月9で放送している「ラジエーションハウス」もいよいよラスト1話です。今回の話はいつものスポットライト当てるシリーズで、鏑木先生がピックアップされました。いつもメンバーの意見に反対する、嫌な感じの先生ですが、実は“天才”でした。
ラジエーションハウス概要
月曜21時からフジテレビ系で放送している「ラジエーションハウス」は、放射線技師という立場から「視えない病」を見つける医療ドラマとなっています。
キャスト
- 五十嵐唯織(窪田正孝)
- 甘春 杏(本田 翼)
- 広瀬裕乃(広瀬アリス)
- 軒下吾郎(浜野謙太)
- 威能 圭(丸山智己)
- 悠木 倫(矢野聖人)
- 黒羽たまき(山口紗弥加)
- 小野寺俊(遠藤憲一)
- 辻村駿太郎(鈴木伸之)
- 鏑木安富(浅野和之)
- 大森 渚(和久井映見)
スタッフ
- 原作:「ラジエーションハウス」(原作:横幕智裕・漫画:モリタイシ)
- 脚本:大北はるか
- 音楽:服部隆之
- 主題歌:MAN WITH A MISSION 「Remember Me」(ソニー・ミュージックレコーズ)
- プロデュース:中野利幸
- 演出:鈴木雅之・金井紘・野田悠介・関野宗紀
10話ゲスト
西原亜希・梅沢昌代・清水昭博・田中奏生・丸川ゆい・名高達男
前回はこちら
あらすじ
出勤途中の唯織(窪田正孝)のもとに、放射線科の世界的権威である恩師・ピレス教授(Dutch)からメッセージが届く。人工知能を使った読影補助ソフトを開発することになったピレスは、そのメンバーに唯織を迎えたいと考えていた。
鏑木(浅野和之)は、辻村(鈴木伸之)の父で、麗洋医科大学病院教授の辻村丈介(名高達男)から系列病院の院長を任されたことを家族に報告する。妻の聡子(梅沢昌代)と娘の加奈子(丸川ゆい)に、給料も倍になるから3人でハワイ旅行に行こう、と嬉しそうに話す鏑木。
そんな折、ラジエーションハウスに杏(本田翼)の父親で、元院長の正一(佐戸井けん太)が突然現れる。正一がうつ病の状態だと知る小野寺(遠藤憲一)やたまき(山口紗弥加)らは、努めて明るく彼を出迎える。同じころ、辻村は、嶋田茜(西原亜希)の1歳8ヵ月になる息子・光の診察をしていた。骨折の疑いでレントゲン検査のオーダーを受けた裕乃(広瀬アリス)は、赤ちゃんの検査にしり込みし、軒下(浜野謙太)に助けを求める。そこで、3ヵ月前にも右上腕骨骨折の疑いで光の検査をしたことを思い出すたまき。検査の結果、光は鎖骨を骨折しており、虐待の疑いが……。
鏑木は、院長の渚(和久井映見)に辞表を提出する。院長室を後にした鏑木は、椅子に座っていた正一に気づいた。正一も鏑木に挨拶しようと立ち上がるが、そのとき突然頭痛に襲われ、倒れてしまう。
公式HPより
感想
今回スポットライトが当たった鏑木先生ですが、まさかこの人まで掘り下げるとは思っていませんでした。この話で“ラジーエションハウス”とは、技師の人たちだけの部署ではなく、医師も含めての部署だということがわかりました。唯織が生まれついての天才だとしたら、もう一人の天才鏑木先生は“職人”でした。経験年数だけはどうあがいても越えられません。
また、人の命がかかっている現場だけに、一人一人の足りないところを補い、同じ目標に向かって行くという一体感が見ている視聴者を楽しませてくれます。
鏑木安富とは?
今までは患者よりも何よりも保身をまず最初に考え、出世欲が旺盛な野心家で、五十嵐のことをとにかく忌み嫌っている先生といった感じでした。しかし、今回の話でそれだけではないことがわかります。
- 診療部長兼、放射線科長
- 妻と大学生の娘がいる
- 家族にはATMだと思われている
- 麗洋医大の系列病院の院長になる予定だったが辞退
- 医師歴は30年近く
- 1日100件近く読影
- 100万件以上の症例に触れてきている
非常に難しい撮影をした技師たちですが、写真は脊髄に腫瘍が進展しているものでした。手術は不可能だと諦めかけた時、鏑木先生が来て「答えなら全て、その画像の中にあるだろう」と言います。その写真を元にMPRを作って多断面から観察すると、脊髄に腫瘍は進展していないことが明らかになります。
鏑木先生は読影を見て、すぐに問題がないと判断したのです。長年培ってきた経験のお陰です。唯織とは違った意味の“天才”でした。
また、ラジエーションハウスとは別枠の医師かと思っていましたが、先生も含めた上でのラジエーションハウスだったようです。それはこの引用したセリフでわかります。
お礼を言われる筋合いはありません。私は私の仕事をしただけです。君たち技師が責任を持って撮影した正確な写真を、われわれ放射線科医が責任を持って診断し、治療方針を導く。それが、われわれラジエーションハウスの仕事です。
“われわれラジエーションハウスの仕事”と言っています。ラジエーションハウスは、技師7人と放射線医師2人の合わせて9人ということです。そして先週の辻村同様、折角のチャンスを自ら辞退して、甘春総合病院に残ることを選択します。
いざという時は頼りになる、ラジエーションハウスにはそんな人がたくさん集まっています。
甘春元院長の病とは?
