【全領域異常解決室】1話のネタバレと感想|神の御業か人間の業か?

2024秋ドラマ
記事内に広告が含まれています。

2024年10月9日からフジテレビで始まった【全領域異常解決室】1話のネタバレと感想をまとめています。

血痕と身に着けていたものだけが残り、遺体が一切ない「神隠し事件」が連続して起きていた。そんな状況で、雨野小夢は通称“全決”に異動してくる。新たに見つかった痕跡に、ヒルコを名乗る者の仕業ではないかと世間が騒ぐ中、冷静に興玉雅が捜査を開始するが……。

スポンサーリンク

【全領域異常解決室】1話のあらすじ

雨野小夢(広瀬アリス)は警視庁音楽隊から、出向を命じられてやってきたのは全領域異常解決室、通称“全決”という部署だった。室長代理の興玉雅(藤原竜也)と合流し、いきなり捜査に連れて行かれる小夢は、世間を騒がす「神隠し事件」の情報を得るため、捜査一課へと向かった。

“ヒルコ”と呼ばれる者に襲われた人物はみな、遺留品はあっても遺体は一切見つからなかった。班長の荒波健吾(ユースケ・サンタマリア)に経緯を聞いた小夢は、警察も疑っていた第一発見者の男が怪しいと睨む。

男の名は松宮瑠偉(吉村界人)といい、ここ3件起きた事件の第一発見者だった。だが彼には完璧なアリバイがあり、ますますヒルコの仕業ではないかと世間は恐怖に駆られていた。

興玉は小夢と共に捜査をしていくうちに、ある疑念を抱く。ヒルコの仕業か、果たして……?

2話→

スポンサーリンク

【全領域異常解決室】1話のネタバレ要約

「神隠し事件」かと思われていたが、実は推しをバズらせようと考えたコアなファンと共謀した、松宮の自作自演だった。

実は松宮の妻であるひよりは、身分を隠したままアイデアをファンの1人に話すことで、彼女たちはその気になって行動に移す。だが、その中の1人が裏切り、松宮を独占するために殺害してしまう。

ひよりは夫の愛情を試すために妻であることをわざと公表し、殺しに来たファンは危険を察した興玉たちに取り押さえられた。全ては妻が夫とそのファンたちを、破滅させるために考えた復讐計画だった。

スポンサーリンク

【全領域異常解決室】1話の詳細なネタバレ

事件発生

歌舞伎町の路地裏で妙な遺体が発見された。鞄には25歳の駿河美鶴(工藤美桜)という女性の身分証が残っていた。彼女はガールズバーを経営していたらしい。検死の見立てによれば、血の凝固具合から犯行時刻は深夜2時から3時の間だという。だが、今回も決定的な証拠となる、遺体そのものは見つかっていない。

第一発見者は松宮瑠偉(吉村界人)。彼は美鶴が客だったことを知っていた。数日前、美鶴から連絡があったと言う。彼女は誰かに追われていると告げ、その追手が“ヒルコ”かもしれないと怯えた声を漏らしていたらしい。だが、松宮にはもう一つ奇妙な話があった。彼は自分にはヒルコが見えるのだと語ったのだ。

この話を聞いた荒波健吾(ユースケ・サンタマリア)は呆れたように問い詰めた。「ヒルコが見える?なら、そいつの顔を言ってみろ!」彼の言葉は怒りに変わり、ヒルコなんて存在しないという確信が荒波の中にあったのだ。しかし松宮はその瞬間突如怯えだし、「いた…ヒルコがいたんだ!」と体を震わせた。

松宮の異常な振る舞いに、その場の空気が一変する。豊玉妃花(福本莉子)も人だかりに紛れてその場にいた。

謎のヒルコ

午前2時頃、歌舞伎町で再び神隠し事件が起こった、というニュースが世間を騒がせた。今回も人の体だけが忽然と消え、犯行は“ヒルコ”と呼ばれる謎の存在によるものだと噂されていた。ヒルコはネット上で犯行声明を出しており、すでに8人もの犠牲者が出ていた。

