【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】5話のネタバレと感想をまとめています。
真犯人はテレビの出演者、それも誰もが知るような人物だった。しかし事件当日、彼は生放送の番組に出演しているというアリバイがあった。一体どうやって殺害することができたのか?千寿と不破が証拠を捏造しようとするが……。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】5話のあらすじ
新山博一(後藤剛範)との待ち合わせ場所に行った不破利己(杉野遥亮)だが、真犯人の男に殴られ意識を失う。新山にも襲い掛かろうとする真犯人だが、飛鷹千寿(反町隆史)がやってきたことで間一髪助け出した。
千寿はアジトに新山を連れて行き、そこで保護していた息子の壮太(石塚陸翔)に会わせる。そして事件当時の話を聞きだした。
犯人は誰だか分かっているという千寿。その人物は有名司会者でタレントの、鴻上正宗(袴田吉彦)だった。凶器を奪われてしまった以上、別の証拠を作ればいいという千寿だが、2年前の事件当日、鴻上は生放送の番組に出演していたという完璧なアリバイがあり……。
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【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】5話のネタバレ要約
自分になびかなった千佳に怒った鴻上は美佳の自宅に行き、そこにあった包丁で美佳を殺害し逃亡した。
千寿と不破が作った生放送のアリバイを崩す証拠により、鴻上は追い詰められていく。
鴻上を逮捕しようとするが、何者かに不破たちは襲われ、取り逃がしてしまう。ファイルをその後見た千寿は、鴻上が海外逃亡した後に死亡したことを知る。
真犯人は捕まらなかったが、新山の無実は証明され、壮太と2人で暮らすことになった。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】5話の詳細なネタバレ
真犯人の正体
不破利己(杉野遥亮)と新山博一(後藤剛範)が待ち合わせていた廃ビルの暗がりに、真犯人が姿を現した。突如、不破は鉄パイプで殴り倒され、意識を失いかけた。その男は低い声で「俺を裏切ったな」と言いながら、足元に落ちていた包丁を拾い上げ、新山にも殴りかかろうとする。その瞬間、飛鷹千寿(反町隆史)が現れ、新山は間一髪で助けられた。不破はすぐに病院へ搬送された。
病室で静かに眠る不破を見つめていた千寿のもとに加勢英雄(中村俊介)が現れる。「新山を指名手配するしかないな」と加勢が言うが、千寿は毅然とした口調で答えた。「不破を襲ったのは、新山じゃない」
その後、千寿は新山をバーの地下へ連れて行き、壮太(石塚陸翔)と対面させた。「2年前、本当は何があったのか話してくれ」千寿の問いに、新山は深い溜息をつきながら話し始めた。「あの夜、俺は美佳に謝るつもりで家を訪ねた。虐待のこともあって、あいつに育児を押しつけた責任を感じたんだ」
新山が家に近づくと、目の前をフードをかぶった男が横切り、そのまま玄関を開けて家に入っていった。その後、怒鳴り声と悲鳴が響き、不破が走って家に入るのを見た。新山が近づいたとき、フードの男が足早に出てくるのが見えた。気になって中に入ると、不破が倒れ、不知火美佳(樋井明日香)が包丁を腹に刺された状態で横たわっていた。「あの子をお願い……」美佳はか細い声で呟き、壮太が駆け寄ると、気が動転してその場から逃げ出してしまったのだ。
井伏愁(観月ありさ)が尋ねた。「どうして今まで黙っていたの?」新山はため息をつき、「脅されていたんだ」と語り始めた。事件後、新山のもとに見知らぬ人物から電話がかかってきた。「美佳さんを殺害しましたよね?」と冷たく告げられた声。取引を持ちかけてくる犯人に反発した新山だったが、「息子さんがどうなってもいいんですか?」という一言に逆らえなかった。「あなたが黙っていれば、この事件は誰も捕まらずに未解決のままだ。息子さんの命も保証する」と脅され、新山は壮太に会うことすら避けてきた。