冒頭にふらふらと病院にやってくる元院長こと、甘春正一は“うつ病”ということらしいのですが、唯織はそうではないと気付きます。
- 立ち上がる度に頭痛がする
- 自転車に追突された
- その事故後、飛行機に乗った
- 乗った飛行機が乱気流に巻き込まれて揺れた
- MRIで調べると慢性の硬膜下血腫がある
- 髄液漏れの検査をする
今回は具体的な病名はわかりません。事故後に検査をした時には、どこが悪いのかわからなかったようです。唯織は造影剤が漏れているのを見て、何かをひらめきます。それで髄液漏れの検査をすることにします。次回予告では杏が手術しようとしますが、どうやら非常に難しいのか、患者が父親というプレッシャーからなのか、とうとう唯織が医療行為を……?みたいな煽りでした。
見るからに最終回にぴったりな話になると予想されます。
その他気になったこと
- パンケーキ食べたいとはしゃぐ鏑木の妻
- 杏の父を“お父様”と呼ぶ唯織
- たまきの子供のあやし方は怖い
- 子供をあやすのが得意な威能
- 私たちの時代は「縄文だよ」と答えるたまき
- つくばの紫にんじん茶の箱に退職願が戻されていた
ドラマの補足
くる病とは?
患者の光くんがかかった病です。今回の例ですと“卵アレルギー”なため、ビタミンDの摂取量が不足していたため、骨折をよくしていた。だから、ケガをしないように家の中で遊ばせていたら、日光に当たらないために余計ビタミンDが生み出せなかった。という悪循環でした。実際どのような病なのか、調べてみました。
概要
くる病とは、骨端線閉鎖前の子どもにおける骨の石灰化や成長がうまくいかず、骨が通常よりも柔らかくなってしまう病気です。体が成長段階にある子どもの骨には、「成長軟骨板」と呼ばれる特有の部位があります。その名前から想像されるように、この部位で骨の成長は活発に起きています。成長軟骨板で骨が成長するためには、カルシウムやリンによって作られるハイドロキシアパタイトという物質が必要不可欠です。しかし、血中リン濃度が低値だとこのハイドロキシアパタイトが産生できず、骨の成長が障害されてしまい、結果的に身長が低くなり、骨が柔らかいために変形してしまう「くる病」を発症します。
原因
カルシウムとリンを吸収するためには、ビタミンDが必要です。ビタミンDは、キノコ類や魚、卵に多く含まれており、これらを摂取することで体内に取り込まれます。また、ビタミンDは日光に当たることで皮膚でも生成されます。つまり、きのこや魚、卵などの経口摂取や日光への暴露が不足することで体内のビタミンDが不足してしまうのです。また、ビタミンDが体内で正常にはたらくには、腎臓が適切に機能する必要があります。
症状
くる病は、骨がうまく石灰化できずに柔らかくなる病気です。そのため、骨の成長が遅くなりますし、つかまり立ちや独立歩行をするようになってから下肢に負担がかかると、骨がO脚やX脚に変形することから気付かれることもあります。治療
ビタミンDの欠乏により「くる病」を発症している場合、不足しているビタミンD(自然型ビタミンDもしくは活性型ビタミンD)を補充します。現在の日本では食物アレルギーに対して過剰な食事制限を行っている場合があり、その結果ビタミンD欠乏性くる病を引き起こすこともあります。アレルギーの状態を適切に判断・評価し、不要な食事制限を避けることも大切です。さらに、適度に日光に当たりビタミンDの体内産生を促すことも重要です。
くる病について | メディカルノート
ドラマ内で言っていたことは大体合ってます。様々な食材を摂取することや、日光に当たるということが、大事だと教えてくれます。
ちなみに実際に光くんのもう一つの病である神経芽腫は、神経の細胞にできる“がん”だそうです。5歳以下の幼児に発症率が高いようです。
まとめ
フジテレビを見ていると入る「ラジエーションハウス」の番宣で、唯織でも見つけられないものが…そこにもう一人の天才が現れ…!とテロップ、そしてラジエーションハウスの扉が開くシーンで煽ります。元院長か?それともピルス博士か?なんて思って期待してました。しかし、実際放送を見るとそういう感じの流れでもなく、普通に鏑木先生が指摘をしてくれます。見終わった後、もう一人の天才って誰?と考えてしまいました。結果的にいい話だったのでいいのですが、あの煽り方はちょっとやり過ぎだと思いました。
次回は最終回となります。唯織が果たして医療行為をするのかどうなのか?そして元院長は無事助かるのか?次回も楽しみにしています。