【大川と小川の時短捜査】ネタバレ感想|松重豊と濱田岳の刑事ドラマ

スペシャルドラマ
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2022年9月12日にテレビ東京で放送された【大川と小川の時短捜査】のネタバレと感想をまとめています。

松重豊さんと濱田岳さんのW主演の刑事ドラマです。かつては優秀な刑事で今は警務課の大川と、新人刑事の小川がひょんなことから一緒に捜査をして事件解決を目指します。

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キャストとスタッフ

キャスト

  • 大川勇治…松重豊
    警務課係長
  • 小川満…濱田岳
    刑事課強行班係
  • 丸山啓子…夏帆
    刑事課強行班係
  • 横田雅彦…迫田孝也
    刑事課強行班係 主任
  • 山根茂之…橋本じゅん
    刑事課強行班係 班長
  • 斎藤慎一…水間ロン
    刑事課強行班係
  • 近藤芳男…水石亜飛夢
    刑事課強行班係
  • 相原和也…相島一之
    刑事課課長
  • 柳田賢二…光石研
    烏山警察署 副署長
  • 岡村智之…浜田信也
    烏山警察署 署長
  • 大川さやか…冨波心
    大川の娘
  • 大川良平…斎藤汰鷹
    大川の息子

ゲスト

  • 高木明…山中聡
    IT企業「サイバーグ」社長
  • 前田崇…吉沢悠
    サイバーグ社 専務
  • 吉川洋介…長谷川朝晴
    サイバーグ社 人事部部長
  • 飯島弥生…小西桜子
    サイバーグ社 人事部
  • 警備員…バッファロー吾郎A
    サイバーグ社 警備員
  • 中田沙織…戸苅ニコル沙羅
    派遣社員
  • 山田俊之…見津賢
    サイバーグ社社員
  • 吉川涼子…稲村優奈
    吉川洋介の妻
  • 吉川太一…小山蒼海
    吉川洋介の息子

スタッフ

  • 脚本:尾崎将也
  • 監督:松本佳奈
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あらすじ

世田谷区のIT企業サイバーグ本社で社長の高木明(山中聡)が、社長室で死亡しているのが発見される。被害者は腎臓病の持病があり、服用している薬の中にカリウム製剤が混入していたため、過剰摂取で死亡した。何者かの手による殺害と判断され、管轄の烏山署に捜査本部が立った。刑事課強行班係の小川満(濱田岳)は班長の山根茂之(橋本じゅん)と共に参加する。

一方、警務課の係長である大川勇治(松重豊)は、働き方改革を訴えていた。刑事課の残業が多いことから、捜査員たちに効率よく働くよう注意する。だが、山根はその考えには反対だった。

事件の詳細が張り出されたホワイトボードを見た大川は、入れ子人形の写真に注目する。元は優秀な刑事だったという噂の大川だが、山根は「あの人は負けた人なんだよ」と言う。小川はそのことが気になっていた。

効率の悪い働き方をする班長に辟易していた小川は、大川に愚痴をこぼす。それを聞いた大川が、捜査の進め方にアドバイスを送るとスムーズに事が運んだ。その後、小川は大川に再び助言を求めに行く。やがて、大川の“刑事魂”に火がつき始め……。

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ネタバレ

2つの事件が管轄で起き、どちらも繋がっているかと思ったら、実は偽装だったことが分かります。そこから事件の真相が見えてくるという流れです。

IT企業社長殺人事件発生

IT企業サイバーグの社長・高木明(山中聡)が遺体で発見される。捜査会議で分かったことは以下の通り。

  • 被害者:高木明
  • 死亡推定時刻:19時~23時頃
  • 死因:カリウム製剤の多量摂取

高木は腎臓病の持病があり、毎日薬を服用していた。そこにカリウム製剤と睡眠導入剤の2種類の薬品が混入されていた。カリウム製剤はどこにでも売られていて、誰でも簡単に入手できた。腎臓病の持病がある高木は、一定以上のカリウム製剤の量を摂取すると死に至る。

