【夜の道標】最終回のネタバレと感想|登場人物の最後まとめ

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WOWOWのオリジナルドラマ【夜の道標―ある容疑者を巡る記録―】最終話の感想と、登場人物が最後どうなったかの結末をまとめています。

波留を日光に連れて行くため、阿久津は外へ出る。事件の日、阿久津は何を聞き、そして犯行に及んだのか?全ては阿久津の身に起きた、ある出来事が始まりだった。

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【夜の道標】最終回のあらすじ

長尾豊子(瀧内公美)に頼んで車を借りた阿久津弦(野田洋次郎)は、橋本波留(小谷興会)の家に行って約束した日光へ連れて行こうとする。しかし、父親の橋本太洋(吉岡睦雄)が無理矢理連れ戻そうとし、阿久津は構わず車を走らせ父親をはねて出発した。

波留を連れ去られた父親は、警察に通報する。ちょうど阿久津の母・栄子(キムラ緑子)から話を聞いていた、平良正太郎(吉岡秀隆)と大矢啓吾(高杉真宙)の2人は、通報を受けて橋本の家へ向かう。

以前、阿久津の元妻・真木実和(朝倉あき)から聞いた言葉を、連れ去った男が言っていたのを知り、犯人は阿久津だと平良は確信する。

追う警察と波留との約束を果たすため、日光へ向かう阿久津たち。阿久津はなぜ、事件を起こしたのか?その背後には阿久津の身に起きたある出来事が隠されていて……。

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【夜の道標】最終回のネタバレ

平良と大矢は阿久津が不妊手術をした時のカルテを預かり、母親の栄子に事件の日何があったのか再び問う。栄子は今まで隠してきた不妊手術をしたことを教え、戸川先生も賛同してくれたということを話してしまう。

それを聞いた阿久津は塾に行き、戸川に改めて問いかける。すると戸川は認め、阿久津を諭そうとする。しかし阿久津はそこにあったブックエンドを手にすると、頭を一発殴って殺してしまった。

警察に取り囲まれる阿久津は、波留を林間学校に参加させて欲しいと頼む。それが聞き届けられると、波留の背を押して離れ、警察に取り押さえられた。

警察に自首してきた豊子を大矢が取り調べを担当し、阿久津の取り調べを平良が担当した。平良が阿久津に戸川はどんな存在だったのかを尋ねると、阿久津は中学時代に補導された時のことを話す。暗闇の中、自転車に乗りながら何も言わずに腕で方向を示す戸川の動きを見て、手のさす方へ行けば間違いないと思ったと阿久津は語った。

感謝と別れ

長尾豊子(瀧内公美)は阿久津弦(野田洋次郎)の首にハサミの先を突きつけ、「なんでみんないなくなるの? 赤ちゃんも、夫も、お父さんも、お母さんも……」とこぼした。そして彼女は阿久津の首に腕を回し、「もうやだよ。38年間生きてきて何も残ってない。もう一人はいやなの」と嘆く。阿久津がここで死ねば、もう誰も自分から離れていかない――そう思い、豊子はハサミを引っ込めようとしなかった

その時、阿久津は「父親から車に当たれと言われてる」とつぶやき、橋本波留(小谷興会)が当たり屋をしていることを明かした。そして、「日光に連れて行くと約束した」と静かに続ける。豊子はその言葉にハサミを引き、涙をこぼす。阿久津は中学時代、斜め前の席に豊子がいたことを思い出し、「プリントを渡すとき、横からいつも俺を見てた」と語った。

豊子はハサミを床に置き、阿久津に抱きついた。やがて離れると、彼の手を握り、「車の鍵は玄関に置いてある」と告げる。阿久津は「ありがとう。今までありがとう」と言い、豊子の手を握り返した。豊子は涙を流しながら、静かに笑った。

事件の日に語ったこと

平良正太郎(吉岡秀隆)と大矢啓吾(高杉真宙)の2人は阿久津栄子(キムラ緑子)のもとを訪れ、カルテのコピーを見せた。

ここに来る前、病院で平良は理事長に対し、「優生手術を行ったことがあるか」と問いただす。理事長はそれを認め、「家族からの要望だったので、医師として応えただけです」と述べ、「そういう時代だったんです」と開き直った。平良が「疑問を抱いたことはないのか」と問うと、「ないですね」と淡々と答えた。その後、阿久津が関係していたかどうかを尋ねると、理事長は古いカルテを探し出し、ついにそれを見つけ出した

阿久津は栄子に向かい、「阿久津は不妊手術を受けていたんですね」と静かに尋ねた。栄子は「あの子が15歳の時に病院へ連れて行った」と答える。そして、「事件の日にそのことを伝えた」と続けた。

