【ライオンの隠れ家】6話のネタバレと感想をまとめています。
愛生が警察に逮捕され、息子を殺したと供述をする一方、洸人はXと直接会って事情を聞く。愛生がなぜ子供を自分たちに預けたのか?その理由を聞かされた洸人は……。
【ライオンの隠れ家】6話のあらすじ
橘愛生(尾野真千子)が自分たちの前で、警察に逮捕され連行されてしまう。不意に現れた牧村美央(齋藤飛鳥)を問い詰める小森洸人(柳楽優弥)だったが、美央は「ごめんなさい」と謝り逃げてしまう。
何が起きたか分からず混乱するばかりの洸人だったが、X(岡山天音)からメッセージが届き、直接会うことになった。
Xは愛生にある依頼をされて、ライオン(佐藤大空)を洸人たちの家に連れて行ったという。姉が何のためにそんなことをするのか?その理由は……。
←5話|7話→
【ライオンの隠れ家】6話のネタバレ要約
Xこと柚留木から愛生と愁人が夫からDVを受けていたため、偽装死をして人生をやり直そうとしていたことを聞かされる。
美央は保育園で虐待を受けていた子を救えなかった過去があり、そこをXに漬け込まれて利用されていた。
洸人と美路人はライオンに、お母さんと再会するまで守ると約束した。
【ライオンの隠れ家】7話の詳細なネタバレ
混乱
小森洸人(柳楽優弥)は、牧村美央(齋藤飛鳥)の異変に気づき、真実を知るために問い詰めた。「ちゃんと説明してほしい」と懇願する洸人に、美央は「ごめんなさい」とだけ呟き、その場を去ってしまう。その様子を、近くで見ていた工藤楓(桜井ユキ)たちはカメラに収めていた。
家に戻った洸人と小森美路人(坂東龍汰)。しかし、ライオン(佐藤大空)はひどく不機嫌で、黙り込んだままぬいぐるみを渡そうとしても、それを投げ捨ててしまった。洸人はライオンの心情を理解しつつも、どう声をかけてよいか分からなかった。
翌朝、ライオンは洸人にそっと抱きついてきた。見上げた壁には、いつの間にか花の絵が描かれており、その変化に洸人は胸が締め付けられるような思いを抱いた。
その後、洸人は市役所を訪れ、美央が出勤しているかを尋ねたが、彼女からは休みの連絡があったと聞かされるだけだった。
一方、楓たちはスナック「かすみ」の開店前に集まり、美央の正体やライオンについて話し合っていた。「あの子は橘愛生の子どもだと思う」と楓が推測しつつ、「なぜそんな大事なことを隠していたのか。あれだけ一緒にいるのに、日常的に隠す理由があるなんて」と頭を悩ませていた。天音悠真(尾崎匠海)は整理をつけようと、ミックスナッツを机に並べ始める。その横で、亀ヶ谷議員の7股不倫が記事になっていたが、天音も楓も「もうこのネタは十分だ」とあっさりと切り捨てた。
その頃、警察では高田快児(柿澤勇人)と佐伯誠(谷恭輔)が橘愛生(尾野真千子)に対して取り調べを行っていた。愛生は静かに「私が息子を殺しました」と供述し、その内容はすぐにネットニュースとして広まっていった。洸人もその記事を見つめ、「迎えに行く」と書かれたノートの内容を思い出しながら、なぜ姉がこんな真っ赤な嘘をついているのかを考え込んだ。
疑念を解消するため、洸人は美央の家を訪ねた。ドアを開けた美央に対し、洸人は「ライオンについて本当のことを教えてほしい」と食い下がる。しかし、美央は「ライオンくんを守るためには、ああするしかなかったんです」とだけ答えた。「どういう意味?」と詰め寄る洸人だったが、美央は「本当にごめんなさい」とだけ言い、ドアを閉めてしまった。洸人は仕方なく家に帰るしかなかった。
その夜、洸人のスマホに一通のメッセージが届いた。「明日の17時、最後の堤防」。その短い指示に、洸人の胸には不安と期待が渦巻いていた。
偽装死
翌日、洸人は指定された堤防へ向かった。到着すると、停まっていた車に乗るよう指示され、そのまま車内で待つことになった。しばらくして車に現れたのは、Xと名乗っていた人物だった。彼は柚留木(岡山天音)と名乗り、愛生の事情について話し始めた。
「ここで話すことは絶対に口外しないでください。子どもの命がかかっています」と柚留木は重々しい口調で言った。そして、愛生が洸人に連絡を取ってきた理由を明かした。「彼女は私の依頼人です。彼女の手助けをするため、あの子をあなたの家に届けたのも私です」
