【大川と小川の休日捜査】ネタバレ感想|松重豊×濱田岳2年ぶりの第2弾

スペシャルドラマ
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2024年9月30日にテレビ東京で放送された【大川と小川の休日捜査】のネタバレと感想をまとめています。松重豊さんと濱田岳さんのW主演の刑事ドラマ第2弾が、2年ぶりに放送されました。

キャンプで休日を過ごすはずだった大川と小川だが、行方不明者を探す手伝いをすることになってしまう。さらに所轄では殺人事件が起こり、まったく別に思えた事件が繋がり始め……。

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キャストとスタッフ

キャスト

主要人物

  • 大川勇治…松重豊
    烏山署警務課 警務係長
  • 小川満…濵田岳
    烏山署 刑事課 刑事

烏山警察署

  • 山根茂之…橋本じゅん
    刑事課 班長
  • 横田雅彦…迫田孝也
    刑事課 主任
  • 斎藤慎一…水間ロン
    刑事課 刑事
  • 近藤芳男…水石亜飛夢
    刑事課 刑事
  • 岡島早紀…石井杏奈
    刑事課 刑事
  • 相原和也…相島一之
    刑事課 課長
  • 柳田剣…光石研
    副署長

その他

  • 大川さやか…冨波心
    大川の娘
  • 大川良平…斎藤汰鷹
    大川の息子

ゲスト

  • 須藤圭子…比嘉愛未
    37歳。ライター。涼子の姉
  • 須藤涼子…岡本玲
    32歳。圭子の妹。総合商社勤務事務局
  • 奥村正樹…白石隼也
    涼子の婚約者
  • 奥村美枝子…筒井真理子
    正樹の母。弁護士
  • 丸山栄一…山西惇
    62歳。レストラン「コンデュトーレ」のオーナー兼代表取締役社長
  • 志村英治…永岡佑
    43歳。「S.LIFEマガジン社」代表取締役社長
  • 井本清造…ベンガル
    山梨の倉岳山中に一人で住む人物
  • 岡村修…大西武志
    山梨県警 大月中央署 生安課
  • 山西治…林家たま平
    山梨県警 大月中央署 生安課
  • 志村玲子…樹谷奈央子
    英治の妻
  • 須藤靖夫…石井正則
    圭子と涼子の父親。アオイ製薬社員
  • 川村…山中敦史
    烏山警察署 鑑識課員。大川と親しい

スタッフ

  • 脚本:尾崎将也
  • 監督:松本佳奈
  • 音楽:石塚徹、田井千里、山根美和子、山口雄太
  • チーフプロデューサー:中川順平
  • プロデュース:濱谷晃一、藤掛匡史、佐々木梢
  • 制作:テレビ東京、BSテレ東
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あらすじ

「休みを取ろうキャンペーン」で、広報誌に模範的な休みの過ごし方を紹介するため、大川勇治(松重豊)は小川満(濵田岳)を巻き込んでキャンプをしに来た。しかし、キャンプ道具の扱いが分からず、そこにいたソロキャンプしに来た女性(比嘉愛未)に使い方を教えてもらう。

やがて小川の携帯に山根茂之(橋本じゅん)から着信が入り、殺人事件が起きたので戻って来いという。すかさず大川が電話を代わり、休みを取ることを優先するために電話を切った。

ふとさっきの女性のテントを見てみると、しばらく戻ってきていなかった。心配になった大川たちは、地元警察に連絡して捜索をお願いする。

東京で起きた殺人事件と山梨で起きた失踪事件。全く無関係に思えたこの2つの事件が、やがてつながり始め……。

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ネタバレ

休日返上

「休みを取ろうキャンペーン」の一環として、広報誌に模範的な休みの過ごし方を紹介するために、大川勇治(松重豊)は小川満(濵田岳)を巻き込んでキャンプに出かけることになった。到着した場所で、二人はそこで出会った女性(比嘉愛未)からキャンプ道具の使い方を教わった。

その時、小川の携帯に班長の山根茂之(橋本じゅん)から電話がかかってきた。東祖師谷の路上で男が血を流して死んでいるとの通報があり、殺人事件が発生したという。しかし、大川が電話を代わりに受け取ってすぐに切ってしまった。

