【世にも奇妙な物語 35周年スペシャル~秋の特別編~】『七階闘争』のネタバレと感想

世にも奇妙な物語 スペシャルドラマ
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2025年11月8日にフジテレビ放送された【世にも奇妙な物語 35周年SP~秋の特別編~】の3話目、伊藤淳史さん主演の『七階闘争』ネタバレと感想をまとめています。

建物の7階で犯罪が多発しているというデータに基づき、政府は全ての建物から7階を撤去することを決定した。7階に住む森崎は市の職員から転居を促されるが、最初は乗り気でなかった7階の市民たちと一緒に抗うことにするが……。

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『七階闘争』のネタバレ

7階をなんとか死守しようと森崎たちはリーダーの指示のもと、刷り込みを始め様々な活動をしていた。だが、リーダーが警察に逮捕されてしまうと、一気に市民たちの勢いはなくなってしまう。そんな中、並川だけは諦めてなかった。

やがて森崎も退去することになり、引越しの準備をしていると並川がやってくる。並川は7階で産まれ7階で育ち、どこに越しても7階だったと7階は家族だと思いを語る。そして7階と自分は殉じるといい、森崎は自分と一緒に生きて欲しいと説得する。だが、並川の意思は変わらなかった。

世間では7階が撤去されて以来、他の階でトラブルが増加傾向にあると報じていた。そんな中、森崎が自宅に戻ろうとすると、あちこちで爆発音や騒ぎが聞こえてきた。

テレビでリーダーの死を聞き、森崎はしまっていた鉢巻を取り出す。そしてそれを巻いて向かった先は、建設中のマンションだった。そこで森崎はかつて7階市民と行っていた、刷り込みを始めていた。

どこからか並川の「森崎さんだったら分かってくれると思ってました」という声がしたような気がした。

七階強制撤去法が施行

森崎北斗(伊藤淳史)が自宅に戻ると、市役所の職員が扉の前で待っていた。彼は国の決定により、すべての建物から7階を撤去することになったと説明する。目的は「七階強制撤去法」に基づくもので、6月の殺人事件、8月の強盗事件、10月の放火事件と、国内で発生した一連の重大事件がすべて7階で起きていたことを受けての決定だった。7階の存在が事件や事故を誘発していると判断され、全国的に撤去が進められるという。

職員はそのニュースをタブレットで森崎に見せ、今後は同じ建物内の別の階へ移ってもらうと告げる。転居費用は市が負担し、新しい住まいは10階で見晴らしも良いと説明した。しかし、突然の話に森崎は戸惑いを隠せない。職員は深々と頭を下げ、森崎は「頭を上げてくれ」と言う。職員は7階に強い愛着を持つ住人でなくてよかったと胸をなで下ろす。そして退去届への署名を求める。

森崎は確認のため、「7階がなくなったら、6階の上は8階になるということか」と尋ねる。職員は、7階を爆破して“だるま落とし式”に撤去する予定だと答える。森崎は「呼び名が変わるだけで、実質7階だ」と指摘するが、職員は「そう感じる人もいるが、国民が安心して暮らせるための決定だ」と淡々と返す。森崎はしばらく考え、「少し時間をくれ」と保留を伝える。職員は期日の日に再び訪れると言い残して帰っていった。

7階の歴史

出社した森崎は、同僚の並川希(与田祐希)から昨日のお礼だとチョコを渡される。雑談の中で、並川も同じく7階に住んでいることが判明する。市役所の職員が訪ねてこなかったかと尋ねる並川は、「話も聞かずに追い返した」と言い、国の決定には賛同できないと不満を漏らす。森崎も「少し強引だとは思う」と同意した。

すると並川は、「今晩時間があるなら」と言って一枚のビラを差し出す。そこには「七階護持闘争・決起集会」と書かれており、「徹底抗戦で7階を死守せよ!」と鉢巻姿の人々が声を上げる写真が載っていた。森崎は内容をよく理解できなかったが、並川に誘われるまま集会に参加することになる。

集会の壇上ではリーダー(西田幸治)が「なぜこの世に7階が生まれたのか」を語り始めた。7階が誕生してからすでに1000年が経つという。8階や5階、12階などに比べ、7階の誕生は200年も遅れた。それは更新の遅さではなく、7階の希少性と特殊性を示すものだという。世界で最初の7階は地面に直接建てられたと語られ、思わず森崎は「それってただの1階じゃないか」と突っ込む

並川は補足として、「1階の上に2階、2階の上に3階と呼ぶのは混乱を避けるために便宜的に決められているだけだ」と説明する。森崎は納得したようなしないような表情で頷いた。続けてリーダーは、初めて本格的に6階と8階の間に設けられたのが「イルムーシャの七階」だと語る。建築史上の転換点とされ、以降、世界中で7階はこの位置に存在することになったという。また、伝説の生き物「鳥人(とりじん)」も7階を住居としていたと語り、会場は一層の熱気に包まれる。

