【夜の道標】4話のネタバレと感想|みんなやってることの内容

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WOWOWのオリジナルドラマ【夜の道標―ある容疑者を巡る記録―】4話の感想をまとめています。

阿久津の母から聞いた平山という人物を探す平良と大矢は、やがて「親の会」という接点を見つける。そして入手した座談会のテープを聴いた2人は、衝撃の内容に驚き……。

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【夜の道標】4話のあらすじ

阿久津の母・栄子(キムラ緑子)から聞いた“平山”という名について大矢啓吾(高杉真宙)が調べたところ、阿久津弦(野田洋次郎)が戸川塾に通っていた同時期に平山幸子(坂東希)という生徒いたことが分かった。

大矢は平山幸子に話を聞くが、阿久津との接点が見出せずにいた。だが、幸子は戸川のノートを見れば何か書いてあるかもしれないと告げた。

そこで平良正太郎(吉岡秀隆)は大矢と一緒に戸川塾に行き、幸子のことを記すノートを見つける。ノートには“親の会”という記述があり、手がかりを探しに2人は会に話を聞きに行く。

親の会で入手した座談会のテープを聴いた2人は、衝撃の内容に驚き……。

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【夜の道標】4話のネタバレ

病院に駆けつけた平良は、妻の澄子から息子が飛び降り自殺を図ったことを知らされる。幸い命に別状はなく、平良はひとまず安堵した。

一方、大矢は阿久津の母から聞いた平山という名を調べ、娘の幸子に会って話を聞く。だが接点は見出せず、幸子のアドバイスで戸川塾にあるノートを調べる。するとそこに“親の会”なる言葉を見つけ、運営する会社に話を聞きに行くことにした。

波留は桜介や父親に阿久津から惣菜をもらっていることを知られてしまい、怒った父親が豊子の家に怒鳴りこんでくる。最初は戸惑う豊子だったが、機転を利かせて波留と口裏を合わせて事なきを得た。

親の会から当時の座談会のテープを借りた2人は、さっそく再生してみる。するとそこには、参加者の話を聞いた幸子の母が、娘に避妊手術をしようと思っていると語っていた。みんなの話を聞いた医師の脇坂は、精薄な場合は保護者の同意があれば優性手術ができると話していた。

ショックを受けた2人は、阿久津もまた優生手術を受けていたのではないかと考える。そして役所の記録を辿ってある病院に行き、過去のカルテを見せてもらいたいと話す。すると理事長の脇坂に面会することになり、平良は開口一番「優生手術をしたことがありますか?」と尋ねた。

手がかり

平良正太郎(吉岡秀隆)は澄子(映美くらら)からの電話を受けて病院へ向かった。澄子の話によると、息子の孝則(坂元愛登)は突然飛び降りたという。診断の結果、骨盤と足を骨折しており、手術が必要とされた。頭部も打っていたが、脳に異常はなかった。平良はとにかく生きていたことに安堵した。

一方、大矢啓吾(高杉真宙)は阿久津の母・栄子(キムラ緑子)から聞いた、平山という人物を名簿の中から探していた。井筒勲(和田正人)は平良の不在を「サボっているのだろう」と言い、大矢は何も反論せず黙っていた。名簿を確認するうちに、大矢は平山幸子と平山弘子という2つの名前を見つけた

頭の中の映像

仲村桜介(小林優仁)は再び橋本波留(小谷興会)を長尾豊子(瀧内公美)の家で見かけた。波留は容器を手にして現れ、それを阿久津弦(野田洋次郎)に渡すと、そのまま部屋の中へ入っていった。桜介はその様子を目撃し、気になって後を追った。

部屋の中では、波留が阿久津に「当たり屋をして食べている」という話をしていた。最初は本当に事故だったが、やがて故意に事故を装うようになったという。父親の橋本太洋(吉岡睦雄)は直接手を出すことはなく、「うまく当たれよ」とだけ言うのだと話す。

