WOWOWのオリジナルドラマ【夜の道標―ある容疑者を巡る記録―】2話の感想をまとめています。
1996年、塾講師が殺害され、かつての教え子が容疑者として捜査線上に浮上する。だが、彼は逃走を続け指名手配されていた。窓際刑事の平良と新人刑事の大矢の2人は、一から事件を再び洗い直すが、被害者を悪く言う人物は誰一人おらず……。
【夜の道標】2話のあらすじ
連続ドラマW #夜の道標
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) September 14, 2025
-ある容疑者を巡る記録-
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【次回】第二話 9/21(日)午後10:00~放送・配信
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⬇️これからの夜の道標は… pic.twitter.com/TAUELFggCI
阿久津弦(野田洋次郎)の行方を追う平良正太郎(吉岡秀隆)と大矢啓吾(高杉真宙)は、再び一から捜査を開始する。まずは阿久津が中学校の時に起こした喧嘩について、当時の担任だった古屋(佐伯新)に話をきく。喧嘩が始まった理由は何だったかは被害者も阿久津も語らず、結局誰もその理由を知らなかった。
続いて平良たちは阿久津が事件の3日前に参加していたバーベキューの参加者に話をきこうとするが、誰も話したがらず聞き取りは難航していた。
やがて留守電を聞いた参加者の森川茜(清水葉月)という女性が、当時阿久津のことが気になっていたので話をすると言ってきて……。
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【夜の道標】2話のネタバレ
森川の話では阿久津は別れた妻のことを当時話していたという。だがそれは未練とか怨みとかではなかった。当時子ども好きな阿久津を見て結婚したら、きっといい家庭を築けるのではないかと思ったという。そんな阿久津が事件を起こしたと聞き、何かの間違いではないかと森川は思ったという。
阿久津が離婚した原因は子どもができなかったからだった。元妻が自分のせいで父親になれないのが申し訳ないと思い、自ら離婚を切り出したという。だがその元妻は離婚から4年後、再婚相手との間に子どもができた。それはちょうど事件の直前のことだった。
阿久津に食事と寝床を提供する豊子は、阿久津の隣で食事をしながら中学時代のことを思い出していた。阿久津が喧嘩をする前、被害者の生徒が別の生徒を殴っていじめていた。見かねて先生に言いにいこうとした豊子だったが、阿久津がどこからともなく現われ、いきなり殴り始めた。
その時、阿久津は「痛いかどうか知りたいなら、殴るより殴られるほうが分かる」と言いながら、被害者の生徒を何度も殴って蹴った。その後、阿久津は生徒たちから遠巻きにされるようになった。そんな阿久津のことを豊子は当時、自由で強い人だと思い憧れていた。
両親の一周忌を追えて夜、自宅に戻ってきた豊子が、途中で阿久津を見かけて声をかける。「センセイを殺した」という阿久津の言葉に、豊子は彼を自宅にかくまうことにした。
昔を思い返して自宅に来てくれた阿久津に感謝した豊子は彼を求め、2人は肌を重ねた。
阿久津はどこへ
阿久津弦(野田洋次郎)が最後に防犯カメラに映っていたのは警察署前であり、平良正太郎(吉岡秀隆)と大矢啓吾(高杉真宙)の2人はそこを訪れた。阿久津には親しい同僚もおらず、母親の家や元妻の家を張り込んでも匿っている様子はなかった。自宅はすでに取り壊され更地となっている。平良は逃亡中に知人に出会い匿われた可能性や、まだ周辺に潜伏している可能性を考えていた。
署に戻り2人は井筒勲(和田正人)に対し、動機を明らかにするため一から捜査をやり直したいと報告したが、井筒は不満げな態度を見せ、平良に嫌味を繰り返した。その様子に大谷は苛立ちを募らせていた。
その後、2人は部署で改めて話し合った。阿久津が最初に補導されたのは中学3年のときで、理由は「喧嘩」としか担任教師が供述していなかった。平良は再度話を聞きに行こうと提案し、「犯人の素顔を知れば動機が見える。動機を解けば行動が読める」として諦めることなく捜査を続ける姿勢を示した。
中学担任の話
2人は学校を訪れ、当時の担任である古屋(佐伯新)から話を聞いた。阿久津の事件は、生徒同士のいざこざで救急車を呼ぶという、過去に前例のない事態であり、教師は大きく責められた。父兄からも「学校の評判が落ちて進学に響いたらどうするのか」と非難が集中した。