リーダーは「これは戦争だ。運命は2つに1つ、戦い抜くか、死にゆく7階と共に滅ぶかだ」と宣言。参加者たちは声を上げて盛り上がる。突然、リーダーが森崎を壇上に呼び上げ、「今日から一緒に戦う新しい仲間だ」と紹介した。森崎は思わず「は?」と声を漏らすが、会場の勢いに押され、正拳突きを繰り返す“七階の動き”をやらされる。リーダーから鉢巻を手渡され、周囲の熱気に飲まれながらも、森崎は次第にその場の一体感に馴染んでいった

刷り込み

リーダーたちは森崎と並川の勤める会社の外で「七階護持闘争」のデモを始めた。職場の窓からは、鉢巻を締めた集団が七階の動きをしている姿が見える。机の下では、並川がそっと正拳突きの動きをしており、森崎もつられて同じ動きをしていた。そこへ課長がやってきて、「迷惑だよな、あいつら」とつぶやく。7階を侮辱するその言葉に、空気が一気に重くなる

課長はさらに並川を挑発し始めた。森崎は思わず口を開き、「何でも7階のせいにするのは短絡的すぎるんじゃないですか」と助け舟を出す。課長は今度は森崎に矛先を向け、「そんなに7階が大事なのか?」と詰め寄る。森崎は「7階じゃないと生きられない人もいるんじゃないですか」と反論したところで、電話のベルが鳴り、緊張は途切れた。

しばらくして、並川が机に1枚のメモを置いていった。「森崎さん、かっこよかったです」と書かれており、森崎は照れながらも嬉しそうに微笑む。だが、メモの裏を見て息をのむ。「今夜、7階の刷り込みを決行します」と書かれていたのだ。顔を上げると、並川は静かに頷いた。

その夜、森崎は並川たちとともに行動を共にする。彼らは未完成のマンションに潜入し、表札の“101”を“701”に張り替えていく。リーダーが説明する。「まだ完成していないマンションは、自分が何階なのかを認識していない。だから今のうちに“自分は七階だ”と刷り込ませるんだ」。刷り込みとは雛鳥が親を覚える現象のことだという。森崎は思わず「未完成のマンションに自我なんてあるのか」と呟くが、並川は「やっていればわかります」と真剣な表情で答えた。

彼らは次々と数字を張り替えていく。「こうやって刷り込みをしたマンションはすでにいくつもあるが、敵も多い」とリーダーは言う。「8階の上塗り、3階の誘惑。けれど、7階を愛する者が住めば、いつか建物自身が思い出してくれる。“自分は7階だった”ってな」と続けた。その言葉に森崎は奇妙な感覚を覚える。

そのとき、警報音が鳴り響く。見回りの警備員が近づいていた。メンバーたちは慌てて撤収を始める。森崎は逃げ出す並川の手をとり、一緒に駆け出した。

崩壊

ニュース番組が、未完成マンションで発生した“7階の刷り込み”事件を報じた。建物全体がまるで7階化したような状態になり、混乱を招いたという。建設会社は安全上の理由から工事の中断を発表した。これを見た森崎は、自分たちの行動が社会に影響を与えたことを実感し、まだできることがあると使命感を燃やした。

しかし、リーダーが警察に逮捕される。現場に駆けつけた森崎に向けて、リーダーは何度も「7!」と叫んだ。だが森崎は何も答えず、静かに鉢巻を外した。他の仲間たちも沈黙したままだった。少し遅れて駆けつけた並川に、市民たちが状況を説明する。ネット上では「7階市民たちは転居費用を釣り上げるために抵抗している」との噂が広まり、彼らの自宅や勤務先は特定されて晒されていた。さらに、刷り込みの最中に撮られた監視カメラ映像まで拡散していた。

「こういうときこそ闘わないと」と言う並川に、森崎は「今は堪えろ」と静かに諭す。しかし並川はリーダーが乗るパトカーを追いかけて走り出し、森崎が止めようとしたが振り切っていった

それ以降、7階市民の集会は開かれなくなり、並川とも連絡が途絶えた。森崎が自宅の7階に戻ると、壁や扉には罵詈雑言の落書きが残されていた。退去期日もだいぶ過ぎた頃、市役所の職員が再び訪れる。森崎以外の住民はすでに退去していたという。引っ越しの希望者が殺到しており、以前に話していた部屋を確保できなくなるかもしれないと告げられ、職員が見せたのは古びた一軒家の写真だった。「今日決断してくれれば、前に言っていた部屋を用意できる」と言われ、森崎はついに転居を決意する。