波留が「日光に行く林間学校にも、行きたくないと言えと父親に言われた」と話すと、阿久津はその言葉に元妻・真木実和(朝倉あき)との思い出を重ねる。阿久津は「実和とは昔、日光に行った」と語り、頭の中に“スクリーン”を作るという話をする。見たままの光景を頭の中にしまっておけば、そこにもう一度行かなくても、いつでも“行きたいときに行ける”のだと説明した。

今阿久津は日光に行き、実和と食事をした日のことを思い出していると話す。実和とはさまざまな場所に行ったが、日光がいちばん印象に残っているという。

「いいな、俺も行ってみたい」と言う波留に、阿久津は「行くか?」と誘い、「迎えに行く」と約束した。波留は「ここから出られないんじゃなかったの?」と驚く。

その二人の会話を、桜介は外からじっと見つめていた。

警告

波留が阿久津の家から出てくると、桜介が待っていた。桜介は「ちょっと来い」と言って波留の手を引き、掲示板に貼られた阿久津の指名手配ポスターを見せる。さっきおまえが話していたのはこいつのことだろう、と確認するためだった。

桜介は以前、警察署に行って話そうとしたが話さなかったと説明する。人違いかもしれないから慎重にしようと考え、もう一度確認しようとしたところ偶然波留を見かけたのだという。桜介は一緒に警察に行こうと誘うが、波留は「ぜんぜん違う」と言って断る。

去り際、波留は強く釘を刺すように「絶対に通報なんかすんなよ。したらお前のこと一生許さないからな」と言い残して立ち去った。

強い子

病院にいる平良のもとへ、大矢から電話が入る。大矢は平山の連絡先がわかったものの、母親はすでに前年に亡くなっていたと告げる。現在は川崎で働いているという、娘の幸子には連絡が取れた。大矢はこれから向かうが、平良にも来てほしいと頼む。

平良は妻に断りを入れて職場に戻ろうとするが、妻は「こんな時に仕事に行くの?」と追いかける。平良が「自分がいたって何もできない」と言うと、妻は涙ながらに「私たちがあの子を追い詰めたのよ」と語り、孝則はあなたのように強くはなかったと告白する。彼女は息子の育て方を悔やみ、嗚咽した。

その頃、大矢はひとり居酒屋に向かっていた。平良は病室に戻り、息子のそばに座る。彼の脳裏には、妻が「孝則はいじめにあっているのかもしれない」と口にした日の記憶がよみがえる。

あのとき平良は孝則の部屋を訪ねたが、大した話もせずに「お前は強いから大丈夫だよな。刑事の子どもだもんな」と肩を叩いて立ち去った。その孝則が今、病室で目を覚ます。だが、目の前の父を見つめても、彼の口から言葉は出なかった。

戸惑い

待ち合わせした居酒屋に平山幸子(坂東希)が訪ねてきた。大矢は母親のことを尋ね、阿久津との関係についても探ろうとする。幸子は阿久津と同じ時期に戸川塾へ通っていたという。大矢が「阿久津の母親と友人ではなかったか」と問うと、幸子は首をかしげるような反応を見せた。

大矢が「“みんなやってる”という言葉の意味を知りたい」と切り出すが、幸子にはその意図がうまく伝わらない。代わりに「先生のノートを見てみたら?」と助言する。彼女は「戸川先生は優しいから好きだった」と微笑んだが、突然立ち上がり、「仕事の時間だから行くね」と言って席を立った。帰り際、「お店に来て」と言い残し、風俗店の名刺を机に置いていく。

大矢が戸惑っていると、幸子は笑いながら「気持ちよくしてあげる。生でもいいよ、私妊娠しないから」と言い残して去っていった。大矢はその軽薄な言葉に面食らい、「大丈夫です」とだけ答えるしかなかった。

