貫地谷しほりさん演じる神木恭子と岸谷五朗さん演じる折原のコンビが、警察組織に潜む悪を暴くというストーリーとなっています。前回放送してから2年ぶりに復活しました。今回神木は刑事ではなく警務課勤務となりますが、どうやって事件を解決するのか?警察が関わる深い闇を暴きます。
【黒薔薇2 刑事課強行犯係 神木恭子】の基本情報
- 放送局:テレビ朝日
- 放送日時:2019年9月22日(日)21時~
- 原作:二上剛
「黒薔薇 刑事課強行犯係 神木恭子」
「ダーク・リバー 暴力犯係長 葛城みずき」(講談社文庫) - 脚本:春日光蔵
- 音楽:吉川清之
- 監督:和泉聖治
- プロデューサー:大川武宏(テレビ朝日)、大江達樹(テレビ朝日)
中村和則(OHC)、岡崎道徳(OHC) - 制作:テレビ朝日、OHC(オフィス・ヘンミ・クリエイティブ)
【黒薔薇2 刑事課強行犯係 神木恭子】のキャスト
- 神木恭子(貫地谷しほり)
- 折原圭作(岸谷五朗)
- 辻井幸則(柳葉敏郎)
- 島垣雅也(川口 覚)
- 安岡 章(宮本大誠)
- 木下 宏(木下ほうか)
- 神大寺義経(ミッツ・マングローブ)
- 班目 淳(小沢和義)
- 神木綾子(丘みつ子)
【黒薔薇2 刑事課強行犯係 神木恭子】のあらすじ
黒川署で内勤の警務課で働いている神木(貫地谷しほり)は、ある日の宿直で老婆の変死体が見つかった現場に臨場させられる。すでに腐敗しており、孤独死のように見えたが、神木は他殺の可能性も感じ取る。しかし、鑑識課の島垣(川口覚)を運転手に堂々と現れたエリート検視官・安岡(宮本大誠)は、一人現場の部屋にこもっての検視を終えると急性心疾患で処理。神木が意見をする暇もなく、安岡はさっさと退場、島垣も神木に「すみません」と頭を下げるしかないようだ。
公式HPより引用
臨海署から黒川署に異動してきた折原(岸谷五朗)が、孤独死した老婆の部屋から現金を盗んだという疑いをかけられた。あらぬ疑いをかけられ怒りを露わにする元上司と思わぬ形で再会した神木だったが、実は神木が臨場した老婆の変死現場からも現金がなくなっていた。折原の現場で検視を担当したのも、やはり安岡。一人現場にこもり、検視と称して現金を奪っているのか?折原は6年前から急に出世し、エリートコースを歩み始めた安岡の経歴に疑問を抱き、無理やり神木を相棒に捜査を開始する。
かつての安岡の同僚によると、安岡は捜査中に被害者宅から金を盗んだと浦辺(赤屋板明)というコンビを組む先輩刑事を告発。退職に追い込んだことがあったという。当時、安岡も盗みに加担していたらしいが、上層部は安岡をヒーロー扱いして事件を幕引き。以後、安岡は出世街道を歩み始めたらしい。
神木と折原が浦辺の行方を追っていると、安岡の他殺体が見つかったという連絡が入る。遺体の顔面は判別がつかない状態だったが、名刺やカードなどから身元が確認されたという。神木は遺体の手首についた不自然な傷を、昔の窃盗罪に対する断手刑の表現ではないかと推理。安岡の窃盗癖を知る人物=浦辺が犯人ではないかと睨む。
神木と折原は島垣に接触。安岡が死亡する少し前、「URA…」と表示された着信相手の電話を受けてから様子がおかしくなったことを知らされる。電話の相手は浦辺で、安岡は浦辺から強請られていたのではないか。そして、耐えられなくなった安岡が反撃に出たところを逆に殺されてしまった…!? 神木らは島垣にも全てを話し協力を取り付ける。
そんなある日、黒川署にやってきた辻井捜査一課長(柳葉敏郎)から呼び出された神木は、過去の活躍を称賛される。現場への異動を刑事課長に進言する辻井を見ながら、神木は折原の仕業だと直感する。
やがて浦辺の財布を持っていた男の遺体が発見された。沼検視官(青山勝)による解剖の結果、死因は急性心筋梗塞と断定されるが、なぜか遺体には腎臓が一つないことがわかる。多額の借金をしていたその男は闇で自分の臓器を売って返済したのではないか?折原はその臓器売買に安岡が関わっていた可能性を示唆する。
そんな折、辻井に呼び出された神木は警察の“膿”を出したいと協力を依頼される。警察の“膿”とは?今回の一連の事件とも関係があるのか?
