【相棒シーズン19】8話「一夜の夢」のネタバレと感想をまとめています。
代議士の娘の婚約者が何者かに殺害され、その後すぐに娘はある男と婚約を発表します。
なぜ彼女はこの男のいいなりになるのか?そしてこの男は何者なのか?バッドエンディングの回です。
【相棒19】8話のあらすじ
冠城(反町隆史)は右京(水谷豊)を連れて食事に行った先で、男女が言い合っているのを聞き声をかける。
男は彼女に結婚を迫っていたが、女は婚約をしているといって拒んでいた。
後で調べたところ女は与党幹事長の小早川泰造(大河内浩)の娘で奈穂美(上野なつひ)だった。奈穂美は業界最大大手の家具販売会社、星宮家具社長の星宮光一(田中佑弥)と婚約をしていた。
するとそこに角田課長(山西惇)がやってきて、星宮が殺害されたと言う。右京たちは早速捜査を始め、奈穂美に結婚を迫っていた男のことを聞く。
落とした携帯を届けてくれた男だというその人物は、宇野健介(柏原収史)といい客引きを生業にしている人物だった。
奈穂美からもらった名刺を頼りにに宇野に会いに行く右京たち。宇野に星宮が殺害された話をすると、彼は完璧なアリバイを告げる。
あまりにも完璧すぎるアリバイに違和感を覚える右京。宇野がどういう男か青木(浅利陽介)に調べさせると、彼は決して恵まれた人生ではなかった。
その頃、奈穂美が婚約披露パーティーを開くと聞き、右京たちも会場へ向かう。新たな婚約者として紹介された男は、なんと宇野だった。
右京は宇野が何かしらの弱みを握り、脅迫しているに違いないと推理する。そこで奈穂美と関係のある人物の話を角田課長から聞くと、彼女も違法カジノに出入りをしていた可能性が出てきた。
そこに中園参事官(小野了)が現れ、右京たちの捜査を止めるのではなく、捜査を続けるよう命じる。
だが、宇野が空き巣に襲われ病院に運ばれてしまう。宇野の部屋は荒れに荒らされ、恐らく宇野が手に入れたものを探しに来たのだろうと右京は推理する。
宇野はあくまで自分は脅していないと言い、星宮よりも自分のほうが婚約者として相応しいと言う。
右京は事件の目撃者を捜すため、伊丹(川原和久)たちと協力して当時現場近くにいたホームレスを発見する。
男は殺害現場は見ていないが、事件直前に声を聞いたと話す。「28年ぶりだな」という言葉に右京はひらめき、星宮のことを調べると彼は養子で、それ以前に住んでた場所では宇野と小学生時代の同級生だった。
そこで右京たちは星宮の産みの母親に話を聞きに行き、宇野と星宮の過去が明らかになり……。
【相棒19】8話のネタバレ
8話のネタバレは以下の3つです。
- 宇野の過去
- 事件の真相
- ドラマの結末
結論から言いますと、星宮殺害犯人は宇野で、逮捕される前に自殺してしまいます。
彼がなぜ奈穂美との結婚にこだわったのか?“盗まれた人生”を取り戻すためでした。
1.宇野の過去
彼の過去がどれだけツイていない人生か、それが今回の殺害にも繋がる動機なのでまとめます。
- 高校を卒業後、就職した工務店が倒産
- 日雇いの仕事を転々とするが、体を壊して働けなくなる
- 6年前に飲食店の売り上げを盗んで逮捕
- 事件の翌年に母親は病死
- 立ち直ることなく現在違法な客引きで生計を立てている
そんな男が代議士の娘と結婚をしようとしているなんて、どう考えてもおかしな状況です。
当然、家族の反対にもあいそうなものですが、父親もなぜか結婚を認めます。
その理由として右京さんは推理をします。恐らく奈穂美が違法カジノに出入りしている証拠を宇野が握り、それを表に出されたら政治生命も断たれると恐れているからではないかと。
しかし、カジノに行っているのは娘であって、代議士は行っていないのに妙にビビります。
そこで父親は宇野との結婚を認めつつ、宇野を排除しようと手の者に襲わせたのです。
退院した宇野はその後、代議士に自分を後継者にして欲しいと迫ります。
仕方なく秘書から始めろと言う代議士。自分は生まれ変わるんだと宇野は喜びました。
宇野は小早川代議士の後継者に名乗りを上げる
2.事件の真相
右京さんたちが星宮の産みの親に話を聞きに行って分かったのは、母親が再婚するために息子を星宮家に養子に出したということでした。
昔のアルバムを見せてもらうと、星宮と宇野、そして宇野のアリバイを証言した女性が3人で写っています。
そこで彼女に話を聞きに行くと、アリバイ工作の手伝いをしたと自供します。
幼馴染の店にあえて行って、裏口からこっそり宇野を出し、その後に宇野の携帯でアプリ決済をしてあげたのです。
彼があまりに何をやってもうまくいかないから、何とかしてあげたいと思ったと彼女は語ります。
では、宇野は幼馴染である星宮をなぜ手にかけたのか?