一方その頃、豊子は流産した日のことを思い出していた。その後、夫の杉浦(柏原収史)から「好きな人ができた」と離婚を切り出され、豊子は「私といても幸せになれないもんね」と笑って応じた。やがて両親が同時に事故で亡くなり、彼女はひとりぼっちになった

仏壇の前で遺影に手を合わせながら、豊子は静かに失われた日々を回想していた。

親の会

大矢は署内で戸川勝弘(宇野祥平)の指導ノートを読み返していた。そこへ平良が現れ、昨日の言動を詫びた。ノートには阿久津の分はあったが、平山幸子のものは見当たらなかった。大矢は「戸川塾に行けば残っているかもしれない」と考える。

2人は井筒に戸川塾の捜索(ガサ)を申請するが、上層部の判断で担当を外されてしまう。大矢は「待ってくれ」と懸命に訴えるが、「命令に従え」と一蹴され、聞き入れられなかった。平良は「仕方ない」と言い、大矢を食事に誘う。

その後、2人は戸川塾へ向かい、業者を呼んで鍵を開けさせた。大矢が「まずい」と制止するも、平良は構わず中へと入っていく。事件現場となった教室で、阿久津の指導ノートを開き、押収場所の記録を確認すると「収納棚の天袋」とあった。そこを調べると、ほかの生徒たちのノートも見つかった

中には平山幸子の指導ノートもあり、その欄には「保護者、親の会に入会」と書かれていた。しかし阿久津のノートには、その記載がなかった

平良は、「“みんなやってる”という言葉が、何かやましい行為を指していたとしたら、関係者全員が口をつぐみ、交流そのものをなかったことにしている可能性がある」と推測する。そして「親の会」で何かが行われていたのではないかと感じた。

ふと壁に目を向けると、「親の会バザー」の告知ポスターと連絡先が貼られていた。

残されたテープ

2人は「親の会事務局」を訪れ、河村(水野智則)という人物から話を聞いた。河村の説明によれば、この会はもともと40年前、知的障害を持つ子どもの保護者たちが集まり、互いに支え合う目的で設立されたものだった。現在では懇談会や映画上映会、専門家による講演会、さらにはバザーなどを開催しているという。半年に一度、定期的に機関誌も発行しており、その名は「といろ」といった。

平良は「1970年代から1980年代にかけて発行された『といろ』を見せてほしい」と頼む。しかし河村は「古い号は雨漏りで濡れてしまい、すでに処分した」と答える。

そのとき、保管箱の中から数本のカセットテープが見つかった。河村によると、それは当時の座談会を録音したものだという。その中に「1975年12月3日」と記されたテープがあり、その年は平山幸子が戸川塾に通っていた時期と重なっていた

さらに、当時の集合写真の裏にはいくつもの名前が書かれており、その中には「平山弘子」の名もあった。平良と大矢は重要な手がかりになると判断し、そのカセットテープを借りて事務局を後にした

襲来

波留が自宅で食事をしていると、父親が帰宅した。冷蔵庫の中に見慣れない惣菜が入っていることに気づいた父は、「こんなの買える金は渡していない」と言って波留を問い詰める。波留が「もらった」と答えると、父は激しく反応し、「他人から施しを受けるのが一番嫌いだ」と怒鳴り、惣菜をその場で捨ててしまった。そして息子に詰め寄り、「誰にもらったんだ」と執拗に問いただす。

一方その頃、阿久津は豊子に髪を切ってほしいと頼んでいた。そこへ突然、波留が父親とともに現れる。父親は「お前の旦那はどこだ」と言いながら部屋の中へ乱暴に入り込み、「変態野郎」と罵声を浴びせる。しかし阿久津の姿は見つからず、苛立った父は再び波留に「どこにいるんだ」と詰問した。

豊子は最初戸惑っていたが、以前スーパーで波留を見かけたことを思い出し、自然に話を合わせて場を取り繕う。しかし、室内からかすかな物音が聞こえたため、父は立ち去ろうとせず警戒を強める。豊子が「警察を呼ぶ」と言うと、父は開き直って「呼べばいいだろ」と吐き捨てた。