「ずっと凶器を持っていることで牽制していたが、奪われてしまった今、どうすればいいか……」と不安げな新山に、千寿は「後はこっちでなんとかする」と力強く告げた。
そして千寿は、犯人はわかっていると続けた。「壮太くんが教えてくれた。あの夜、彼が聞いた声は……鴻上正宗の声だった」その名前を聞いた新山と壮太の表情は凍りついた。
千寿の持つ「HIDE&SEEK」ファイルには、鴻上正宗(袴田吉彦)の名前で美佳の事件がヒットしていた。真実を証明するためには、別の証拠を作るしかないと千寿は静かに決意した。
完璧なアリバイ
オクラの部署内で、牧原祈里(青木さやか)が口を開いた。「鴻上が容疑者かもしれないんですって」だが、この情報を聞いたメンバーは半信半疑だった。結城倫子(白石麻衣)も「まさか」と首を振る。しかし、被害者の顧客リストの中に確かに鴻上の名前があったため、祈里と吉岡雷(前田旺志郎)は彼に直接会いに行ってた。
鴻上に話を聞く二人だったが、彼は軽くあしらい、真面目に取り合わないまま終わってしまった。さらに、彼には2年前の事件当日、生放送の番組に出演していたというアリバイがあったのだ。
その頃、不破が病室で目を覚ますと、傍らに志熊亨(有澤樟太郎)が立っていた。「新山の行方を知らないか?」と尋ねたが、不破は首を横に振るのみだった。志熊は加勢に報告し、そのまま不破を見張るように指示されるが、戻ってみると不破の姿は消えていた。
一方で、吉岡が当日の録画を確認したところ、確かに鴻上は13時に箱根から中継をしていた。その番組は4時間の生放送で、鴻上は第2部が始まる15時にはスタジオに戻っていた。美佳の家から悲鳴が聞こえたのは13時11分だったため、彼が現場にいるのは物理的に不可能だと吉岡は結論付けた。
その後、駐車場に行った千寿の前に、不破も姿を見せた。「私の事件です。寝てるわけにはいかないんですよ」不破の強い決意に、千寿は静かに頷いた。「生放送が実は録画だった可能性があるなら、アリバイは一気に崩れる。相手の反応を見て、当たってみるしかないな」そう言う千寿に、不破は少し戸惑いながらも口を開いた。「私が間違っていました。壮太くんのことも、新山博一のことも、信じようとしなかった。あなたの言う通り、先入観で動いていました」
千寿は穏やかな表情で、不破を見つめながら答えた。「誰だって過ちは犯す。傷や痛みは残るし、やり直すことはできない。ただ、次に生かすことはできる」その言葉に救われたように、不破は千寿の隣で録画を再確認していると、何かに気づいた。「見つかりそうですよ、決定的な証拠が」
意外な盲点
千寿たちは鴻上の元へと向かい、問い詰めに入った。その場で鴻上の手には火傷の跡があることを確認し、千寿は静かに切り出した。「オープニングからの1時間の映像、録画の可能性があるんじゃないですか?」
その日は総裁選の放送が予定されており、溝内幹事長が総裁に選ばれた。千寿は冷静に続けた。「当時、総裁選には3名の候補者がいた。事前に3パターンの映像を用意しておけば、選ばれた候補者の映像を生放送のように見せることができますね」
さらに、番組スタッフへの聞き取りでは情報が得られなかったものの、映像には信号機の点検を行う業者の姿が映り込んでいた。交通管制課の記録を調べたところ、信号機が点検されたのは2年前の10月11日、つまり総裁選の放送日前日だった。この証拠により、番組が前日に収録されたことが明らかになった。
それを聞いた鴻上はしれっと「急遽番組を変更しただけだ。俺が事件を引き起こしたわけじゃない」ととぼけたが、千寿は冷ややかに告げた。「あなたのアリバイが崩れた。それだけですよ」
不破も、鴻上の手にある火傷の跡を見て記憶が蘇った。「襲われた時、この火傷の跡を見た……あの時の男だ」千寿はその場の緊張感をもろともせず、不破を見つめ「ここからが、俺たちの本領発揮だ」と微笑んだ。