さらに捜査を続ける神木と折原は、警察内部の闇へ深く入り込んでいく…。
【黒薔薇2 刑事課強行犯係 神木恭子】のネタバレ
浦辺、沼、蔵元殺人犯
島垣雅也
動機
- 浦辺:安岡を自分の都合のいいように扱うため、死んだことにするために浦部を殺害し安岡の身代わりにした
- 沼:臓器売買のことを気付かれたので殺害
- 蔵元:遺産を手に入れるために殺害
島垣雅也殺害犯
辻井幸則
動機
病に侵され半年の命となり、叩き上げであるがゆえにこれ以上の昇進を望めないと考え、島垣に遺産を相続させた上でその遺産を横取りしようとした。全てを暴かれた後に自殺。
最終的な処分
- 安岡:自殺。公表はせず
- 辻井:単独で乗り込み島垣と撃ち合いになって死亡扱い。2階級特進し警視監となる
- 神木:斑目から借りた銃の件については触れられずお咎めなし
島垣の録音も辻井の録音も公表されず、真実は一切世間に知られないまま闇の中。
【黒薔薇2 刑事課強行犯係 神木恭子】の感想
以前放送された【黒薔薇】も面白かったので、楽しみにしていました。今回も面白く、そして貫地谷しほりさん演じるクールな黒薔薇が格好よかったです。感情をあまり表に出さない主人公神木と、全く逆なタイプの折原のコンビというのも面白さの一つです。
警察組織内で悪事を働かれると、隠蔽も色々出来てしまうので、中々尻尾を捕まえ辛いのだと思います。それを、小さな共通点や洞察力で推理する神木と、独自の情報網や行動力で証拠を集めて来る折原。2人が合わされば解決できない事件などないといわんばかりに、深い闇の部分にまでメスを入れていきます。
また、神木と斑目の関係性について、あまり詳しくは描かれないのですが、斑目は神木に想いを寄せているようで協力してくれます。最後、見舞いに来た時に黒薔薇を持って来ますが、折原と話しているのを聞いて花だけ置いて行ってしまいます。そんな役を小沢和義さんが演じているのが、また“らしく”て格好いいです。
島垣が最初は大人しい兄ちゃんかと思いきや、神木に全てを知られてからの豹変は凄かったです。そのキレ具合は目をむき出しにし、言葉使いも荒々しく同じ人物とは思えない迫力でした。以前視聴していた時代劇ドラマの【螢草】で主人公の父親役を演じていた川口さんなのですが、その時は優しい品のある役柄でした。しかし、今回のヤバいぐらいのキレ演技に、やっぱり役者さんとしての底力を感じました。
今回起きた事件の内容と、臓器売買についてどうやってやっていたかなど、ネタバレ前提のまとめをしていきます。
登場人物詳細
今回の事件に関わる登場人物の詳細をまとめました。人物一人一人を見て行くと、なんだかそれぞれ不思議な部分があることが分かります。
安岡章
- 警視庁鑑識課・検視官
- 6年前に突然異例の速さで警部に昇進
- 現在の階級は警視
- 以前緑山署で浦辺とコンビを組んでいた
- 浦辺が被害者宅から金を盗んでいると監察にチクった
安岡は検視する時なぜかいつも他の人物を立ち入らせません。今回も安岡が検視した家から現金が無くなっています。安岡は浦辺に罪を着せて自分は出世しますが、今もどうやら金に手をつけているようです。その後、遺体となって発見されます。
島垣雅也
- 警視庁鑑識課・検視官室係員
- 安岡の運転手として行動を共にしている
- 以前、黒川署で暴力犯係に配属されていた
- 3年前に検視官室へ異動となり安岡の運転手になった
- 蔵元正子という金持ち老人宅の離れに住んでいる
- 蔵元の死後、遺産の半分である5億を相続
安岡と常に行動を共にしていた人物です。安岡の死後、他の検視官のことも当然車で送り届けます。当初は神木たちに協力しますが、何とも胡散臭い人物だということがわかります。
辻井幸則
- 警視庁捜査一課長
- ノンキャリの叩き上げ
- 神木の父に若い頃世話になっていた
- 神木に極秘捜査を命じる
警察内部の膿を出すために協力して欲しいと、度々神木を食事に呼び出して話を聞きます。神木は得た情報を流し、霊安室に隠しカメラの設置を命じられます。その映像は臓器売買の証拠となるような映像でした。
この3人が金を巡ってあれこれしていたというのが、今回の話の真実となります。
事件概要
最初は変死体が検視で殺人ではなく、病死ということで終わることに神木が違和感を覚えて始まります。その後、自宅から金が盗まれたという遺族からの訴えがあり、なんかおかしくない?と徐々に闇に迫っていくことになります。
- 安岡の遺体が見つかる
- 浦辺の遺体が見つかるが人違い
- その遺体に腎臓摘出の痕があった
- ビルから転落した遺体が発見
- 現場を見に行った検視官の沼が死亡
- 若い男性の変死体発見
- 霊安室で隠し撮り
- 折原撃たれる
- 神木単独で坂松組に行く
- 島垣に取引を持ちかける
- 取引現場に辻井が現れる
- そこに折原が登場して助ける
遺体が発見される度に謎に迫っていく感じになっていきます。そして、霊安室での隠し撮り映像の後、折原が撃たれたことで神木の怒りに火がつきます。一人で臓器売買に関わっていると思われる、坂松組へと単身乗り込んで行きます。
最終的には世間に事件は公表されません。全て警察内部で収めてしまいます。代わりに神木もお咎めなしという結果となります。
臓器売買の仕組み
臓器がない遺体が発見された時、安岡の金回りがいいのはもしかして臓器売買をしていたから?という疑惑が出てきます。どういった形でやっていたのか?