奇妙なことに、犯行現場には遺体は残っておらず、衣服と所持品だけが取り残され、証拠らしい証拠はまったく見つかっていない。さらにヒルコの標的は上流層の国民ばかりであり、ネット上ではさまざまな意見が飛び交っていた。ある者はヒルコを恐れ、またある者はその行為を「格差への反抗」として英雄視し、支持を表明する書き込みが日に日に増加していた。

一方、内閣府本庁舎で直毘吉道(柿澤勇人)は、ヒルコに対する恐怖を感じる国民が5%を超えたことを宇喜之民生(小日向文世)に伝えた。事態はすでに第3等級相当の異常事案として認識されており、訓示が出て全決が緊急出動することになった。宇喜之は直毘に「善処するので、予算の上乗せをよろしく」と笑って頼んだ。

全領域異常解決室とは?

日暮里に着いた雨野小夢(広瀬アリス)は、芹田正彦(迫田孝也)に連れられて全決へ案内された。彼らが向かう先は、日常とはかけ離れた、古めかしい神社の鳥居を抜けた奥にある建物。そこが“全決”の拠点だった。

全決――それは、大和朝廷時代から続く世界最古の捜査機関だ。もののけやあやかし、世の中を震撼させる怪異や超常現象を解決するために設立されたと言われ、かつては陰陽師もその一員として活動していたという。明治政府以降も極秘裏に存続し、現代では内閣官房直轄の機関として、超常現象に対する捜査協力を続けている。

芹田に案内されながら建物の中に入ると、薄暗い廊下を抜け、やがて一室に通された。そこにあったボードに、犠牲者たちの名前と写真がずらりと並んでいた。半年ほど前、服と持ち物だけを残して人間の体が消えるという神隠し事件が発生し、次々と犠牲者が出ている。興玉雅(藤原竜也)がそのボードを示しながら説明する。

ヒルコとは?

ヒルコ――それは、『日本書紀』や『古事記』にもその名が記された神だ。日本の国土と神々を創り出したのは、夫婦の神イザナミとイザナギ。その二柱の最初の子どもがヒルコだった。しかし、彼は生まれて間もなく、親に見放されてしまう。アシの船に乗せられ、無情にも海へと流されたヒルコ。その後、彼は神話の中から姿を消し、物語に再び登場することはなかった。ヒルコは多くの謎に包まれた悲劇の神として、今も語り継がれている。

そんなヒルコの名が、突如として現代に甦った。最初、警察はその存在を無視していた。神話の登場人物が実際に関与するはずがない。しかし、次々と発生する神隠し事件、そして毎回のように犯行声明をネット上に出す「ヒルコ」という名前。徐々に人々は、これが本当に神の仕業ではないかと騒ぎ始めた。

消えたのは、主に権力者や富裕層の人々だった。事件をきっかけに、社会に不満を抱える若者たちの間でヒルコを崇拝する動きが広がっていった。彼らはヒルコが腐敗した世界を壊し、新しい秩序をもたらしてくれると信じていた。そして、彼らはこの現象を「修理固成(しゅうりこせい)」と呼んだ。おさめ、つくり、かため、なす。『古事記』に登場するこの言葉には、世界をあるべき姿に整えるという意味が込められている。

事態を重く見た内閣官房は、超常現象の捜査を行う“全決”に捜査協力を依頼した。特にヒルコ事件に専従する捜査一課との情報共有が進められ、その捜査チームに加わるよう、宇喜之から命じられた。小夢には全決の一員となる素質があるというが、それが何かはまだ分からなかった。

第一発見者が同じ

小夢と興玉は捜査一課に向かい、ヒルコ事件の捜査に加わるための手続きに従った。到着すると、小夢は正式に手錠を支給され、その重みを感じながら捜査の一員としての覚悟を決めた。

その場で迎えた北野天馬(小宮璃央)は、全決という機関が本当に存在することに喜びを隠せなかった。オカルトマニアの間では知られていた、超常現象を専門に扱うこの機関の存在が噂されていたことを聞き及んでいた。「まさか本当にあったとは…」と、北野は興奮気味に話す。

一方、興玉は荒波に対して、警察が松宮を疑っている理由について説明するよう求めた。ヒルコが起こしたとされる8件の神隠し事件のうち、直近の3件はすべて松宮が第一発見者だったからだ。