その頃、志熊が加勢に報告していた。「オクラが鴻上のアリバイを崩しました」加勢は静かに目を伏せ「鴻上が本ボシか……そろそろ潮時かもな」
証拠を捏造
不破は新山に会い、これまでの行き違いについて謝罪した。新山は静かに頷き、「すべてを打ち明けられなくてすまなかった。それに、壮太の面倒を見てくれて、本当に感謝している」と言い、過去の誤解を水に流すように許した。
壮太も不破と新山のやり取りを聞きながら、ふと口を開いた。「お母さんは、僕のことが嫌いだったかもしれない。でも、僕はお母さんのことが好きでした」その一言に、新山と不破の胸は締め付けられるようだった。
事件解決のため、千寿たちは新たな証拠を捏造することを決めた。「新山以外に犯人がいるように仕立て上げるしかない」千寿は意を決して、鴻上が目撃されたとされる映像を、監視カメラやドラレコで再現する計画を練り上げた。
全員で証拠映像を探していると、不破がついに映像を発見して戻ってきた。「監視カメラじゃなかったけど、ドラレコが使えそうです」
計画が整ったところで、千寿は「映像はドラレコでいけるとして、再現には新山に実況見分をしてもらおう」と提案した。最終的に、千寿がフードの男を演じた捏造映像を完成させた。
その映像を見た幾多学(橋本じゅん)は、「加勢に応援を頼もう」と提案したが、加勢はこれを却下。「フードの男が鴻上正宗だとは、これだけでは断定できない」
予想していた千寿は、用意していた「血のついたシャツ」を取り出した。「これは2年前、不破が着ていたシャツだ。鴻上とも見合っていたなら、DNAが出るはずだ」
加勢はやや渋々ながらも「勝手にしろ」と言い、幾多が科捜研にシャツを持ち込んだ。
不破が疑問を投げかけた。「このシャツがあれば、ドラレコの映像は必要なかったんじゃないですか?」千寿は微笑を浮かべ、「分かってないね。説得力が重要なんだよ」
実際、シャツには鴻上のDNAは付着していなかったが、千寿は以前に鴻上のオフィスから持ち帰った紙コップでDNAや指紋を採取しており、その証拠で決着をつけるつもりだった。
新山は井伏に問いかけた。「これって違法捜査ですよね?どうして、ここまでしてくれるんですか?」井伏は静かに目を伏せ、「これが、あの人の正義なの。無理やりこじ開けるしかない、パンドラの箱を開けるようにね」
逃亡
鴻上は港のそばにある薄暗い倉庫に足を踏み入れた。そこへ千寿たちが現れ、不破が冷たく言い放った。「今、検査中だ。どこにも行かせない」
「なぜ美佳を殺害した?」と千寿が問い詰めると、鴻上は不敵な笑みを浮かべた。「あの女がいけないんだよ。俺の誘いをことごとく断りやがって……“落ち目のタレントの介護なんかしたくない”って笑いながら言いやがった」その言葉で殺意が芽生えたという。
あの日、鴻上は美佳の家にやってきて、目についた包丁を手に取った。美佳が立ちはだかり2階に行こうとするのを阻止しようとするが、逆に鴻上はその腹を刺し、現場から逃げ去ったのだ。「30年、この世界で生きていて怖かった。ただ認めて欲しかったんだ」と鴻上は言い放つ。
その言葉に、不破は激昂し、鴻上の襟を掴み上げて投げ飛ばした。「そんなことで、彼女の未来を奪ったのか!」怒りのこもった声でさらに鴻上に詰め寄る。「彼女に至らない点があったかもしれない。でも、それを償うことも、次に生かすことも、お前が奪ったんだ!」鴻上は不破の言葉に言い返せず、冷たく笑うだけだった。
「あなたは法の下で裁かれる。自分の罪と向き合え」と千寿が言い放ったが、鴻上は鼻で笑い、「今更、向き合ったところで何になる?」と嘲笑った。
千寿はさらに問い詰める。「2年前、なぜ警察が見張っている中で被害者を殺害できたのか?なぜ監視カメラには何一つ映っていなかったのか?なぜルーキーと新山の居場所が分かっていた?そして、逮捕状が出る前に高跳びしようとしたのか?あなたには警察の後ろ盾があるんですよ。誰と繋がってるんですか?」だが鴻上は「言えるかよ」と言い捨てるだけだった。「奴らにはまだ俺の存在が必要なんだ。俺は捕まらない」
