子さんは多くのドラマや舞台に出演していたんですよね」坂東が話を始めた。「でも、充希さんを産んだ後は表舞台から姿を消して、個人事務所の社長兼マネージャーとして娘たちを支えてきた」
朱梨が頷く。「父親の溝口彰人さんも46歳で交通事故で亡くなっていますよね」
「2年前、充希さんが事務所を引き継いだとき、ひかりさんは俳優としてすでに成功していた」坂東が言葉を続けた。「もし充希さんがお姉さんの死を喜んでいるなら、その理由は俳優としての嫉妬心や劣等感なのかもな」
朱梨はふと、昔の自分を思い出したように呟いた。「姉は私の憧れだった…」
そのとき、美空から電話が入った。「尾形さんについて聞き込みをしていたけど…」美空の口ぶりから、何か重大な情報が見つかったようだった。
新たな色
坂東は尾形に問いかけた。「ひかりさんとの間に金銭トラブルがあったようですが、友人がそう証言しています。そのせいで別れ話にまでなったとか」
尾形は苦い顔をしながら答えた。「確かにひかりに金を貸してました。仕事を休んでいる間に散財したらしくて、金に困ってたみたいです。でも、最近は充希が管理してたから、正直ひかりがどうしてたかまでは分かりません」
さらに話を続ける尾形。「彼女はめちゃくちゃでしたよ。金は全然返してくれないし、夜中に電話してきて『会いたい』とか『助けて』とか、散々振り回されました。言ったら疑われると思って黙ってたんですけどね。金はもう勉強代として諦めました。彼女との関係も仕事だと割り切ってました。復讐なんて考えてないです」
朱梨は尾形の感情に目を向けた。見えたのは【嫌悪】だった。彼がひかりを嫌っていたのは確かだったが、それが殺人依頼に繋がったかどうかは分からなかった。
坂東は「鍵の件を調べよう」と提案し、楽屋の防犯カメラの映像を確認した。そこには慌てた様子で楽屋に向かうひかりの姿と、その後を追い戸を叩く玲香の姿が映っていた。
玲香はリハーサルの状況を振り返りながら話した。「直前まで一緒にリハをしていたんですけど、ひかりさんが急に声を出せなくなってしまって。楽屋に戻ったから心配で見に行ったんです。でも、中に入れませんでした。充希さんが先にいて、『お姉ちゃんのことは私に任せて』って言ってたんです」
さらにひかりについての印象を話し始める玲香。「正直、最近のひかりさんには失望してました。セリフを覚えずに稽古に来たり、酷い時はお酒の匂いがしたり…。前日の食事会でもかなり酒を飲んでいて、うざ絡みされて困りました。尊敬していただけに、本当にがっかりしました」
玲香からも【嫌悪】の感情が見えていた。しかし、その感情が殺意に繋がっていたかどうかは判断できなかった。
聴取を終え、朱梨たちはホールの外へ向かった。その先で、充希がマスコミのインタビューに応じている様子を目にした。彼女は毅然とした表情で、姉ひかりへの思いを語っているようだった。しかし、その姿を見た朱梨は何か引っかかるものを感じていた。
見えた色
朱梨は充希に直接話を聞いた。「マネージャーの仕事をするにあたって、何か覚悟していたことはありますか?」
充希は微笑みながら答えた。「もちろん覚悟はしていました。姉妹だから、どうしても甘えられることも多いだろうなって思っていました。でも、それが嫌だったわけじゃありません」
朱梨も自分の姉のことを話し始める。「実は私にも姉がいるんです。姉妹って不思議ですよね。お互いのことを知っているようで、案外何も知らなかったりする。でも、だからこそ分かる特別な絆がある気がして」
充希は静かに頷いた。「そうですね。私にとっても子供の頃から一番の理解者は姉でした。同じように、私も姉の一番の味方でありたいと思っていました。だから、マネージャーになるのは自然な選択でした。母が姉に託していた夢もありますし」
さらに話を続ける充希。「母は自分の夢を姉に託していたんです。役者の道を諦めたことに未練があったんでしょうね。早く亡くなったのも酒が原因でした」
その後、美空たちから連絡が入り、朱梨は通話をしながら確認を進めた。
「田代と依頼主のやりとりを復元できました。でも、依頼主を特定できるような情報はなかったんです。ただの事務的なやりとりばかりで…」と美空。
「鍵の受け渡しにはコインロッカーを使ったみたいです。でも、それ以外は曖昧な記述ばかりで、はっきりしたことが分からなくて。」今西も補足した。
朱梨は送られてきたメッセージを見ながら、『於いて』という単語に目を留めた。
考え込む朱梨は突然舞台の上へ駆け出し、大きな紙を次々と広げていった。そして立ち止まり、はっきりと宣言した。
「見えました、充希さんの色」
事件の真相
朱梨は静かに問いかけた。「どうしてずっと喜んでいたのかわからなかったんです。最初の入口が間違っていたんですね。田代さんが復讐代行を受けたことで、依頼主がひかりさんを恨み、復讐を果たそうとしていると決めつけていました。でも、依頼主が望んでいたのは彼女の死であって、恨みを晴らすことではなかったんです」
坂東が続けた。「ひかりさんの最近の様子がおかしかったのは…それがまるで、あなたたちの母親に似ていたからでは?」
充希の表情が微かに揺れた。
朱梨はさらに切り込んだ。「ひかりさんは子役時代から多くのプレッシャーを受けて、限界に近い状態だった。お母さんが亡くなり、休養することで一時は持ち直しましたが、復帰を機に再び苦しむようになったんです。そして…」
