【下剋上球児】5話のネタバレと感想をまとめています。
南雲が警察に出頭したという話が街中に広がり、樹生は激怒して野球部に新監督を勝手に連れて来る。彼の方針は今いる部員を起用するのではなく、新たな部員をスカウトして新生野球部を作ることだった。根室はピッチャーを外されることになり、南雲にグローブを返しに行った帰りに行方不明になってしまい……。
【下剋上球児】5話のあらすじ
南雲脩司(鈴木亮平)が警察に出頭したという話が、あっという間に街中に広まった。部員たちも事実を知ることになり、保護者への説明会が行われる。犬塚樹生(小日向文世)は南雲に裏切られたと憤り、本人をこの場に連れて来いと騒ぎ出す。他の保護者たちもみな、口々に南雲を呼べと騒ぎ始めた。
南雲は在宅聴取となり、弁護士の榊原(伊勢志摩)と蓮見(向里祐香)が話をしに家にやってくる。樹生が検察とも繋がっているので、彼の声が大きいと起訴されるかもしれないと不安を語る。榊原は南雲にもっと話して欲しいと頼み、南雲は自分がなぜ教師を志したのか重い口を開き始める。
樹生は野球部の新監督として、塩尻(町田啓太)を勝手に連れて来る。山住香南子(黒木華)は反対するが、樹生は聞く耳を持たなかった。塩尻は今の部員たちでは駄目だと言い、スカウトに力を入れる方針だった。南雲とは全く違う方針の塩尻に、山住は納得がいかなかった。
コンビニで塩尻が山住に根室知廣(兵頭功海)はピッチャーやめさせると話していると、偶然通りがかった根室が聞いてしまう。塩尻はその場で本人に直接話し、根室はショックを受けながらも方針を受け入れた。
南雲が自宅に戻ってくると、玄関先に根室にあげたグローブが置かれていた。後を追って話を聞いた南雲は、根室を励まして見送る。だがその後、根室が自宅に戻って来ないと、姉の柚希(山下美月)から連絡が入り……。
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5話のネタバレ
広がる波紋
南雲脩司(鈴木亮平)が警察に出頭した。その話があっという間に街中に広まり、部員たちもその事実を知ることとなった。校長の丹羽慎吾(小泉孝太郎)は職員室で先生たちに事情を説明し、南雲は越山の教師でも関係者でもないことを強調する。他の教師から話を聞かれた山住香南子(黒木華)は、「同僚だった4ヶ月、ずるい人だといっぺんも思ったことはない」と語った。部員たちは職員室の外で聞き耳を立てていた。
保護者たちへの説明会が体育館で行われ、校長が今後は教員免許を徹底確認すると約束する。卒業生の単位認定には影響しないが、在校生は補充授業を行う方針だと説明した。
犬飼樹生(小日向文世)もなぜか話を聞きに来ており、なぜ、張本人がここにいないのかと怒りを露にした。校長は目下取調べ中だと説明するが、樹生は在宅で取調べ中だと知っていると主張する。保護者たちは口々に騒ぎ立てている中、根室柚希(山下美月)が「反省しているから、警察に自首したんでしょ」と呟いた。柚希は南雲の力になりたいと思うが校長はどう考えているのかと聞くと、便宜を図るつもりはないと校長は答えた。
南雲が自宅で片付けをしているところに、青空(番家天嵩)が帰ってきて「脩ちゃん、ヤミの先生なの?」と尋ねる。南雲が青空に謝ると、なんで自分にだけ話してくれなかったのかと言って青空は拗ねた。そこに嗅ぎ付けたマスコミがやってくるが、七彦(中村シユン)がボケたふりをして取材を断ろうとする。見かねた南雲が対応しようとすると、弁護士の榊原(伊勢志摩)と蓮見(向里祐香)がやってきて追い払ってくれた。
榊原を自宅にあげて南雲は話を聞く。不起訴に持っていきたいが地元の大物の声が大きいため、起訴される可能性が高いと説明された。樹生は検察とも通じているため、厄介な状況だった。榊原は謝罪の行動は避け、じっと大人しくするよう忠告する。そしてそろそろ腹割って話してくれないかと頼んだ。
南雲は重い口を開き始める。小さい頃保護者がいなかったことを明かし、「僕は、先生に育ててもらったようなものなんです」と過去を語り始めた。
南雲の過去
南雲の父はギャンブルで借金を作って離婚し、母は子供を置いて逃げた。小学校5年生の時、担任になった寿竜矢(渋川清彦)は、南雲に「めでたい名前だから、君に福を運ぶよ」と笑顔で自己紹介した。
