【緊急取調室5】4話のネタバレと感想|死のパパ活女子のついた嘘

緊急取調室 2025秋ドラマ
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【緊急取調室 5th SEASON】4話「漆黒の記憶」のネタバレと感想をまとめています。

日本最年少の女性死刑囚・佐藤礼奈が、さらにもう1人殺したのを思い出したと告白し、キントリが聴取を担当することになった。ふざけた態度で大人たちを手玉に取る礼奈、誰を殺したのかも曖昧な供述を続ける。なんのために彼女は告白したのか?今シーズン屈指の印象的な回です。

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【緊急取調室5】4話のあらすじ

1家4人を放火殺人した罪で逮捕起訴され、24歳で死刑が確定した日本最年少の女性死刑囚・佐藤礼奈(大原櫻子)は、弁護人の清原美香(高岡早紀)にもう1人殺したのを思い出したと告白していた。「死のパパ活女子」という異名を持つ礼奈は、その容姿のよさから死刑囚でありながらファンもいた。

緊急取調室で預かる事案となり、真壁有希子(天海祐希)と玉垣松夫(塚地武雅)が聴取を担当するが、礼奈はふざけた態度で曖昧な供述を続ける。ついに玉垣は挑発に乗って怒り出す有様だった。だが、珍しく菱本進(でんでん)が自ら名乗り出て聴取を代わる。

礼奈の供述は果たして本当なのか?そしてなんのために告白をしたのか?有希子たちは彼女たちの嘘を見破るが……。

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【緊急取調室5】4話のネタバレ

弁護人の清原美香は礼奈の死刑が確定してから弁護を担当し、礼奈に自分の依頼人の代わりに罪を被ってもらえないかと持ちかける。それは歯科医の秋本が死んだ事件だった。礼奈は面白そうだと引き受け、そして殺人を告白する。

しかし、礼奈は最初から美香が秋本を殺したと分かっていた。裏切るつもりで話に乗ったふりをし、聴取を受けている途中で有希子たちに明かす。その結果、美香は逮捕された。

心が分かる子なのになぜ放火殺人なんて犯したんだと、菱本が礼奈にきくと、彼女はパパ活で知り合った不倫相手を本気で好きになってしまったからだという。礼奈は祖父の死後、生きていくためにパパ活を始め、知り合った男が祖父に似ていて好きになってしまった。

ある日、相手の妻が手切れ金を持ってやってきて、勝ち誇ったように自分たちはこれから伊豆にキャンプに行くんだと語った。諦め切れなかった礼奈はキャンプ場まで行き、ちょっと驚かすつもりで火をつけたら全員死んでしまったという。

彼女に殺意はなかった。なぜそれを裁判で言わなかったんだと悔やむ菱本に礼奈は、祖父からの教えで人に迷惑かけたらいい訳してはいけないという教えを守ったからだという。

礼奈は幼い頃に両親が離婚し、引き取った母親も男を作って礼奈を置いていく。礼奈は置いていかないでと追いすがると、母親は礼奈を振り払う。その時、礼奈は橋から落っこちそうになり、母親のスカートの裾を掴んだ。すると母親の男が礼奈を蹴っ飛ばして川に突き落とした。母親は助けるでもそのまま男と消えた。それを見た祖父は急いで川に助けに入り、礼奈を救出した。礼奈は祖父だけが自分を助けてくれたという。

今からでも再審請求はできるという有希子だが礼奈は「馬鹿なフリしなきゃ生きていけない世界に未練なんてないから」といい、もう少し早く刑事さんたちのような人に会えたら、人を殺さずに済んだのかもねと涙に濡れた目のまま笑った。有希子と菱本はそんな彼女に何も言えず、悔しさと悲しみが入り混じった目で彼女を見るしかなかった。

死刑囚の告白

8月7日。佐藤礼奈(大原櫻子)は、日本の女性として最年少で死刑判決を受けた囚人であり、放火によって4人を殺害したとされている。事件の凄惨さとは裏腹に、その外見の良さから一定のファン層まで存在していた。

そんな礼奈が、いまになって新たな供述を口にした。「もう1人殺したのを思い出した」と弁護士に告げたというのだ。たとえ礼奈が何十人殺していたとしても、死刑は1度しか執行されない。しかし、それでも罪は罪であり、被害者のためには追及するしかないという判断が下る。礼奈の弁護人である清原美香(高岡早紀)も聴取に立ち会うため現場に姿を見せた。

