医大生の事件の被疑者である藤井卓生と、北山未亜は過去にあった災害事故から救出された人たちでした。2人と救出した人物との関係、それらがどう結びついて同級生殺害事件に発展するのか?そして梶山はどうなってしまうのか?謎だらけの回でした。
緊急取調室概要
9話ゲスト
- 染谷巌(吉田鋼太郎)
- 北山未亜(吉川愛)
- 藤井卓生(坂東龍汰)
前回はこちら
あらすじ
かつて真壁有希子(天海祐希)ら「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」が取り調べ担当に手を挙げるも、却下されてしまった事件が再び動き出した! それは、医大生・藤井卓生(坂東龍汰)が同級生を刺殺したと目される事件。藤井が容疑を否認し続けたため、取り調べが中止された事件だった。だがその後、事件発生時に「やめろ、藤井」という被害者の声を聞いた人物の存在が明るみになり、警視庁は藤井の逮捕を決定。キントリに対し、彼を48時間以内に落として送検するよう命じたのだ。
実はこの事件、キントリが自供を引き出せなかった連続殺人事件の被告人・北山未亜(吉川愛)との関連性が疑われていた…。藤井が未亜とSNSで連絡を取り合っていたことが判明したからだ。その事実を知ったキントリは一丸となり、「今度こそ必ず落とす!」と奮起。だが、刑事部部長・磐城和久(大倉孝二)は無情にも、この事件を最後にキントリの構成メンバーが正式変更されることを告げ…!?
現キントリがまさに背水の陣へと追い込まれる中、有希子は未亜と藤井をつなぐ“もうひとつの接点”を見つける。その接点とは3年前に発生した豪雨災害――。当時、2人は土砂崩れによってキャンプ場に隔離されてしまったが、地元中学の校長・染谷巌(吉田鋼太郎)によって救出されていたのだ! 有希子らは藁にもすがる思いで染谷のもとを訪問。ところが、3年前の経験をもとに定年後は防災講義に勤しんでいるという染谷は、未亜と藤井の現在について何も知らないようで…。
その矢先、藤井が留置場で暴れ、大怪我を負うという騒動が発生! しかも、藤井は有希子らに対し、これまでの捜査を180度覆すうような“不穏な一言”を発する――。
公式HPから引用
感想
医大生殺害事件の被疑者である藤井を逮捕し、取調べを始めますが基本的に「やってません」しか言いません。未亜は既に起訴されているので小菅へ移されていて、再度聴取するのもままならない状態です。そんな2人はSNSを通じて連絡を取っていたということはわかりますが、どういった知り合いなのかは最初わかりませんでした。
しかし、所轄で集めた資料を全て調べると2人の接点がわかります。それは、尾鷹山の伊弉冉沢の土砂崩れでキャンプ場が陸の孤島になった時、ロッジから救出された人たちの中に2人がいたのです。2人を結ぶ接点は見つかったものの、これがなぜ同級生殺害事件に発展するのか?それは残念ながら、今回の話では解明されませんでした。次週最終回で全てが明らかになります。
それぞれの事件と災害事故について、改めてまとめてみました。
北山未亜の事件
相変わらず毒を吐きまくる未亜なので、取り調べも難航します。
- 恵比寿ホテル内薬物使用殺人事件
- 発生日時:2019年4月11日20時10分
- 発生場所:東京都渋谷区恵比寿南 オーバルックホテルで行われた高校同窓会において
- 被害者:計3名※全員北山未亜と同級生
- 被告人:北山未亜(21)関東創世大学中退
- 使用した毒物はオレアンドリン系の毒物
- 同窓会の席上でポットのコーヒーに混入
未亜はすでに起訴されています。よって“被告人”となっています。染谷に救助してもらったらしいのですが、後に染谷と会ったときに崖から落ちて、木に捕まっている染谷の手を踏めと藤井に命じます。そして染谷が死ななかったから、私の同級生が3人死んだと未亜は言います。
有希子もなぜ繋がるのかわからず、どうしても知りたいなら頭下げろと言われてお願いします。しかし、未亜はそんな頼み方じゃ足りないと「ここで手をついて頭を下げろ!」と大声で言います。有希子は果たして頭を下げるのか?というところで、この回が終わります。
藤井卓生の事件
刺殺ということですが、凶器はまだ見つかってません。また、藤井は一貫して否認をします。
- 城北医科大内男子学生殺人事件
- 発生日時:2019年5月26日14時6分
- 発生場所:東京都江東区豊洲北 城北医科大において
- 被害者:田山修二(19)藤井卓生と同級生
- 被疑者:藤井卓生(19)犯行を否認
- 殺害以前に藤井は被害者と揉めていた
- 守衛が「やめろ、藤井」という声を聞いた
こちらの事件については、さらに被害者の解剖結果もあります。
解剖結果報告書
- 被疑者:不詳
- 被害者:氏名 田山修二 2000年5月4日生(19歳)
- 解剖日時:2019年5月26日 午後8時00分から午後11時30分までの間
- 解剖場所:光陽大学医学部 法医学教室
- 執刀医:上記法医学部教室 教授 桃井順
- 解剖結果(所見)
- 喉仏から約2.5cm下に深さ約56mm厚さ0.6mmの刺創痕。
- 大量出血により顔面は蒼白で縮瞳がみられる。
- 凶器は医学部解剖実習で用いられる解剖メス(刃長60mm刃厚0.6mm)に非常に酷似していると推測する。
- 死因:刺創による失血死
- 参考:血液型ABO式でO型