柚留木によると、愛生は金銭的に困窮しており、働かなければならなかったため、息子を洸人に預けたのだという。洸人は「普通なら警察に連れて行くべきだ」と反論したが、柚留木は「愛生さんは、あなたが警察に連れて行かないことを想定していました。なぜなら、弟たちが息子を見捨てるわけがないと信じていたからです」と話した。「あなた方は彼女を受け入れてくれた、唯一の家族だと彼女は言っていました」と続ける柚留木の言葉に、洸人は複雑な思いを抱いた。
さらに、柚留木は一度だけ洸人に会おうとしたが、それが叶わなかったため、美央に協力を依頼し、洸人を見張って警察に行かせないよう頼んだという。柚留木は、愛生の真の願いを語った。「彼女が望んでいたのは、息子と一緒に人生を生き直すこと。ただ、そのために彼女が選んだのは、偽装死です」
柚留木の説明によれば、愛生は自殺に見せかけて姿を消し、遠い街で別人として新たな生活を始める計画を立てた。しかし、警察は彼女の行動を自殺と断定せず、行方不明として捜査を続けているという。
洸人は「偽装死なんて犯罪じゃないんですか?」と疑問を投げかけた。すると、柚留木は静かに答えた。「そうせざるを得ない人間が、この世には確かにいるんです。愛生さんにとっても、これが最後の手段だったのではないでしょうか」その言葉の裏には深い哀しみが感じられた。
さらに、柚留木は愛生が偽装死を選んだ理由について明かした。「それは彼女の夫、橘祥吾のDVです。最初は愛生さんだけがその被害を受けていましたが、次第に子どもにも被害が及びました」その話を聞いた洸人は、胸の奥に深い怒りと悲しみを抱えながらも、何も言葉を発することができなかった。
愛生の決意
愛生は夫の橘祥吾(向井理)のDVから逃れるため、柚留木に助けを求めた。彼女の計画は、もっと時間をかけて準備するはずだった。本来はお金を工面し、自宅に遺書を残して、慎重に家を出るつもりだった。しかし、夫からの身の危険を感じたことで、予定を早めて家を飛び出すことを余儀なくされた。
その夜、愛生と愁人は車の中で、柚留木に運ばれながら最後の時を過ごした。愛生は息子に大切にしてほしいと、ぬいぐるみを手渡し、「これが守ってくれる」と告げた。山中で車を停め、柚留木は二人を降ろした。その場で、愛生は愁人にこう語りかけた。
「ここで、橘愛生も、橘愁人も終わり。次に会うときは、新しい名前に生まれ変わるの。それまでは、愁人はライオンになるんだよ」
愁人は母から離れることを嫌がり、涙を浮かべていたが、愛生は静かに説得した。「百獣の王になるの。それが愁人の役目。そしたら、絶対に迎えに行くから。ママは約束する」さらに続けて、「それまできっと、優しいお兄ちゃんたちが守ってくれる。ママはそう信じてるから、ちょっとの間だけ、いい子で待ってて?」と話す愛生の声には、決意と愛情がこもっていた。愁人は何も言わず、ただ黙って母の言葉を聞いていた。
洸人は柚留木の話を聞きながら、姉の壮絶な決意に衝撃を受けていた。しかし、姉が結局捕まってしまった現実に、「意味がなかったんじゃないか」と投げかけると、柚留木は静かに首を振った。「いいえ。彼女はまだ諦めていません」その言葉には、愛生の揺るがぬ意志が込められているようだった。
柚留木は続けた。「これからも、あの子と一緒に暮らしてください。あの家で、世間の目から子供を守ってほしい。あの父親に気づかれないように」洸人はすぐに反発した。「限界があります。もし病気にでもなったらどうするんですか?」すると柚留木は、偽造された保険証を用意するとまで言い出した。
「それは犯罪です!」と洸人が声を荒げると、柚留木も譲らず、「ですが、これが愛生さんが人生をかけて決めた選択なんです」と言葉を返した。その強い口調に、洸人は一瞬言葉を失った。
「姉の無謀すぎる計画を、すぐには飲み込むことができない」洸人は胸の中でそう思いながら、複雑な感情に飲み込まれていった。
偽証
愛生の取り調べでは、驚愕の供述が次々と明らかになった。「もう育児に疲れちゃったんです」と、彼女は疲れきった声で語り始めた。「息子と心中しようと思いました。もう嫌だったんです。あんな毎日から、いい加減逃げたかった…」
愛生は、息子の首を絞めた時のことを振り返りながら供述した。「それで首を絞めたら、息子が気を失ってしまって…そのまま橋から突き落としました」しかし、その後、自分も飛び込もうとした時に気づいたという。「息子がいなくなれば、これで自由になれる。一人で楽しく生きられると思ったんです。そして新しい人生を始めようと決めました」その冷たい言葉に、取り調べ室の空気は凍りついた。