右京さんたちは宇野と奈穂美の結婚式へ向かい、宇野の控え室で真相を話します。
それは28年前、養子に行くはずだったのは、宇野だったのです。
星宮家の家政婦と宇野の母親が知り合いで、病弱な母親を案じて星宮夫妻が後継ぎを探している話を教えます。
母から話を聞いた宇野は悩み、当時の親友である光一と静香に話をしました。
すると2人は「行って欲しくない」というので、宇野は養子の話を断ったのです。
しかし、その1か月後、今度は光一が親の仕事の都合で引っ越すことになったといい、2人の元を去ります。
実はあの時、光一は嘘をついていて、星宮家に養子に入ったのです。
それを知った時、宇野はこう思います。「あいつが俺の人生を奪った」と。
宇野はある日、客引きの縄張り争いでボコられ、倒れた先にあった雑誌の切れ端を偶然目にします。
そこには奈穂美と光一が婚約したという内容のもので、一目であの光一だと分かったのです。
光一に会いに会社に行きますが相手にされず、宇野は非常に悔しい思いをしました。
そこで宇野は光一を陥れるネタを探しに周辺を嗅ぎ回ります。奈穂美に近づき携帯を奪ったのもそのためでした。
携帯の中には奈穂美が裏カジノで大金を手にして記念撮影している写真があり、これで人生大逆転できると彼はその時思います。
そして光一を呼び出して殺害し、自分の人生を取り戻そうとして、奈穂美との結婚にこぎつけたのです。
星宮に盗まれた人生を取り戻そうとして殺害した
3.ドラマの結末
今までの人生のツイてなさを嘆き、あの時養子に行ってれば本当は輝いた人生だったのにと語る宇野に、右京さんが当然説教をします。
そこに伊丹刑事たちが来て宇野を連れて行きます。右京さんたちはのんきにもう一度人生をやり直せたらいいんだけど、なんて語っていました。
ちなみに角田課長は奈穂美のところに行き、闇カジノについての話を聞きたいといって踏み込みます。
ここまではいつも通りの相棒ですが、今回はこれだけでは終わりません。
なんと宇野は連行されるのを振りきり、ビルの端へと向かったのです。
3人も刑事がいて何してんだとつっこみたくなりますが、そういう展開に急遽なります。
宇野は「最後ぐらい自分でケリつけますよ。皆さんはどうぞこの先も楽しい人生を!」と言って飛び降りてしまいます。
落下する宇野が他の参加者たちがいる部屋の窓からも見え、最後に地面に叩きつけられる衝撃音が鳴り響きます。
慌てる刑事たちが急いで救急車を呼ぶところでドラマは終わりました。
真相を暴かれた宇野は飛び降り自殺をする
【相棒19】8話のまとめと感想
不運な人生を送ってきた男が、本当は自分が手にするはずだった人生を取り戻すために殺すという話です。
雑な『太陽がいっぱい』とでもいいましょうか、リプリーのように頭も良くなく行き当たりばったりな宇野です。
宇野は今が満たされていないため、余計に光一への怒りが込み上げます。
しかも光一に相手にもされなかったせいで、怒りを通り越して殺人にまで発展しました。
仮に宇野があの時養子に行っていたら、果たして本当に今の光一と同じ状況だったのか?
それは誰にも分かりませんし、宇野自身も本当はそう思ってなかった気がします。
なぜなら、彼は今までの人生に疲れていたし、光一にもただ28年前の嘘を謝って欲しかっただけでした。
宇野は死に場所を選んでいたような、最後に一花咲かせようと思っていたような、そんな諦めが感じられます。
人生は何度でもやり直せる。実際やり直して来れた人だけが言えるセリフです。
やり直すのにどれだけ大変か、またあの苦しみを味わうのか。宇野にはもうやり直す気力も残っていませんでした。
それゆえ、「みなさんはどうぞ楽しい人生を」と告げ、自らは人生から降りる選択をしたのだろうと思えるオチです。
今シーズンの相棒は既に8話放送していますが、4話の「藪の外」以外はもやもやが心に残る話が多いです。
次回は12月9日21時から放送予定です。