2週間前、歌舞伎町のビルの屋上で発見されたのは、2リットルの血痕と髪の毛。服や持ち物、さらにはカラコンまでが落ちていたが、人体そのものは見つからなかった。遺留品やDNA鑑定の結果、被害者は26歳の相原樹里(大寺悠陽)と特定された。彼女は化粧品の通販サイトを運営する若き経営者だった。そして、松宮は彼女と交際していた。

松宮は事件発覚後、「これって神隠しですよね。俺はヒルコが見えるんです」と警察に語り、まるでヒルコの存在を確信しているかのような奇妙な発言を繰り返していた。この発言はすぐにSNSで拡散され、話題を呼んだ。

だが、事件はそれで終わらなかった。そのわずか4日後、新大久保の路地で32歳の看護師、生駒雲母(周本絵梨香)が同様に神隠しに遭う。松宮はまたしても第一発見者だった。驚くべきことに、雲母とも松宮は交際関係にあったという。そして今回、駿河美鶴が神隠しに遭った事件でも、やはり松宮が第一発見者だった。

だが、松宮には鉄壁のアリバイがあった。美鶴が消えたとされる犯行時刻、松宮はシェアオフィスで仕事をしており、防犯カメラにその姿がしっかりと映っていたのだ。

松宮とは何者?

松宮はヒルコの存在をSNSで執拗に喧伝し、その危険性を広く呼びかけていた。彼によれば、ヒルコが近くにいると空間が歪んで見えるのだという。驚くべきことに、彼のSNS登録者数は800万人を超え、なおも増え続けている。

松宮は自称アイドルで、かつてはメンズ地下アイドルグループに所属し、小さな劇場で活動していた。グループ解散後も一人で活動を続け、ファンミーティングを開いたり、個別にファンとデートをして収入を得ていた。

特筆すべきは、殺された女性たちが全員、松宮の熱烈な追っかけファンだったことだ。彼女たちは松宮に多額のお金を貢ぎ、かなり無理をして彼を支えていたという話もある。この事実に、警察は松宮への疑念をなおさら深めていた。

シャドーマンか?

そんな中、興玉はヒルコではなく“シャドーマン”が犯行に関わっている可能性を指摘する。シャドーマンはUMA(未確認生物)として知られ、2006年にネバダ州パーランプで撮影された写真が有名だ。

相原樹里の事件が起こった現場近くの防犯カメラにも、シャドーマンに似た影のような人物が映っていた。さらに、雲母や美鶴の事件現場付近でも、犯行時刻の前後に同様の映像が確認されている。

興玉はその映像を見ながら、江戸時代の妖怪“黒髪切(くろかみきり)”との関連を語った。黒髪切は江戸時代にたびたび現れ、人々を恐怖に陥れた妖怪で、影のような姿で人間に近づき、髪を切り取っていたという。この黒髪切が、実はシャドーマンだったのではないかと興玉は推測する。歌川芳藤の錦絵『髪切の奇談』には、まさにシャドーマンのように描かれた黒髪切が登場している。

防犯カメラの映像が公開されると、多くの似たような動画がSNSに投稿された。しかし、調べてみると多くはモザイクスプレーを使ったフェイク映像だった。フードを被った人物にスプレーを吹きかけると、防犯カメラが顔を認識できないように映る技術を悪用していたのだ。しかし、興玉はすべてがフェイクとは言い切れないと慎重な姿勢を崩さなかった。

遺体発見

松宮の家に向かうため、興玉たちはすぐに行動を起こした。そこに到着すると、玄関には落合健太郎(米村亮太朗)という芸能事務所の社長がいた。興玉は落合に対して、「ヒルコに狙われている松宮を救える」と自信満々に告げた。

松宮の妻、ひより(志田未来)とも会話を交わし、夫の居場所を尋ねると、松宮は自室に引きこもっていた。松宮に話を聞くうちに、松宮もまたヒルコとシャドーマンが、同一の存在であると信じているようだった。さらに、「このサングラスをかけていると、ヒルコがよく見える」と言う。

「いつから見えるようになった?」興玉が尋ねると、松宮は戸惑いながら答えた。「…一か月ぐらい前からだ。それを動画で話したら、誰かに尾行されている気がして…樹里も、同じようなことを言っていたんだ。そしたら、みんな次々と襲われたんだよ」と。