山根はその後も小川に逐一メッセージを送ってきて、凶器はまだ見つかっていないこと、最初に男が襲われたのは別の場所である可能性があることを伝えた。

ふと見るとさっき道具の使い方を教えてくれた女性が、料理の途中で突然姿を消してしまった。大川たちは警察に連絡すると、山梨県警の警察官2人が現場に到着し、大川たちは彼らに状況を説明することになった。

一方で、失踪した女性の妹の須藤涼子(岡本玲)が婚約者の奥村正樹(白石隼也)とともに大月中央署に姿を現した。涼子は両親を失っており、唯一の親族は姉の圭子だった。小川たちはなぜかその場に残り、彼らを補助することになった。

すると、圭子を目撃したという井本清造(ベンガル)が現れ、彼女が山に入っていくのを見たと証言した。その男は、常に「神隠しだ」と主張するような人物で、一人で山に住んでいるという。

2人の接点

刺殺事件に関する捜査会議が開かれた。被害者の志村英治(永岡佑)が経営していた会社は、最近キャンプ関連の書籍を出版していたという情報が共有された。

その後、大川に山梨県警から新たな報告が入った。圭子の行方は依然として不明であり、彼女はレジャー関連の記事を執筆していたらしい。今回のキャンプも、新しいキャンプグッズのレビューを目的としていたことが明らかになった。大川はその話を聞き、志村がキャンプ関連の書籍を出版していたことを思い出した。

翌日、大川は小川を呼び、志村の会社で出版されていた本に、圭子も執筆していたことを突き止めたことを伝える。志村が殺害された日に、仕事関係のあった圭子が行方不明になったことが、偶然なのかを考え始める小川たち。大川は小川に、山根へこの件を伝えておくよう頼んだ。

さらに、志村の会社には多額の借金があったという報告も入った。小川は大川から聞いたことを山根に伝えたが、まったく取り合ってもらえなかった。一方、大川は山梨県警との連絡を続け、捜査に少しずつ関わり始めた。

17年前の事件

大川と小川は、涼子とその婚約者にレストランで会うことになった。志村と圭子の関係について尋ねたが、涼子は「そんな関わりは知らない」と答えた。

その後、話題は「アオイ製薬事件」に移った。17年前に起きた企業恐喝未遂事件で、製薬大手アオイ製薬の顧客情報が持ち出され、「情報を漏洩させたくなければ金を支払え」と脅迫された事件だ。この事件には、涼子の父が関わっていたことが判明していた。

その時、婚約者の母親である奥村美枝子(筒井真理子)が現れ、突然「その話はやめて欲しい」と言い、涼子を強引に連れ出そうとする

涼子が去る前に、大川は一つだけ質問をした。「姉である圭子はアオイ製薬事件について、どう思っていたのか?」と尋ねた。涼子は「そのことについては姉と話したことがないし、姉も事件のことは忘れたがっているはずだ」と答えた。

しかし、大川はそこで反論した。彼女はテントの中に『アオイ製薬恐喝未遂事件 真相解明』という本を持っていたと言い、圭子が事件を追い続けていたことを示唆した

暗い過去

アオイ製薬事件では、犯人が顧客データを盗み出し、8000万円を要求してきた。会社は当初、この要求を拒否したため、犯人は一部の顧客データを漏洩させた。

その結果、アオイ製薬の株価は大暴落した。しかし、犯人は金を取らないままその後連絡を絶ち、1ヶ月後に圭子と涼子の父親である須藤靖夫が嫌疑をかけられた

須藤は当時、アオイ製薬の社員であり、データが盗まれた夜に会社に残っていたのは彼だけだった。そのため、警察に逮捕されたが、証拠不十分で不起訴となり釈放された。しかし、マスコミによる執拗な報道と世間の圧力はその後も続き、須藤は精神的に追い詰められ、最終的に電車に飛び込んで自殺した

「それが失踪とどう関係があるんだ?」と小川が尋ねた。大川は、はっきりとした答えは持っていないものの、何かしらの繋がりを感じ取っていると語る。涼子はこの事件を「暗い過去」として忘れたがっているが、圭子はどう思っていたのか――大川はそれを考え始めた。

