NHKBSプレミアムで11月17日に放送したドラマ【歪んだ波紋】の3話のネタバレと感想などを詳しくまとめました。
怪しい動きをしていた桐野の行方を探す政彦に、会社を辞める美沙が置き土産をしていきます。その内容は桐野の過去に深く関わっている内容でした。
ドラマ【歪んだ波紋】3話のあらすじ
新神奈川日報でも虚報を仕組んだ桐野(筒井道隆)の行方を追う政彦(松田龍平)。相賀(長塚京三)は、垣内(イッセー尾形)の自殺の真相を探り、思わぬ垣内の秘密を知る。
桐野(筒井道隆)が、かつて大日新聞記者時代に不正融資事件の証拠を捏造した際、大日新聞は桐野を新神奈川日報へと移籍させる方法で決着させた事が、三反園(松山ケンイチ)によって公表される。新神奈川日報でも虚報を仕組んだ桐野の行方を追う政彦(松田龍平)。一方、相賀(長塚京三)は、元同僚・垣内(イッセー尾形)の自殺の真相を追い始め、垣内の娘・美枝子(坂井真紀)から思わぬ垣内の秘密を告白される。
公式HPより
ドラマ【歪んだ波紋】3話のネタバレ
- ファクトニュースが過去に大日新聞で起きたねつ造事件の話と、桐野の話を結びつけた記事を流す
- 当時を知る相賀が新神奈川日報に呼び出される。口止めを願う役員たちに、相賀は真実は隠さないと断る
- 相賀は垣内の死の真相を調べることにし、政彦は桐野を追うことにした
- 相賀が垣内の元妻の所へ行って遺品のことを聞くが処分して欲しいと言われる。さらに現在の夫からもう来ないで欲しいとも言われた
- 相賀は16年前のことを思い出す。垣内が一番寂しい時に、自分は寄り添ってやらなかったことを
- 垣内の娘にその話をし、遺品にスマホがあったこと、消費者金融に借金400万円あったことを知らされる
- 政彦は以前見かけた弁当屋に敦子の様子を見に行く。しかし、敦子はまたしても風評被害で解雇されていた
- 政彦は三反園のと話をする。そこで美沙が会社を辞めることを聞かされる。敦子が仕事をまたクビになったのは、誤報の擁護記事を出したことでまた蒸し返されただと政彦は三反園に言った
- 美沙に直接辞める話を聞きに行く政彦、退職の理由は子供との時間を増やしたいとのことだった
- 美沙は桐野の過去に書いた記事をまとめていた。今見てみると随分グレーな内容のものが多いと分かった
- 美沙は置き土産と言って政彦に一枚の新聞記事を渡す
- 桐野の行方を追うため中島を探す政彦、中島から以前桐野が連れて行った店の話を聞く
- 政彦は中島に教えられた店へ行き桐野と話をする。美沙からもらった記事は、大日新聞のスクープだった。桐野の父がやる産婦人科で、妊婦が放置されたという内容のものだった。だが、記事は誤りで桐野の父に過失はなかった。しかし、風評被害のせいで職を追われ、家族は離散してしまったのだ
- 桐野が虚報を出すのは復讐なのかと政彦が問うと、桐野は政彦を殴り、不正融資の件で処分を受ける際の一平に失望したという
- 挑発する桐野に政彦は怒り、二度と報道に関わるなと告げる。その後、店の店員だとばかり思っていた人物が、実は桐野の母親で政彦に謝罪した
- 子供の彰の誕生会に相賀も来てくれた。相賀は垣内を壊したのは自分かもしれないと悔やみ、あの時何を言いに来たのかと今でも考えているという。そして政彦へ家族を大切にするよう告げる
- 仕事を追われて新たな職に就いた敦子が働く姿を、桐野は遠くから見つめていた
ドラマ【歪んだ波紋】3話の感想
今回の話は桐野の過去が分かります。桐野がなぜ虚報を出すのか?明確な返答はありませんが、過去にあった事が間違いなく関わっていそうです。また、メイクニュース自体、桐野が運営しているのではないかという疑惑も持ち上がります。
一方、相賀は垣内の死は自分のせいなのではと自責します。しかし、垣内の遺品の中に機械オンチなのにスマホがあったことと、借金があったことが何を意味するのか?謎が深まります。
報道というものの被害者があちこちにいて、もはや何かを報じること自体が罪なのではないかと思えてきます。一つの間違いが人生を狂わせる、いくら否定したところで誰も信じてくれない。敦子はまた職を変わらざるをえませんでした。
今回は桐野の過去について掘り下げていきます。
ネタバレの詳細となります、未見の方はご注意ください。
桐野の過去その1:ねつ造記事