行き場のない南雲を寿は引き取り、自宅に一緒に住まわせる。寿は「勉強を教えるだけが先生じゃない」を口癖とし、一つ一つ時間をかけて南雲に家事や炊事なども教えてくれた。寿のおかげで南雲は遅れていた勉強も追いつき、人並みに学校に通えるようになった。
中学を卒業後、南雲は働くつもりだったが、寿が高校進学の道筋をつけてくれて高校に進学し野球を始めた。南雲は「高校に進学していなかったら、野球はやっていなかった」と語る。
帰宅途中、転がってきたボールを拾って投げ返した南雲を見た賀門英助(松平健)は、野球部に誘う。南雲は放課後にガソリンスタンドでアルバイトしていたが、賀門のしつこい誘いに負けて野球部に入部した。練習はきつかったが、チームは賀門の指導で徐々に強くなった。
賀門は部員たちに「お前らがやってきたこと、考えてきたこと、悩んだこと。無駄なことなんて、一つもないぞ。今までもそうだし、これからもそうだ。無駄なことなんか、一つもない」と語りかけ、南雲の肩を叩きながら笑った。
この経験から南雲は、もしなれるなら教師になりたいと思い、諦めきれず大学に入り直した。
榊原は学費で貯金も底をついていたのではないか、家族のために稼がなければならなかったのではないかと問うが、家族には何の責任もなく、全ては自身の弱さが引き起こしたものだと南雲は否定した。
ある生徒との出会い
南雲は学校に何度も辞めたいと申し出たというが、最初に辞めようと思ったのはいつだったのかと蓮見がきくと、赴任してすぐだったと南雲は答えた。
南雲は赴任してすぐ、生徒指導の担当になった。問題児が多かった中で、周りの大人がみんなでサポートすれば良いと南雲は考えていた。ある日、越前恵美(新井美羽)という女生徒が援助交際をしていたため呼び出される。南雲は他の先生に越前ともう一度話をしたいと頼んだが、外で女生徒と会うことはまずいと忠告された。しかし、南雲はすぐに辞めるつもりだったため、何を言われても構わないと考えていた。
それから南雲は放課後、越前の行動を見張るようにした。時にはパパ活現場に割って入り、越前を連れ戻そうとするが逃げられてしまう。そんな事が繰り返されて南雲が悩んでいると、越前がお菓子を投げ渡し、スーパーでバイトを始めたことを伝える。「今までありがとう。なぐちゃん」と言われた南雲は、生徒の奇跡的な変化を目の当たりにした。これが本物の教師の喜びだと感じ、学校を辞めるのをためらってしまう。
生徒は突然変わることがあり、どんな生徒にも可能性があると気づいた南雲は、本物の教師であればどれほど素晴らしいかと後悔しきれなかった。
一方で、七彦は美香(井川遥)に状況を電話で報告し、弁護士によれば結論が出るまで在宅捜査が長引くと伝える。なぎさ(倉田瑛茉)を保育園に預けながら、美香は東京で働いていた。元夫の小柳晴哉(大倉孝二)はなぎさにちょっかいを出し、美香に対しても俺を頼れば良い、たまにはうちに来いと誘うが、その漬け込む感じが嫌だと美香は非難した。
新監督就任
保護者説明会で倒れた樹生のケガは、捻挫だったことが分かった。山住は樹生に呼ばれ、南雲の代わりの指導者を見つけたと伝えらる。監督の横田宗典(生瀬勝久)も南雲がいないならやめると言い、新たな監督として塩尻(町田啓太)が紹介された。塩尻は仙台国際でコーチと監督を3年半務めた経験があり、公立高校での指導は初めてだと言う。
夏の予選のビデオを見た塩尻は、「翔はいいもの持っているが、それ以外は見るのも苦痛だ」と述べ、今の子たちに見切りをつけて、スカウトに力を入れるべきだと提案する。山住は何とか練習を見てもらえないかと頼むが、塩尻は「無駄でしょ、スカウトに力を入れましょう」と相手にしない。南雲が高校生は未知数だと言っていたことに触れると「ニセ先生の言うこときいてもな…僕は僕のやり方でやらせてもらう」と聞く耳を持たなかった。
南雲は七彦の手伝いをしており、陰口を叩く人たちが多い中で、頑張れと声をかけてくれる人もいた。美香が実家に戻ってくると、青空は行かないと言い出し部屋の中を逃げ回る。青空がいじめられると心配する母親に対して、青空は気にしないと言って断った。見かねた南雲が青空がここにいたいなら、いればいいよと言うと、美香は誰のせいでこんなことになってるのかと逆ギレした。