ケース1:緑山署署長の息子の場合
- 緑山署の署長の息子が腎不全だった
- 安岡が遺体から臓器を摘出し、闇で移植手術をする
- その後、安岡は昇進し家を購入した
ケース2:霊安室での隠し撮り
- 葬儀社の人間に扮した死んだはずの安岡がやってくる
- 遺体からその場で臓器を摘出
- 遺体を葬儀社が持ち帰る
死んだと思われた安岡は実は生きていました。安岡の遺体と思われていた遺体は実は浦辺でした。しかし、検視もロクに行わずDNA鑑定や歯の治療痕についても調べなかったそうです。そのため、安岡が死んだことになっていました。島垣的には安岡の妻ともできていたし、いいように使えるという一石二鳥だったようです。
このシステムを考えたのは、実は安岡ではなく島垣だということが後でわかります。島垣は医者になりたかったのですが、医大を受験して落ちたため警察官になったそうです。そして、暴力犯にいた時に臓器売買の仕組みを研究したといいます。
そうして考えた仕組みがこうです。
- 検視に向かい丁度いい遺体があったら再検視
- 霊安室で臓器を摘出
- 葬儀屋に遺体を処理させる
- 闇で移植手術
葬儀屋は坂松組と結託して、早々と遺体を焼いてしまいます。臓器が摘出されているとバレないようにするためです。闇で移植手術をするのは、医師免許を剥脱された人物や、国家試験を何度受けても落ちるような人物にやらせます。
こうして考えたシステムを使い、島垣は荒稼ぎをします。ただ、島垣は金持ち老人である蔵元から5億の遺産を相続します。それなのになぜまだ止めないのか?神木が疑問をぶつけます。すると「警察組織にいながら反警察的な事をする。これがいいんだよ!」と、もはや金の部分だけではない喜びに浸っていました。
【黒薔薇2 刑事課強行犯係 神木恭子】のその他気になったこと
- 秘密な話はカラオケボックスでする
- 誰も祝ってくれないので自分で祝う折原
- “スーパー刑事”と呼ばれる神木
- 妙に神木に積極的な島垣は道端で会ってナンパ
- そんな島垣にズバズバもの言う神木
- ゴルフクラブ一本でやっつける神木
- ちょうどいい所に穴が空いているビルの屋上
- 勝手に仲間に入れられて嫌がる神木
- 折原の登場に口開けて驚きすぎな辻井
- 「ウソつきゴリラ」とボソっと言う神木
【黒薔薇2 刑事課強行犯係 神木恭子】のまとめ
警察組織内で悪事を働かれると中々見つかりにくいという話でした。それに気づくまで様々な違和感の積み重ねで、ようやく誰かが気づきます。しかしそれも上層部が揉み消したりすることもあり、世間の知れるところになることはまずないようです。
警察内部としては、膿が出たので問題なしなのでしょうけど、法の執行者である警察が自分たちに甘いのは、世間的にはちょっと納得がいかないと思います。とはいえ、神木のように正義感がある人物がいる限り、警察組織内の闇も暴かれるといったバランスになっているのでしょう。
どんなにピンチになっても、顔色一つ変えずにズバズバ物言う神木が格好いいです。外では全身黒づくめの服装で、自宅でも黒の上下のジャージという黒づくめな神木を斑目は“黒薔薇”と称します。ちょっとVシネマっぽい感じも、ある意味いい味付けになっています。
次回がまたあるのか?いつかは連続ドラマ化するのか?結構面白いドラマなのでまた放送される日を楽しみにしています。