睡眠導入剤が入っていたのは、眠ったまま死に至らしめるためだろうと警察は考えた。いつ混入されたかは不明で、社長室に入る事ができる全員が容疑者という状況だった。

負けた刑事

残業が多いと警務課の大川勇治(松重豊)は刑事課の捜査員に注意しにくる。班長の山根茂之(橋本じゅん)は、刑事に働き方改革は無理だと反対する。ふと大川がホワイトボードに貼られた現場の写真を見る。その中の1つ、入れ子人形が床に転がっている写真が気になっていた。

小川満(濱田岳)は山根と一緒にサイバーグへ聞き込みに向かう。その途中、山根が大川を「あの人は負けた人なんだよ」と小川に言った。その意味が気になった小川が問うと、大川がなぜ刑事を辞めたのか語られる。

大川は5年前に病気で妻を亡くし、残された子ども2人を育てるため、勤務時間が不規則な刑事を辞めて警務課へ異動を願い出た。5年たって子どもが大きくなったにも関わらず、刑事に戻ろうとはしない。前は優秀な刑事だったのにだ。つまり、大川は刑事から脱落した=負けた人ということだった。

聞き込み

サイバーグで山根と小川は話を聞く。社員が何人か集められた中、社長に恨みを抱いていた人間がいないかなどを問うが、該当する人物はいなかった。社長が亡くなった後、誰が取り仕切るのかをたずねたところ、専務が代理を務めるとのことだった。

そこに専務の前田崇(吉沢悠)が入ってきて、捜査に協力するという。部屋を出た後、山根はいかにもリハーサルした感じだと、今回の聞き込みに対しての違和感を覚えた。

一方、同じ山根班の丸山啓子(夏帆)と横田雅彦(迫田孝也)は、警備室に行って防犯カメラ映像を確認していた。そこにも前田が現れ、何を思ったのか丸山に名刺を渡す。妙に思いながらも丸山は名刺を受け取った。

大川の助言

大川は広報誌に載せる働き方改革のモデル署員として、近藤芳男(水石亜飛夢)をスカウトするが断られてしまう。そこでちょうど目に入った小川に声をかける。小川も嫌そうにするが、大川は執拗に頼んできた。さらに、何でも相談してくれというので、小川は山根に対する愚痴を言い始める。

  • 聞き込み対象の絞込みが不十分
  • 捜査の網を広げ過ぎて無駄足が多い
  • 毎朝7時には来てるから自分も来ざるをえない

など、効率を一切無視した山根の方針に対して愚痴をこぼした。さらに、高木社長宛に届いたメールを全て調べろといわれ、膨大な枚数の紙の束を渡された。それを見た大川は呆れてアドバイスを送る。

今回の事件は社内による恨みの可能性が高いのだから、社内ドメインに限定して「許さない」とか「抗議する」といったトラブルに関するワードで検索をかけたほうがいいと教えた

小川は早速大川に言われた通り、山根にPC上で検索した結果を見せた。小川のやり方に感動した山根は「で、次どうすんの?」ときく。困った小川は「考えます…」といってその場をしのいだ。

その後、丸山に小川は今回の事件について問う。丸山はサイバーグは何か隠していると感じていた。セキュリティーがちゃんとしているということは、やはり犯人は社内の人間だろうと考える。小川は若手同士で情報交換をしないかと持ちかけるが、丸山は予定があると言って断った。

容疑者とデート

丸山はなんと容疑者でもあるサイバーグ専務の前田の車に乗っていく。それを見た小川は驚いたが、特に誰かに報告はしなかった。

丸山は前田から情報を得ようと考えていた。警察が男社会であることから、警視以上になった女性は3%しかいなかった。その3%に自分は入ると意気込み、そのためには手柄が必要だと前田に言う。チームで地道に捜査したところで手柄はあげられない。だから、直接情報を得ようと前田の誘いに乗った。

社長室に組織改革がテーマの本が複数あったことから、社長はどういう風に変革しようとしていたのか、前田にたずねるがのらりくらりとしていた。

大川の家を訪問

世間を騒がせている赤いリボン連続殺人事件の新たな被害者が出た。今回で3人目だった。被害者に共通しているのは、若い女性であることと、殺害後に赤いリボンで遺体がぐるぐる巻きにされて、胸元でリボンが結ばれたまま遺棄されることだった。

