WOWOWのオリジナルドラマ【夜の道標―ある容疑者を巡る記録―】3話の感想をまとめています。
豊子の家にかくまわれている阿久津の所に、波留は出入りを始める。それを目撃した桜介は警察署へ向かうが……。
【夜の道標】3話のあらすじ
『連続ドラマW #夜の道標
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) September 21, 2025
-ある容疑者を巡る記録-』
第二話ご視聴ありがとうございました🔥
【次回】第三話 9/28(日)午後10:00~
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阿久津弦(野田洋次郎)の元妻・真木実和(朝倉あき)へ話を聞きに行く平良正太郎(吉岡秀隆)と大矢啓吾(高杉真宙)は、戸川勝弘(宇野祥平)を阿久津が慕っていたことを聞き、ますます殺害した理由が分からず悩む。
ただ、阿久津の母・栄子(キムラ緑子)がいつどこで実和の妊娠を知ったのか引っかかりを覚え、2人は栄子に直接話を聞きに行くことにする。
一方、阿久津のところに橋本波留(小谷興会)は、惣菜を食べに頻繁にやってくるようになっていた。阿久津に興味を抱いた波留は部屋の中に入れてくれと願い、阿久津も拒まなかった。
そんな様子を偶然目撃した仲村桜介(小林優仁)は、阿久津が指名手配犯だと知り、警察署へ向かうが……。
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【夜の道標】3話のネタバレ
最近の阿久津の様子がおかしいと気付いた豊子は、阿久津が捕まったら自分も捕まるのだから、誰にも見つからないようにと注意する。そうして阿久津をなんとか手元に置いておこうとした。
平良と大矢は阿久津の母親である栄子に話を聞きに行く。事件直前、阿久津が自宅に来たときのやり取りについて再び質問するが、栄子は曖昧な返答をするばかりだった。
やがて取り乱した栄子が「あの子が結婚したりする日が、来るなんて思わなかったから」と口走る。そして「みんなやってるっていうから…平山さんもそういうから…」と断片的につぶやき、それについて大矢が激しく問いただすと、栄子は2人を追い返した。
反省する大矢を慰めていた平良の携帯が鳴って取ると、電話の向こうの妻の澄子が「孝則が!孝則が!」と慌てた様子で叫んだ。
元妻への聴取
長尾豊子(瀧内公美)が買い物に出かけた際、偶然レジ係をしていたのが同級生の和子(綾乃彩)であった。和子に阿久津弦(野田洋次郎)の話を振られると、豊子は思わず逃げるように店を後にした。
一方、平良正太郎(吉岡秀隆)と大矢啓吾(高杉真宙)は阿久津の前妻である真木実和(朝倉あき)に話を聞く。実和によれば、阿久津は彼女の再婚を知っており、それは2週間前に実和自らが告げたことだった。また妊娠の報告もしており、その時阿久津は「良かった」と喜びの言葉を口にしたという。阿久津は子どもを望んでいたが、彼の両親は結婚に強く反対し、最後まで許すことはなかった。
かつて結婚を切り出した際、阿久津の父・修一(紀伊修平)は激しく反対し、「結婚などくだらないことは二度と口にするな。絶対に認めない」と言い放った。阿久津と父との関係は険悪で、罵倒や暴力に晒されていた。幼少期の阿久津は、父のような親にはなりたくないと考え、大人になっても親にはならないと決めていた。
ではなぜ結婚を選んだのか。その理由について、実和は戸川勝弘(宇野祥平)の影響を挙げる。阿久津は「先生のような親になら悪くない」と語っていた。日常の中で戸川の名を口にすることは少なかったが、彼の考えや言葉は阿久津の会話の端々に反映されていた。
結婚生活が続く中、子どもに恵まれなかった実和は次第に精神が不安定となり、「生まれてこなければよかった」と嘆くようになった。その時、阿久津は「生まれてこなきゃよかった子どもなんていない」と声をかけた。それは恐らく戸川の言葉であり、かつて阿久津自身が「生まれてこなければよかった」と口にした際、戸川に諭されたものと考えられる。
阿久津にとって戸川は道標のような存在だった。彼はしばしば「自分はバカだ」と言い、目の前の人の考えすら理解できないと嘆いていた。常に自分だけが暗闇にいると感じていたのだろう。そんな阿久津にとって、戸川は進むべき方向を照らす光であった。2人の間に何があったかは不明だが、阿久津が戸川を殺害したのだとすれば、その行為には必ず理由があるはずだと、実和は供述した。
馬鹿か天才か
話を終えて外に出た平良と大矢は、阿久津と戸川の関係について思案する。両者には単なる生徒と教師を超えた結びつきがあったのではないか。大矢は、中学時代に阿久津が補導された際、迎えに来たのは両親ではなく戸川であったという事実を挙げ、「それほどの存在を、なぜ殺したのだろうか」と疑問を口にする。
