WOWOWのオリジナルドラマ【1972 渚の螢火】3話のネタバレと感想をまとめています。
沖縄本土復帰まで7日。高級会員制クラブの裏のオーナーを突き止めた真栄田たちは、宮里の女の尾行して彼らがかくまわれるアジトへ行く。そこに現れた人物に真栄田は驚く間もなく、武装した男たちがアジトに突入し……。
【1972 渚の螢火】3話のあらすじ
『連続ドラマW 1972 渚の螢火』
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) October 26, 2025
第二話ご視聴ありがとうございました❗️
【第三話 夜明け前】
11/2(日)午後10:00~放送・配信🔥#1972渚の螢火 で感想&考察をお待ちしています📝
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新里愛子(清島千楓)が高級会員制クラブ「サザンクロス」の従業員から聞き出した情報によると、裏のオーナーは月に一度売上金を回収しにやってくるという。真栄田太一(高橋一生)は愛子と一緒に張り込み、やってきたのはなんと川平朝雄(沢村一樹)だった。
その後、真栄田は宮里武男(嘉島陸)の女である伊波正美(MAAKIII)のバーを張り込む与那覇清徳(青木崇高)の所へ差し入れしに行く。与那覇は真栄田を誘い、2人でバーに潜入を試みる。
再び張り込んでいるとどこかへ出かける正美。その後を追い、たどりついた場所にもまた川平が現れ……。
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【1972 渚の螢火】3話のネタバレ
玉城と新里がサザンクロスの登記簿や関係者の戸籍を調べて裏取りをしていると、川平は養子に入ったことで苗字が変わっていたことが分かり、サザンクロスの実質的所有者であることが裏付けられた。
正美は宮里たちがかくまわれているアジトに行き、清明祭をその場で行っていた。そこに川平もやってきたのを見て、外で見張っていた真栄田たちは驚く。さらに武装した男たちが建物内に入ると、宮里たちに発砲を始めた。
金の入ったアタッシュケースを持って正美と逃げる宮里、仲間は男たちに応戦するが撃たれてしまう。銃声を聞いて真栄田たちも建物に突入すると、傷一つない川平を見つけて銃を向けた。
同じ手口
1953年5月、青年が警察の制止を振り切り、殺害現場へと踏み込む。そこには若き日の喜屋武幸勇(ベンガル)や座間味喜福(藤木志ぃさー)の姿もあった。現場にはシズという女性の遺体が横たわっており、幼い頃の宮里はその亡骸に向かって「ねーね」と何度も呼びかける。青年は幼い宮里の目を抱きしめるように覆い、その光景を見せまいとした。
1972年5月5日、東京。真栄田真弓(北香那)は真栄田太一(高橋一生)と電話で話していた。話題は本土の新聞で沖縄がどのように扱われているかというものだった。真弓は、復帰を10日後に控えているというのに、周囲にはその雰囲気がまったく感じられず、人々の関心も薄いようだと伝える。真栄田はその言葉に少し気落ちしながらも、真弓の体調を気遣った。
謎の外国人
日本銀行那覇支店の開設式典が行われ、会場には喜屋武や座間味の姿もあった。川平朝雄(沢村一樹)が乾杯の挨拶を務める中、喜屋武は会場にいたある外国人を見つけ、「いました」と座間味に声をかける。その後、川平はオーガスト・ミラー(ジェフリー・ロウ)と密談を交わし、座間味たちはその様子をうかがっていた。
一方その頃、与那覇清徳(青木崇高)はバーで宮里武男(嘉島陸)の女・伊波正美(MAAKIII)を見張っていた。そこへ比嘉雄二(広田亮平)から無線が入り、コザで娼婦が殺されたという報告を受ける。与那覇は現場に向かい、なぜ帳場を立てて本格的な捜査を行わないのかと、上層部の判断に憤った。