大川の自宅で娘のさやか(冨波心)が興味津々に語っていると、誰かが家を訪ねてくる。見たことのない人物に怯える子どもたちだが、大川が見るとそこにいたのは小川だった。

小川は大川からアドバイスをもらったはいいものの、そこから先どうすればいいのか悩んでいた。そこで、捜査資料を見てもらおうと大川に差し出す。だが大川は手に取らず、代わりにサイバーグの財務表に目を通した。見たところブラック企業だと指摘する大川、売り上げに対して人件費の割合が少ないからだった。そのことを社員たちに確認してみることをすすめ、小川もそうすることに決めた。

家に来るのに菓子折も持って来ない小川に愚痴を言うと、「小麦粉あります?」と言って小川はキッチンでパンケーキを作り始める。小川の実家はケーキ屋で、母親から継ぐよう散々言われ続けていた。そんな小川の作るパンケーキは本格的で、食べた子どもたちも美味しいと喜んだ。刑事に戻るつもりはないのかと大川にきくと、今の暮らしが快適なので戻るつもりはないと答えた。

新情報

小川は翌日、サイバーグで社員に残業について聞き込みする。確かに残業はあるが、それは積極的学びの機会だと言い、自分の成長のためなので金は要求しないという。そのことを大川に報告すると「やりがい搾取」だと指摘した。起業したカリスマ社長のもとで起きやすく、社長が出来ることは社員もできて当たり前だと思いがちだという。

山根に小川はサイバーグがブラック企業だと報告するが、山根は「身を粉にして働くのは素晴らしいことじゃないか」とまるで聞いてもらえなかった。

丸山は前田から高木社長と吉川洋介人事部長(長谷川朝晴)が口論していた、という情報を聞いたと小川に教える。どうやら働き方について揉めていたらしく、高木は利益第一主義で反対していたという

さらに近藤たちがカリウム製剤についての情報を入手する。薬局にサイバーグのドメインのメールで問い合わせがあったというのだ。山根はそこである人物を聴取することに決めた。

容疑者を聴取

山根が取り調べに呼んだのは吉川だった。なぜなら、薬局に問い合わせたメールが、吉川のものだったからだ。メールはすでに削除されていたが、さらなる証拠があった。それはカリウム製剤について、吉川のPCで検索した履歴があった

いずれの件も覚えがないと否認する吉川だが、動機もあると山根は追及する。吉川は創業メンバーであるにも関わらず、役員になれていなかった。それを恨んでの犯行だろうと山根は言うが、言いがかりだと吉川は反論した。そこで切り札の防犯カメラ映像を見せる。吉川と社長が口論になり、社長の手を掴んでいた。

山根は社長への暴行罪で別件逮捕し、取り調べで自白させようと考えていた。さすがに無理があると小川は言うが、山根は聞く耳を持たなかった。

「またあんなことが起こってからでは遅いんですよ」と言っていた吉川に、あんなこととは何かと問い詰める。吉川は「それは…」と言いかけている途中で倒れてしまい、病院に運ばれた

犯人は別にいる?

原因は糖尿病の持病がある吉川が、低血糖の発作を起こしたからだった。駆けつけた大川はあくまで取り調べをしようとする山根に、当分取り調べは中止だと告げた。

病室から出ると1人の女性が待っていた。それはサイバーグ社の人事部に勤める飯島弥生(小西桜子)だった。上司が倒れたと聞いて心配した様子だった。大川が状況を知らせると彼女は安心した。

その後、大川は小川に助言をした見返りとして、広報誌の取材を受けてもらうことにする。終えた後、「ここまでの事件の資料を見せてくれ」と大川は頼んだ。目を通した大川はこれで吉川を有罪にできるとは思えないという。さらに「多分この人犯人じゃない」と爆弾発言をした

それよりも床に落ちた入れ子人形のほうが大川は気になっていた。ちゃんと整頓されている部屋にも関わらず、なぜこれだけが落ちていたのか?何か理由があるのではないかと大川は考える。

新たな遺体発見

丸山は更なる情報を聞き出そうと、前田と再び会っていた。次期社長になることが決まったという前田に、丸山は対して興味を抱いてなかった。予約したレストランに行くはずが方向が違うことに気付いた丸山は不審に思う。「青山の店は満席だったんだ。他にいい店があるから」と怪しい前田。

