2019年10月7日からスタートした【シャーロック】は、初回拡大スペシャルでした。前シーズンの【監察医 朝顔】が高視聴率だったため、今回のドラマはどれだけ数字を伸ばせるのか?そして、超有名作品のリメイクは果たしてうまくいったのか?
ドラマ【シャーロック】1話のあらすじ
誉獅子雄(ディーン・フジオカ)は頭脳明晰で容姿端麗な、犯罪捜査専門のコンサルタント。難事件の捜査を、警視庁捜査一課の警部・江藤礼二(佐々木蔵之介)から特別に依頼され、請け負っている。罪と悪に興味があり、謎解きは彼の生きがいでもある。だが、その性格は難ありで、一般の人が対等に渡り歩けることは、まずない。そんな獅子雄にとって、運命的な出会いを果たす事件が、いま幕を開ける。
公式HPより引用
都内の、とある病院で、ある一人の勤務医が屋上から謎の転落死を遂げる。死亡したのは、消化器内科医の赤羽栄光(中尾明慶)。第一発見者の看護師・水野麻里(松井玲奈)が、赤羽の助けを求める声を聞いていたことで、何者かに突き落とされたことが疑われる。江藤たち捜査一課は病院関係者を集めて事情聴取を始めた。
通報者で警備員の石井太(木下ほうか)が、やはり赤羽の声を聞いて現場に駆けつけたと話すと、突然、白衣を着た男が「嘘つけ!」と遮る。男は、麻里と石井の発言の矛盾点を次々と指摘し、論破していき、周囲は唖然となる。この男こそが、獅子雄だった。そして、獅子雄は、その視界の隅に、ある一人の男を捉える。遠巻きに様子を伺っていたのは、精神科医の若宮潤一(岩田剛典)。その不審な動きを、獅子雄はしっかりとマークするのだった…。
果たして、若宮という男は何者なのか?一人の医師の死によって、隠されていたおぞましい事実が、間も無く獅子雄によって暴かれようとしていた。
ドラマ【シャーロック】1話のネタバレ
赤羽栄光殺害犯
自殺のため犯人は無し
動機
不正入試で医者になった赤羽を同じく不正入試をしたが、不合格になってしまった郡司が脅迫に来る。最初はお金を渡して従っていたが、いつまでも要求してくるので船に呼び出して殺害し、そのまま海に遺体を遺棄する。
そのこともあって自首しようと妻に言ったところ「医者も辞めてただの犯罪者になったあなたに何の価値もないの。死んで」と言われてしまう。
妻と子に保険金を残そうと思った赤羽は、自ら迫真の演技で誰かに追われているふりをする。そして、屋上から絶望して落下し自ら命を絶った。
郡司貴生殺害犯
赤羽栄光
赤羽汀子
動機
しつこく脅しに来るため船に呼び出した際、汀子が郡司に熱湯を顔にかける。熱がる郡司がひるんでいる隙に、夫に消火器を渡してそれで撲殺するよう命じる。
ためらう栄光だったが、今後も脅され続けることや娘を偽医者の子供にしていいのかと汀子が脅し、半ば強引に郡司を殺害させる。そして遺体を布に包み、そのまま海へ遺棄した。
真実への道筋
死んだ赤羽の胃の内容物がパセリとバターのみだったことに、獅子雄がこの事件に興味を抱くきっかけとなる。
調べていく内に様々な違和感に獅子雄は気づいた。
まず第一に喪服のクリーニングのタグだった。それはまるで赤羽が死ぬことを事前に知っていたように、葬式に間に合うタイミングで仕上がっていた。
第二にアルバムの写真だった。若宮の部分だけ顔が破かれている写真は、右利きの人物が破ったとは思えない破り方だった。
妻の汀子は左利きだったため、破り方が右利きの夫とは違う破り方になっていたのだった。
それらを総合して妻がこの事件に関わっていることを突き止める。
ではなぜ胃の内容物がパセリとバターのみだったのか?