南雲は過去のことに触れられても反論せず、「確かに悪かった」と謝るが美香の怒りは収まらず、なぜ山住に話す前に自分に話さなかったのかと、南雲に怒りをぶつけ続ける。南雲はそれでも反論や言い訳もせずにひたすら「悪かった。間違ってた、全部間違ってた」と謝り続けた。青空は「離婚は嫌だからね」と口を挟み、七彦が見かねてその場を宥めた。
練習ノート
2016年秋季大会が始まる頃になっても、南雲の処分はまだ決まっていなかった。野球部は不調が続き、秋の大会でも1回戦で敗退した。この状況にサボり癖のある部員はサボり始めた。山住は新人を探しにスカウトに向かうが、断られるばかりだった。有望な中世古僚太(柳谷参助)の元に山住は何度も足を運んでいた。山住が中世古に志望校が決まったかを尋ねると、親にザン高は反対されたと答えた。
山住は南雲の家を訪れ、塩尻との関係を尋ねられると、スカウト活動に熱心で練習には出てこないと答えた。月に一度、賀門が紹介してくれたコーチが練習を見てくれていると教え、賀門監督に会ったか尋ねると、「南雲へ 破門だ 賀門」と書かれたメールを見せた。
他の人はみな怒っているのに、なぜ山住は怒らないのかと南雲が聞く。山住は確かにがっかりはしたが、怒る理由が見つからないと語り、今後どうすればいいかを尋ねる。南雲は練習メニューが書かれたノートを山住に見せた。
南雲の考えでは全員が走攻守揃ったプレーヤーである必要はなく、チームカラー的に打撃に特化したほうがいいと思っていた。山住も同じように考えていた。しかし、全員がフルスイングする必要もないとし、選手それぞれを適材適所で活かせばいいと語る。
気付くと熱く語っていたことに気付いた南雲は、慌ててノートをしまおうとしたが、山住が手を差し出してノートを受け取った。山住は南雲にたまには顔を出してくれと誘うが、南雲は気晴らしできる立場ではないと断った。
その後、南雲の練習ノートに書かれた練習が始まる。富嶋雄也(福松凜)のリーダーシップが鍵だと南雲は記し、個性豊かな面々を富嶋がまとめていくことが重要だと書いていた。打撃に特化しつつも守備も強化していくことが求められていた。チーム力を上げるためには地道に筋トレを続け、フィジカルをベースアップすることも重要だった。しかし、外で走っていると近所の住民に馬鹿にされたりもした。
南雲は青空が他の子に「ヤミ教師南雲」とからかわれる場面に遭遇する。他の子が追い払ってくれたが、南雲はその様子を陰ながら見ていました。帰宅後、南雲が青空に学校の様子を尋ねると、普通だけどと青空は答えた。南雲はいつでも母さんと、なぎさのところに行っていいんだからなと伝えるが、青空は「決めたことは最後までやるんだ、俺」と言った。南雲は「偉いな、青空。俺も見習わないとな」と思わず感心した。
新入部員
卒業式で誠(菅生新樹)は感極まり、涙を流していた。新たなる門出を迎える中、新入生たちが入学してきた。野球部にも体験入部の生徒が10人ほど集まった。その中には、中世古も含まれていた。ザン高になぜ来たのかと中世古が質問されると、山住が何度も来てくれたし、犬塚翔(中沢元紀)と日沖壮麿(小林虎之介)のバッテリーもエモいからだと答える。偉そうだなと言われると、「ザン高甲子園連れて行くのは俺や」と中世古は宣言した。
山住と塩尻はコンビニで話をしていた。塩尻はその実績に感心し、スカウトできたことに驚くが、中世古のパラメーターには打撃全振り、守備イマイチ、代打要員という評価だった。さらに根室知廣(兵頭功海)は外野に専念させようと言い、ピッチャーは翔1人の方がいいと話す。偶然聞いてしまった根室に、塩尻はいい機会だからと話始めると、ショックを受けながらも根室はバッティングピッチャーをすると受け入れた。
南雲が仕事から戻ると、玄関先に根室にあげたグローブが置かれていた。根室を見かけて追いかける南雲が、何かあったのか尋ねる。根室はバイトの時間を増やすことにしたので、練習を減らすことにしたと話す。
南雲は「諦めんなよ。きつくなったら、誰でもいいから周りに頼れ」と励ました。根室は「先生にそう言われると、なんか頑張れる気がする」と答えると、南雲は「もう先生じゃないよ」と言いながらグローブを返した。根室は「俺の中ではずっと先生です」と南雲に告げ、「頑張れよ」と声をかけて南雲は見送った。