朱梨はメッセージアプリのやり取りを見せた。「ここにある『於いて』という字。普通はひらがなで使いますが、あえて漢字にしているのが依頼主の癖だと思いました。そして、ひかりさんのSNSにも『於ける』という表現がありました」
「その理由は明らかです」朱梨は静かに続けた。「『真於子』――それはお母さんの名前にも使われていた字です。ひかりさんは無意識のうちに日常使いしていたんでしょう。つまり、復讐代行を利用した依頼主は、ひかりさん自身だった。この事件は、彼女が第三者を使って行った、自殺だったんです」
朱梨は充希をじっと見つめた。「あなたはそのことを知っていましたよね?ひかりさんの財産はあなたが管理していた。彼女が黙って復讐代行の報酬を用意することなんてできなかったはずです」
充希は少しずつ打ち明け始めた。「リハーサルの日、声が出ないと言って姉がやってきたんです。そして、こう言いました。『やっぱり無理だ。お母さんみたいになるのかな?ずっと考えていたことがある。その方法なら、充希にも迷惑かけないで済む』って」
充希の声が震えた。「だから…私がお金を用意しました」
朱梨は抑えた声で問いかけた。「どうしてそんなことを?苦しんでいる時こそ支え合うべきじゃないですか。無理矢理でも、あなたがお姉さんを止めるべきだったんじゃありませんか?あなたたちは、たった2人の姉妹なんですよ!」
充希は怒りをあらわにした。「あなたに何がわかるんですか!姉のことは私が一番よくわかっています。姉が苦しみながらどんどん壊れていくんです。見ていられませんでした。姉だって、そんな姿を誰にも見せたくなかったはずです!」
充希の声が冷たく響いた。「事故に見せかけたのは、自殺や殺人ではイメージに傷がついてしまうからです。私たちが守りたかったのは、溝口ひかりという俳優で、その幕引きも大事だったんです」
そして、こう続けた。「姉が死んで、私が喜んでた?当然じゃないですか。姉も今頃、天国で喜んでくれてますよ。だって、あんなのは溝口ひかりじゃない。私の姉じゃありませんから!」
充希の怒りは朱梨へ向かう。「姉と会えていないのは、お姉さんが会いたがってないからじゃないんですか?あなたこそ、お姉さんのことなんにもわかってないんじゃありません?」
坂東は「勝手なこというな!」と制止するが、充希の怒りは止まらない。「この人が先に言ってきたんですよ!この人が言ってこなければ、お姉ちゃんは事故死ってことになってたのに…」
涙を流しながら訴える充希。「何も知らないのに余計なこと言って、あんた最低!だからお願い、言わないで!」
周囲の人々が充希を抱きかかえ、取り調べ室から連れ出していった。その場には、激しい感情の余韻だけが残った。
【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】8話の結末
紫織は山神淳(安井順平)と一緒に暮らしていた。紫織の姿を、遠くから見つめる影があった。
その頃、甲本の診療所に風早も同行して訪れた。朱梨、美空、そして風早の3人で甲本に話を聞くことに。甲本は春頃、山神が診療所を訪れていたことを明かした。
「精神科医を探していると言ってた。紫織さんの事件にも関係していると思う」甲本の言葉に、一同の表情が曇る。精神科医にとって、彼女はこれ以上ないサンプルだった。
山神は数年前までタイにいた。そして今もタイでのビジネスに関心を寄せている。風早が持参した資料を確認すると、山神がクリット逮捕以前から関係を持っていたことが浮かび上がった。
「クリットが来日してからの訪問先に、山神の会社があった。2人は既に繋がっていた」風早の説明に、朱梨も美空も驚きを隠せなかった。
山神がどうして精神科医を探していたのか?甲本は診て欲しい患者がいると頼まれたが、その時は患者を診ていないからと断っていた。
その夜、室内に不穏な気配が漂った。紫織が物音に気づき、足音を忍ばせながら廊下を歩いていた。その時、突然背後から口を塞がれ、押さえつけられる。
「静かに」耳元で囁く女性の声が響く。
紫織は恐怖に震えながらも、その声に逆らうことができなかった。謎の女は何者なのか、そして彼女の目的は――次なる展開への伏線が張られていた。
←7話|9話→
【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】8話のまとめと感想
死にたかった姉は復讐代行屋を使って事故を装って殺してもらい、妹も同意して死を演出したという話でした。
色々事情はあるのかもしれませんが、結構迷惑な話です。周りは振り回されるは疑われるわで、死んでからも迷惑かけられます。自分の責任で全てを完結してもらいたいものです。
妹も自分の知る姉じゃないと分かった途端に姉を見切ります。朱梨の困ったときこそ助け合うのではという言葉も、充希の罵詈雑言でかき消されてしまいました。
甲本は【関心】の感情を覗かせたといいます。彼女は色を自らコントロールできるので、何とも言えませんが、何かしら関与しているのか、それとも無関係なのか気になるところです。
最後に紫織が何者かに襲われますが、それが甲本なのか?一応襲った人物は女性のようです。
←7話|9話→