その頃、洸人は美路人(坂東龍汰)にライオンについて話そうとしていた。しかし、美路人はその話を聞いているような、聞いていないような曖昧な態度で、洸人は歯がゆさを覚えながらも無理に追及しなかった。
一方で、洸人は吉見寅吉(でんでん)のもとを訪れ、ライオンを迎えに行った。「ここまで本当に、よく頑張ったね」とライオンを抱きしめ、心から褒める洸人。その言葉に、ライオンは小さな笑顔を見せた。
しかし、ニュースでは衝撃的な内容が報じられていた。「橘愛生が息子を橋から突き落としたと供述し、警察が子どもの捜索を続けている」と記事になっていた。そのニュースを、祥吾は無表情で見つめていた。
美央の償い
洸人は、美央に電話をかけた。彼女は少し戸惑いながらも、「今、墓地にいる」とだけ伝えた。洸人がその場所に向かうと、美央はひとつのお墓の前で手を合わせていた。その墓石には、幼い子どもの名前が刻まれていた。
「保育士時代に担当していた園児です」と美央は静かに語り始めた。その子は親から虐待を受けており、最初に異変に気づいたのが美央だったという。しかし、当時新人だった美央は、どう対処していいのか分からず、園に相談したものの、親からの高圧的な態度や園の対応の遅れに、手をこまねく日々が続いた。
「ずっと、このままじゃだめだと思ってた。でも結局、動けなかったんです。その後、その子が亡くなったと聞いた時、頭が真っ白になりました。私がもっと早く動いていたら、きっと何かが変わったはずなのに。その子も、きっと大人になれたはずなのに…」と、美央は涙をこぼしながら続けた。そして、自嘲するようにこう言った。「結局、私が見殺しにしたってことなんです」
その出来事をきっかけに、美央は保育士を辞めた。「このままじゃ何も変わらない」と思い、今の仕事を選んだという。そして、柚留木に声をかけられたのは、ショッピングモールで偶然出会った帰りだった。彼女の過去を知り、それを利用するためだったのだろうと美央は語った。
「何度も断ろうとしたんです。でも、どこかで期待していたんだと思います。自分の力でライオンくんを守れたら、過去に私がしたことも償えるんじゃないかって。でも、途中で気づきました。亡くなった子とライオンくんは違う。償えないんです…」と、声を震わせる美央。「やっぱり、最初から全部話すべきだった」と後悔をにじませた。
洸人は静かに頷きながら言った。「結果的に、ライオンを守れた。それだけで十分だよ。ありがとう」その言葉に、美央は驚きと喜びが入り混じった表情を見せた。
変装
祥吾は周囲が腫れ物を扱うように接してくる中、ひとり考え込んでいた。「気を落としてるわけじゃないんですけどね」と呟きながらも、その視線には強い決意が宿っていた。「愛生が愁人を殺すなんて、絶対にありえない。なんとしてでも、愁人を見つけ出してみせる」すると、傍らの樺島(後藤剛範)が提案する。「世間を味方につけて、うまいこと捜しましょうか」その言葉に、祥吾は考えを巡らせていた。
その頃、洸人は貞本洋太(岡崎体育)に声をかけられた。「お前のところで預かってる子供、もしかして…」と問い詰められ、ネットニュースを見せられる。そこには、ライオンの顔写真と共に、祥吾が息子への思いを語るインタビュー記事が載っていた。「これ、やばいことになってるんじゃないのか?」と心配する貞本の言葉に、洸人も動揺を隠せなかった。
仕事を終えると、洸人の前には楓たちが待ち伏せしていた。「この前、遊園地でこの子と一緒にいましたよね?」と問い詰める楓。「隠していることを教えてください。あなたは何を隠しているんですか?」と鋭い目で追及してきた。そんな時、美央が現れ、「デートなんです」と洸人を連れ出した。楓は、遊園地で見た女性が美央だとすぐに気づき、何か裏があると直感していた。
美央と洸人は並んで歩きながら、状況の深刻さを話し合った。「結構まずいことになってる」と洸人が漏らすと、美央は真剣な表情で「私も協力できないかな」と申し出た。「3人と一緒に過ごして、本当に楽しかったんです。今さら関係ないとは思えません」その言葉に、洸人は柚留木に言われた言葉を思い出す。「もう、関係ないなんて言えないんだよね」
「何ができるんだろう…どうしたらライオンを守れる?」と洸人が呟くと、美央は「気休めにしかならないかもしれないけど」と提案を持ちかけた。