有益な情報はこれ以上前田からは得られないと見切りをつけた丸山は、車を止めるよう命じる。前田は適当なところで下ろすからと言って一応は了承した。やがて裏道に入り人気の少ない通りを車が走っていく。ヘッドライトが照らした先に、何かが横たわっていた。

慌てて車を止めて降りた丸山は、リボンでぐるぐる巻きにされた女性の遺体を発見する。すぐに署に連絡して応援を呼んだ。

翌日、被害者の身元が割れる。中田沙織(戸苅ニコル沙羅)という派遣社員だった。管内で事件が発生したことで、捜査員たちはこちらに人員を割く事になった。小川はすぐに切り替えることができずにいた。

そこに大川がやってくると、その後から副署長の柳田賢二(光石研)もやってきた。2人は若い頃から一緒に働いていたらしく、仲の良さに小川は驚いた。柳田は大川を「この男ね、一度見込んだことは、とことん食らいつくんだよ。クールなふりしてるけど」と小川に笑いながら教えた。

時間外捜査

リボン連続殺人事件の捜査をする小川だが、吉川のことが気にかかっていた。そこで、勤務時間外に独自に聞き込みを始める。すると、薬局で聞き込みをしている小川に遭遇した。大川は副所長の言う通り、事件が気になっていたようだった。

2人は喫茶店に移動して捜査会議を始める。カリウム製剤は簡単に入手できるのに、なぜ吉川はわざわざメールで問い合わせたのか。検索履歴を残した理由は何なのか。まるで誰かが吉川に罪を着せるために、わざと痕跡を残したように見えると大川は語る。

一方、小川は丸山から聞いた新事実を話し始める。赤いリボン連続殺人の犯人は、行き当たりばったりに人を殺していた。だから、今回沙織が殺害されたのも偶然に思われている。だが、リボンの結び目が今までは全て左が上だったのに、今回は右が上だった。犯人はやり方にこだわりがあるはずなのに、理由もなく変わる事があるのかと丸山は疑問に思っていた。

沙織に恨みを持つ者が偽装した可能性があるのではないか。さらに、沙織は1年前、サイバーグに派遣されていた時期があった。こんな偶然があるのだろうかと小川は疑問に思っていた。それを聞いた大川は、高木社長殺しと関連付けられるのを避けるために、偽装して殺害されたのではないかと推理する。

大川の冴えわたる推理を聞いた小川は、2人で新事実が出るまで捜査をしないかと持ちかけた。

現場検証

嫌がる大川だが結局一緒に沙織の遺体が発見された現場へ向かう。なぜこんな場所に置いたのか、大川は疑問を抱いた。小川が丸山から聞いた話では、前田が予約したレストランが満席だったため、別の店へ向かう途中だったそうだ。

恐らく犯人は別の場所で殺害し、ここに遺棄したのだろうと大川は言う。ほとんど人通りのない場所なため、目撃者はいなかった。これまでの3件はすべて通行人が発見していた。夜な上に車だと遺体に気付かない可能性もあるような場所になぜ置いたのか。犯人は犯行を誇示したいのだから、もっと発見されやすい場所に置くはずだ、と大川は納得がいかなかった。

2人はその後、休憩をする。大川の刑事魂がうずいているのだろうと、小川が茶化すと大川はまだちょっとあるのかもしれないと認める。ふと、吉川と高木社長が口論した際の「またあんなことが起こってからでは遅い」という言葉を思い出す。以前にも何かあったということではないか、大川の推理に導かれて小川はある人物のところへ向かった。

過去のあやまち

小川が調べた結果、サイバーグに勤めていた山田俊之(見津賢)という社員が亡くなり、遺族が会社を訴えていたことがわかった。当時山田はかなり仕事に追われていて、心筋梗塞で亡くなってしまう。遺族が会社を過労死で訴えても、会社は証拠がないと言って取り合わなかった。しかし、最終的に和解が成立した。

山田の死と今回の件が何か関係あるのか、小川は大川にたずねる。それはまだ分からないが、点と点が結ばれて線になるかもしれないと大川は推理を始める。そして、山田と親しかった人物が、社長を死に追いやった可能性も見えてきた。