阿久津は話を聞いた時、「子どもができなかったのは、自分のせいだったのかもな」と呟いたという。栄子が「子ども、欲しかったの?」と尋ねると、阿久津は「欲しくない」と答えた。だからもう隠さなくてもいいのかもしれない――そう思い、栄子は真実を語ったのだった

後悔

栄子は阿久津に、「中学の時、病院へ行ったのを覚えている?」と問いかけた。あれは子供を作れなくするための手術だったのだと告げると、阿久津は黙ってうつむいたまま何も言わなかった。やがて沈黙ののち、「なんで手術さした?」と低く問い返した。栄子は「だって、あんたがあんなことをしたから」と答えた。

それは阿久津が中学生の時、女性の裸がのった雑誌をリビングで見ながら、母親がいても気にせず自慰していたことだった。栄子が止めるまで阿久津はし続けていた。その出来事を夫には打ち明けられず、栄子は平山弘子()に相談した。

阿久津が補導されたこともあり、平山は「男の子は放っておけば性加害者になってしまうかもしれない。でも大丈夫、みんなやってることだから」と言った。その言葉に栄子は救われた気がして、「みんなやってるというからやった、子供のためだ正しいことだ」と自分に言い聞かせた。

さらに戸川勝弘(宇野祥平)からも「もし生まれてくる子供に障がいがあったらどうします? 弦くんは弦くんの人生を生き抜くだけで精一杯なのに、子供の人生まで背負えますか?」と問われた。栄子はその言葉を受け、息子には心配事を増やさず、自由に生きてほしいと思い、手術を受けさせる決断をした。

事件当日、栄子はその事実を阿久津に打ち明けた。「どうして話してしまったんだろう。言わなければ、あんなことは起こらなかったのに」と涙ながらに後悔した。やがて感情があふれ、栄子は叫んだ。

「戸川先生は何も悪くありません。だって……だって国がそうすべきだって言ったんじゃないですか!」

旅立ち

阿久津は波留の家を訪ね、「日光行くんだろ?」と声をかけた。波留は一瞬ためらいながらも「うん、行く」と答え、外へ出た。すると家の中から父・橋本太洋(吉岡睦雄)が現れ、波留を無理やり車から引きずり出そうとする。

橋本は怒りに任せて「お前が生まれてこなければ、俺はもっと楽しい人生を生きてられたんだぞ!」と叫んだ。その言葉に阿久津は静かに「生まれてこなきゃよかった子供なんていない」とつぶやく。そして車をバックさせ、「うまく当たれよ」と橋本に声を投げた

驚く波留を尻目に、阿久津は車を急発進させ、橋本を追い回した。逃げようとした橋本は車にはねられ、地面に転がる。波留は父のもとへ駆け寄ろうとしたが、阿久津に「行くぞ、日光」と言われると立ち止まり、再び車へ戻った。

「見捨てるのか!」と橋本が叫ぶ中、阿久津と波留の車はその場を後にした。

行く先

栄子は震える声で「私は間違ったことをしたんでしょうか。今さら、どうすればいいんでしょうか」と呟いた。あのとき、阿久津が「子供は欲しくない」と言ったからだと栄子は言う。「けれど今になって、今は子供は欲しくない。でも、実和さんとの子供は欲しかったって…いって」と栄子は泣きわめいた。

その頃、井筒勲(和田正人)から大矢に連絡が入る。「子供が連れ去られたという通報があった。確認に行ってくれ」と。大矢たちは橋本のもとを訪ね、事情を聞く。橋本は連れ去った男が「“生まれてこなきゃよかった子供なんていない”って言ってた」と語った。その言葉に平良は、阿久津の元妻である真木実和(朝倉あき)がかつて口にした同じ言葉を思い出す。平良は写真台帳を開き、この中にいるかと橋本に確認を取った。すると橋本は迷うことなく阿久津の写真を指差した

部屋の片隅に落ちていた林間学校のしおりを見つけた平良は、阿久津と波留が日光へ向かったのではないかと推測する。大矢はすぐに井筒へ報告し、至急手配を依頼。平良たちも阿久津の行方を追って日光へと向かった

その頃、阿久津は安全運転でゆっくりと車を走らせながら、助手席の波留に実和との思い出を語っていた。「友達は今どこにいる?」と尋ねると、波留は「中禅寺湖だと思う」と答える。当の仲村桜介(小林優仁)は林間学校のときも一人で、みんなが食事をしていても手をつけず、バスへ戻っていった。

