2020年8月16日に放送された【嫉妬】のネタバレと感想をまとめました。
檀れいさんと国仲涼子さんの女のバトルが勃発!?その裏側に隠された真相とはなんだったのか?
【嫉妬】のキャストとスタッフ
キャスト
野口姿津花/志村実里…檀れい
高史の妻。夫の死の真相を探るため偽名を使ってホステスになる
永井文奈…国仲涼子
銀座のクラブ『紫嶺』のママ。高史と心中して生き残った
野口聖子…トリンドル玲奈
姿津花の義理の妹。姿津花に対して当たりが強い
野口時江…藤田弓子
姿津花の義理の母。妹同様に姿津花に対して当たりが強い
岡村忠行…榎木孝明
電宝堂の常務。高史の所属する部署を統括
佐伯信勝…手塚とおる
高史の上司で女好き
城所良一…中村梅雀
神奈川県警箱根警察署の刑事。心中事件の捜査を担当
鈴田雄一郎…原田泰造
雑誌記者。夫の死の真相を探る姿津花に協力を申し出る
野口高史…原田泰造
姿津花の夫。広告代理店「電宝堂」勤務。
文奈と心中して他界。
スタッフ
- 原作:藤本義一『嫉妬』
- 脚本:深沢正樹
- 監督:伊藤寿浩
【嫉妬】のあらすじ
野口姿津花(檀れい)は夫の高史(原田泰造)と平凡ながら幸せな生活を送っていた。義理の母・時江(藤田弓子)や義理の妹・聖子(トリンドル玲奈)の姿津花に対する扱いは酷かったが、それでも姿津花は夫の高史を支えて文句も言わず尽くしていた。
大阪へ出張に行くという高史が別れ際、何か言いたげな様子だったが姿津花は黙って見送る。すると、城所良一(中村梅雀)から電話がかかってきて、高史が心中を図って死亡したという連絡が入る。
突然のことに戸惑う姿津花、相手の女性は銀座のクラブのママ・永井文奈(国仲涼子)だという。夫が浮気をしていたというだけでなく、さらに会社の金を使い込んでいたことまで判明する。
返済を迫る佐伯信勝(手塚とおる)は姿津花に言い寄って争いになったところ、偶然通りかかった文奈に助けられる。雨に濡れみすぼらしい姿津花に「かわいそう」だという文奈、姿津花は嫉妬の炎が燃え上がり夫の死の真相を探るため文奈の店で働くことに。
文奈は事件当時の記憶が曖昧で、姿津花が高史の妻であることもわかっていないようだった。そこで同僚のホステスから話を聞いていくうちに、夫は何かを探りに店へ来ていたのではないかと推理する。
店の客にも話を聞いてみると、どうやら夫は文奈にわざと近づき金の出所を探っていたようだった。中でも文奈がしていた蝶の指輪について聞いていたという。文奈のパトロンが誰なのか?姿津花も探り始める。
ある日泥酔した文奈を自宅に送り届ける羽目になった姿津花は、彼女の家に店にあった調度品が置かれていることに気づく。だが、蝶の指輪はなかった。しかし岡村忠行(榎木孝明)のゴルフバックなどが見つかる。
文奈のパトロンは岡村に違いない、そう考えた姿津花は岡村の指示で夫を殺害したのではないかと疑念が浮かび上がる。
ある日、姿津花を指名する鈴田雄一郎(原田泰造)という客が店にやってくる。彼はどこか夫に面影が似ていて、姿津花に対し親身に接してくる人物だった。
鈴田から連絡をもらい姿津花が話に行くと、鈴田は不正経理の疑いがある夫の会社を調べていて、あの日潜入取材に来ていたという。姿津花は自分が亡くなった高史の妻であることを告げ、2人で協力して真相を暴こうと意気投合する。
その頃、文奈は何者かに襲われ病院に運ばれる。城所は文奈を口封じで殺そうとしている人物か、恨みを持った者の犯行ではないかと考える。
消えた指輪が真相に繋がる手がかりか?姿津花は鈴田と一緒に夫が亡くなった箱根へ向かうが……
【嫉妬】のネタバレ
1:心中の状況
夫と文奈が宿泊した旅館で第一発見者の仲居に2人は話を聞きます。
- 部屋に入った時には男性は死んでいた
- 女性は睡眠薬を吐き出したから助かった
- 「どうして私を連れてってくれなかったの」と彼女は言っていた
- 死ぬ前日の夕方には蝶の指輪をしていたが、戻って来た時にはなかった
- 夕方5時頃に10分ほど外出していた
気になる蝶の指輪は外出した時になくしたのか?確かに彼女の指には蝶の指輪があったようだが、なぜかなくなっています。
文奈は本当に高史を愛していたのか?好きなふりをしているのか?まだまだよくわからない点があります。
旅行先で蝶の指輪がなくなる
2:鈴田は何者なのか?