その頃、橋本波留(小谷興会)は阿久津のもとを訪ね、もらった惣菜を食べていた。阿久津が映画を観ている姿に興味を抱いた波留が内容を尋ねると、阿久津は冒頭から台詞をすべて語り出す。物語を完全に記憶している阿久津に、波留は「おじさん、天才?」と驚きを隠せなかった。
深まる謎
部署に戻った平良と大矢は、事件の真相について頭を抱えていた。嘱託殺人だったのか、あるいは単なる事故だったのか。大矢は「戸川の指示で阿久津が逃げ続けているのではないか」と口にするが、平良は「それは推理ではなく妄想に近い」と呆れたように返す。
ふとホワイトボードに書かれた時系列を眺めていた平良は、「阿久津の母親は、実和の妊娠を誰から聞いたのか」とつぶやく。実際、当時警察の聴取の際に阿久津の母・栄子(キムラ緑子)は「妊娠中の実和に無理をさせないでほしい」と頼んできたことがあった。大矢は「阿久津から聞いたのではないか」と推測する。
もしそうなら、阿久津が母に妊娠のことを伝えたのは、実和に報告を受けてから事件当日までの間ということになる。だが、なぜ母はその事を警察に話さなかったのか。何らかの理由で意図的に伏せた可能性が高い。結局、母親から直接話を聞くしかないという結論に至り、2人は動き出した。
友人との思い出
豊子は惣菜の容器が一つ足りないことに気づき、阿久津に理由を尋ねた。阿久津は「猫にあげた」と答え、窓から渡したのだという。近所の人に見られたらどうするのかと豊子が注意し、「もうしないで」と告げると、阿久津は素直に「わかった」と応じた。
一方、仲村桜介(小林優仁)は担任の岡野謙二郎(柾木玲弥)に、なぜ波留が林間学校に行かないのかを尋ねた。岡野は「それぞれ事情がある」とだけ答える。桜介が「金なら自分が出す」と申し出ても、波留が自分できめたことだからどうにもできないと諭した。ならば自分で直接説得すると、桜介は言い放った。
波留が転校してきた当初、バスケットボールが得意だと聞かされ、桜介は落ち着かない気持ちを抱えていた。放課後、2人はなんとなく一緒にバスケを始める。『SLAM DUNK』の話で盛り上がり、やがて1on1の勝負をすることになった。
その後、桜介は波留の家を訪ねる。しかし呼びかけても、波留は姿を見せなかった。
豊子の願い
豊子は勤め先に貼られた阿久津の指名手配ポスターを目にし、事件当時のことを思い出す。
あの日、自宅に刑事の青木丈一郎(白神允)と福田康太(浅見紘至)が訪ねてきて、事件が起きたため話を聞かせてほしいと告げられた。さらに「家の中を見てもいいか」と求められ、豊子は刑事を家へ招き入れた。
青木は同級生の阿久津を覚えていないか、事件当日に見かけなかったか、最後に会ったのはいつ頃かと矢継ぎ早に問いかける。豊子は「卒業してから会っていない」「どんな生徒だったかも覚えていない」と答えた。家の中をあちこち調べる刑事の様子に気が気でなかったが、どうにか切り抜けることができた。
その後、豊子は阿久津に「警察が来た」と伝える。しかしすぐに「でもうまく言えたから大丈夫。心配いらない。阿久津君はずっとここにいれば大丈夫だから」と背後から肩に腕を回し、頬を寄せた。阿久津は「わかった」と短く返事をした。
目撃
桜介は波留が帰ってくるのをずっと待ち続けていた。すると脇道から現れる波留の姿を見つけ、慌てて追いかける。その先で、波留は再び阿久津の家で惣菜を食べていた。
波留は惣菜を「父がいないから持ち帰りたい」と言い、阿久津は何か容器を探しに立ち上がる。「パックがないと豊子が怒る」とぼやく阿久津に、波留は「豊子って奥さん?」と尋ねる。阿久津は「違う」と否定する。ならば「飼い主?」と問い返す波留に、阿久津は言葉を詰まらせた。
やがて波留は「中に入りたい」と言い、阿久津は戸惑いながらも受け入れる。波留が「おじさんはずっとここにいるの?」と問うと、阿久津は「1996年11月5日からここにいる」と答えた。「なぜ出ないのか」と重ねられると、「出られないから」と静かに告げた。
その時、波留を追いかけてきた桜介がたどり着く。窓の外に靴が置かれているのを見て中を覗き込むと、そこには阿久津の姿があった。テレビで見た指名手配犯だと直感し、阿久津と目が合った桜介は驚きのあまり逃げ出す。その足で警察署へ向かい、建物の前で立ち尽くした。
焦り
豊子が自宅に戻ると、家の様子に異変を感じ取った。地下室への入口が開いており、慌てて階段を降りるが、そこに阿久津の姿はなかった。家中を探し回るが、どこにも見当たらない。動揺する豊子の背後から「おかえり」と声がかかる。振り向くと、阿久津が風呂上がりの姿で立っていた。