興玉は疑念を抱きつつ、「なぜヒルコは、あなたの顧客ばかりを襲うのか?」と核心に迫る質問を投げかけた。

松宮は少し恥ずかしそうにしながらも、真剣な表情で「ヒルコは、俺に惚れているんだよ」と答えた

その瞬間、荒波からの電話が鳴り、興玉はそれを受け取る。「出発の準備をしろ。河川敷で神隠しに遭った人物の遺体が見つかった」電話を切って告げた。

興玉は小夢に合図を送り、すぐに現場へ向かうこととなった。河川敷で見つかったのは、相原樹里と生駒雲母、神隠しに遭った二人の女性だった。遺体を確認した松宮は、その姿に驚きを隠せなかった。

小夢はその光景を目の当たりにし、強い気分の悪さを感じた。現場から離れようとする彼女の元に、突然芹田が現れコーヒーを渡してくれた。芹田はさらに持っていた資料を興玉に渡した。実は内調を使って、落合の身辺調査を興玉はしていたのだ。

全決の仮説

見つかった相原樹里と生駒雲母の遺体は、頸動脈を刃物で切られた跡があり、死因は失血死と断定された。死後約2週間が経過しており、血痕が発見された日に殺害されたと見て間違いない。だが、それ以外の失踪者の遺体は発見されておらず、数日前の大雨で増水した川に流された可能性があると推測された。

犯行現場で大量に出血させた後、わざわざ河川敷まで遺体を運ぶ理由がわからない。そんな中、全決も捜査会議に参加していた。興玉からの無茶振りで、小夢は意見を発言することになった。

緊張の中、小夢は自らの仮説を発表した。「もしかしたら、松宮は自身のチャンネルをもっとバズらせるために、ヒルコのふりをして犠牲者を出したのではないでしょうか? アリバイがあるとはいえ、協力者がいる可能性があります。その協力者は落合。彼が事件に関与していると思います。落合は偽造パスポートを入手しようとしていましたし、飲食業界の知り合いからクルーズ船を借りていたことも判明しています。おそらく、二人はお金を稼ぎ尽くしたあと、国外逃亡を計画していたのではないかと」

小夢の提案は、自信を持っていたものの、その場の空気を一変させるには至らなかった。興玉は腕を組み、軽く溜息をついた。「ありきたりな、実に大変つまらない筋読みでしたね。」と切り捨てた

全決に必要な2つのこと

松宮のチャンネルで落合とひよりが突然、SNSで緊急ライブを始めた。視聴者数は瞬く間に膨れ上がり、彼らの言葉一つ一つに注目が集まっていた。配信中、いつものようにヒルコの危険性を警告し、「気配を感じたらすぐに逃げろ」と視聴者に注意を促した。すると突然ひよりが、松宮と実は結婚していたと暴露する。

この異常な発言を聞いた興玉は、ただならぬ予感を抱き、すぐに行動を開始した。「ひよりが危険だ」と言い残し、現場を飛び出していった。

一方、松宮の妻、ひよりは配信を終え、一人で帰路に着こうとしていた。その背後には、何者かの影が忍び寄っていた。影の持つ手には、光を反射する包丁が握られていた。

緊張が走る中、包丁を持った人物がひよりに向かって近づく。だが、その瞬間、松宮が現れ、包丁を持った人物に向かって言った。「もういいんだ。一緒に逃げよう」そう言って、その人物の手を取って立ち去ろうとした。

しかし、その場に小夢と興玉が到着。すぐに二人を制止しようとするが、混乱の中、興玉が人質に取られてしまう。包丁を突きつけられながらも、興玉は冷静だった。

そして突然彼は小夢に向かって、全決に必要な2つのことを教えておくと語りかけた。「1つ、全領域にまたがる知識、そして2つ目……武の心得です」その言葉を最後に、興玉は松宮を見事に取り押さえた。

「顔を見せたらどうですか、駿河美鶴さん」興玉は冷静に、フードをかぶった人物に向けて言った。包丁を持っていたその人物がフードを下ろすと、そこに現れたのは、まさに神隠しの犠牲者だったはずの駿河美鶴だった。