義理の妹聖子が電宝堂から仕事をもらうといっていましたが、なんと岡村の秘書になっていました。
聖子はすっかり岡村に絆されてしまい、佐伯が調査を指示していただけで岡村は関係ないと言い出します。
そんな聖子の指には文奈と同じ蝶の指輪がありました。
姿津花はその指輪を見て文奈のものだといい、岡村が会社の金を横領しているのを夫が調べていたんだと説得します。
しかし聖子は聞く耳持たず、姿津花に忠告に来たのだといいます。
岡村の周辺にいる要注意人物のリストを見せる聖子、その中になんと鈴田の写真があったのです。
鈴田からの電話が鳴っても取らず、姿津花はもらった名刺に書いてあった会社へ電話をします。
その後、今度は文奈と岡村が箱根で会っていました。ただし、ナイフを岡村に向けている状態です。
もういいなりにはならない、岡村にそう告げる文奈ですがあっけなく岡村にナイフを奪われてしまいます。
そこへ姿津花と鈴田、城所も現れて真相に迫っていきます。お馴染みの2時間ドラマ的展開です。
鈴田は何者なのかについての話が始まります。
- 雑誌の記者ではなく岡村の裏の顔を暴くのが目的
- そのために姿津花たち夫婦を利用した
- 鈴田は岡村に妻を奪われ離婚した
姿津花が会社に電話したところ、そんな会社はなくデタラメの電話番号でした。
自分の妻が岡村に取られたため、その復讐としていつかボロを出すのを待っていたのです。
そのため、高史が調査を始めたのをきっかけにチャンスだと思い、高史が危うい目にあうと予測できても利用したのです。
そして死後、今度は姿津花に近づき自分の恨みを晴らすため、利用したということでした。
鈴田は岡村に妻を奪われた復讐をするため、野口夫妻を利用した
3:岡村の呪縛
文奈を襲った人物は誰だったのか?それは以前のクラブのママ渚でした。
文奈は誰が襲ったかわかっていましたが、証言しないでいたのです。
なぜなら“嫉妬”の恐怖を感じたからではないかと城所が指摘します。
文奈は岡村の呪縛から逃れられない、その理由はこうです。
- 昔つきあっていた裏社会の男と縁を切るのに岡村を頼った
- それ以来、岡村に使われる人生になってしまう
- 岡村はデタラメな領収書を文奈に書かせ会社の金を横領していた
文奈が前の男と別れたいがため、岡村を頼ったのが運の尽きでした。
それ以来、不正経理の隠れ蓑として文奈の店が使われるようになったのです。
文奈はそんな関係に嫌気がさしていましたが、岡村の呪縛からは逃れることができませんでした。
岡村が文奈を操っていた
4:事件の真相
あの日の心中はいったいなぜ行われたのか?文奈が全て話します。
- 箱根に岡村が高史を呼び出した
- 高史に指輪は不正の見返りに贈ったと指摘される
- 後で話そうと一旦岡村と別れる
- 岡村は文奈にこっそりと睡眠薬を渡して殺害を指示
- 文奈から指輪を回収した
心中に見せかけて殺害するよう指示したのは岡村でした。
文奈はその晩、高史と部屋で酒を飲みます。高史に妻と別れて一緒に住もうと文奈は誘いますが、高史は返答せず応じません。
そして文奈は睡眠薬入りの酒を渡し、自分も死なない程度の量を飲みます。
翌朝、その時点では高史に息はありました。なぜ助けなかったのか?