一方、警察無線を聞いていた平良は、林間学校のしおりを手に取り、阿久津たちが向かっているのは中禅寺湖だと察した

事件直前

阿久津と波留は、小学校のバスが停まっている駐車場へと到着した。阿久津が「バスに乗らないのか?」と尋ねると、波留は「金払ってないし」と渋い表情で答える。その頃、平良たちも現場に到着し、無線で状況を伝えていた。

車内で静かに座る二人。波留は不安げに「おじさん、殺人犯なんでしょ?」と問いかけるが、阿久津は何も答えなかった。平良が外に出て説得を試みようとした瞬間、井筒たちの車が現場に到着。井筒は拡声器で「子供を解放しろ」と呼びかける。その声に気づいた桜介が車の方を見やり、波留の姿を見つけて息を呑んだ。

阿久津はエンジンを切り、「降りるか?」と穏やかに尋ねたが、波留は黙って首を横に振った。事態の緊迫を察した井筒は拳銃の使用を許可し、「子供に危害が及ぶ恐れがあれば発砲もやむなし」と命じた。車内の静寂の中、波留は小さな声で尋ねた。「おじさんは、なんで人を殺したの?」

阿久津の脳裏に、あの日の光景が蘇る。彼は戸川に「先生が手術しろっていったの?」と尋ねると、戸川は冷静に「言ったよ。弦にとって一番いい方法だと思ったんだ」と答えた。阿久津は「俺は、父親になりたかった」と言葉を絞り出す。

だが戸川は、「手術を受けさせたのは正しかったと思ってる。子供を作らないほうがいい人間もいる」と言い放つ。その言葉に、阿久津は「生まれてこなきゃよかった子供なんていない」と呟く。そして再び「先生は、生まれてこなきゃよかった子供なんていないって言った」と言うと、ブックエンドを掴んで戸川の頭を殴りつけた

波留が静かに尋ねた。「先生が嫌いだったの?」阿久津は少し間を置き、「嫌いじゃない」と答えた。

阿久津の願い

平良は井筒に向かって、「話をさせてください。この事件の背後には、彼の人生が深く関わっているんです」と必死に訴えた。だが井筒は冷たく、「あんたはもう担当じゃない。余計な口出しはするな」と言い放ち、聞く耳を持たなかった。

現場が緊張に包まれる中、警官たちが一斉に動き出す。その瞬間、桜介が窓を開け、「波留がいるからやめて!」と叫んだ。波留も桜介に気づき、車の中で立ち上がる。阿久津が「友達か?」と尋ねると、波留は「うん、桜介」と答えた。阿久津は無言でドアを開け、ゆっくりと外へ出る。その姿を見て平良が駆け出した。

銃を構える警官たちの前で、波留もドアを開け、阿久津のもとへ走り寄る。「捕まっちゃうから、戻ったほうがいい」と心配そうに言う波留に、阿久津は静かに、「捕まえる前に頼みがある。こいつを林間学校に参加させてよ」と平良に伝えた。

平良はうなずき、「わかった。すぐに確認する」と言って大矢を走らせた。波留が「おじさんを逮捕するんですか?」と尋ねると、井筒は「父親もひいている男だ」と答えた。その言葉に波留は、「お父さんに当たり屋をやるよう言われてたんだ」と告白し、「おじさんは俺を助けてくれた」と続けた。

やがて平良が戻り、「林間学校に参加できるそうだ」と伝えると、阿久津は「そうか」と小さく頷き、波留の背後に回った。銃口が向けられる中、平良は身を挺して二人の間に立ちはだかる。

阿久津は波留を肩車すると、波留は落ちないように阿久津の頭を押さえ、広がる風景を見つめて微笑んだ。やがて阿久津は「波留、ありがとう。色んなものを見て、しまっておけよ」と優しく告げ、波留をそっと下ろした。

そしてその肩を軽く押し出すようにして前へ進ませる。波留はすぐさま大矢に保護され、阿久津はその直後、警官たちに取り押さえられた。

和解

警察署の前には、報道陣が詰めかけていた。豊子は入り口に立つ警官に向かって「私が阿久津弦をかくまっていました」と告白した

その後、波留は無事に林間学校へ参加していた。山道を歩きながら、阿久津が語った「いろんなものを見て、心にしまっておけよ」という言葉を思い出す。すると桜介が駆け寄り、「波留と来られて嬉しい」と笑顔で声をかけた。波留も「うん」と笑い返し、静かな風の中で歩みを並べた。

そのころ平良は病院にいた。大矢から豊子の取り調べが始まるという連絡が入ったが、「任せる」とだけ告げて電話を切った。病室では、ベッドに横たわる息子・孝則(坂元愛登)の傍らに座っていた。

「お父さん、孝則に謝らなきゃいけない」と、平良はゆっくりと話し始めた。「こういう子であってほしいって、俺の理想を押しつけていたのかもしれない。悪かった。苦しませたな」と頭を下げる。孝則は「ごめんね、俺こんなで」と弱々しく返した