取調を担当したのは玉垣松夫(塚地武雅)と真壁有希子(天海祐希)だった。礼奈は終始ふざけたような態度を取り、確かに「殺したことは思い出した」と言いながらも、誰をどこで殺したのかは思い出せないと曖昧な返答を続けた。その様子を見ていた梶山勝利(田中哲司)は、家族のいない礼奈が誰かと話したいがために話をでっち上げたのではないかと疑念を抱くのだった。

死刑に至るまで

一方、小石川春夫(小日向文世)は美香と向かい合い、礼奈について詳しく尋ねていた。死刑に至った経緯を確認するためである。

礼奈は2019年から2023年にかけて、SNSのパパ活アプリで知り合った複数の男性からデート代として総額1200万円以上を受け取っていた。その中のひとり、帝都大学工学部の准教授・五十嵐勇作(岸田研二)が家族と訪れていたグランピング施設に放火し、五十嵐と妻、2人の子供を死亡させた。動機はデートの報酬を値下げされたことへの不満だったという。

礼奈は法廷においても「ケチな男は死んだほうがいいと思いました」と発言し、社会に大きな衝撃を与えた。結果として一審では、情状酌量の余地なしとされ、死刑が言い渡された。両親は離婚し、母親は別の男と姿を消したため、礼奈は年老いた祖父に育てられた。彼女自身は控訴を行わず、判決は確定している。

美香が弁護人となったのは、その確定後のことだった。礼奈は控訴を勧めた前任の弁護士を解雇しており、美香はその経緯を知って礼奈に手紙を書いた。年に一度、金にならない刑事事件を引き受けて初心を確かめる──それが美香の弁護士としての原点でもあった。

殺した相手

礼奈が「思い出した」と語ったのは、美香と面会した日の朝だった。スカートの裾を掴まれた感触がよみがえり、落ちていく男の姿も記憶に浮かんだという。自分が突き落としたと礼奈は淡々と語り、子供の頃に水路へ突き落とした時と同じ音がしたとも付け加えた。

水の色は黒く、場所はダムだったと述べる。赤池ダムの監視台の近くから男を突き落としたという供述を受け、現地には監物大二郎(鈴木浩介)と渡辺鉄次(速水もこみち)が向かうことになった。

相手の男は若くはなかった、と礼奈は続ける。反省したところで死んだ人間は生き返らない──そんな投げやりな姿勢に、玉垣は徐々に翻弄され、ついに感情を揺さぶられてしまい交代を命じられた。そこへ菱本進(でんでん)が自ら聴取を志願する。

菱本による聞き取りで、礼奈は祖父が死んでからパパ活を始めたと語った。生活に困り金がなくなったからだという。また、控訴を勧め続けた前任弁護士を解任した理由については、「君を救いたい」と押しつけがましかったのが鬱陶しかったからだと話した。美香にだけもう1つの殺人を告白した理由を問われると、彼女は「まあね」と曖昧に答える。

8時間を過ぎたため、美香は礼奈の解放を求めた。聴取は翌日に持ち越すこととなったが、その直後、礼奈は突然「アキヤマという歯科医だ」と言い出す。しかし梶山は、これ以上の聴取は不適切と判断し、打ち切りを指示した。

菱本の後悔

赤池ダムは明後日に放水を予定していた。梶山は遺体流出の可能性を懸念し、放水の延期を求めるが、国交省の許可が必要だと言われる。そこで梶山は磐城和久(大倉孝二)に掛け合いを頼み、結果として放水延期が決定した。遺体が見つかるかは不明だが、供述が事実かどうかを確かめる手がかりにはなると菱本は言う。

その菱本の様子を見て、周囲は何があったのか話すよう促した。やがて菱本は語り始める。30年前、四課に所属していたころのことだ。あるヤクザの情婦のひとりに、当時24歳の若い女がいた。菱本は「こんなかわいい子がヤクザの食い物になるのは許せない」と思い、何とか救い出そうとしたが、彼女本人は男に惚れていると言い、どうにもならなかった。そしてその女は抗争に巻き込まれて死んだ。

有希子は礼奈とその子を重ねたのかと問う。菱本は、あの時諦めたことが刑事としての大きな失敗だったと今でも悔やんでいると語り、「今度は最後まで付き合いたい」と続けた。有希子も、礼奈にはまだ何か隠しているように思えてならなかった。