その瞬間、倉庫の室内が暗くなり、何者かに襲われた千寿たちが気づいた時には、鴻上の姿は消えていた。
その後、幾多がオクラに戻ると、加勢が待っていた。鴻上の連れ去りについて報告すると、加勢は「そうか、それは残念だな」とだけ言って立ち去ろうとする。幾多は意を決して問いかけた。「あなたの仕業ですか?」加勢は冷たく「何の話だ?」と答えないと、幾多は「私が知らないとでも?」と追及する。しかし加勢は「憶測で語らないほうがいい。定年までいたいならな」と笑みを浮かべながら去っていった。
その夜、千寿はファイルを再び見つめていた。鴻上のページには「A国へ逃亡→その後、死亡」と記されている。千寿は「ブラックリスト」というフォルダを開くと、そこにはオクラのメンバー全員のプロフィールが並んでいた。「この中に……」千寿は何かを掴みかけたようにファイルを凝視していた。
【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】5話の結末
壮太の父親の無実が証明され、不破は壮太を連れて、父親のもとへ引き渡そうとしていた。別れの直前、壮太は1枚の絵を不破に差し出した。「今まで、ありがとう。お兄ちゃんがいてくれたから、寂しくなかったよ」壮太はそう言って、柔らかく笑った。
不破は膝をついて壮太に伝えた。「君に伝えないといけないことがあるんだ。お母さんは最期まで君を守ろうとしながら、こう言っていたよ――“壮太を愛している。空から君の幸せを祈っている”って」壮太は「お母さん……」と小さく呟き、目に涙を浮かべた。不破は壮太の頭を優しく撫で、「お母さんも君のことが大好きだったんだ。僕も君の幸せを祈っている」と穏やかに告げた。
壮太は涙を拭い、「うん、じゃあね」と頷き、父親の元へ歩いていった。新山は不破と千寿に深々と頭を下げ、二人もそれに応えるように見送った。
その光景を見ながら、千寿がぼそりと呟いた。「彼女、そんなこと言ってねえだろ」不破は少し笑みを浮かべ、「いいんですよ。あれで壮太くんが前を向けるなら、捏造だって構いません」千寿もその言葉に軽く頷いた。
その後、不破は千寿に尋ねた。「これからも続けるんですか?あなたの正義を」千寿は冷たく言い放った。「お前には関係ない。忘れろ」だが、不破は微笑み、「できるわけないでしょう。あなたの正義を見極めるって言ったじゃないですか。しょうがないから、これからも付き合ってあげますよ」
千寿はその返答に少し驚きながらも「どうなっても知らねえぞ」と告げるが、不破は毅然として答えた。「覚悟はできていますよ、千寿さん」
その頃、加勢のもとにはあるメッセージが届いていた――「飛鷹千寿を始末しろ」
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【オクラ〜迷宮入り事件捜査〜】5話のまとめと感想
真犯人を見つけて追い詰めるが逃げられてしまい、その後犯人は海外で死亡していたという話でした。
2話にわたってやった話は、最終的に真犯人を見つけますが、逃げられてしまいます。どうやら加勢が手を回しているようです。
捏造をして犯人を挙げる千寿と、犯人に手を回して逃す加勢。どちらも違法といえば違法ですが、よりたちが悪いのはやはり加勢でしょう。いずれにしても全て警察の都合で決まります。
どうやらハイド&シークは、人の名前からしか検索できないようです。なぜ事件名からも検索できるファイルにしなかったのか謎です。
今後の展開として、オクラメンバーのうち、幾多、鷲沢、倫子関連の事件の話がまだなので、それは描かれるのだろうと思います。特に倫子は結城真一の死もあるので、ガッツリ描かれるはずです。
オクラメンバーのうち、誰かが内通者っぽい雰囲気です。さらに幾多は加勢に「私が知らないとでも?」と言っていたりするので、単なるギャンブル狂ではないように見えました。
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