スポンサーリンク

事件の真相

松宮のコアなファンであった3人の女性たちは、壮大な「推し活計画」を立て、自らがヒルコの犠牲者になることで、松宮のチャンネルをさらにバズらせるという狂気の提案を松宮に持ちかけていた。

この計画の発案者は、2人目の犠牲者である生駒雲母だった。彼女たちは時間をかけて少しずつ自分たちの血を採血し、それを冷蔵保存しておいた。十分な量がたまると、それを犯行現場にぶちまけ、服や持ち物を現場に残して姿を消した。

防犯カメラに映る際には、モザイクスプレーを使って顔を隠し、ヒルコの神隠し事件を模倣したのだ。3人は自分の人生を捨て、松宮のために壮大な計画を実行に移した。

しかし、この計画は思わぬ形で崩れた。美鶴が裏切ったのだ。仲間が現場を去った後、彼女は聖地とされる河川敷――かつてファンミーティングのバーベキューが行われた河川敷で、樹里と雲母を殺害した。すべては松宮を独り占めするためだった。

松宮は2人と連絡が取れなくなったことで焦り、彼女たちの遺体を見た瞬間、美鶴が犯行に関与していることに気づいた。しかし、美鶴は冷静にこう言い放った。「瑠偉が私のものになるのは当然でしょ、だって私が一番瑠偉を推していたんだから」と、勝ち誇ったように笑っていた。

その瞬間、興玉が冷静に言い放つ。「いえ、あなたは彼女たちに負けている」そして、美鶴が殺害現場で落とさなかった「付け爪」の欠如を指摘した。常に派手なネイルをしていた美鶴だが、ヒルコに殺された犠牲者が残していくカラコンや持ち物とは異なり、彼女はその付け爪を残していなかったのだ。

「あなたの推しへの愛が足りなかった証拠です」と、興玉は冷ややかに告げた。さらに、松宮が自分と逃げようとしてくれたという美鶴の言葉に対して、興玉は「彼は妻を守るためにここに来たのです。彼にとって最も大切な存在はひよりさんだったということです」と厳しく指摘した。

「以上が今回、全領域異常解決室が導き出した結論です」と興玉は冷静にまとめると、小夢に事件の後始末を任せ、その場を去った。

その時、怒り狂った美鶴が包丁を手に取り、ひよりに襲いかかった。しかし、小夢は即座に反応し、美鶴を取り押さえることに成功した。興玉はその様子を見て満足そうに微笑み、「武の心得は十分なようですね」と、静かに小夢を称賛した。

スポンサーリンク

事件の結末

警察は正式に発表した。直近の3件の神隠し事件は、松宮と美鶴の共謀によるものであり、さらに落合も逃亡の準備を進めていたため、現在取り調べが進められているという。その結果、ヒルコへの恐怖を抱いていた国民の割合は1.1%にまで下がり、直毘はその成果に感謝していた。

宇喜之に対し、「本当にヒルコが神だと思いますか?」と尋ねると、彼は冷静に「いるわけないじゃないですか。神なんて」と答えた。一方、二宮は「全決って何だったんだろうな…」とぼやきつつも、今後もヒルコ事件に関しては全決との連携が続くことが決まった。そんな中、荒波は大月の写真を見て何かが引っかかっていた。

小夢と興玉は雲母とひよりの通信履歴を調べ、ひよりを呼び出して話をすることになった。雲母とひよりは仲が良く、今回の計画を最初に雲母に持ちかけたのは実はひよりだったのだ

ひよりのマンションを訪れたとき、部屋は完璧に整頓されていた。興玉はそれを見ながら考えた。ひよりは夫を誰よりも熱心に応援していた。しかし、ファンとの肉体関係を知っていて、平然としているはずがない――そう感じていた。そして、ひよりに「人間にはそんなことはできません。あなたはずっと、憎しみや悔しさを抱えていたんです」と言葉を投げかけた。

彼女はファン心理を巧みに操り、今回の事件を仕組んでいた。夫やファンたちを破滅させるためだった。「見事な復讐です」と興玉が言うと、ひよりは冷たい笑みを浮かべて「だとしたら、どうだっていうんです」と答えた。

「私がアイデアを話しただけ。実行したのは馬鹿な夫とファンたち。だから私には罪はない」そう開き直るひより。興玉もネットでバカ売れした「ヒルコが見える」というサングラスが、自分のオリジナル商品で膨大な利益を得ていたとしても、罪には問われないだろうと語った。