一方、涼子と婚約者、その母の3人はレストランでお茶をしながら話していた。婚約者の母親は、かつて涼子の父・須藤靖夫と知り合いだったことを明かす。彼女はアオイ製薬の顧問弁護士を務めており、須藤の葬儀で涼子と圭子に初めて会ったのだという。

不倫疑惑

志村の妻である志村玲子(樹谷奈央子)が烏山署に現れ、圭子と夫の仲を疑っていたことを打ち明けた。彼女は業者に依頼して夫の行動を調査させており、その報告書を小川たちに見せた。報告書には、志村が圭子と車の中で二人きりでいる写真が含まれていた。不倫を疑った妻だが、夫にはそのことを言わず、結婚生活を続けていたという。

一方、小川は山根の見立てに疑問を抱き始めた。志村の通話記録によれば、圭子に電話したのは事件の直前だったが、小川たちと会ったのは昼前の時間帯だった。小川は圭子が東京で志村を殺害してから、山梨に向かうのは時間的に不可能だと考えた。そんな中、山根は圭子に関する情報を小川から探ろうとしていた。

その日の夕方、小川は大川の家に招かれ、彼の家族と一緒に夕飯を取ることになった。夕食中、小川は「圭子が金銭トラブルに関わっていたとは考えにくい」と話し、大川も同意するように静かに聞いていた。

自殺の違和感

橋の上には揃えられた靴が置かれ、そばには「申し訳ありません」と書かれた遺書が残されていた。山梨県警の捜査員たちは、井本の指示でその現場を発見した。遺書の筆跡は本人のものと確認され、自殺として処理されかけ、緊急会議が開かれた。しかし、遺体はまだ見つかっていなかった。

一方、小川は大川と会い、この自殺の報告に疑念を抱いていた。小川は「これは自殺に見せかけた殺人ではないか」と疑っており、大川も同じく自殺したとは思えないと感じていた。そこで、二人は休日を利用して独自に調査を進めることに決めた

二人は山梨に向かい、圭子の靴が発見された現場を訪れた。その先を歩いていくと、偶然にも井本の家にたどり着いた。大川が家の外から呼びかけると、驚いたことに圭子が奥から姿を現した。彼女は井本に匿われていたのだ。

密会の理由

大川と小川は、圭子に何があったのかを話してもらった。圭子は志村から「いいから逃げろ!」という電話を受け、その時は何が起こっているのか理解できないまま、指示に従い山へ逃げ出したという。しかし、逃げる途中で足を滑らせ、転落して怪我をしてしまった。そこを通りかかった井本が彼女を発見し、手当てをしてくれた。

圭子はしばらく身を隠したいと井本に頼み、井本は圭子の存在を隠すために「神隠し」の話をでっち上げて周囲をごまかしたのだという。

「なぜここにいると思ったのか?」と尋ねられた大川は、地元の警察が「防犯カメラに映っていない」と報告してきたことから、まだ山にいる可能性が高いと考えたと話した。さらに「捜索しても見つからないのは、誰かが彼女を隠しているのではと考え、井本のことを思い出した」と続けた。

大川は圭子に「襲われる心当たりはあるのか?」と問いかけた。圭子は「ええ」と答え、今回の出来事が借金とは無関係であり、17年前のアオイ製薬事件や父親の死に関することが絡んでいることをほのめかした。

すべての発端は、圭子が志村に父親のことを話したことだった。志村は真相を追究しようとしている圭子に協力することを約束した。志村はこの話を本にすれば売れると考えており、圭子はそれでも構わないと言った。

ただし、彼女が本にすることを許可した理由は、父親が悪事に関わっていなかったことを世間に知らせたいという思いからだった。そうして二人は協力して調査を始めたのだ。

志村との密会は不倫ではなく、この事件に関する相談のためだった。そして、妹の涼子は何も知らないことを強調した。

謎の鍵

志村が殺されたのは、彼が調査の過程で何か重要なことを知ったからではないかと推測するが、実際には志村から「何かを突き止めた」という話は聞いていなかった。また、志村を誰が殺したのか、心当たりもなかった。志村は金銭的に困窮しており、本にするよりも犯人を脅迫する道を選んだ可能性がある。それで逆に命を奪われたのかもしれないと、大川は考えた。

