【こもりびと】のネタバレと感想|ブルーハーツの使用された楽曲は何?

スペシャルドラマ
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2020年11月22日に放送されたNHKスペシャルドラマ【こもりびと】のネタバレと感想、キャストやあらすじもまとめました。

いわゆる“8050問題”といわれるひきこもりとその家族についてのドラマで、ひきこもる息子を松山ケンイチさんが演じ、その親を武田鉄矢さんが演じています。

ブルーハーツの歌詞や曲が所々に散りばめられ、使用された楽曲などについても調べました。

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【こもりびと】のキャストとスタッフ

キャスト

倉田雅夫…松山ケンイチ
一夫の次男で40歳
優秀な兄とは違い大学受験も失敗し、後に入った大学を卒業するが正社員になれず
ひきこもる前はファミリーレストランの非正規店長をしていた
父親からのプレッシャーに耐えられず、以来10年以上ひきこもり生活をしている

倉田一夫…武田鉄矢
雅夫の父
元教師で生徒からも慕われていた
雅夫をひきこもりから立ち直らせようとするが諦めていた
しかし、ステージ4の胃がんになり余命宣告をされ、再び立ち直らせようと挑戦する

倉田三咲…北香那
雅夫の姪っ子で一夫の孫
大学4年生で現在就活中だが内定がもらえず何社も受けている

倉田耕平…迫田孝也
雅夫の兄で三咲の父
長期海外出張中に父の病状を知り一時帰国
雅夫とは違い優秀な兄

みどり…根岸季衣
一夫の妹で耕平と雅夫の叔母
雅夫のひきこもり状態を案じて一夫にアドバイスをする

一夫の妻…滝本ゆに
耕平と雅夫の母で故人
体調を崩し雅夫に自宅で介護されていた

スタッフ

  • :羽原大介
  • 音楽:上野耕路
  • 演出:梶原登城
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【こもりびと】のあらすじ

元教師の倉田一夫(武田鉄矢)はある日、病院でステージ4の胃がんだと診断される。余命は半年という医師の見立てに、一夫にはある心配ごとがあった。

それは、息子の雅夫(松山ケンイチ)が自宅で10年以上ひきこもっていることだった。

一度は立ち直らせようと手を尽くした一夫だったが、いっこうに立ち直らない状態に半ば諦めていた。

しかし、自らの余命が少ないことを知り、もう一度息子をひきこもりから立ち直らせようと挑戦が始まる。

姪の三咲(北香那)は雅夫の状態を知り、一夫に協力をすると同時にアドバイスをする。

雅夫のSNSのアカウントを教え、スマホも使ったことのない一夫に、彼をフォローしてSNS上でやりとりをするよう勧める。

頑なに自分の考えややり方を貫いてきた一夫だったが、雅夫の心の叫びを知り次第に考え方が変わり始め……。

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【こもりびと】のネタバレ

ネタバレは3つになります。

  • 一夫の心境の変化
  • 雅夫の過去
  • ドラマの結末

結論から言うと、一夫は亡くなり雅夫はひきこもりをやめます。

親子のすれ違いと葛藤、なぜ彼らはこんなことになってしまったのか?

現代版『積木くずし』のような話です。

1.一夫の心境の変化

三咲に教えてもらったSNS上で雅夫の心境を知り、一夫の心境は徐々に変化をしていきます。

最初は雅夫がひきこもっているのは“甘え”だといっていた一夫ですが、三咲のアドバイスもあり雅夫の気持ちに寄り添い始めました。

雅夫の好きなブルーハーツを自分でも聴き、その歌詞を引用して雅夫を励まします。

さらにひきこもりの親や、ひきこもっていた当事者たちに話を聞きに行きます。

そこで気づいたことがいくつかありました。

  • 当事者を否定しない
  • プレッシャーを与えない
  • そのまま生きていても大丈夫という安心感を与える
  • 責めるのではなく挨拶などの声かけをする

頑張れという言葉などもプレッシャーに値し、とにかく責めるのではなく見守って欲しいという話です。

外に出ようと思ったきっかけは何だったのか?当事者に聞くと両親が変わったと言います。

外に出ようが出ないだろうが、そのままでいいという空気感が親から出て来たということでした。

それを聞いた一夫は、以来、朝の挨拶をするだけにして見守ります。

一夫が雅夫の心に寄り添い始めて見守る

2.雅夫の過去

そもそも雅夫はなぜひきこもることになってしまったのか?それは雅夫の過去にありました。

回想シーンがいくつか差し込まれていくので、それらを集めてまとめるとこうです。

  • 高校を進学校に行くが国立大学の受験を失敗する
  • 大学を卒業した後、正社員になれず契約社員
  • 何十社も受けたが一社も合格しない
  • 母の介護をするために仕事を辞める