豊子が意を決して電話をかけようとすると、父は舌打ちして電話を奪い取り、通話を切って出ていった。豊子はその背中を見送った後、すぐにドアを閉め、深く息を吐いて安堵の息をもらした。

みんなやってること

平良と大矢は、車の中で「親の会」の座談会テープを再生した。録音された声の中で、脇坂(山田明郷)という医師が「遺伝するから子どもを作らないほうがいい」と語っていた。続いて、参加者の一人が「同じ施設で出会った人と息子が交際している。断種をせずに結婚させてあげたい」と相談を持ちかける。

脇坂はそれに対し、「断種しないと、生まれてくる子どものことがある」と答えた。そこで声を発したのは平山幸子の母、弘子()だった。彼女は「娘が先日妊娠して中絶した。器量がいいから性的ないたずらを受けやすく、求められるとすぐ受け入れてしまう。だからまた妊娠してしまうかもしれない」と語り、「話を聞いているうちに、断種は必要なんだと思うようになった」と続けた。

別の男性参加者も、自分の娘が何度も妊娠を繰り返したことを語り、「性の理解がないから優生手術を受けさせた。精薄な子を増やさないためにも、娘を守るためにも手術は有効だと思う」と主張していた。

当時の法律では、遺伝的疾患がない場合は断種手術を行えないのが原則だったが、「精神薄弱」とされた場合には、保護者の同意のもとで優生手術を申請することが認められていた

録音を聞いていた大矢は、思わずテープを止めた。そして、以前幸子が「妊娠しない」と言っていた言葉を思い出し、彼女がその手術を受けていたのではないかと気づく

平良もまた、阿久津も同じ手術を受けていた可能性を考えた。やがて2人は沈黙の中で戦慄し、平良は低くつぶやく――「これが……“みんなやってること”なのか?」

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【夜の道標】4話の結末

阿久津は豊子に髪を切ってもらっていた。彼女は淡々と、「子どもが家に来て、父親まで押しかけてきて大騒ぎになった」と話す。さらに豊子は静かに「あなたが逮捕されるところをよく想像する」と告げた。そして少し間を置き、「あの子に今後一切会わないで」と強い口調で告げた

それでも阿久津は「日光に行こうと思っている。車を貸してほしい」と頼んだ。豊子はその言葉を聞くと、手にしていたハサミを阿久津の首元に向け、「そんなの、だめに決まってるじゃん」と静かに言った。阿久津は抵抗もせず、微動だにしなかった。

一方その頃、平良と大矢は「愛巡病院」を訪れていた。役所の記録をたどった末、彼らはここにたどり着いたのだ。目的は、ある患者が過去に泌尿器科で手術を受けていたかどうかを確認することだった。

彼らは受付で「20年前のカルテが残っていないか」と尋ねるが、職員は「理事長でなければお答えできません」と言う。理事長の脇坂がまだ存命だったことに驚く中、2人は理事長室へ案内された。

ドアが開かれるや否や、平良はためらうことなく理事長に核心を突いた。「――あなたは、優生手術をされたことがありますか?」

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【夜の道標】4話のまとめと感想

平良たちが阿久津の母親に話を聞きに行くと、謎めいた言葉が出てきたという話でした。

阿久津は父親に言わせれば馬鹿で、波留に言わせれば天才であり、豊子にとっては愛しい人でした。見る人によって阿久津という男は、まるで違う人に見えるということが今回の話を見て分かります。

桜介は警察署の前まで行きますが、中にはまだ入っていません。もう少し様子を見るのかもしれません。

母親の口走った言葉をつなぎ合わせると、恐らく阿久津は優生保護法によって、不妊手術をされた可能性が高そうです。

だとしても戸川を殺害する理由には今のところ結びつきません。なぜ阿久津は戸川を殺したのか?本当に殺人だったのか?など、謎が深まる一方な回でした。

3話|最終話→

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