【滅相も無い】最終回のネタバレと感想|夢と現実が曖昧な男

2024春ドラマ
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【滅相もない】最終話のネタバレと感想をまとめています。

今回話をするのは小学校の時に見た夢を今も覚えている男性。夢なのか現実なのか、はっきりと分からないまま生きてきた。穴を前にして、自分の人生を考えてみるが……。

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【滅相も無い】最終回のあらすじ

岡本(窪田正孝)は小学校の時に見た夢を今でも覚えていた。祖母の家に行く夢だった。夢の中で眠くなった岡本は、眠ってしまう。目を覚ますとそこはまだ祖母の家で、夢から目を覚ましていないのではないかと思った。

再び目を覚ますと後ろに気配を感じる。祖母が何やらぶつぶつ言っていた。怖くなって早く眠ろうと思うが、余計に眠れなくなってしまう。本当は夢だから起きなければいけない、太ももをつねって目を覚まそうとした。

また目を覚ますと、今度は祖母が謎の飲み物を岡本に飲むよう促してくる。何とか目を覚まさないと、そう思った岡本は包丁を手に取り……。

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最終回のプロローグ

あるとき、岡本弘毅は同級生とレストランへ向かっている最中、街が広告であふれていることに気がついた。次第に岡本は、どれが広告でどれが広告でないのか区別がつかないと感じ始めた。

店を出た三人は、SNSを通じてそれが巨大な穴であることを知った。

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【滅相も無い】最終回のネタバレ

小学校の時に見た夢

12月1日、金曜日。岡本が話し始めた。岡本は小学校の時に見た夢をまだ覚えていた。家族みんなでおばあちゃんの家に会いに行く夢だ。普段は車を使って会いに行っていたのに、夢の中ではなぜか電車で向かっていた。

祖母の家に着くと、仏壇の祖父に線香をあげた。それから祖母が「一人じゃどうしようもできないことがたくさんある」とこぼした。祖母はうつむきながら「もうね、私は一人じゃ何もできないから」と涙した。そんな祖母を岡本は不思議そうに見ていた。

海には朝日、山には夕日が映っていた。時刻は夜の9時半だった。「どうやってお風呂に入ったっけ」と思った瞬間に、夢だと気がついた。寝る前のことを思い出そうとしたが、夢の中なのに眠くなってきた。寝て起きたら夢が覚めているのではないかと思った。

朝になって目を覚まし、父と一緒に渓流釣りに出かける。父に夢の中で寝たことがあるかを聞くと、「夢の中で寝て目が覚めたら、もう一回目を覚まさないと本物の世界に戻れないだろう」と答えた。今これが夢だったらどうするかと尋ねると、父は「夢なら自由にできるから、すぐに魚が釣れると思ってみたらどうだ」と言った。そうしたら父の言うとおり魚が釣れた。

謎の液体

家に帰ると、祖母は泣いていた。岡本が心配して大丈夫かと聞くと、祖母は「おじいちゃんがもっと長く生きていたかったと言っていてね、なんで私たちは年を取っちゃったのかなと思うと涙が出てきてね」と答えた。

そこから気がつくと、また布団の中にいた。自分の家かと思ったが、目の前の窓から見える朝日で祖母の家だと分かった。まだ夢かと思ったら、後ろに気配を感じた。祖母は岡本をじっと見ていた。岡本はバレないように薄目で姿を確認した。

祖母が小さな声で何か言っている。「代わってくれよ。代わってよ」とつぶやく祖母。岡本は怖くなって早く眠りたいと思ったが、逆に眠れなくなった。

しかし夢だから、本当は目を覚まさないといけない。だから布団の中で太ももを何度もつねった。ふと目を覚ました岡本は、部屋をうろついたが誰もいなかった。扉を開けて外に出て暗い道を歩き続け、そしてまた戻ってきた。

家には祖母だけがいた。「これはいらないか?」と、謎の飲み物を飲まそうとする祖母。岡本はいらないと断るが、祖母は執拗に勧めてくる。そこに両親が戻ってきて、朝ご飯になった。岡本はご飯を食べながら急に泣き出した