行方不明
その後、山住と柚希が南雲の家にやってきて、根室が姿を見せなかったかと聞く。根室が家に帰って来てないというのだ。部員たちも心配しており、みんなで手分けして探し始める。翔からのメッセージで根室の目撃情報が入り、南雲が車庫にある電車内で根室を発見した。根室は電車の中で寝込んでしまい、そのまま車庫に閉じ込められていた。
根室が姉に再会すると謝り、南雲の家で食事をすることになった。富嶋が根室が見つかったことを翔に連絡し、部員たちもみな安心した。
山住がショックだったのかと尋ねると、根室はそれはショックだったけど、まだ2年だからまた来年もあると答えた。柚希がバイトはしなくていいと言うと、南雲は「しんどいなって日は、よかったらうちに泊まってくれ」と提案する。南雲は柚希に「僕と関わると、弟さんが非難受けるかもしれませんけど」と伝えると、柚希は「私は、弟が信じる人のことを、信じとります」と答えた。
思いがけぬ提案に根室は、通学に費やす時間を練習できると喜んだ。南雲は山住に栄養指導だけお願いしますと、自宅で迎え入れるための準備をした。
5話の結末
夕方、南雲の家に練習を終えた根室がやってくると、他の部員たちも次々と集まってくる。誠はスーパーに就職したため、社員割引で購入したといって食材を提供してくれた。みんなで集まり、南雲の家で食事を共にした。南雲は「合宿所じゃないぞ、うちは」と笑いながら言った。
グラウンドで賀門と草抜きをしながら、山住は今後の方針について考えていた。賀門から「監督なしじゃ勝てないぞ」と言われ、山住は迷いつつも「野球未経験者でも、野球部の監督になれますか?勝たせることはできますか?」と賀門に尋ねた。
みんなで食事をしながら、練習試合での勝利や成長について話が広がる。新監督の塩尻は1人もスカウトできなかったため、樹生にクビにされてしまった。1年生が10人入ってきたものの、既に2人がやめてしまったという。みんなが野球の話をしているのを、南雲は嬉しげに聞いていた。
南雲は昔を思い出す。寿と一緒にご飯を食べながら、南雲がなぜ子供は勉強するのか尋ねると、寿は「憲法で決まっているから。けど、僕が思うに、なりたい大人になるためだわ」と答えた。
自然と零れ落ちる南雲の涙に気付いた久我原(橘優輝)は、自分ももらい泣きをしてしまう。携帯が鳴り、南雲は涙を慌てて拭って出る。榊原からの連絡で検察に送致されたという報告だった。起訴か不起訴かはこれで決まる。心の準備、しといてくださいと言われた。
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【下剋上球児】5話のまとめと感想
新監督が就任するがスカウトできずに解雇され、山住がスカウトした新たな部員が加入したという話でした。
南雲の過去が語られ、その時々出会った教師のお陰で救われ、教師を目指した動機が判明します。根室に境遇が似ていたため、南雲は彼にグローブを渡したのかもしれません。その根室がピッチャーをクビになってしまい、ショックで失踪したのかとみんな慌てます。結果的に単なる乗り過ごしだったのですが、一瞬ひやっとする話でした。
南雲が苦境になった時、手のひらを返して非難する人と、少数ながらも変わらずに支えてくれる人がいました。南雲は美香に責められても、言い訳や反論をせずひたすら謝罪します。決して美香を非難しません。なぜなら、悪いのは自分だと反省しているからです。
実は言い返す言葉も思いつかないだけなのかもしれませんが、ここで妻を非難して何が得られるのか?もし言い返したら得られるのは妻の遺恨だけでしょう。南雲は損得勘定でそうしたわけではないでしょうが、結果的に妻の気持ちを繋ぎ止めれた気がします。
誰かを非難するのはとても簡単で、浅はかなことだと感じました。誰かが過ちを犯した時、まず非難をするのではなく、よく考えて行動したいと考えさせられる話でした。
南雲は起訴か不起訴なのか?仮に起訴されても執行猶予はついて欲しいものです。
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