それは、赤羽が死ぬ前日、娘と妻と一緒にファミレスに行っていた。そこで、赤羽は娘がパセリを残しているのを見て、母親に怒られやしないか心配しているのを知る。
赤羽は最後に父親らしい仕事をしようと、残ったパセリにバターをつけて代わりに食べたのだった。よって、胃の内容物がその二つのみだったと分かる。
妻は事件で死亡した場合、保険金が倍になる契約を結んでいたため、欲を出して若宮を犯人に仕立てあげようとしていた。
若宮は船で汀子と会い、真相について話を聞く。そして、睡眠薬で眠らされたふりをしたところに、船で追っていた獅子雄が乗り込み全ての真相を明らかにしたのだった。
ドラマ【シャーロック】1話の感想
どんなドラマになるのか、開始前から期待よりも不安のほうが大きいドラマでした。
しかし、全て見終わってみると意外と普通に見れる内容となっていました。自分は熱心な原作ファンでもないからか、全く気にならず探偵もののドラマとして視聴することができました。
ここら辺は原作に対する思い入れの強さによって、評価も変わってくるかと思います。
現代日本に推理部分を巧く取り入れて、落とし込もうとしている努力は感じ取れます。それでいて、原作のキャラ設定を尊重している部分もあるように感じました。ただ、ワトソンが怪しい医者設定です。
若干、女性向けにアピールする部分がありますが、ドラマの雰囲気をぶち壊すほどではありません。
しかし、結局誰が逮捕されたのかなど、結末の部分の説明がありません。獅子雄は探偵であって警察ではないからかもしれませんが、それなら江藤が軽く説明してくれてもいいのではと思いました。
前シーズンの朝顔からの流れでか、1話のゲストは中尾明慶さんでした。そして松本まりかさんを今シーズンもドラマで見れて嬉しかったです。
今回は赤羽や若宮たちの犯した罪について詳細をまとめました。
ネタバレ前提となりますので、未視聴の方はご注意ください。
大学時代の話
獅子雄が赤羽と若宮が大学の同期以上に同じサークルに所属し仲が良かったということを知り、2人の母校に行き話を聞きます。そこで聞いた話を総合するとこんな感じでした。
- 赤羽は成績は下のほうだった
- 国家試験もギリギリな感じだった
- 民間の病院に移ってからは大活躍
- 若宮は父が早くに亡くなり奨学金をもらっていた
- バイト続きで勉強する時間がなかった
- 赤羽はサークルの部長を務めていた
- 優秀なサークルでみんな医者になった
ということが、大学の教授から教えてもらえました。赤羽は金はあるが頭が残念な感じで、若宮は金がないためバイトに明け暮れ勉強どころではなかったという状況だったようです。
赤羽が部長を務めるサークルに、若宮も所属していました。そのサークルの名簿を見ると、卒業後確かにみんな医療に携わっています。郡司貴生1人を除いて。郡司だけは医療ジャーナリストでした。
このサークルとは一体どんなものなのか?
- 臨床研究サークル 未来医学研究会
- 設立は2000年8月
- 廃部は2014年4月
- 活動内容:先進医学・医療に関する諸般の融合テクノロジー及び、生物や社会科学分野における先端的知見の結集及び研究
ちょっと何を言ってるのか分からない活動内容です。
そんなサークルですが、仲の良さを示すように赤羽の持ち物であるクルーザーで、サークルメンバーが写る写真があります。船の名前はクレオパトラというものでした。
このサークルが普通のサークルなら良かったのですが、実はとんでもないサークルだったことが分かります。
赤羽と若宮の罪
2人が所属していたサークルで7年前、あることが行われていました。それは、研究会と称して医師国家試験の問題を出題者から入手していたということです。
- 郡司の親の知り合い
- 1人200万円支払う
- コピーはできない
- 携帯の繋がらない海の上が選ばれた
- ホワイトボードに書かれた問題を書き写す
要するに若宮も赤羽も不正入試で医者になったのです。このサークルメンバーが殆ど医療関係の仕事に就けたのは、そういう理由だったのです。
しかし、郡司だけは不合格になります。どうやら船酔いをしてしまい、問題を書き写すどころじゃなかったようです。
この後、別の大学で不正入試問題が発覚する事件が起きます。番組内から記事を引用します。
医師国家試験問題漏洩事件三医師、免許はく奪へ