阿久津は「電気はつけない、約束だから」と告げた。豊子は「風呂は私がいる時だけにして」と強く注意する。阿久津は素直に「わかった」と答えたが、豊子はさらに「阿久津君が捕まったら、私も捕まるんだから」と理解を求める。阿久津は「ごめんなさい」と頭を下げた。その姿に言い過ぎたと感じた豊子は「ごめんね」と謝り、彼に抱きついた。2人は再び地下室で肌を重ねる。
その後、豊子は心の内を吐露する。「阿久津くんが人を殺してなんかいなかったら、どんなにいいのにな」と。もし罪を犯していなければ、普通に再会し、堂々と一緒に外を歩き、周囲を気にせずに関係を語れたはずだと。しかし同時に、阿久津が罪を犯さなければ、こうして関係を持つこともなかったのではないかと矛盾に苦しむ。「なんかうまくいかないね」とつぶやく豊子に、阿久津もまた「うまくいかない」と応じた。
母親に聴取
平良と大矢は阿久津の母・栄子の家を訪ねた。外壁には「人殺し」と落書きされ、ドアには卵を投げつけられた跡が残っていた。大矢が戸を叩くと、しばらくして鍵が開き、栄子が現れた。中に通されると、家の中はゴミが散乱していた。
平良が「大丈夫ですか」と気遣うと、栄子は「何がですか」と覇気のない声で返した。今も嫌がらせを受けているのなら警察に相談してほしいと平良は諭すが、栄子はうつろな表情のままだった。
やがて大矢が本題を切り出す。事件直前に阿久津と交わした会話について、改めて確認したいと言い、実和の妊娠をいつどこで知ったのか、息子から聞いたのではないか、そしてなぜそれを警察に話さなかったのかと問い詰めた。栄子は「事件に関係ないと思ったから」と答える。しかし平良は「関係のあるなしはこちらが判断する。だから話してほしい」と懇願した。
栄子はようやく口を開いた。事件当日、雨の中で阿久津が頼んでいた買い物をして戻ってきた。その時、実和が妊娠して再婚することになったと息子が話した。栄子は「そうなのね」と返す以外に言葉が見つからず、阿久津もそれ以上は黙ってしまったという。そのため彼女は「仕事はどうなの」と問いかけた。そして「また困ったことがあったら連絡して」と告げて阿久津は家を出ていった。
しかし平良はその証言に違和感を覚える。「『どうなの』と尋ねたのですか? 実和さんからは、息子さんは曖昧な質問を理解しづらいと聞いています。その言葉で本当に返事があったのですか?」と問い詰めた。さらに「相手の気持ちを汲んで言葉をかけるのが苦手だったはずなのに、『困ったことがあったら連絡して』なんて言ったのですか?」と続ける。栄子は「いつも困ったことがあれば連絡すると言っていたから」と答えるに留まった。
さらに平良は「実和さんの話をどういう言葉で表現していたのか。『妊娠して再婚することになった』と、言葉通りだったんですか?」と尋ねる。だが栄子は「具体的な言い回しは覚えていない」と記憶を曖昧にしたまま答えた。
【夜の道標】3話の結末
平良は「もう一度だけ確認させてほしい」と切り出し、事件当時を振り返らせた。実和の話をした際、阿久津はどんな表情をしていたのかと問うと、栄子は「背中を向けていたし、もともと感情が表に出ない子だった」と答えた。
子供ができないことを理由に離婚したにもかかわらず、阿久津は妊娠を告げた実和に「よかった」と言葉をかけた。その矛盾を指摘すると、栄子は突然取り乱し、「だって、あの子が結婚したりする日が来るなんて思わなかったから」と口走った。そして「せっかく落ち着いたと思ったのに、同級生を殴って…みんなやってるっていうから…平山さんもそういうから…」と断片的に漏らした。
その言葉に大矢は興奮し、激しく問い詰める。だが栄子は「帰れ!」と叫び、2人を追い返してしまった。
公園で肩を落とす大矢に、平良は「粘り強く聞いていれば、そのうち話してくれるだろう」と慰めた。だが心の中では「みんなやってる」という言葉の意味に引っかかっていた。そして「平山という人物が誰なのか調べてみるか」と考える。
その時、平良の電話が鳴った。電話の向こうから澄子(映美くらら)の取り乱した「孝則が!孝則が!」という声が響いた。
【夜の道標】3話のまとめと感想
平良たちが阿久津の母親に話を聞きに行くと、謎めいた言葉が出てきたという話でした。
阿久津は父親に言わせれば馬鹿で、波留に言わせれば天才であり、豊子にとっては愛しい人でした。見る人によって阿久津という男は、まるで違う人に見えるということが今回の話を見て分かります。
桜介は警察署の前まで行きますが、中にはまだ入っていません。もう少し様子を見るのかもしれません。
母親の口走った言葉をつなぎ合わせると、恐らく阿久津は優生保護法によって、不妊手術をされた可能性が高そうです。
だとしても戸川を殺害する理由には今のところ結びつきません。なぜ阿久津は戸川を殺したのか?本当に殺人だったのか?など、謎が深まる一方な回でした。
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