遺体発見

8月8日。行方不明になっている歯科医師の情報を調べたところ、「アキヤマ」では該当者が見つからなかった。しかし苗字の似た人物を洗い直した結果、2018年8月に港区で歯科医院を開業していた秋本重信(小野アキヒロ)という歯科医師が失踪している事実に行き当たる。高額インプラントの医療ミスを巡り患者とトラブルになり、その後に姿を消したまま現在も行方不明のままだった。

その矢先、監物から赤池ダムの底から白骨遺体が見つかったとの連絡が入る。全ての骨が揃っておらず、遺留品も確認されていないが、死後7~8年以上が経過していると見られる。梶山は発見された遺体を秋本との身元照合に回すよう指示した。

聴取は小石川が担当することになった。梶山は菱本が私情を挟む可能性を避けたかった。小石川は礼奈に「アキヤマ」の件を問いただす。礼奈は相手が金を渋り、最後は1円も払わないと言ったため殺したのだと語る。

そこへ清原が面会を申し込み、聴取はいったん中断された。立ち会いができない状況の中で、清原は礼奈に面会して「心配している」と言葉をかけつつ、小石川と有希子に対して警戒を怠るなと忠告する。そして礼奈が小声で「例のことは大丈夫?」と尋ねると、清原は「もちろんよ」と即答した。

供述の矛盾

全員で聴取映像を見返す中、有紀子が最初に違和感を口にした。「報酬」という言い方が引っかかるというのだ。梶山も、咄嗟の犯行であるはずなのに、2時間もかかるダムまで被害者を呼び出したという供述が不自然だと指摘する。

さらに小石川は、礼奈が「なんだっけ?」と曖昧に言った場面に注目した。まるで自分の記憶ではなく、他人事のように語っているように見えたからだ。多くの男性と会っていたとはいえ、実際に殺した男の名前を間違えるだろうか──有紀子も疑問を深める。

菱本はダムで見つかった白骨遺体を、礼奈が殺害したとは思えないと断言する。そして有紀子は、礼奈がパパ活を始めたのが6年前の2019年3月で、秋本医師が失踪したのは2018年8月であることに気づく。もし白骨遺体が秋本のものなら、時期が完全に矛盾する。礼奈は犯人ではあり得ない

では、なぜ礼奈は存在すら知らないはずの遺体の場所を言い当てたのか。そして、死刑囚となった今になって、なぜ新たな殺人を告白したのか。誰もがその理由を測りかねていた。

嘘の暴露

礼奈への再聴取が行われた。礼奈は、歯科医の男が誰かとトラブルになっていたと話す。電話が何度もかかってきて言い争っていたことから、相手は女ではないかと言う。そこへモツナベから報告が入り、ダムで見つかった白骨遺体の歯型と秋本の歯型が一致したことが判明した。秋本はインプラント手術の失敗で患者から訴えられていたが、その訴訟を担当していたのは、以前清原美香が所属していた法律事務所だった

有紀子は、美香に立ち会いを許可する旨を伝えたうえで、遺体が見つかったこと、秋本ではないかと思われることを礼奈に話す。さらに、どうやってダムへ行ったのかと質問するが礼奈は黙り込み、供述の信憑性に疑いが生じる。ここで美香が口を挟み、「電車で行ったことを言ったほうがいい」と助言めいた言葉をかける。

しかし秋本が殺害されたのは礼奈が17歳の時で、会っていたというのは時期的に無理がある──有紀子がそう指摘すると、美香は「礼奈はその頃からパパ活まがいのことをしていた」と主張した。これに小石川は、立ち会いを求めたのは礼奈に“都合の良い供述”をさせるためではないかと疑念を示す。

聴取はここまでと切り上げようとする美香。その瞬間、礼奈が声を上げる。「先生…アウトだよ!この人たち、わかっちゃってる」続けて、礼奈は「清原先生に頼まれて――」と口にしてしまう。小石川らが動揺する中、美香は表情を固くし、聴取の場を乱さないよう連れ出された。

真の殺人犯

梶山の指示で菱本が取調室へ入るなり、静かに礼奈へ語りかけた。「礼奈ちゃん、もうお芝居はやめたらどうだい」その瞬間、空気が変わった。最初から美香を裏切るつもりだったのではないか──有紀子はそう推測する。秋本を“アキヤマ”と言い間違えたのも、嘘であることを気づかせるためだったのではないかと続けた。