同じ頃、真栄田と玉城泰栄(小林薫)は捜査の進捗を座間味たちに報告していた。CID内部から情報が漏れている可能性があること、そして正美を監視していることも伝えられる。しかし、事件の進展が見えないことに、2人は苛立ちを募らせていた。
裏のオーナーの正体
新里愛子(清島千楓)はサザンクロスの従業員である坂田()と親しくなり、裏のオーナーに関する情報を探っていた。その内容を報告に行くと、真栄田は愛子の身を案じ、危険な行動をとったことに怒りを見せる。愛子は自分もチームの一員だからこそ行動したのだと反論するが、玉城は「一員だからこそ心配なのだ」と諭した。売上金の受け渡しは毎月第1日曜に行われ、翌日がその日であることがわかる。真栄田は「明日、一緒に裏のオーナーを確認しよう」と愛子を誘った。
翌日、2人は車の中で見張りを続けながら話をする。愛子の両親はずっと基地内で働いており、周囲も皆そうだったという。彼女はアメリカへの憧れを抱いて育ち、本土復帰で両親や友人たちが職を失うのではないかと心配していた。「沖縄にとって本土復帰って、本当にいいことなんでしょうか?私、わかんないんです」と愛子は口にする。頭では理解していても、心の中ではもやもやが残っているのだ。
真栄田は静かに語る。「石垣から沖縄に来れば“いぇーまんちゅ”と馬鹿にされ、本土に行けば“うちなーんちゅ”と蔑まれ、沖縄に戻れば“ないちゃー”って呼ばれる。本当に忙しいもんだ」とこぼした。愛子はその言葉に耳を傾け、真栄田が自分を「新里」と呼び捨てにしたことを嬉しそうに感じていた。自分も一員とようやく認められた、そんな気がした。
やがて1台の車が現れ、愛子はカメラを構える。やってきたのはなんと川平だった。
与那覇の過去
与那覇が張り込みをしている場所に、真栄田が差し入れを持って現れる。たばこが切れていた与那覇に、真栄田は黙って1箱渡した。真栄田は、サザンクロスの裏に川平が関わっていると話し、現在その裏を取っている最中だと伝える。与那覇はコザでまた殺人が起きたことを知らせ、喜屋武が「所轄だけでやれ」と指示を出したと話す。どうやら、連続殺人事件として扱いたくないらしい。
ふと与那覇は真栄田が結婚していたことに気づくと真栄田は「お前は?」と尋ねる。与那覇はかつてコザ署にいた頃、中学校の教師と付き合っていたと明かす。相性は悪くなかったが、結局うまくいかなかったという。
話題は次第に、かつてのコザ騒動へと移っていく。与那覇は静かに語る。「あの頃の沖縄は怒りに溢れていた」。発端は、米兵がうちなんちゅを車でひいた事故だった。事故を起こした車を人々が取り囲み、そこへ駆けつけたMPが威嚇発砲したことで、長年の鬱憤が一気に爆発した。群衆はMPや米軍関係の車を横転させ、火を放ったという。
与那覇はその鎮圧に駆り出され、現場の凄惨さを今も忘れられないと語る。MPだけでなく、警察官である自分たちにも石や罵声が容赦なく飛んできた。その群衆の中に、当時の恋人・ミナミ()の姿があった。与那覇を見た彼女は、「なにをやってるの?どっちの味方なの?うちなーんちゅでしょ?恥ずかしくないわけ?」と怒りをぶつけた。与那覇は何も言い返せず、ただ職務を続けていた。
「あの時、何も伝えられんかった。俺は一体、何を守ってるのか分からんかった」と、与那覇は遠い目でつぶやいた。
接触
与那覇が「辛気臭くなった」と言って話を切り上げ、真栄田を連れ出して「接待に来たふりでバーに行ってみるか」と誘う。真栄田はその誘いに乗り、2人で店に入るが客は誰もいなかった。真栄田は東京から来た建設業者だと名乗り、会話を合わせる。