会社を辞める美沙が記事をスクラップしています。過去に桐野が担当した記事の数々を集めていました。なぜなら、他にもねつ造していた記事があるのではないかと考えたからです。集めた結果、桐野はかなりグレーな記事を書いていたことが分かります。
美沙が集めた記事の中で付箋を貼って、後の事実との差を指摘していたものがいくつかあったので紹介します。
- 「韓国俳優ソンさん離婚へ」
報道後、別居している事実は確認されたが、結果的に離婚には至っていない。
- 「免震ゴムに欠陥か 東村ゴムデータ改ざんも」
この問題で偽造していたのは東村ゴムではなく、下請けの工場だった。
東村は知っていて隠ぺいしたことが発覚したので、クレームにはならなかった。
微妙に事実と違う報道をします。裏を取らずに適当に書いているのか、ワザと話題性がありそうな内容にしているのか。いずれにしても“誤報”であることは間違いありません。
部数を伸ばすためスクープを出すため、色々要因は考えられます。しかし、信用性という意味では飛ばし記事ばかり書く新聞社という烙印を押されかねません。狼少年の話のようにもなりそうで危険です。
桐野の過去その2:父親の事件
美沙が最後の置き土産として渡した記事は、昔の大日新聞の記事でした。それがどういうものなのか?桐野という男がなぜそうなったのかが分かるような記事の内容でした。
1982年5月25日付大日新聞記事の内容はこうでした。
宮城県の町立病院で出産中の女性が脳内出血を引き起こしたにもかかわらず、4時間も放置させて死亡させた産婦人科医が告発された。結果的に産科医の処置は適切だった。4時間も放置せざるをえなかったのは、搬送先の専門病院に拒否されてたらい回しにされたせいだった。
大日新聞は死亡原因がまだはっきりしていない段階で、医療過誤と報じた。裁判でも過失はないと証明された。にもかかわらず、産科医はバッシングにあり続けた。その産科医が桐野の父だった。結果的に職を失い、桐野の前からもいなくなって家族が壊れてしまった。
桐野の父は大日新聞の記事のせいでバッシングにあい、その後裁判で問題がなかったのに風評被害を受けて職と家族を失ってしまった。という事件になります。
政彦は虚報を出すのは復讐なのか?と問いますが、桐野は答えずに政彦を殴りました。桐野にとって父親の事件は触れられたくない過去だということです。
桐野と会ったこの店が、実は桐野の母親の店でした。母は存命のようですが、現在父の生死は不明です。
桐野の過去その3:一平との関係
怒る桐野は今度は政彦を挑発します。死んだ一平の話をし始めたのです。桐野はあの不正融資記事の捏造の件に関して、なぜ新神奈川日報に飛ばされたのかを語ります。
一平のことをすごく尊敬していた。不正融資の記事を出したことは今でも間違っていたとは思わない。あの時会社を辞めるつもりだったし、一平もそのつもりで役員室へ行った。
しかし、役員連中は桐野を新神奈川日報に転職という形を取らせた。それを聞いた一平は当然抵抗するのかと思ったら、「はい、分かりました」と受け入れた。失望した、あんな弱い人間だと思わなかった。
17回忌に行ったのはあの時の気持ちを忘れないために、一平の弱さを忘れないためにだ。
桐野はそう語って政彦を挑発します。怒る政彦ですが手を出すことはしませんでした。桐野のことを尊敬していたと告げ、二度と報道の世界に戻って来ないでくれと言い、戻ってきたら僕があなたを葬ると宣告します。
二人の関係はこのまま決別するのか?桐野はまだハッキリと虚報を書く理由は言っていません。ドラマの最後のほうで、敦子が働いている姿を遠巻きに見つめて桐野は何を思うのか。
ドラマ【歪んだ波紋】3話のまとめ
桐野自身も誤報の被害者であったということが今回分かりました。だとしたら、なぜ自分のような被害者を増やすような記事を出すのか?まだハッキリとした理由はありません。
ただ、現在進行形で誤報の被害者である敦子は、また職を失ってしまいます。新しく仕事を見つけはしますが、妊娠中の身でいつまで続けられるのか心配です。
垣内の死の真相もまだまだ闇の中です。遺品のスマホと借金、この2つが何を意味するのか?相賀は自責します。そして、家族を大切にしろと政彦に言います。仕事を引退して初めて分かる寂しさ、家族というものの大事さを実感したのでしょう。
次回は11月24日22時から放送予定です。