目を覚ますと口の周りに何か白い液体がついている。「もういい加減にして欲しいと思いました」と岡本は言った。また別の日に目を覚ますと、あの謎の液体が入った瓶が置いてあった。岡本は急いでうがいをしに行くと、祖母がボトルを持ってまた飲むよう迫り、無理やり飲ませようとしてきた。

こういうとき、映画だとショックを与えて目を覚まそうとするが、太ももをつねってもただ痛いだけだった。そこで岡本は包丁を手にして、お腹を刺した

現実と夢の境界

再び目を覚ました岡本。目の前に広がるのは実家の風景で、夏休みの3日前だった。「今年もおばあちゃんの家に行くの?」と聞くと、父は「今年は行かない。おじいちゃんも亡くなって、あの家はもう売った」と答えた。

岡本は考え込んだ。実は祖母は去年亡くなっていた。祖父よりも先に逝っていたのだ。そもそも祖母の家に行くと思い込んでいた時点で、それが夢だったのだろうか。いつからそうだったのか、分からなくなってきた。

「これ、いつ見た夢だっけ?」と考えると、小学生のときのようでもあり、もっと後のような気もする。今は元気に働いているが、頭がぼーっとしたまま生きてきた。このまま年を取っていくのだなと思いながら、岡本は穴に入るのを悩んでいた

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【滅相も無い】最終回の結末

12月23日、土曜日。岡本は小澤に会ってノートを渡した。「まず理解しなければいけないのは、人は虚構しか共有できないということなのね」と小澤が言った。岡本が「どういうことか」と尋ねると、小澤は「赤色だと思っているものでも、同じ赤色と感じているかどうかは証明できないでしょ」と答えた。

「言葉の記号でしか共有できない。穴もそういうことだと思っていい」と続けた。岡本が「小澤は入らないのか」と聞くと、小澤は何も言わずに岡本をただ見ていた

12月30日、土曜日。岡本は穴の前で考え込んでいた。長く生きることは果たして幸せなのか、自分に問いかけていた。同時に年を取ることについても考え、自分の記録した人生の一部が自分の人生として語られるべきかとも思った。

次第に雪が降り始めたが、岡本は動かなかった。雪すら気にならない、研ぎ澄まされた状態だったからである。しかし、岡本が次に思いついたことといえば、近くに気に入っているカフェがあることだった。ホットコーヒーが頭によぎり、数秒後に岡本は雪に降られていることに気がついた。

岡本の気に入っているカフェには猫がいる。「小さなお店なんです。もともと銭湯の横についていたランドリーを改装した場所で、店に小さいドラム式が1個だけ残ってるんです。でも、今日が年末ということに気が付きました」と彼は言った。

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【滅相も無い】最終回のまとめと感想

夢か現実か分からず生きてきた男が、穴には入らなかったという話でした。

今回の話は何が現実なのか分からない話です。そして穴はなんなのか、はっきりとした説明はありません。小澤は結局穴に入るのか入らないのか、それもよく分かりません。全ては想像するしかありません。

ずっと見続けてきて思うのは、その回の主人公の成れの果てが、その回に登場人物で出ていそうだということです。今回の話でいうと、岡本の成れの果ては祖母です。7話では井口の成れの果てが、団地に住んでいた奇妙なおばさんといった感じです。

「言葉の記号でしか共有できない。穴もそういうことだと思っていい」という小澤の言葉の意味を考えてみると、“穴”は言葉の記号的には“穴”として共有できるが、みんなと自分が思っている“穴”が同じとは限らない。ということになります。

もっともらしいことを言っているように聞こえますが、それも小澤という男のトリックのように思えてなりません。つまり、なんだかんだいって小澤は穴に入らない気がします。

明確な答えがないので、つまらなく感じる人もいると思います。逆に言えば好き勝手に考えられるので、自分だけの答えを得られて楽しいドラマです。もしかしたらこのドラマ自体が“穴”ということなのかもしれません。また、舞台演劇とドラマパート、紙芝居といった演出がドラマにハマっていて面白かったです。

【滅相も無い】最終回のいいセリフ

まず理解しなければいけないのは、人は虚構しか共有できないということなのね

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