小川が山田のSNSを見せると、それらの写真は誰かが撮影したような写真だった。何枚か写真を見ていくうちに、窓ガラスにある人物が映りこんでいるのが分かった。それは、人事部の飯島弥生だった

新たな容疑者

大川と小川は弥生を喫茶店に呼び出して話をする。山田と交際していたことを弥生は認めた。山田は当時、新しい人事評価システムの立ち上げをしていた。だが、彼の死後に中止になってしまう。「じゃあ彼はいったい何のために死んだのか」と弥生は社長を恨んだ。

弥生は元社長秘書だったため、薬のことは知っていたという。実際社長を殺害する計画を練ったともいう。思いついた計画をSNSの裏アカに書いていた。山田の死を少しでも和らげたかったからだった。計画を誰かに見せたかと問うと、匿名なので誰も見ていないと思うと答えた。

では、吉川のパソコンからメールを送ったり、検索したりしたかを聞くと、そんなことはしていないと否定した。ただ、沙織とは面識があったが、仕事上の話をするだけで個人的な関係はないという。山田の死について吉川は心を痛めていたようで、社長との口論は彼の死が原因だった

しかし、吉川と高木社長は本当は対立していなかったと思うと弥生はいう。その理由として、事件の日の夕方に社長と話したときのことを思い返す。

弥生はあの日社長室に行き、棚にあった入れ子人形に手を伸ばした。それが入れ子になっていることを知らなかった社長はとても驚き、そして興味を持った。薬を飲む時間になり、ケースが空だったため、袋から補充をしていたという。

当日補充したということは、その時点ではカリウム製剤は入っていなかったということになる。つまり、犯人はそれよりも後に部屋に入った人物ということになると、大川は情報を整理した。

そこへ署から連絡が入り、吉川が退院したことで山根が取り調べをしようとしていると聞かされる。2人は慌てて署に戻り、大川が山根を止めた。小川を見た山根は大川とつるんでいることに文句を言い、刑事の仕事もロクにできないのに何やってるのかと小川を責め始める。

大川は思わず山根に「じゃあ、アンタはちゃんとできてるのか!」と声を荒げてしまう。山根は渋々取り調べを諦め、吉川は大川のお陰で留置所に戻された。

新たな仲間が加入

小川と大川は署内でも密会して捜査の状況を話していた。さらに手伝ってくれる仲間として丸山が加わる。丸山は証拠品の社長のノートPCを再び調べ、中にあった日記に書いてあったことに注目する。

2022年3月22日(水)
決算報告書に目を通す限り、会社の利益も安定している。
この業績なら、7月の役員会で会社方針を利益の優先から
社内環境の安定を提案しても問題はないはずだ。
この提案が通れば、組織の抜本的改革が出来る。
二度と悲劇を起こさない為にも、これだけは通さないといけない。
あとは、反対するMをどう説得するかが問題だ。

“反対するM”というのが誰なのか、すぐに丸山は前田のことだろうと想像した。丸山は着々と裏取りをし、サイバーグへ向かう。そして小川と一緒に前田に署まで同行を願った

被疑者を取り調べ

取り調べは小川が主に担当し、丸山はやり取りを記録する。まず小川は沙織と面識があるかをたずねた。前田は知らないというが、2人がレストランで食事をしている写真を見せる。前田は沙織に関係を口外しないよう口止めした上で、陰ながら交際していた

ある日、弥生の裏アカに気付いた沙織は、前田にその話をした。そして社長殺害計画を知ったのだろうときくが、前田は知らないと否定する。

高木社長は山田の死をきっかけに方針を利益優先から、安定路線に切り替えようとしていた。日記にあるMとは前田のことではないかときくが、あくまで前田は知らないと言い張る。

さらに薬局で薬を買う男性が前田に似ていると画像を見せ、吉川に疑いの目を向けさせたこと、そしてあの日、薬を混入させたのは前田だろうと小川は追及する。

沙織は社長が死んだことをニュースで知り、前田が殺害したと思い動揺した。前田と会ってそのことを責めると、前田は沙織が邪魔になって殺害した。そして、赤いリボン連続殺人事件に見せかけるために偽装した。丸山をわざと誘導して共に第一発見者になることで、偽装工作の完成度を上げた。