礼奈は語り始めた。美香と3回目に面会したとき、「人助けしてみない?」と言われたという。美香は自分の依頼人である女の話を持ちかけた。若い女性で悪徳な男に襲われ恐喝までされて、逃げようとした際に誤ってその男を殺してしまった。彼女は美香のもとへ相談に来たが、助けるには証言が必要だった。

そこで美香は礼奈に提案したという。あなたはすでに刑が確定している。他の殺人を告白してもこれ以上の刑は加算されない。彼女のために殺したと名乗ってくれないか。引き受けてくれたら彼女は深く感謝し、あなたの死刑が執行されれば悲しんでくれる。

さらに、あなたの人生を書籍化して出版したい。売り上げは被害者遺族に届ける。そうすればあなたは見直されるんじゃないか──。その誘いに、礼奈は心を動かされたのだと言う。

小石川は、美香に対して直接問いただした。本当にそんな依頼をしたのか、と。玉垣も続けて「相談に来た若い女性とは誰なのか」と問い、さらに小石川は「その女が秋本を殺したというのは事実なのか」と追及した。

殺人の真相

礼奈は問いに「嘘だと思うよ。先生が自分で殺したんじゃない?」と淡々と返した。その言葉は核心を突いており、むしろ礼奈は最初から美香を見抜いていたようだった。

そのことを美香に伝えると、美香は突然「私は被害者です。秋本に脅されていたんです」と声を震わせて主張し始める。話によれば、秋本とは偶然出会い、酒を飲んでいるうちに酔ってしまい、まるで関係を持ったかのように見える写真を撮られ、金銭を要求されたという。

そこで美香は秋本を赤池ダムに呼び出し、自ら突き落とした。しかし後にダムの補強工事が行われると知り、遺体が発見されることを恐れた美香は、礼奈に罪をかぶせようと考えた、というのが真相だった。

玉垣は怒りを抑えきれず、声を荒げる。「これだけは言わせてほしい。どうせ死刑だから何人殺しても同じだなんて…あなたは弁護士なのに、人の命の重さをこれっぽっちもわかっていない!」

小石川も続けて激しい言葉を投げつける。「情けない。あなたこそ依頼人の人権を踏みにじっているじゃないですか!」その場の空気は張りつめ、美香の企みは完全に崩れ去っていった。

生きるため

美香の企みに気づいたあと、礼奈は静かに吐き捨てるように言った。「あいつ、礼奈が馬鹿だから丸め込めると思ってたんだよ」だが礼奈にとって“馬鹿なふり”は生きる術だった

「馬鹿なふりは生きるため。地位や金のある男ほど、馬鹿な女と遊びたがる。だから手っ取り早く稼ぐには、馬鹿になるのが一番だったの」その言葉を聞いた菱本は、胸の奥に刺さる違和感と痛みを抱えながら問いかけた。

「そこまで人の心がわかる君が、なぜ放火なんてした?どうして家族ごと殺すようなひどいことをした?」その瞬間、礼奈の表情が大きく歪む。机を拳で叩きつけ、叫んだ。「好きだったんだよ、本気で!」

彼女は続けた。亡くなった五十嵐のことを、本気で愛していたのだと。年は離れていたが、祖父に少し似ていたからか、とても幸せだったと語る。

しかし、ある日──妻の万智子(山田キヌヲ)が礼奈の前に現れた。「夫はここへは参りません。100万円入っています。十分でしょ」そう言って封筒を差し出した。礼奈が突き返すと、万智子は表情ひとつ変えず言い放った。夫は教授になれるかどうかの大事な時期で、もう二度と会わないつもりだ、と。

そして、とどめを刺すように続けた。「明日から伊豆へキャンプに行きます。夫は私たちに綺麗なホタルを見せたいそうです。大人しく手を引いてください。私が訴えたら、あなたが支払うことになりますから」そう言い残し、100万円の入った封筒を置いて立ち去ったのだった。

祖父の教え

礼奈は諦めきれず、万智子から聞いた情報を頼りに伊豆へ向かい、家族がキャンプをしている場所を突き止めた。そこにいた五十嵐は、見たこともないほど幸せそうな顔をしていたという。その表情を見た瞬間、礼奈は「驚かせて邪魔してやりたくなった」と語った。

