【世にも奇妙な物語’24冬の特別編】全4話のキャストとネタバレ感想

世にも奇妙な物語 スペシャルドラマ
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第2話「第1回田中家父親オーディション」のネタバレ

オーディション開始

田中賢一(田中卓志)は、妻・あず沙(池津祥子)からの「大事な話がある」という短いメッセージを見て、胸の奥がざわついた。嫌な予感がする。離婚届でも突きつけられるのかと、重い足取りで家に帰った。だが、妻から差し出されたものは意外なものだった。

「これを見て」

手渡されたのは一枚のチラシだった。大きな文字でこう書かれている。

『第一回田中家父親オーディション開催決定!』

「どういうことだ?」と目を見開く賢一。

「田中家の父親としてふさわしい人を募集することにしたの」妻は淡々と説明した。「家庭の未来を考えた結果よ」

チラシには応募資格も詳細に記されていた。

募集要項:

性別:男性に限る

年齢:16歳から70歳

国籍:日本国籍を有し、禁錮以上の前科が無い者

採用フロー:
エントリー → 書類審査 → 合宿審査 → 合格

家族からの希望:

次女:「優しくて頼りがいのあるお父さんがいい!」

妻:「家事の得意な方、大歓迎!」

長男:「一緒に遊べる友達のようなお父さんが欲しい!」

翌朝、新聞を広げた賢一は、見開き一面にオーディションの巨大広告を見つけて思わず吹き出した。あまりの公然さに呆れる。

「お父さんも応募するの?」次女の杏(林芽亜里)が無邪気に尋ねた。

「バカ言うな!」賢一はムキになって反論した。「この家の父親は俺だろうが!」

その日、会社でも話題は父親オーディション一色だった。部下たちまでもが興味津々で「面白そうじゃないですか!」と盛り上がる。

「オーディションで父親を決めるなんておかしいだろ!」と憤る賢一に、誰も耳を貸そうとしなかった。

家に帰ると、家族全員がリビングで書類選考を進めていた。履歴書や志望動機書が山積みだ。

「俺もオーディションを受ける!」と宣言する賢一。

家族は目を丸くしたが、妻は静かに頷いた。「ちゃんと書類を出してね」

数日後の夜、郵便受けを確認した賢一は、封筒を開けて目を輝かせた。

『書類選考通過のお知らせ』

「当然だ!」と胸を張る賢一。

「手渡しでいいだろうに……」とぼやきながらも、彼の顔には誇らしげな笑みが浮かんでいた。

合宿審査開始

いよいよ合宿審査が始まった。参加者は1泊2日のプログラムに挑むことになる。エントリー番号は次の通りだった。

  1. 小倉
  2. 山本
  3. 佐藤
  4. 田中

その様子はインターネットで配信され、世間の関心は高まっていた。

まずは掃除や炊事のスキル審査。次に長男・一郎(藤本洸大)のサッカー試合が行われた。「一郎より年下の人が、なんで書類審査通過したんだ?」と賢一はぼやいた。

続いて次女のダンス審査。賢一以外の参加者は皆、軽快に踊りを披露した。

夜、全員同じ部屋に寝ることになった。

「なぜこのオーディションに応募したんですか?」賢一が問いかけた。

「浮気が原因で家族を失ったんです。人生をやり直すチャンスだと思いました」と佐藤晶雄(森岡豊)は語った。

「親がいないので、家族に憧れていました」山本大地(新井真悟)が静かに言った。

「田中さんはなんで応募したんです?」と会社の部下である小倉海斗(堀井新太)が尋ねる。

「この家の父親だから応募して当然だろ!」と賢一。

「でも、田中さんじゃ物足りないからオーディションやってるんすよね?」と小倉。

「田中さんより父親にふさわしい自信があります」と強気に語った。

翌日、実技審査では「休日実技」として家族を楽しませるプランが課された。

賢一は手作りの弁当をふるまい、家族とピクニックに出かけた。

「小倉さんの休日実技はすごく楽しかった」と家族は評価する。

「今日が最後の思い出なのかもな……」と寂しげに語る賢一の目には、一抹の不安と決意が浮かんでいた。

最終審査: 個別面接

ついに最終審査の日が訪れた。参加者一人ひとりが個別面接に臨み、最後に呼ばれたのは賢一だった。

妻から「最後に何か伝えたいことは?」と尋ねられると、賢一は深々と頭を下げた。

「みんな申し訳なかった。家族って、当然のようにそこにいるものだと思っていた。でも、もっと俺がやらなきゃいけないことがあったんだなと気づかされた

視線をまっすぐに上げた賢一は続けた。

「俺は、あず沙が大好きだ。一郎が大好きだ。杏が大好きだ。みんなを一番幸せにしてくれる父親は、きっと俺じゃないかもしれない。それでも、未練がましいと思われようが、俺はずっと家族だと思っているから

深い息をついて、賢一はもう一度丁寧に頭を下げた。

「このたびはオーディションに参加させていただき、ありがとうございました」

妻は静かに頷き、「結果は郵送でお知らせします」と締めくくった。

ドラマの結末

後日、郵便ポストを覗いても、まだ何も届いていなかった。賢一はため息をつきながら家に戻ると、妻と子供たちがが机の前に座り封筒を差し出す。

胸が高鳴るのを抑えつつ、賢一は震える手で封筒を開けた。リビングには家族全員が集まり、静まり返る中、賢一が結果を見る。そこには“合格”の文字があった。

なぜ自分が選ばれたのか、家族が説明を始める。小倉は苗字を変えて欲しいというので、ちょっととなったと杏が言う。なぜなら苗字が変わると『おぐらあん』になっちゃうからだと一郎がからかった。

その一方、佐藤は密かに他のオーディションに受かっていることを隠していた。

山本は父親になるより、サッカー選手になる夢を優先したいため辞退した。

賢一は自分の合格が「消去法」だったのかとがっかりした。しかし妻は微笑んで首を振った。

「違うわ。本音を初めて聞けて嬉しかったの」

その瞬間、賢一の胸に温かいものが広がった。

「お父さんって…俺のことか?」

妻は微笑んで答えた。「ええ、あなたは田中家のお父さんよ」

子どもたちも一斉に「お父さん!」と呼びかけ、賢一は胸を張った。

「そうだ、俺が田中家のお父さんだ!」

だがその喜びも束の間、妻が真剣な表情で言った。

「そんなお父さんに大切な話があるの。田中家追加メンバーワールドオーディションを開催します!」

「えっ?」

「年齢、性別、国籍、一切問わないわ」

「なんでそんなことするんだ?」

妻はいたずらっぽく笑った。「もっと刺激が欲しくない?」

子どもたちも楽しそうに賛同した。

賢一は叫んだ。「このままの家族じゃダメなのか!」

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感想とまとめ

シュール系の話です。家族の父親として相応しくないと思った家族が、新たな父親を募集するため、オーディションを開催します。しかもドキュメントバラエティーとして配信します。誰が父親になるのか?世間の注目が集まりました。

それを“離婚”というのではないかと思いますが、離婚をする前にまず父親候補者を選びます。応募なんかあるのかと思ったら、意外と大人気でした。

賢一以外のほうが家族も喜んでいましたが、結果的に消去法で賢一が父親に選ばれます。父親が家族のありがたみを知るという話である反面、家族側も文句を言う前に反省しろと言われているような話にも感じました。

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