興玉は淡々と告げた。「松宮は取り調べでこう言っています。『妻のひよりを喜ばせたかった』と。彼は人生を懸けて、応援してくれた妻のために、どうしても有名になりたかったんです

そして「人生を懸けて、誰かを推せる人は幸せです。これから寂しくなりますね」そう言い残し、興玉は去っていった。

その後、ひよりは鞄から支払明細書を取り出し、サングラスの売上金額を見つめた。そこには、驚くべき額、3,300万円が記載されていた。その数字を見ながら、ひよりは静かに涙を流した

スポンサーリンク

【全領域異常解決室】1話の結末

ひよりが生配信で「妻だ」と暴露したのは、ひょっとすると一種の賭けだったのかもしれない。彼女は松宮が本当に助けに来てくれるかどうか、夫の愛情を試していたのかもしれない。興玉はそんな状況を冷静に振り返りながら、「何が本心かなんて、わからないものです」と言った。

松宮は現在の取り調べでも、自分が「得体の知れない何か」を見ていたと供述している。最初はただの話題作りとしての嘘だったのに、次第に本当に見えるようになったのだと。興玉はそれを聞きながら、無表情に「嘘を繰り返すと、それが本当のことのように思えてくる。よくある心理現象です」と淡々と語った。

だが、小夢は違った。彼女もまた、河川敷で「何か」を見たのだ。あの歪んだ空間、松宮が言っていたような異常な気配を感じた。「本当に事件の裏には、何か別の存在があったのかもしれない」と、小夢は不安を胸に抱くようになっていた。

興玉は小夢の葛藤を感じ取り「全てわからなくてもいいじゃないですか。今の人間は全てを理解しようと、自分に都合の良い情報だけ拾って、都合のいい解釈をして必死に答えを見つけようとする。だから世の中が息苦しい。わからないものをわからないまま、受け入れる余裕を持ってください。それが全決でうまくやっていくコツです」と静かに諭した。

その瞬間、遠くから走ってくる人物が見えた。だが、その姿はまたしても、まるで空間が歪んでいるかのように見えた。その奇妙な感覚に、小夢は立ち止まり、息を呑んだ。

2話→

スポンサーリンク

神隠し事件の被害者一覧と犯行声明

今後も物語に関係がありそうなので、被害者と犯行声明を掲載します。

順番 氏名 年齢 職業 発生日 発生時刻
1人目 大守浩志 67 関東医科大学理事長 4/5(金) 20時~21時
2人目 石狩愛実 29 ジュエリーデザイナー
貴金属ネット通販会社CEO
5/14(火) 21時~22時
3人目 健実和生 38 政治家
元格闘家
6/23(日) 21時半~22時半
4人目 大月比呂佳 51 料理研究家 7/16(火) 20時半~21時半
5人目 刀田楓真 57 大手広告代理店
代表取締役社長
9/5(木) 23時~24時

犯行声明

令和六年四月五日二十時四十二分
大守浩志 
港区高輪
五丁目二番地において
天罰を下した
これは神の御業
神隠しである
この世に神はいる
私は神の一柱、蛭児である

以下の被害者の名前と場所に変わる。

スポンサーリンク

【全領域異常解決室】1話のまとめと感想

「神隠し事件」を模倣して、夫とそのファンたちに妻が復讐したという話でした。

『X-FILE』のような『怪奇大作戦』のような、超常現象を扱うドラマです。しかし、今回は超常現象ではなく模倣班の仕業でした。

しばらく人間の仕業が続いて、時々本当に分からないという話が出てくるのかなと想像します。この時々本当に分からないという回が、このドラマの面白さを左右しそうです。

あまりに何でもアリになりすぎると、見ていてげんなりしてくるのでそのバランスが難しそうです。ですが、今回視聴した感じだと、うまいことやってくれそうな予感はしました。

最終的にはヒルコと対峙することになって、どうやってやっつけるのかは分かりませんが、何かしらの手段を講じるのだろうと思います。最後まで見てトホホな終わり方をする可能性もありますが、今回1話を見た限りでは面白かったので来週も楽しみです。

2話→

タイトルとURLをコピーしました