今年2月に実施された医師国家試験で試験問題が一部の医科大生に漏れていることが明らかになった。これにより漏洩事件に関わったとみられる3人の医師が医師免許をはく奪されることになった。この3人以外の関与や過去にも同様のケースがなかったかなど余罪を追及していく方針だ。
事件は今年2月におこなわれた医師国家試験で数人の受験生が、試験の前問題と解答を前述の医師たちに補習と称してレクチャーされていたというもので、その特別講義は人気のない場所で数回に渡って行われていたという。
事件発覚のきっかけは試験の採点を担当していた試験官が、数人の学生の解答が全く同じであることに気付き、審査会で審査した結果、事前に問題と解答が漏洩していると判断し捜査したところ医師ら3人の関与が浮上した。
この事件を知って若宮は医師免許を返上しようと思ったが、できなかったと言います。赤羽もこのことに悩み、若宮に相談したりしていたようです。
ドラマ【シャーロック】1話のロケ地
ロケ地は非常に多いです。見た感じ浅草辺りに住んでる設定なのか、その周辺のシーンを入れてきます。
鉄板酒場浅吉
レオがもんじゃを食べてた店です
浅草花やしき
獅子雄がバイオリンを弾いていた場所です
日本大学商学部
若宮たちの母校、榎原医科大学です
シティマリーナ ヴェラシス
クレオパトラ号が停泊している港です
アトリエ・バーゼル
若宮と麻里がお茶を飲んでいた店
水戸赤十字病院
若宮と赤羽が勤めている病院
餅陣住吉
汀子が子供と入る店
カウボーイ家族 調布店
赤羽が家族で食事したファミレス
東京水辺ライン両国発着場
この辺りから浅草方面に行く船の上で獅子雄とレオが会話
雷門
人力車に乗っているシーンの背景
ドラマ【シャーロック】1話のその他気になったこと
- 血痕を見て「まるで東京の地図みたいだな」という江藤
- どこでもすぐピッキングして開ける獅子雄
- 若宮の住んでいる建物は「BAKER HEIGHTS」
- パセリ、バターと言いながらシャドーボクシングする獅子雄
- 「希望はきいていない」と言って強引に話す獅子雄
- 文句言われると「仕事に戻れ」と言って追いやる獅子雄
- 江藤の上に乗っかるクミコ
- それを見て「地方公務員法違反で懲戒処分だな」という獅子雄
- 折り紙の鶴を見て「コウモリか?」と言う獅子雄
- 見るからに辛そうな真っ赤なもんじゃを食べるレオ
- バイオリンを突然弾き出す獅子雄
- 「指示するな」と言いつつ言われた通りにする江藤
- バイオリンでパトカーのサイレンを再現する獅子雄
- そして隣人に怒られる
- 盛り上がるという理由だけで変装する獅子雄
- 「うそぴょーん」と言う獅子雄
- 熱湯がかかり寝たふりがバレる若宮
- 獅子雄をずっと刑事だと思っていた若宮
- 手柄を横取りする江藤
- 「若宮ちゃん、一緒に暮らそう」と押しかける獅子雄
ドラマ【シャーロック】1話のまとめ
ドラマがどうなるのかと思っていた不安は、視聴し終えると一気になくなりました。普通に現代に置き換えられており、頭は冴えるけど風変わりな探偵という設定を引き継いで溶け込んでいます。
結局最後に汀子はどうなったのか?警察が港で待ってはいますが、詳しいことは分かりません。若宮が自主的に医師を辞めますが逮捕などはされていません。
そうなると、汀子は逮捕されないのか?それとも若宮の件だけ不問なのか?後でまた汀子を出してくる予定でもあるのか?謎です。
個人的には見ていて楽しめました。テンポよく話が進んでいき謎も原作がある関係上、著しくは破綻していません。要するにキャラ設定と謎のいいとこ取りをして、現代の探偵とその相棒もののドラマを作ったという感じです。
著名な作品だけに設定はしっかりありますし、謎もちゃんとしています。一からこれを考えるのは大変な作業なので、いっそ原作ものにして現代に焼き直すほうが物語の破綻もしなくてよくない?みたいなノリです。
下手な謎やキャラ設定は見ていて痛々しいものもありますし、何より破綻することがよくあります。それを避けるために原作付きにしたのであれば、正解だったのではと第1話を見て思いました。
毎回犯人役で登場するゲストを豪華にしていけば、結構面白い作品に仕上がるかもしれません。
次回は10月14日放送予定で、また少し時間を拡大します。菅野美穂さんがゲストで登場します。