その都度、一夫に責められた結果、とうとう心が壊れてしまったのです。

また、兄の耕平は優秀だったため、兄は贔屓されて自分はゴミ扱いされていたと感じていました。

カチナシオというハンドルネームにした理由は、ある日父親に「生きている価値なし!このままだとただのクズだ!」と言われた言葉からだったのです。

そんな雅夫はSNSでパンク先生とやり取りをしているうちに、ある疑念が浮かんで“今夜0時、電車が見える橋から旅立ちます”と書込みをしました。

その書込みを見た一夫がすぐに橋へ向かいます。

雅夫は気づいていたのです。フォロワーのパンク先生は父親だと。だからカマをかけて書きこんだのです。

やっぱりそうだったのかと知った雅夫は、今まで溜め込んでいた怒りをぶちまけます。

自分は生きていちゃダメなのか?父親の期待を裏切るたびにビクビクしていたと。

一夫は一夫なりに家族を大事にしていた、かけがえのない息子だと思っていたと言います。

しかし、すれ違う親子の心の溝は中々埋まりません。

そこで一夫は雅夫に「生きててくれ!それだけでいいから!」と告げますが、そこで吐血し見守っていた三咲に助けられて救急車で運ばれてしまいます。

運ばれていく救急車の中で一夫は後悔します。最後まで父親失格だったと、何もかも遅すぎたんだと。

がんであったことも知らなかった雅夫は、一人で誰もいない自宅へ戻ります。

その後、三咲から電話で父親が息を引き取ったと聞かされました。

和解できずに父親が亡くなる

3.ドラマの結末

父親が亡くなった後、雅夫は父の書いていた日記を読みます。

最初は父が雅夫を理解できず、ただただ愚痴を書いているような内容でした。

しかし、余命宣告を受けてからの日記は違います。今まで雅夫に対しての反省や、雅夫の気持ちに寄り添うような内容に変わります。

ようやく気づいた愚かな父を許して欲しい。君の幸せを願う。日記の最後にはそう書かれていました。

父の葬儀をするのに喪主の長男が海外にいるため、葬儀を遅らせようかと叔母たちが話しています。

すると雅夫が現れて「喪主俺にやらせてよ」と言い出しました。

驚く親戚たちですが、雅夫が喪主で葬儀は執り行われることになります。

葬儀当日、焼香を終えてもまだ雅夫は現れません。

喪主の挨拶の時にもまだ来ないので、省略されそうになったところに雅夫がやってきます。

ヒゲも剃りさっぱりした雅夫は見違えるようでした。

雅夫は慣れないスピーチを自ら書いた言葉で始めます。

  • 父の期待に応えられず動けなかった自分
  • 父は残された時間を自分を支えるために費やした
  • ありがとうの言葉もいえなかった
  • 自分にできることは父の分まで生きること
  • まだ本当に望むものは見つけられていない
  • これからそれを探して生きていきたいと思う

父親についての思い出と感謝、そして希望を胸に生きていくという宣言をします。

不器用ながらも素直な心の内を父の遺影の前でする雅夫。その姿を見て一夫の遺影が笑っていると、三咲は言いました。

雅夫が喪主を務めてひきこもりを脱する

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ブルーハーツの使用された楽曲は何?

ドラマ内でかかる曲は3曲になります。

  • 『スクラップ』
  • 『TOO MUCH PAIN』
  • 『チェインギャング』

それ以外に歌詞が雅夫のSNSで引用されました。つぶやきをそのまま掲載し、それぞれ何の曲か紹介します。

ロクデナシ

役立たずと罵られて 最低と人に言われて
要領よく演技できず 愛想笑いも作れない

・・・・・・まさに俺だなww

スクラップ

誰かが言った がまんするんだ
僕は叫ぼう がまんできない
苦労すれば報われる
そんな言葉は空っぽだ

サイテーな親を持った悲劇をかみしめる。

チェインギャング

なんだかとても苦しいよ
一人ぼっちで構わない
キリストを殺したのは
そんな僕の罪のせいだ

生きているっていうことは
カッコ悪いことかもしれない
死んでしまうということは
とってもみじめなことだろう
だから 親愛なる人よ
その間に ほんの少し
人を愛するってことを
しっかりとつかまえるんだ

情熱の薔薇

何もしていない(爆)

答えはきっと奥の方
心のずっと奥の方
涙はそこからやってくる
心のずっと奥の方

ずっとずっとこんな感じ

人にやさしく

人は誰でも くじけそうになるもの
あぁ 僕だって今だって

めげずにいっしょに頑張っていきましょう

やさしさだけじゃ 人は愛せないから
ああ なぐさめてあげられない
期待はずれの 言葉をいう時に
心の中では ガンバレって言っている
聞こえてほしい あなたにも ガンバレ!

大丈夫。誰だって生きているだけで価値があるんです、ガンバレ!

TOO MUCH PAIN

もう二度と戻ることはないよ
僕はまた一歩踏み出そうとしている
少し怖いけれど
あなたの言葉は遠くもう聞き取れない
何かがはじけ飛び散った
TOO MUCH PAIN

今夜0時、電車が見える橋から旅立ちます。

ちなみに雅夫の一推しの曲は『TOO MUCH PAIN』です。

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【こもりびと】のまとめと感想

ひきこもりの息子と親の葛藤を描いたドラマでした。

全国に100万人ひきこもりの人がいて、そのうち半分以上が中高年だとドラマ内で言います。

いわゆる“8050問題”という80歳の親と50歳の子供の抱える問題として、世間でも話題になっていたニュースです。

一夫が当事者たちに話を聞くシーンは、もしかしたら実際にひきこもっていた人たちなのか、妙に説得力のあるシーンでした。

頑張れば頑張っただけ成果を得られた世代の親と、大学を出ても就職氷河期にあい、就職したとしてもリストラされる子供との世代間ギャップがあります。

そのため親は働かずにいる子供を責め、それに耐えられなくなった子供がひきこもるという悪循環です。

両親の期待に応えられなければ、子供は生きている価値はないのか?といったことを考えさせられます。

親の立場、子供の立場と両方から様々な意見があると思います。

自分は大切な人が悩み立ち止まっている時、責めるのではなく寄り添える人でありたいと思いました。

【こもりびと】のいいセリフ

雅夫、父は君の幸せを願う。自分が正しいと思う人生を歩み、自分らしい幸せを手に入れてほしい。

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