それは苦しみながら高史は「姿津花、助けて…」と何度も姿津花の名前を呼んでいたからです。
文奈は最初は調査目的で自分に近づく高史を、やがて本気で好きになってしまいます。
そんな高史が妻の名前を死にそうになって呼ぶ。嫉妬した文奈は高史を助けないという選択をしたのです。
怒る姿津花に開き直る文奈、嫉妬の末の見殺しです。
関係者が連れて行かれた後、城所は姿津花になぜ高史が調査をしていたのかを教えます。
佐伯は最初から高史が不正を暴いたら、手柄を横取りしようと考えてました。
岡村がいなくなったら佐伯が仕切り、高史のことも今よりいい地位に据えると約束して調査をするよういいます。
高史は佐伯に話を持ち掛けられたとき、妻に少しでも楽をさせてあげたい。喜ぶ顔が見たいと思って調査を引き受けたのです。
高史はずっと姿津花を思っていた、そのことが改めて証明されました。
5:その後の登場人物
- 野口姿津花:ホステスを辞めて就職活動する
- 永井文奈:逮捕
- 岡村忠行:逮捕
- 鈴田雄一郎:不明
- 佐伯信勝:不明
姿津花はホステスを辞めて自分に合った仕事に就くため就職活動をします。
文奈は警察に連れて行かれたので、恐らく殺人の罪か何かで逮捕されると思われます。
岡村も同じく連れて行かれたので、横領や殺人教唆などの罪に問われると思われます。
鈴田も警察に連れては行かれるのですが、具体的な罪は犯してないので逮捕はされないかもしれません。
佐伯はどうなったかはわかりません。放っておいてもセクハラやなんやらで訴えられそうな人物です。
6:【嫉妬】のネタバレまとめ
野口高史殺害犯
永井文奈
動機
パトロンの岡村に殺害を指示され実行し、まだ息があったときに姿津花の名前を呼んでいるのを聞いて嫉妬し見殺しにした。
野口高史殺害指示
岡村忠行
動機
会社の金を着服していることを知られ、口封じのために文奈に殺害を指示した。
【嫉妬】のその他気になったこと
- 落としたケーキがそのままなキッチン
- 非通知で電話をかけてくる警察
- 嫌な事があるとすべて姿津花のせいな義母と義妹
- 壁ドンする佐伯
- 高級クラブのママは全国の主婦の敵
- 近所の人たちは地獄耳
- フラれた途端逆ギレする佐伯
- 夜の女に大化けしそうな素質があるといわれる姿津花
- 自宅で暴れたと思ったらそのまま床に寝る姿津花
- 香典からいちいち金を出して買い物する姿津花
- 寝技には持ち込ませない文奈
- お客はみんな福沢諭吉という季穂
- 他人の幸せをぶち壊すのが好きな文奈
- 人がどん底に落ちていく話が好きな文奈
- ポンコツ上司呼ばわりされる佐伯
- ドラコン常務というあだ名の岡村
- ガラクタばかり贈るといわれる岡村
- 証拠で提出した香典袋を破ってしまう姿津花
- 知らぬ間にどこかへ消えるナイフ
【嫉妬】の感想とまとめ
以前映画になった作品のリメイクということですが、思った以上に昔の2時間ドラマ的な内容です。
ちょっと古臭い感情むき出しな演技が、逆に今となってはわかりやすいかもしれません。
話としては夫の死の真相を妻が探り、たどり着くという話です。
もっと妻と愛人がやりあうのかと思いきや、そんなにバチバチやりあいません。
『女帝』のような夜の女同士の激しいバトルを期待して見ると拍子抜けします。
嫉妬とはいったい何なのか?ドラマ内では結局のところないものねだりのような扱いです。
平凡な主婦である姿津花がそれゆえに文奈に嫉妬され、自分にはない派手さを持つ愛人に姿津花は嫉妬します。
ですが、夫の心が最初から最後まで自分にあったと知ると、そんな感情は一切姿津花からなくなりました。
そして最後、夫の死を乗り越えようとする姿津花は、「嫉妬は何も生まない」と気づきます。
他と比較するから生まれる感情の嫉妬。ときには励みにもなりますが、やはり何も生まないどころか下手すれば失います。
ドラマ内では文奈は嫉妬を糧にして生き、結局何も得られませんでした。
他人を羨むよりも自分に目を向けようと、姿津花は自分に合った仕事を探しに向かってドラマの最後は終わりました。