その時、圭子は志村を殺した人物が油断するのではないかと考えて、自分が死んだことにした。さらに、圭子は奥から、父親の遺品の中にあったという謎の鍵を取り出した。しかし、何の鍵かは分かっていないという。以前、志村にこの鍵を預けて調べてもらったが、結局わからずに返されてしまったという。

小川と大川は、その鍵を預かることにしたが、圭子をどうするか悩んでいた。結局、大川は彼女を自分の家に連れて行くことに決めた。そこで、みんなで圭子が作った料理を囲み、和やかな時間を過ごした。圭子も少しずつ笑顔を取り戻し、彼らの絆は一層深まった。

もう1つの密会

圭子の遺体がなぜまだ見つからないのかを山根が話している間、小川はなんとも言えない表情をしていた。大川が鑑識の人に見せた鍵は、どうやら貸金庫の鍵だとわかったが、どこの貸金庫のものかまでは特定できなかった。

その後、小川は志村の行動記録を見て、何かを思いついた。そして大川の家に向かい、志村が頻繁に訪れていた場所について話した。その場所とは、以前涼子たちと会ったレストラン「コンデュトーレ」のあたりだった。小川は志村がその店で誰かと会っていた可能性があると考えた。

大川と小川は、志村の写真を持ってそのレストランの従業員に聞き込みを行ったが、誰も志村を見た覚えがないと言う。そこで、大川は「志村は客以外の誰かと会っていたのではないか」と考え始めた。そして、押収された志村の資料の中に、まだ知らない何かが隠されているのかもしれないと推測した。小川はその資料を調べることに決めた。

調査を進めていると、岡島早紀(石井杏奈)が現れ、「何をしているの?」と尋ねてきた。小川は「秘密の指令をしているんだ」と嘘をつき、早紀にも手伝わせることにした。二人で箱の中を調べていくと、カセットテープの空ケースが見つかった。

カセットテープの謎

小川と大川は、志村が持っていた貸金庫の鍵のことを思い出した。志村はその貸金庫の場所を知っており、そこからカセットテープを見つけ出したのではないかと推測する。そのテープには、17年前の事件の真犯人に繋がる重要な証拠が記録されていた可能性が高い

志村は金に困っていたため、その証拠を使って真犯人を脅迫したのではないか。そして、直接会いに行った結果、逆に殺されてしまったのだろう。志村が圭子に「逃げろ」と電話をしたのは、犯人が彼女にも危害を加える可能性があると考えたからかもしれない。

さらに、圭子の父親の大学時代の写真を調べていると、レストラン「コンデュトーレ」のオーナーである丸山栄一(山西惇)が写っているのがわかった。どうやら、圭子の父と丸山は大学時代の知り合いだったらしい。志村が頻繁にあのレストランに行っていたのは、丸山に会うためだったのかもしれない。しかし、丸山は「志村の事は知らない」と言っていた。

大川はすぐに丸山に電話をかけ、直接会う約束を取り付けた。丸山から、翌日の朝9時に会うことを提案され、大川はその時間に行くと約束した。小川は捜査会議があるため、その約束には同行できなかった。

その後、圭子が「どうしてそこまでしてくれるのか?」と小川に尋ねた。小川は「キャンプの時に助けてくれて嬉しかったから」と答え、圭子を安心させた。

しかしその後、圭子は妹の涼子に電話をかけてしまい、「父のことについて、本当のことがわかるかもしれない」と話してしまった。圭子は「誰にも言わないで」と涼子に頼んだが、実はその会話を隣にいた婚約者が聞いていた

新たな殺人

約束の時間に大川がレストランに到着すると、店内で丸山が頭から血を流して倒れているのを発見した。大川はすぐにレストランの電話から110番通報をしたが、名乗らずにそのまま電話を切り、店を後にした。

その後、大川は小川にこの出来事を報告した。しかし、警察がレストラン周辺の防犯カメラを確認したところ、犯人らしき男の映像が映っており、その中に大川に似た人物も含まれていた。このままでは大川が重要参考人として疑われる恐れがあった