それ以前の阿久津は同級生に暴力を振るったことはなかった。被害者との間に特別な関係もなかった。事件は放課後に起き、呼びに来た生徒と一緒に現場へ行くと、阿久津が被害者を何度も蹴っていた。必死に止めようとしたが、阿久津は力が強く、なかなか抑えられなかったという。被害生徒は肋骨を折り、入院した。その最中、阿久津は「痛いか?」と問いかけていたと証言されている。
事件の原因を阿久津本人にも被害者にも尋ねたが、双方とも「きっかけは特にない」と答えた。呼びに来た生徒も最初から見ていたわけではなく、詳細は不明だった。被害者は評判のよい生徒で、阿久津を怒らせるようなことを言ったという話もなかった。
阿久津はもともと協調性に欠け、常に一人で行動していた。多少からかわれることはあっても、反応が乏しいため次第に相手にされなくなっていた。事件後、阿久津自身に変化はなかったが、周囲の生徒の態度が大きく変わった。彼を「怒らせると怖い存在」として一目置き、腫れ物に触るように接しなくなり、さらに孤立を深めていった。
その後、阿久津が殺人の容疑者として報道されたとき、古屋は「正直、納得した。あいつならやりかねない」と語った。
事件の3日前
2人は部署に戻り、事件の性質について議論した。大矢は、阿久津の行動は衝動的な犯行ではないかと指摘した。自宅アパートには通帳や印鑑が残されており、事件後に逃亡を企てることを予期していたとは考えにくく、計画性は乏しいと判断された。
平良は、殺害の動機は事件当日の会話の中で生まれた可能性が高いと推測した。直前に転機となる出来事があったかどうかを確認したが、勤務は問題なく続けられており、離婚は事件の4年前のことであり、その後に交際相手もいなかったとされる。
また、事件の3日前には職場関係者とのバーベキューに参加していたことが分かった。参加者リストは存在するものの、半数以上が供述を拒否しており、全容解明には至っていなかった。
ネグレクト
橋本波留(小谷興会)は担任の岡野謙二郎(柾木玲弥)に呼び出され、林間学校に参加しないと告げた。担任は心配し、父親に相談してもよいかと提案したが、波留はそれを拒んだ。すると担任は住所を書いたメモを手渡し、「困ったことがあればいつでも来なさい」と声をかけた。
その後、波留は林間学校の費用を父親の橋本太洋(吉岡睦雄)に求めたが、父親は支払いを拒否した。さらに父親は「先生のような人間には気をつけろ」と忠告し、波留は担任からもらったメモを思い出しながら、丸めて捨ててしまった。
空腹の波留は長尾豊子(瀧内公美)の働くスーパーを訪れ、並べられた惣菜を眺めていた。そこへ店長の稲垣()が現れ、豊子に「あの子はきっと万引きをするから注意して見張って」と告げた。やがて波留が惣菜を盗もうとした瞬間、豊子は機転を利かせ「タイムセールです」と声をあげながら近づくと、波留は慌てて万引きを思いとどまり、そのまま立ち去った。
だが、バックヤードに戻った豊子は店長に呼び止められ、「わざと見逃したでしょう」と叱責された。店長は「子どもは悪いことをすれば、その場で正しく叱らねばならない」と強い口調で説いた。
危険なアドバイス
豊子は喫茶店で元夫の杉浦達男(柏原収史)と向かい合った。杉浦は財産分与の請求をしなくてよいのかと心配したが、豊子は「うん、いいよ」と静かに断った。その後、豊子は杉浦の子どもの話を聞き、杉浦は嬉しそうに語った。杉浦は「豊子にも幸せになってほしい」と言葉をかけ、豊子は「私は幸せだよ」と答えた。
一方、波留の父親は彼に危険な指示を与えていた。走ってくる高級車に自ら飛び込め、相手が避けられないぎりぎりのタイミングを狙えと命じたのである。それはまるでバスケットボールのパスカットのようなものだと例え、「やらなければバスケットクラブの月謝を払わないぞ」と脅した。
父親は道路の反対側で待ち構え、目当ての車が現れると合図を送った。波留はその合図に従い、自ら車に突っ込んで跳ね飛ばされた。車を運転していた女性(西川綾乃)が駆け寄ると、父親が脇から現れ、彼女を脅した。
病院で治療を受けた後、その女性の夫(福井博章)も現れ、その場で謝罪した。そして金銭で解決するため、札束を差し出した。警察に届けない代わりに金を受け取り、父親は200万を手にして喜んだ。さらに父は波留に「もっとバスケがうまくなれ。大会前にケガをすれば、相手は罪悪感を抱いてもっと金を払うからな」と告げた。
波留はひとり公園のブランコに腰掛け、空腹を紛らわせていた。そこへ一匹の黒猫が通りかかり、波留は思わずその後を追った。猫の鳴き声を頼りに進むと、猫が餌を食べているのが見えた。そのそばに置かれていたシュウマイに波留が手を伸ばした瞬間、窓から見ていた阿久津と目が合い、思わず慄いた。