「殺す気はなかったってこと?」と有紀子が問う。「なんでそれを裁判で言わなかったんだ。死刑を免れたかもしれないのに」と菱本は悔しさを押し殺せず問い詰める。

礼奈は答えた。「おじいちゃんに言われてたんだよ。人様に迷惑かけたときは、言い訳するなっておじいちゃんはあたしを助けてくれた、たった1人の人だったから。言うこときかなきゃ…」

礼奈の記憶は、母親に見捨てられた日の場面に戻る。母を追いかけた幼い礼奈は、橋の上で振り切られ、川に落ちかけた。必死に母のスカートの裾にしがみついたが、母親の男が現れ、礼奈を蹴り落とした。それを見た祖父は迷わず川へ入り、礼奈を助け出した。「スカートにしがみついたのは、あたしだよ…」礼奈は涙をこぼしてそう言った

菱本は「生きて償う方法を考えて欲しい。何かできることはないか?」と訴えるが、礼奈は泣き笑いしながら答える。「裁判は終わっちゃったって知ってるっしょ?」しかし有紀子は、まだ終わりではないと告げる。「今からでも再審請求はできる。本当の意味で正しく裁かれるべきじゃないの?罪を償ってほしい」

それに対し礼奈は叫ぶ。「あたしは人殺しなんだよ!みんなに憎まれて死ぬしかない。泣くのも許されない。大丈夫、馬鹿なフリしなきゃ生きていけない世界に未練なんてないから」そしてふっと微笑んだ。「もうちょっと早く刑事さんみたいな人たちに会ってたら、人を殺さずに済んだのかな…なんてね、フフッ」

菱本も有紀子も、それ以上言葉を返せなかった。ただ切なげに、彼女を見つめることしかできなかった。

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【緊急取調室5】4話の結末

捜査の結果、美香が秋本を殺害した決定的な証拠が揃い、逮捕・送致となった。監物は納得がいかない様子でつぶやく。「地位も名誉もある優秀な弁護士だったのに、なんで脅されたくらいで殺したんだ?」

有紀子は静かに答えた。「だからじゃない?清原弁護士はいつも真っ白なスーツを着ていた。秋本に強請られた自分が許せなかったんじゃないかな。人生のわずかな染みも、消したかったんだと思う

梶山は皮肉を含んだ表情で言う。「そして佐藤礼奈は、どんな染みも隠してしまうような黒い服を着ていた。皮肉なもんだな」

小石川は、ふと自嘲しながら「犯罪が起こった後にしか動けない俺たちに、一体何ができるんだろうね」とこぼし、菱本は「わかんねえや…」と礼奈のことを思い力なく呟いた。

その後、有紀子は礼奈の面会に向かった。礼奈は以前より落ち着いた表情で、最近は読書にハマっていると語る。「今度差し入れするね」と会話が続く夢を見た。

有希子はうたた寝から意識を取り戻し、テープのラベルを見る。「死のパパ活女子」と書かれた見出しは既に線が引かれていた。そして「死刑囚の」と書き直す。しかし、その言葉もまたペンで静かに消し去り、何も書けずに黄昏れた。

黒い服の奥に隠れていたものを、どう言葉にすればよかったのだろうか──。

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【緊急取調室5】4話のまとめと感想

死刑が確定した死刑囚に罪を被ってもらおうとしたが見抜かれ、死刑囚は唯一の恩人である祖父の教えを守って刑を受け入れたという話でした。

個人的に非常に今後も印象に残る回です。誰も彼女を救うことはできず、彼女は唯一救ってくれた祖父の教えに殉ずるという、後味の悪いやるせない回です。それゆえにいつまでも胸に突き刺さります。

礼奈を大原さんが演じているせいで、パパ活以上にもっとお金が稼げそうな仕事につけるのではと思ってしまいますが、礼奈は生きていくためにパパ活を選びました。そしてバカのふりをし続けました。

大原さんの瞬時に人が変わったように泣いたり笑ったりする演技に、もはやこっちの感情が置いていかれそうです。やっぱり役者さんです。

弁護士役の高岡さんの、彼女単体の話も見たかったなと思います。個人的にキントリに出て欲しい女優さんの一人でした。

また礼奈の「ええ~」という言い方が耳に残り、思わず真似して遊びたくなるキラーフレーズです。そんな意味でも印象的な回でした。

【緊急取調室5】4話のテープラベル

「死のパパ活女子」「死刑囚の」

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