メンバー一人一人にスポットライトを当てる回が終わったかと思っていたら、今回は辻村医師をメインにした回でした。唯織の恋のライバルとして存在している、上から目線な嫌味な奴だと思っていたら、彼には彼なりの事情があったようです。そして前回終わりに倒れた、杏の状態はどうなったのか?
ラジエーションハウス概要
月曜21時からフジテレビ系で放送している「ラジエーションハウス」は、放射線技師という立場から「視えない病」を見つける医療ドラマとなっています。
キャスト
- 五十嵐唯織(窪田正孝)
- 甘春 杏(本田 翼)
- 広瀬裕乃(広瀬アリス)
- 軒下吾郎(浜野謙太)
- 威能 圭(丸山智己)
- 悠木 倫(矢野聖人)
- 黒羽たまき(山口紗弥加)
- 小野寺俊(遠藤憲一)
- 辻村駿太郎(鈴木伸之)
- 鏑木安富(浅野和之)
- 大森 渚(和久井映見)
スタッフ
- 原作:「ラジエーションハウス」(原作:横幕智裕・漫画:モリタイシ)
- 脚本:大北はるか
- 音楽:服部隆之
- 主題歌:MAN WITH A MISSION 「Remember Me」(ソニー・ミュージックレコーズ)
- プロデュース:中野利幸
- 演出:鈴木雅之・金井紘・野田悠介・関野宗紀
9話ゲスト
中村梅雀・名高達男・永島和明・辻井庸介・佐藤侑梨・相田雄一郎
前回はこちら
あらすじ
同じころ、甘春総合病院に、大物政治家の安野将司(中村梅雀)が極秘入院することになった。辻村(鈴木伸之)の父親で、麗洋医科大学病院教授の辻村丈介(名高達男)が、鏑木(浅野和之)に依頼したのだ。安野は、政治資金に関するスキャンダルから逃れるために1週間ほど身を隠したいのだという。丈介は、辻村を安野の主治医にするよう、鏑木に頼んだ。
公式HPより
ところがその矢先、安野が甘春総合病院の裏口で、ゴルフスイングのまねごとをしている写真が週刊誌に掲載されてしまう。記事には「偽装入院」などという文字も踊っていた。押し掛けてきたマスコミに、出勤早々囲まれてしまう裕乃(広瀬アリス)や小野寺(遠藤憲一)、たまき(山口紗弥加)らラジエーションハウスの面々。一方、記事に激怒した安野は、何かしらの入院理由をつけてすぐにでも発表するよう、鏑木と辻村に命じるが……。
感想
先週終わりに杏が倒れたことで、とうとう唯織が医師として腕をふるうのか?と思いきや、専門医である辻村の出番となります。辻村は唯織の恋のライバルぐらいの扱いだと思っていましたが、ちゃんとバックグラウンドがあるキャラクターとなってました。こうやって丁寧に一人を掘り下げてくれると、そのキャラに対しても理解が深まってよかったです。
また、前からそうですが技師に対する軽視や、民間の病院と大学病院との差にも触れます。苦労して手に入れた立場や大きな責任があるため、威張りたくなるのもわかりますが、それが軽視する理由になってはダメだということです。
辻村駿太郎とは?
唯織の恋のライバルで医師ということはわかっていましたが、実は父親も医師なエリートだということがわかりました。
- 甘春総合病院の整形外科医
- 父親は麗洋医科大学病院教授の辻村丈介
- 麗洋医科大学を受けるが落ち、東和医大に進む
- 研修期間中に逃げ出して、甘春総合病院に入る
父親が医師で自分も医師を志して医大を受けますが、残念ながら第一志望の大学は落ちてしまいます。その時点で父親に謝ると、入学祝いとして名前入りのペンを貰います。ドラマ内で頻繁に出てくるペンは、その時父親にもらったものでした。
さらに大学病院で研修をするようですが他の研修医たちについていけず、これ以上特別扱いはできないと言われてしまいます。その時にどうやら辻村は逃げ出してしまったらしく、父親のいる麗洋医科大学病院ではなく、当初「甘春先生の講演に感動した」という理由で甘春総合病院へ来ます。
また、杏は“先輩”と辻村のことを呼ぶので、同じ大学出身なのかもしれません。何でも完璧にこなす男だったらしく、みんなの憧れだったようです。
そんな辻村は経験のあまりない手術を恐れて、別の医師なり麗洋病院へ転院させようとします。しかし唯織は、杏の手術をなぜ自分でやらないのかと言います。そして、何度も辻村が担当した患者の術前と術後の写真を撮ったが、どれだけ丁寧な仕事をしているか、写真を見ればわかると言います。恋のライバルであっても、唯織は辻村の腕を認めています。
医師と技師、民間と大学病院。どっちが上とか下とかはないと、ラジエーションハウスのメンバーの仕事ぶりを見て、考えを改めます。そして、最終的に麗洋医科大学病院へ行くことを辞退します。
インチキ検査入院だったはずが…?
大物政治家の安野将司が、政治資金のスキャンダルから逃れるために入院します。このような話は、昔は割りとありましたが最近減ったと思ってました。しかし、北方領土ビザなし交流に参加していた丸山穂高衆院議員が、最近こんなような感じのことをしてました。
麗洋病院で人間ドックをやったらしく、その際は一切問題がなかったようです。騒ぎが収まるまでのんびりしていたい安野は、検査を受けることを非常に嫌がります。そこをなんとかなだめながら、一通りの検査を受けていくとある病気が発見されます。
バリウムの二重造影は技師の腕の見せどころらしく、技師長は裕乃に威能が撮影しているのを見学させます。バリウムが流れ込んだその一瞬を捉えるという、非常に難しい内容であることがわかりました。そうして撮られた写真を見ると、スキルス性胃がんが発見されます。
麗洋病院で内視鏡で見てなかったはずのものが、技師たちの腕一つで発見される。そんな職人芸のシーンでした。
その他気になったこと
- マスコミに全く無視される軒下
- 唯織に挨拶する隙に急いでマスコミから逃げる裕乃
- 裕乃で安野の機嫌を取る作戦
- たまきには興味がない安野
- そんな安野に雑な扱いになるたまき
ドラマの補足
バンカートとは?
杏が疑われていた病気です。
肩を再脱臼する原因となる病変。大きな外力によりグレノイド(関節窩)から関節唇靭帯複合体が剥がれたもの。骨の一部が一緒に剥がれたものは、骨性バンカート病変と呼ばれる。
引用元:バンカート病変|骨と関節の痛みにお悩みの方をサポートするWebサイト|関節ライフ
唯織は杏の肩について、肩関節の不安定性が強ければオペが必要だといいます。さらにこのままだと重い機能障害が残ってしまう可能性があるそうです。結果的に杏は手術をします。
スキルス性胃がんとは?
実は本当に病気が見つかった安野のかかった病気です。
胃がんの中には、胃の壁を硬く厚くさせながら広がっていくタイプがあり、これをスキルス胃がんといいます。早期のスキルス胃がんは内視鏡検査で見つけることが難しいことから、症状があらわれて見つかったときには進行していることが多く、治りにくいがんです。
引用元:胃がん 基礎知識:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]
症状が現れてからでは遅いということなので、偶然見つかって命拾いしたことになります。
まとめ
医師と技師、民間と大学病院、その二つに優劣はないということを改めて教えてくれる回でした。唯織は元々どちらが上か下かというこだわりがないので、医師の免許を持っていても技師であることに何の迷いもありません。それを不思議がること自体、優劣をつけていることになるのかもしれません。マウントを取りたがる人が多い世の中、唯織のようにニュートラルな考えでありたいと思いました。