小川が「このままだとまずい」と心配する中、大川は「それはさておき、事件について話そう」と焦らず話を進めた。丸山が殺されたのは、彼が事件の真相を知ったからであり、志村も同じ理由で殺されたと推測した。どちらも、真相を知ったがゆえに逆に殺され、重要なカセットテープを奪われたのだ

「犯人は一体、何を隠したいんだろう?」と大川は疑問を投げかけた。犯人が捕まったとしても、それは恐喝未遂に過ぎない。それなのに、2人も殺してまで隠したい罪が何かあるのか?さらに、犯人はすでに金を手に入れているはずなのに、何か裏があるのではないかと大川は考え始めた。

そこで二人は、その裏を突き止めるためにさらに調査を進めることにした。小川はアオイ製薬に向かい、事件についての話を聞きに行くことを決意した。

仕掛けた罠

大川は山根に声をかけ、「現場から逃げたのは私だ」と告白した。山根は驚きながらも、大川が「会ってほしい人がいる」と言って、小川と圭子を呼び出した。大川は山根にお願いがあると話し、山根は文句を言いながらも話を聞くことにした。

一方、圭子は妹の涼子に電話をかけ、公園で会うことになった。婚約者も一緒に現れ、涼子はカセットテープを持ってきていた。

その後、正樹は地下駐車場で母親と落ち合い、持っていたカセットテープを渡した。正樹は「何も録音されていないテープとすり替えた」と母親に告げる。母親は急いでテープを再生するが、中に録音されていたのはただの音楽だった

その瞬間、大川がその場に現れ、「須藤さんのテープ、もう1本コピーがあると思ったんでしょう?残念ながら、そんなものはありませんよ」と冷静に声をかけた。

17年前の事件の動機

大川は警察署で「後のことは任せた」と言い、圭子も彼に感謝の意を伝えた。その時、山根がやってきて「被疑者が話したいと言っている」と告げる。大川と小川は取調室に向かい、美枝子と対面した。

美枝子は「見破ったのはあんたたち二人だから、他のポンコツに話してもね…」と皮肉交じりに言いながらも、全てを話すと宣言した。息子の正樹は無罪で、何も知らずに手伝っただけであり、巻き込んだのは自分だと明言した。

美枝子の話によると、須藤と丸山は大学時代、軽音楽部で一緒だった仲間だった。卒業後、須藤はアオイ製薬に就職し、丸山はグランロイヤルホテルに勤務し、二人の親交は続いていた。

美枝子は丸山と、彼がホテルで働いていた時に客として出会った。当時、仕事と子育てに疲れ切っていた美枝子は、息子に豊かな生活と良い教育を受けさせたいという願望から投資を始めたが、大失敗に終わった。その結果、彼女は事務所のお金に手を付けてしまい、追い詰められていた

そんな時、丸山からアオイ製薬の社員に知り合いがいると聞き、そこで美枝子はアオイ製薬の顧客データを利用した恐喝を思いつき、計画を実行したという。丸山も独立して自分の店を出すために資金が必要だったため、美枝子と共謀してその計画に加担したのだ。

アオイ製薬事件の全貌

事件の夜、須藤が会社に一人で残っていたところに、丸山が訪ねてきた。丸山は「飲み物を持ってくる」と言って席を外し、その隙にアオイ製薬の顧客データを盗み出した。彼らは、会社から金を直接取ると証拠が残るため、それは避けた。

美枝子は不正に得た金で自身の負債を穴埋めし、丸山はその資金を使ってレストランを開業した。しかし後日、須藤は丸山を問い詰め、彼は美枝子が関与していたことを話してしまった。丸山は謝罪したが、須藤はその会話を録音していたことを明かす

須藤は「計画が失敗だったと言うのなら、この件を外には出さないが、もうこれで俺たちの関係は終わりだ」と言い残し、丸山と決別した。しかし、丸山はこの別れを受け入れることができず、踏切の前で須藤の背中を押し、彼を殺害してしまった。