この報告書で凶器が解剖用のメスではないか?と推測されますが、梶山は山男の血が騒いでカラビナナイフも形状が似ていると言います。
取調べでは全く供述を得られず留置所に戻すと暴れ出し、病院へと移送されます。そこでモツナベの2人が聞き込みにいきますが、「どうせ…僕は殺されるから…」と謎の発言をします。その理由を聞き出す前に医者に止められてしまい、結局誰に殺されると思っているのかはわかりません。
尾鷹山の豪雨災害
尾鷹山で豪雨がありいざなみ沢が土砂崩れを起こし、ロッジにいた8人が孤立する災害が過去に起きています。この時の救出者の中に藤井と未亜の2人の名前がありました。
尾鷹山いざなみ沢の土砂崩れ 豪雨で8人が孤立して2人死亡
東京都八王子市尾鷹町伊弉冉沢(いざなみ沢)で1日、豪雨の影響で複数の土砂崩れが起きた。町によると、尾鷹山の登山ルートへ向かう入り口からいざなみ沢にかけて数か所で土砂崩れが発生し、当時、登山届けを提出していた27人、そしていざなみ沢のキャンプ場でバーベキューを行っていた20名近くが避難した。
この影響で沢に来ていた8人が連絡が取れず、安否不明として110番があった。都は午後9時、陸上自衛隊に災害派遣要請をした。深夜にかけて雨量は増していき、捜索は困難を極めた。周辺では土砂崩れや道路陥没が起きて陸路で近づけないため、町は都と協議し、2日早朝に都のヘリコプターで救助することを決めた。
避難者の一人である尾鷹中学校長、染谷巌さんにより一人ずつ高台へ救助されたが、その途中でロッジが流され、救出途中であった染谷さんの妻である染谷絹江さん(58)と向井はるかさん(43)が、亡くなった。救出された6人の中の1人は右足を骨折しており、5人が低体温症とみられる症状を訴えている。
救出された6人は以下のとおり。
八王子市尾鷹中学校校長、染谷巌さん(59)
ドラマ内から引用
都内塾講師、今田和彦さん(36)
都内大学1年生、北山未亜さん(18)
都内高校1年生、藤井卓生さん(15)
都内専業主婦、大原恵さん(33)と
長男の、大原雄一君(5)
この時、今回の染谷の証言では、妻と教え子の人が未亜と藤井を先に助けてあげてと順番を譲ったようです。そして藤井が助け出された後、ロッジが流されてしまい2人はそのまま亡くなってしまいます。
そんな未亜と藤井は後に染谷に会いに行きますが、亡くなった2人に対して手を合わせて欲しいという染谷に、「いつまでも感謝なんかできない」と、未亜が面倒くさそうに言います。この災害のときに何かがあったのは間違いなく、主に染谷が話していたことは嘘なのだと思います。しかし、今回ではそこまではわかりません。
春さんのメンバー評
直接刑事部長と春さんが話すシーンが、個人的に今回一番面白かったです。その中で、春さんが各メンバーについて感じていることを言います。
- 梶山:出世欲が強いくせに冷酷になれない
- 菱本:荒っぽいようで実は細やかに人の心を読み取る
- 玉垣:刑事が忘れがちな普通の市民感覚を持っている
- 真壁:危なっかしくて見ていられないくらい真っ直ぐ
そして責任を取れるのか?と部長に言われ、キッパリ「取れません。一兵卒ですから」と言います。さらに「あなたが取るんです。うらやましいですよ、責任を取れる立場におられるなんて」と言います。この時の春さんの静かながらも有無を言わせない迫力は、見ていてゾクゾクしました。
その後、玉垣が「チームに途中参加の僕としてはうらやましい」と菱本に言うと「タマちゃんも俺の大切な仲間だ」と言い、玉垣は嬉しそうな顔をします。
その他気になったこと
- 早めの「うぇーい」
- クソ垣と未亜に言われる玉垣
- クソ垣でも医大に行けばモテるかもよ?と未亜に言われる玉垣
- キントリに差し入れに来るしんじとかやの
- 未亜に不倫顔していると言われる春さん
- 崖からの身の投げ方が変な染谷
ドラマの補足
未亜が使用したと言われているオレアンドリンという、毒物が含まれているキョウチクトウとはどんな植物なのか?調べてみました。
キョウチクトウとは?
- 葉がタケに似ていて、花が桃に似ている理由でついた和名
- 元はインド原産で中国を経て江戸時代中期に日本に伝来
- 花は6月~9月まで開花
- 花の色もピンク、黄色、白など多数の園芸品種がある
- 花、葉、枝、根、果実と周辺の土壌にも毒性がある
- 生木を燃やした煙も毒
- 中毒症状は嘔気・嘔吐、四肢脱力、倦怠感、下痢、非回転性めまい、腹痛など
- オレアンドリンなど様々な強心配糖体が含まれており、強心作用がある
オレアンドリンとは?
梶山が言っている通りに、キョウチクトウにはオレアンドリンが含まれてます。致死量が青酸カリは150~300mg/kgに対し、オレアンドリンは0.30mg/kgで青酸カリを大きく上回ります。1時間以内に症状が出るという即効性もあり、かなり毒性が強い物質となります。
まとめ
今回のキントリは前後編の2話構成となっていました。別々の事件がどうやって繋がるのか?来週には全てスッキリ解明されるのを今からわくわくしています。そして梶山が死亡フラグっぽいことを言いまくっていたら、やっぱり安否不明な状態となります。キントリ最後の事件と冒頭から煽られ、梶山死亡の上にメンバー総とっかえなんてことが起きるのか?それらも含めて最終回が楽しみなキントリでした。