阿久津は波留に食事を差し出し、波留はそれをありがたく口にした。空腹を満たしながら、波留は「また…来ていいですか」と尋ねた。阿久津は静かに「また来ていい」と答えた。
阿久津の離婚理由
2人はバーベキュー参加者の森川茜(清水葉月)に話を聞きに行った。森川が阿久津と出会ったのは職場のバーベキューでのことだった。周囲から「お似合いだ」と冷やかされたことで阿久津に興味を抱いたという。当時、森川自身も離婚したばかりで気持ちを切り替えたい時期だった。
買い出しに2人で出かけた際、阿久津は元妻のことを話していた。森川以外に阿久津と積極的に接していた参加者はいなかったと記憶している。変わった人物だとは感じたが、悪い印象はなく、子ども好きで良い父親になるだろうと思ったほどだった。その後、阿久津が殺人容疑で報道されたことを知り、森川は「信じられなかった。何かの間違いじゃないか」と語った。
森川から話を聞き終えた2人は、阿久津の離婚理由について考えた。阿久津は子どもを持てなかったことを理由に離婚していた。元妻が「自分のせいで父親になれないのが申し訳ない」と思い詰め、ノイローゼのようになって離婚を切り出したのだという。その後、元妻は離婚から4年後に再婚し、妊娠していた。事件の直前の出来事であり、もしその事実を知っていたのなら、阿久津にとって大きな衝撃だったのではないかと平良は推測した。
その日の夜、平良が帰宅すると、妻の澄子(映美くらら)が割れた食器を片付けていた。学校から出席日数の件で呼び出されたことを話すと、息子の孝則(坂元愛登)が「うるさい」とキレて暴れたのだという。泣き出す妻を目にした平良は、孝則の部屋に乗り込み「母親に八つ当たりするな」と叱りつけた。さらに「いじめの件で学校に一緒に行こう」と持ちかけたが、孝則は「余計なことすんな。お前に何がわかるんだよ」と反発した。平良は怒りを爆発させたが、「いちいちうるさい」と突き飛ばされてしまった。
【夜の道標】2話の結末
豊子はこの日も夕食を阿久津のもとへ運んだ。食事を用意しながら、彼女の脳裏には過去の出来事がよみがえっていた。
ある日、上原(中川慶二)が伊東(蔵内王太)を殴っていじめている場面を目撃した豊子は、教師を呼びに行こうとした。だがそのとき、脇から阿久津が現れ、上原をいきなり殴り飛ばした。阿久津は「痛いかって聞いてたから。痛みを知りたいなら殴るより殴られるほうがわかるんじゃないか」と言い放ち、さらに蹴り続けた。生徒に呼ばれて駆けつけた古屋が制止に入ったものの、以後阿久津に誰も近づこうとはせず、皆が遠巻きに見ていた。豊子はそんな阿久津に強い憧れを抱いた。
「阿久津くんは、何にも縛られず自由に進む人だった。すごく強い人に見えた」豊子はそう感じていた。
両親を事故で亡くし、一周忌を終えて夜自宅に戻る途中、道端に阿久津が立っていた。思わず彼を食事に誘うと、阿久津はしばらく黙り込み、やがて「警察署に行かなければならない」と口を開いた。豊子がその場を去ろうとしたとき、阿久津は「センセイを殺しちゃったから」と告げ、彼女は足を止めた。
やがて阿久津が映画を観ていると、豊子はリモコンの停止ボタンを押し、「やっとこっちを見た。ありがとう。うちに来てくれて」と言葉をかけた。その瞬間、豊子はキスをし、肌を重ねた。
【夜の道標】2話のまとめと感想
豊子は阿久津へ学生時代に強い憧れを抱いていたため、彼を自宅にかくまうことにしたという話でした。
阿久津、豊子、波留の3人が今回で交わります。波留は腹を減らして豊子の働くスーパーで万引きしようとしますが、豊子が未然に防ぎます。そして波留は猫用の餌として置いてあった惣菜を食べようとしたところ、阿久津に見つかります。その後、阿久津が波留に食事を与えました。そんな波留が豊子の家から出てきたのを、同級生の桜介に目撃されました。
バラバラだった登場人物が、今回初めて接点を持ちました。今後歯車が動き出し、物語がどんな方向へ進むのか楽しみです。
阿久津は子どもに優しいみたいなので波留への虐待を知れば、波留の父親あたりが犠牲者になりそうですが、未然に防がれるのかもしれません。また、どうにも阿久津は言葉が足りないようなので、戸川の件も自分ではなく生徒の子どもがやったことなのではないか?そんな気すらします。
言葉少なくとも存在感がバツグンな阿久津を、同じように存在感がある野田さんが演じるのはピッタリだなと今回見て改めて思いました。
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