やがて正美も席につき、3人で酒を飲み始める。場が和んだところで、真栄田は何気なく暴力団の話題を出す。関西から潜り込んでいる連中がおり、通報すれば金になるという話を持ち出し、関西弁を話している者を片っ端から通報すればいいと言う。その会話を、正美は注意深く聞き耳を立てていた。
裏取り
琉球政府行政ビルでは、愛子と玉城が戸籍や登記簿を調べていた。やがて愛子が重要な事実を発見する。サザンクロスの土地所有者として記載されていたのは「仲間征雄(なかままさお)」であり、その戸籍には三男・朝雄が川平宗健と養子縁組していると記されていた。つまり、現在の名は川平朝雄であり、サザンクロスの土地は実質的に彼の所有だった。
さらに法人登記簿を調べると、サザンクロスの当時の役員の中に川平の名前があることがわかる。建物の所有者3人もまた川平興業の取締役に名を連ねていた。そして琉球中央銀行の西銘()にサザンクロスを紹介したのも彼らだった。最初から川平が深く関わっていたのである。愛子は書類を見つめながら、小さくつぶやいた。「川平って一体何者なの……」
【1972 渚の螢火】3話の結末
与那覇たちは比嘉を加え、車の中でバー周辺を見張っていた。やがて1台のタクシーが到着し、正美がその車に乗り込む。タクシーが走り出すと、与那覇たちはすぐに後を追った。車が止まると、正美は花束を抱えてどこかへ向かう。その直後、川平の車も同じ場所に現れた。
川平は宮里たちの潜伏するアジトへと姿を見せる。そこには正美の姿もあった。宮里、正美、川平の3人は紙を燃やしながら清明祭を行い、終えるとみんなで三線を弾いて歌い踊っていた。
しかしその平穏な時間は突如破られる。武装した男たちが車で乗りつけてくるのを確認し、真栄田たちは拳銃を手に建物へと向かう。武装集団は催涙弾とスモークを放ち、建物内に突入。銃声が響き渡る。真栄田たちも急いで中へ入り応戦するが、又吉キヨシ(神田青)が撃たれ、続いて照屋ジョー(モクタール)も倒れる。
混乱の中、正美と宮里はアタッシュケースを抱えて逃走。知花ケン(栗原颯人)は手榴弾を手に応戦するも撃たれ、最後の力で敵を抱えたままピンを抜き、自爆した。爆発後、現場には宮里の仲間たちの遺体や瀕死の者たちが転がっていた。
与那覇と真栄田は爆風を免れ、無事だった。真栄田は逃げていく宮里たちに2階から銃を向けるが、引き金を引く前に彼らはすでに遠くへ走り去っていた。物音に気づいて振り向くと、そこには傷一つない川平の姿があった。真栄田が銃を向けても、川平はまるで意に介さないように立ち尽くしていた。
沖縄の本土復帰まで、あと7日。
【1972 渚の螢火】3話のまとめと感想
サザンクロスの裏のオーナーは川平で、現金強奪事件に最初から関わっているのが分かったという話でした。
ドラマ冒頭で「ねーね」と呼ばれる女性が、今の連続娼婦殺害事件と同じ手口で殺され、遺体で発見されます。そして幼い宮里を青年時代の川平が抱き締めて、遺体を見せないようにしました。その後、アジトで清明祭を「ねーね」のために宮里と川平はします。
どこまでが川平の計画なのかが分かりませんが、現金強奪事件は「ねーね」を殺した犯人を捜すため行ったことなのか。それともたまたま犯人に当たったのか?
恐らくミラーが娼婦殺しの犯人で、川平はそれを知った上で敵討ちをするのか、それとも宮里たちを裏切り、商売に精を出すのか?などなど、一気に物語が動いたため、気になることが次々に出てくる回でした。
全てが解決し白日の下に晒されるとは思いませんが、もやもやが少ない終わり方であって欲しいものです。
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