その後、洸人と美央はライオンを迎えに行った。美央は美路人に謝罪し、ライオンにも怖がらせたことを詫びた。ライオンはしばらく美央を見つめていたが、やがて許した。洸人と美央はほっと胸を撫で下ろした。
ライオンには新しい洋服を用意し、メガネをかけさせるなど変装を施した。美路人は、「縞模様が肉食動物から身を守るのにいいんだよ!」と力説していたが、あまり取り合ってもらえなかった。それでも一同はライオンの髪型を変えることにし、少しでも目立たないよう工夫を重ねた。
新たな姿のライオンを前に、洸人は改めて彼を守るために何ができるのかを胸に問い続けていた。
新しい約束
ライオンは風呂から出ると、シマウマ柄の服を身にまとっていた。その姿を見た洸人は、思わず笑みを浮かべた。「自分の中に、まだ笑える気力があるなんて…」と、自分でも驚きながら感じていた。
洸人はふと真剣な表情になり、「二人とも、ちょっといい」と美路人とライオンを呼び寄せた。そして、ライオンの大事なぬいぐるみの中にノートが隠されていることを明かした。「このノートに新しい約束を追加したいと思うんだ」と洸人は言い、その内容を静かに伝えた。
「ライオンのお母さんが戻ってくるまで、僕たち三人で笑って暮らそう。そのために、僕とみっくんでライオンを守る。約束するよ」洸人の真剣な言葉に、ライオンは目を輝かせたが、突然顔を曇らせて言った。「でも、ママは破った!どっか行っちゃった!」その声には、深い悲しみと怒りが込められていた。
洸人は静かにライオンの目を見つめ、「ライオンのお母さんは、きっと諦めていないよ。まだ思いは続いている。でも、今すぐに戻るのは難しいから、僕たちに頼んだんだ。『ライオンを守って』ってね」と優しく諭した。ライオンは少し考えた後、「ママが洸人にそう言ったの?」と尋ねた。洸人は「この前、そう頼まれたんだ」と答えた。捕まった際、愛生が口走った言葉がそうだと洸人は思っていた。
「だから、三人でお母さんを待とう」と洸人は改めて提案した。美路人もその場で、「僕とお兄ちゃんとライオンは、同じプライドの仲間です。安全なプライドです」と力強く話した。
ライオンが「ママ、次は会える?」と尋ねると、洸人は笑顔で「うん、それまでに一緒にもっと強くなっておこう。約束だよ」と言い、小指を差し出した。ライオンは躊躇しながらも小指を絡め、指切りをした。美路人も同じように指を絡め、さらにはライオンのぬいぐるみも一緒に絡めて約束を交わした。
その微笑ましい会話をぬいぐるみに入ったマイクから、柚留木が静かに聞いていた。彼は何も言わなかったが、その目にはどこか安心したような光が宿っていた。
一方で、洸人はSNS上でライオンの話題が拡散し始めているのを見て、不安を感じていた。
【ライオンの隠れ家】6話の結末
朝からライオンと美路人は大騒ぎだった。洸人は半ば呆れながらも、その賑やかさに少し救われるような気持ちを抱いていた。
一方、祥吾は自宅で愛生の遺した持ち物を整理していた。その中から、一通の手紙と古びた写真を見つける。写真には、愛生と母親が一緒に写っていた。祥吾の脳裏には、結婚したばかりの愛生が「初めて家族ができた」と喜んでいた日のことが鮮明に蘇った。
しかし、さらに荷物を調べていると、驚くべきものを見つけた。そこには、愛生が書き記した弟たちについての記録、さらには最近の美路人と洸人の写真までが含まれていた。祥吾の表情は一瞬で険しくなり、怒りがこみ上げてきた。
その時、洸人たちの家の玄関のチャイムが鳴り響いた。モニターで見ると、そこには楓が立っていた。なぜここが分かったのか、洸人は驚きを隠せなかった。
←5話|7話→
【ライオンの隠れ家】6話のまとめと感想
愛生と息子は夫にDVを受けていたため、偽装死をして新たな人生をやり直そうとしていたという話でした。
今回色々謎だった部分が分かります。美央がXを手伝っていた理由も、自分が救えなかった子供に対する贖罪からでした。Xこと柚留木自身もサバイバーなのではないか?そんな雰囲気を感じます。
愛生が殺害を自供してしまっているので、しばらく出て来れないのではないかと思いますが、物的証拠もないし釈放される可能性もありそうです。
楓と天音は洸人たちの味方になり祥吾の件だけでなく、建設会社とリニア利権をめぐる黒い関係を暴きそうな気がします。
もっとも後で、実は虐待をしていたのは愛生でした、みたいなことがなければですが。いずれにしても洸人たちは、巻き込まれて大変だなとしみじみ思います。
←5話|7話→