美枝子はその時初めて、自分がどれほど恐ろしいことに加担していたのかを理解した。須藤の葬儀で、泣き崩れる圭子と涼子の姿を目の当たりにした美枝子は、せめてもの罪滅ぼしとして、2人の娘の面倒を見続けてきたのだった。

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事件の真相

あれから17年が経ち、美枝子は圭子と涼子が平穏に暮らしている姿を見て、このまま何も起こらずに過ごせると思っていた。しかし、テープの存在が全てを変えた。志村がテープを発見し、それを使って脅迫してきたのだ。

美枝子は丸山にそのことを話すと、丸山は「金を払ってくれたら、テープを自分が取り戻す」と提案した。美枝子はその計画に従い、丸山と一緒に志村と会うことになった。志村は「買ってくれるんですよね?」と、テープを見せながら金を要求した。その瞬間、丸山が脇から飛び出し、志村の腹を刺した。負傷した志村は逃げたが、丸山は追いかけて彼を殺害し、テープを回収した

後日、レストランで美枝子と丸山が口論になり、丸山が「自分だけ助かろうと思っているのか」と激昂し、美枝子の首を締めた。とっさに美枝子は、近くにあった燭台で丸山を殴り倒してしまった

「その時通報していたら、丸山は助かったかもしれない」と小川は指摘し、「自首は考えなかったのか?」と尋ねた。美枝子は涙ながらに、「怖かったんです。自分の罪を見て見ぬふりをして、これまでの生活を守りたかった…」と答えた。

さらに大川が、「多くの人が亡くなり、大切な人たちを巻き込んでしまった。それでも圭子さんと涼子さんに真実を告げるつもりはなかったんですか?」と問うと、美枝子は「できませんでした…私は弱い人間です。2人には本当に申し訳ないことをしました…ごめんなさい」と涙を流して謝罪した。

そして美枝子は「息子もきっと私を許さないでしょう」と嘆いたが、大川は「それは息子さんが決めることです」と静かに告げた。

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ドラマの結末

正樹が警察署から出てくると、涼子がそばに駆け寄った。正樹は頭を下げ、「ごめん、僕のことは忘れて欲しい」と言い、去ろうとした。しかし、涼子は正樹の腕を掴み、「お義母さんが私のことを思ってくれた気持ちは、本物だった。私はそう信じる」と真剣な表情で正樹に告げた。そのやり取りを、遠くから見守っていた圭子は、目に涙を浮かべていた。

その後、小川は警視総監賞を授与されることが決まり、周囲から祝福を受けた。仕事が一段落ついたこともあり、今度は大川と小川、さらに大川の家族や圭子も一緒にキャンプに出かけることになった。キャンプ場には笑顔が広がり、彼らはそれぞれの絆を再確認する、穏やかなひとときを過ごした。

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【大川と小川の休日捜査】まとめと感想

かつて株の空売りで儲けた人物が脅され、共犯者のことも後に殺害したという話でした。

休日を取ってもらうアピールのために、大川と小川でキャンプに行きましたが、新たな事件に首を突っ込むことになってしまいます。

投資で失敗した美枝子が、投資で取り返すために空売りをしてから、情報漏えいをして株価を下げて儲けました。直接金を受け取ると足がつくと慎重だった美枝子ですが、空売りもまた足がつく気がします。むしろ真っ先に疑われそうな気がします。

ですが、当時の警察は美枝子を疑うでもなく、須藤を疑って逮捕しました。不起訴にはなったものの、疑惑の人物として世間からは叩かれてしまいます。須藤は実はそれを苦に自殺したのではなく、丸山に殺されていたことが分かります。

今回の事件は丸山が須藤と志村を殺害しました。美枝子のことも殺そうとしますが、逆に殺されてしまいます。美枝子は株の空売りだけでなく、丸山を殺害しているので、それなりの罪になるかと思います。

最後はいい話的にまとめていますが、美枝子が脅迫をしなければ、須藤も死なずに済んだわけです。そうなると圭子も涼子も不幸にならずに済んだわけです。全ての元凶は美枝子にあります。本人が思っている以上に、被害は甚大で罪深いです。

このシリーズが何回も続くとは思ってませんでしたが、もしかしたら今後もまた新作ができるのかもしれません。

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