「弱くたって構わない。俺だって弱い」と、平良は涙をこらえながら言葉を続けた。「孝則の人生は孝則のものだ。ゆっくりでいい、自分の人生を作っていけばいい」。そう言って息子の頭を抱き寄せ、「生まれてきてくれて……ありがとな」と静かに告げた。孝則も涙を流し、父の胸に顔をうずめた。

病室の外では、妻の澄子(映美くらら)がその会話を聞きながら、そっと涙をぬぐっていた。

豊子の罪

大矢は取調室で豊子の前に座り、「罪になるとわかっていて、なぜ2年もの間かくまっていたんですか」と静かに問いかけた。豊子はしばらく黙ったまま視線を落とし、やがてゆっくりと口を開いた。

豊子はある日、阿久津から不妊手術をされたという話を聞いた。

「それは私が今まで見向きもせずに通り過ぎてきたことでした。そんな自分こそが彼を傷つけ踏みにじり、追いやってきたんだって知ったんです」

その時、阿久津の手を握りながら豊子は「ずっと一緒にいよ。大丈夫。私は阿久津君の味方だから。私が阿久津君を守ってあげるから」と語りかけたという。

取調室の静寂の中、豊子の言葉はゆっくりと、大矢の胸に染み込んでいった。

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【夜の道標】最終回の結末

平良が出勤すると、阿久津の聴取を担当していた青木()が、要領を得ない答えばかり言う阿久津の取調べに疲れ切った様子だった。平良は無言で井筒を見つめる。井筒は短くうなずき、取調室への入室を許可した。

静まり返った部屋に入り、平良は椅子に腰を下ろすと、阿久津をまっすぐに見据えた。

「阿久津弦、教えてくれよ。お前にとって戸川先生はどんな存在だったんだよ?実和さんが言うように『道しるべ』だったのか?」

しばらく沈黙が流れたのち、阿久津は小さく息を吸い込み、「補導された時、先生が警察まで迎えに来てくれた」と語り始めた。

――あの夜、学校に自転車を取りに行った帰り、先生の後ろ姿を追って走った。「もう夜で、いつもの道じゃないみたいに暗かった。前を走る先生は道を曲がるたびに、腕で合図をしてくれた。右とか左とか口に出して言うわけじゃない。暗い中に先生の白い服のぴんと伸びた腕だけが見えた

阿久津はその時のことを、さっき見たかのように事細かに話す。

「それで俺は思った。あの手の指す方へ行けば…間違いないんだって」

平良はただ黙ってその言葉を聞き、何も返すことができなかった。

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登場人物の最後

  • 阿久津弦(野田洋次郎):波留を日光に送り届けた後、警察に確保され逮捕
  • 長尾豊子(瀧内公美):阿久津の逮捕後、警察署に自首する。犯人隠匿、犯人隠避の罪で逮捕
  • 平良正太郎(吉岡秀隆):息子と和解し、阿久津を取り調べを引き継ぐ
  • 大矢啓吾(高杉真宙):豊子の取調べを担当
  • 平良孝則(坂元愛登):投身自殺を図るが一命を取りとめ、病院で父と和解した
  • 橋本波留(小谷興会):父に当たり屋をさせられていたことを取り囲む警官に話し、最終的に林間学校に参加することができた
  • 阿久津栄子(キムラ緑子):不妊手術を阿久津に受けさせたことを認め、自分のしたことを後悔した
  • 橋本太洋(吉岡睦雄):阿久津に車で跳ねられる。波留の告白により、逮捕されたかは不明
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【夜の道標】最終回のまとめと感想

阿久津も豊子も逮捕され供述はするものの、はっきりした動機は語られなかったという話でした。

映像だけ見ると、阿久津は信じていた恩師に裏切られたと感じ、カッとして殴り殺した。と見えます。しかし、物語の最後、阿久津が語る話を聞くと何だかモヤモヤが残ります。

阿久津は殺すつもりはなかったが、殺してしまったのか?だから波留に「先生のこと嫌いなの?」ときかれて、「嫌いじゃない」と答えたのか?など、考えても考えても答えは見つかりません。

それは豊子の供述も同様です。不妊手術をしたと阿久津から聞き、自分が彼を傷つけ追い込んだと言います。肉体関係について言っているのか、それとも彼を閉じ込めていたことについて言っているのか?こちらも答えは見つかりません。

とはいえ、全話通して見た総評としては出演者もテンポもよく、見ていて毎回満足できるドラマでした。話は重苦しい話ではありますが、とても心に残る良い作品だと思いました。

4話

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