丸山はあの日、レストランが満席だと聞いたが、後にレストランに確認したところ、前田自らキャンセルしていたと知る。散々状況証拠を小川は突きつけるが、前田は証拠は?と開き直り、事件があった日、社長室には行っていないとあくまで主張した。

取り調べの様子が気になった大川は隣の部屋から、中の様子をうかがっていた。小川の取り調べを見て大川は「やっぱり無理だな。何かが足りない」とつぶやく。考えをめぐらせているうちに「真実は入れ子になっている…か!」とひらめく。そして急いで鑑識に入れ子人形を持って行った

事件の真相

山根の許可を取らずに取り調べをしていた2人は、現れた山根に怒られてしまう。そして、前田を帰そうとしていた。そこに大川が戻ってきて、事件当日の夕方、社長室に前田が行ったことを証明するという。

まず前田は人形のことを“入れ子人形”と呼んでいた。入れ子になっていることは、社長も当日初めて弥生に教えられて知ったにも関わらずだ。大川は証拠品の人形を1つ1つ開けて置いていく。中は5つの人形で構成されており、その全てから複数人の指紋が発見された。

1つは殺害された高木社長のもの。1つは社長に説明するため、人形に触れた弥生のもの。もう1つは前田のものだった。

高木社長は当日初めて入れ子人形だと知ったのに、中の人形に他の指紋がついていたとしたら、それ以降に入った人間のものとなる。恐らく社長は入れ子になっていることを面白がり、後に部屋に来た人間にもその話をしたのだろう。

動かぬ証拠を突きつけられた前田は、社長殺害を認める。動機は会社の方針転換だという。会社を1兆円企業にするという社長に前田は憧れていた。しかし、成長から安定に切り替えようとしたのが許せなかった。「高木は俺を裏切ったんだ。だから、俺が高木にとってかわろうとしたんだ。それの何が悪いんだ」と開き直る。

大川はそれを聞いて「でもね、無理ですよ。あの人はその奥にある真実を見ようとした。会社は社員みんなのものだ。みんなが安心して働ける場所を目指すこと、そこに意義があると。あなたとは、器が違うよ」と切り捨てた。

ドラマの結末

吉川は釈放され家族の元に戻った。前田はその後、会社の金を3億円使い込んでいたことが発覚する。結局、殺しの動機はその発覚を恐れてのことだった。

赤いリボン連続殺人事件は、傷害の別件で逮捕されていた男があっさりと自供した。

事件を解決した小川は丸山から食事の誘いを受ける。しかし、断ってお菓子作りの趣味を再開することにしたと言い大川の家でケーキを作っていた。なぜ断ったのかと大川に聞かれ、事件解決の高揚感で盛り上がっても、長続きしないと思ったからだと答えた。あらかじめ失敗を回避しようとするなよと、大川は呆れた。

働き方改革は中々難しいとこぼす大川だが1つ成果があったという。それは、1人の刑事がアフターファイブを大事にしようと思ったという成果だった。

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【大川と小川の時短捜査】まとめと感想

全く部署違いの2人が、事件解決のために協力するという話でした。

大川は元々優秀な刑事でしたが、妻を亡くしたことで子育てをするため警務課に異動します。以来、働き方改革を目指して刑事課に小言を言っていました。小川は刑事課の旧体制的働き方に辟易していました。そんな2人が組んで事件解決を目指します。

最初は首を突っ込むことを嫌がる大川ですが、刑事魂がうずいてついつい手伝ってしまいます。小川も大川を頼り、助言を受け入れて捜査します。やがて丸山も仲間に加わり、真犯人へ近付いていきます。ただ、追い詰めはしますが肝心の証拠が足りません。

そこで取り調べの様子を見ていた大川がひらめき、ようやく証拠を見つけて逮捕へと至りました。大川と小川は頭脳担当と手足担当に分かれ、お互い足りない部分を補い合うような関係でした。

時々、小川が一緒にいる相手をいらつかせるのですが、それがどういう理由なのかがよく分かりません。恐らく若造のくせに達観したようなことを言っている、ということなのか?小川は度々注意されていました。

テレビ東京の2大スター共演という名目で作られたドラマは、テレビ東京らしいユルっとしつつも最後はうまいことまとめるドラマでした。

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