荷造りの最中、玄関のチャイムが鳴った。ドアを開けると並川が立っていた。「一人じゃ飲みきれなくて」と言いながら、ワインの瓶を手にしていた。

7階に殉ず

強制執行の日が決まり、森崎と並川は7階の階段に座り、ワインを飲んでいた。並川は静かにグラスを傾けながら、「私は7階と運命を共にします」と告げる。森崎は「そんなことはだめだ」と必死に止めるが、並川は悲しげに微笑んで、「やっぱり森崎さんは、本気で7階のことを思っていたわけじゃなかったんですね」とつぶやいた。

森崎は「他の場所に移れば、こんなに傷つくことはない」と説得を試みる。だが並川は、「何もない場所でも、誰かにとってはかけがえのない場所ってこともあるじゃないですか」と穏やかに答える。その言葉に胸を突かれ、森崎は思わず彼女を強く抱きしめ、「生きてくれよ! 一緒に」と叫んだ。並川はその腕の中で目を閉じ、「とても嬉しいです。森崎さんとだったら、どこまでも一緒にいけます。同士として」と優しく答えた。森崎はその言葉に戸惑い、ゆっくりと腕をほどいた。

並川は静かに言葉を続ける。「私は生まれたときから7階で、どこへ引っ越しても7階だった。7階は私にとって大切な家族なんです。だから森崎さんと、最後の時を7階で生きたい」。森崎は強く首を振り、「違う、並川さんと一緒に生きていきたい。最後じゃなくて、これからもこの先も」と訴えた。

並川は何も言わずに立ち上がり、去ろうとする。森崎は思わず彼女の手を握ったが、並川はその手をそっとほどいた。そして振り返りながら、静かに言った。

「覚えておいてください。この7階からの光景を」その言葉を残し、並川は階段を上っていった。

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『七階闘争』の結末

森崎は10階に引っ越した。エレベーターのボタンには、もはや「7」の数字がなかった。職場に行くと、並川の姿はなかった。課長は彼女の辞表受け取っていて、「7階撤去の日から連絡が取れない」という。「なんか“7階に殉ずる”とか言ってたみたいだし、やっぱ7階市民ってヤバいよね」と笑う課長に、森崎は何も言わなかった。

課長は新聞を広げ、「7階での犯罪が激減した」と得意げに見せた。だが森崎は紙面を見て憤りを隠せなかった。「6月以前の記録がまったくない。こんなの、7階撤去をスムーズに進めるための作られた数字でしかない!」と声を荒げる。課長は「7階なんてただの数字だろ」と言い捨てた。森崎は冷静に言い返す。「もしも“全国の課長の犯罪率が高い”っていうデータが出たらどうします?次に標的になるのは、課長かもしれませんよ」と言い残し、席に戻った。

それから3か月。7階撤去後、国内では連続強盗事件が多発し、他の階層でのトラブルが目立ち始めた。ラジオのコメンテーターは、「7階があったおかげというか、あの階が犯罪の抑止力になっていたのでは」と語る。森崎が食事をしている部屋の窓の外には、遠くに黒煙が上がっていた。ネットニュースには、「7階市民行方不明」「死にゆく7階と運命を共に、集団自決か?」という見出しが踊る。

森崎が部屋に戻ろうとした瞬間、爆発音が響いた。続いて銃声、ガラスの割れる音が連続して鳴り、街全体が混乱に包まれていく。テレビをつけるとニュース速報が流れた。昨夜死亡した“七階護持闘争”のリーダーの素性が判明したという。宇賀市内に住む48歳の男性だった。「七階撤去法施行から77日、市民の声を聞くと、“犯罪率がゼロなら7階に住みたい”“やっぱり7階はあったほうがいい”といった意見も出ています」とキャスターの声が続く。

森崎は引き出しから鉢巻を手に取った。それは、かつてリーダーから渡された7階の象徴だった。自宅の写真立てには、並川と共に“7階”のプレートの下で笑う写真が飾られている。森崎はゆっくり立ち上がり、夜の街へ向かった。

そして建設中のマンションにたどり着き、ひとりで“刷り込み”を始める。表札を張り替えながら、指先に力を込めた。やがて「よかった。森崎さんだったら、分かってくれると思ってました」という並川の声が聞こえた。

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『七階闘争』のまとめと感想

シュール系の話です。細かいことを気にしたら見れません。西田さんが熱く語るせいか、まるで笑い飯の漫才のようにも聞こえてきます。

7階というなんの変哲もないものを、擬人化したような感じで話は進みます。誕生の歴史や刷り込みなど、最初森崎は何を言っているのかさっぱり分かりませんが、並川と一緒にいたいからか受け入れていきます。

結局みんな7階と殉じたのかそれは分かりませんが、少なくともリーダーは亡くなっているようです。森崎は殉じなかった代わりに、今後も7階を守るために行動するようです。

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